聲の形(こえのかたち)のネタバレ解説・考察まとめ

『聲の形』(英題:「A Silent Voice」)とは、大今良時が2013年に『週刊少年マガジン』にて連載を開始し2014年に完結した漫画、およびそれを原作としたアニメーション映画作品である。小学生時代に聴覚障害の少女に行ったいじめのせいで自らも孤立した主人公が、高校生になって再会した少女へ償いをする物語。主人公と少女、さらに2人の同級生や家族たちの、苦しみや再生の様子が描かれている。思春期の葛藤、孤独、友情、そして恋愛。全てが詰め込まれている作品である。

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永束友宏「でもさ石田君俺ぁ友情ってのは言葉や理屈…それらを超えた所にあると思うんだ」

第2巻9話に登場する。
自転車を横取りされようとしている永束を将也が自身の自転車を渡す形で救い、後に返ってこない将也の自転車を永束が取り返す。このことがきっかけで永束と将也は友達になる。
久々に楽しい気分を味わった将也はふと永束に「『友達の定義』って何かわかる?」と尋ねる。すると「それは定義付けないといけないものなのかい?」と逆に将也は質問されて少し納得し自分の抱える思いを打ち明け、それを聞いて永束が答えたのが「でもさ石田君俺ぁ友情ってのは言葉や理屈…それらを超えた所にあると思うんだ」である。

植野直花「インガオーホーなんてクソくらえ!」

第5巻38話に登場する。
いじめを許さないという立場の真柴と会話した際、いじめの主犯である将也はあまりにバツが悪くなる。ここで将也は真柴と親しい同じ小学校出身でぶりっ子キャラの川井に告げ口されたと疑心暗鬼になり、直接自分の過去を真柴に話したのか聞く。するとこれが藪蛇となり川井は半泣きで将也の過去を公言してしまう。耐えられず学校をあとにした将也は植野と遭遇し、このことを打ち明ける。「孤立確定だ」「罰がたりないんだ」と弱気になる将也に植野がかけた言葉が「インガオーホーなんてクソくらえ!」である。

佐原みよこ「高めろ 自分を 変わり続けろ この先ずっと変わらずに」

第6巻47話に登場する。
将也が昏睡状態に陥ったことが仲間たちにとってそれぞれの思いを回想するきっかけとなる中、佐原は小学生から