聲の形(こえのかたち)のネタバレ解説・考察まとめ
『聲の形』(英題:「A Silent Voice」)とは、大今良時が2013年に『週刊少年マガジン』にて連載を開始し2014年に完結した漫画、およびそれを原作としたアニメーション映画作品である。小学生時代に聴覚障害の少女に行ったいじめのせいで自らも孤立した主人公が、高校生になって再会した少女へ償いをする物語。主人公と少女、さらに2人の同級生や家族たちの、苦しみや再生の様子が描かれている。
川井みき「自分のダメなところも愛して前に進むの そう…たとえば 自分はかわいいって…かわいいんだって…思うの… だってそうしないと 死んじゃいたくなる…」
第6巻48話に登場する。
将也が昏睡状態に陥っていた最中、学校のクラスで代表を自負する川井は将也のために千羽鶴を折ることを提案する。しかしこれが他のクラスメイトから顰蹙を買っていることを目撃しショックを受けてしまう。
そのような中、川井は真柴と共に将也のお見舞いに向かう。するとそこで硝子と出くわす。ここで硝子は「みんなで映画作りを再開しませんか?」というメモを見せる。これに対し川井は硝子の頬を叩き「そんなことしている場合ではない、今みんな苦しんでいるんだよ」と答え今度は硝子をハグする。ここで先の顰蹙を思い出す。気持ち悪がられている自分を思い出しながら硝子にいう言葉が「自分のダメなところも愛して前に進むの そう…たとえば 自分はかわいいって…かわいいんだって…思うの… だってそうしないと 死んじゃいたくなる…」である。
『聲の形』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
原作者:大今良時
1989年3月15日、岐阜県生まれ。『聲の形』で第80回週刊少年マガジン新人漫画賞に受賞。
当初雑誌への掲載が予定されていたが「聴覚障害」「いじめ」といったテーマを理由に、編集部の判断で延期となる。
連載デビューとなったのは、2009年の『マルドゥック・スクランブル』(原作:冲方丁、全7巻)。
2作目となる『聲の形』で、2015年版「このマンガがすごい!」オトコ編1位、「マンガ大賞2015」3位、第19回「手塚治虫文化賞」新生賞を受賞する。
『聲の形』の連載、映画化までの道のり
『別冊少年マガジン』での読み切り
新人賞に入選した時点で『聲の形』は「聴覚障害」「いじめ」といったテーマに挙げられたことを理由に雑誌掲載がされなかった。しかし、前作『マルデゥック・スクランブル』が好評であったこともあり、編集部はなんとか今回の『聲の形』を載せたいと考え、法務部や弁護士、全日本ろうあ連盟などの各方面と話し合いを重ね、2011年にデビュー版として『聲の形』掲載に至る。
その反響はすさまじく、読み切りを掲載した号の売り上げが伸び、読者アンケートでも人気連載を抑え1位となる。Twitterでも編集部や読者の呟きが話題となる。
しかし、2013年にリメイクした連載用『聲の形』が制作された際には、編集部の連載会議にて連載は不可の判断が下される。それでも編集長が「試しに読み切りで」と推薦し、まず読み切りの形で決定。「連載用の第1話としてつくったものが、そのまま読み切りとして掲載された」と作者は語る。
また、編集者は次のように呟いている。
【聲の形】その結果をもって、別冊少年マガジンに掲載することが叶いました。読み切り「聲の形」が人気1位を取ってしまったのは今でもマガジン編集部の伝説です。僕たちが頑張ったと言いたいのでは決してなく、そこまでして読んでほしいと思った漫画だということです。みなさま明日ぜひm(__)m。
— 班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 (@betsumaga) February 19, 2013
『週刊少年マガジン』での連載スタート
「点と点で生きている人たち。遠く、離れ離れの小島のように生きている人たちを描きたくて、この物語を描きました。みなさまに読んでいただければ、この上ない幸せです」(「聲の形」について)
2013年36・37合併号から2014年51号にかけて連載される。
映画化
映画『聲の形』公式サイト
koenokatachi-movie.com
2014年の連載終了と同時に劇場用アニメーション映画の制作が発表される。
2016年9月17日に全国初上映となる。期間限定ではあるが、日本語字幕付きの上映も行われる。
英語の表記
映画のサブタイトルは「The shape of voice」。
漫画は海外版も刊行されている。欧米圏では題名が英語の「A Silent Voice」となっているものが多いがインドネシアのみ「The shape of voice」と表記される。
表紙の二人
単行本の表紙には、基本的に将也と硝子の二人がその巻で訪れた場所を背景に描かれている。また、服装も季節に沿ったものになっている。
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目次 - Contents
- 『聲の形』の概要
- 『聲の形』のあらすじ・ストーリー
- 将也の小学生時代
- 将也の高校生時代
- 西宮硝子との再会
- 硝子の母との再会
- 永束友宏(ながつかともひろ)との出会い
- 西宮結絃(にしみやゆづる)との出会い
- 川井みきとの再会
- 佐原みよことの再会
- 植野直花との再会
- 真柴智(ましばさとし)との出会い
- 島田一旗との再会
- 仲間割れと硝子の飛び降り未遂
- 昏睡状態の将也を見守る仲間たち
- 将也の目覚めと映画制作の再始動
- 高校卒業と成人式での再会
- 『聲の形』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 石田将也(いしだしょうや)
- 西宮硝子(にしみやしょうこ)
- 西山結絃(にしみやゆづる)
- 永束友宏(ながつかともひろ)
- 佐原みよこ(さはらみよこ)
- 植野直花(うえのなおか)
- 川井みき(かわいみき)
- 真柴智(ましばさとし)
- 石田家
- 石田美也子(いしだみやこ)
- 石田姉(いしだあね)
- 石田マリア(いしだまりあ)
- ペドロ
- 西宮家
- 西宮八重子(にしみややえこ)
- 西宮いと(にしみやいと)
- 将也が小学生時代の仲間
- 島田一旗(しまだかずき)
- 広瀬啓裕(ひろせけいすけ)
- 水門小学校の先生
- 竹内先生(たけうちせんせい)
- 喜多先生(きたせんせい)
- 校長先生
- 石田姉の彼氏
- ゆーたろー君(ゆーたろーくん)
- 元気君(げんきくん)
- デラックス
- 硝子の父方の家族
- 硝子の父
- 硝子の父方の祖父(しょうこのちちがたのそふ)
- 硝子の父方の祖母(しょうこのちちがたのそぼ)
- 新人映画賞作品審査会のメンバー
- 横下会長(よこしたかいちょう)
- 横下繰(よこしたそう)
- 刃ヶ谷龍樹(はがたにたつき)
- その他の登場人物
- 野良眠彦(のらねむひこ)
- 『聲の形』の用語
- 場所
- HAIR MAKE ISHIDA
- 水門の里
- 太陽女子学園
- Biva home center
- にゃんにゃん倶楽部
- 水門小学校
- 東地高校
- 水門市民病院
- Fun Fun Mart
- jonthan's
- ヘアサロンのらねこ
- 杭瀬理容室
- 道具
- 筆談ノート
- 『楽しい手話』
- 新作パン発売の割引券
- 結絃の一眼レフカメラ
- 将也がバイトして貯めた170万
- 意味深なカレンダー
- 猫カフェにゃんにゃん倶楽部の割引券
- 猫ちゃんポーチ
- 硝子が将也にプレゼントしたガーデンピック
- あだ名
- うんこ頭
- ミミナシの姉
- やーしょー
- まーしー
- 将也の小学生時代の遊び
- 靴奪還作戦
- 第41回度胸試し大会
- 第42回度胸試し大会
- 教室
- きこえの教室
- 手話講習会(水門手話スクール)
- 自主制作映画関係
- 新人映画賞作品募集中のプリント
- BIG FRIEND “N”
- ロンリーウルフ
- キャーシー
- キャットガール
- 新人映画賞作品審査会
- その他
- ヌートリア
- 顔についたバツマーク
- パン係
- nichinichisou
- 『聲の形』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 石田将也「次の日俺が知ったことは自分が一番愚かだったってこと」
- 石田将也「そう思ってしまう自分が一番嫌いだ」
- 石田将也「西宮 俺と お前 友達に…なれるか?」
- 石田将也「アホみたいな考えかもしれないけど…体があるうちは西宮のために消耗したいと思ってる!命を!!」
- 石田将也「君に 生きるのを手伝ってほしい」
- 石田将也「変わろうと足掻いてる時間の方が大事なように 俺は思うよ」
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- 石田将也「この扉の向こうにあるのは きっと辛い過去だ でももう一つある 可能性だ それはいつだって開くことができる 生きている限り」
- 西宮硝子「でも私も友達ごっこはいやです。だから、ごっこなんて言われないように もっとあなたのことが知りたいです。」
- 西宮硝子「いちぃ だ くぅ- うきぃ」
- 永束友宏「でもさ石田君俺ぁ友情ってのは言葉や理屈…それらを超えた所にあると思うんだ」
- 植野直花「インガオーホーなんてクソくらえ!」
- 佐原みよこ「高めろ 自分を 変わり続けろ この先ずっと変わらずに」
- 川井みき「自分のダメなところも愛して前に進むの そう…たとえば 自分はかわいいって…かわいいんだって…思うの… だってそうしないと 死んじゃいたくなる…」
- 『聲の形』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 原作者:大今良時
- 『聲の形』の連載、映画化までの道のり
- 『別冊少年マガジン』での読み切り
- 『週刊少年マガジン』での連載スタート
- 映画化
- 英語の表記
- 表紙の二人
- 将也のはみ出した服装
- 結弦の髪を硝子が切ってあげているという習慣
- 佐原がファッションに目覚めたきっかけ
- 川井みきの名前の由来
- 将也の母と硝子の母の下の名前
- 西宮いとの持病
- 竹内先生の人物像
- いとの葬儀に出席したときの喜多先生
- 『映画 聲の形』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:aiko「恋をしたのは」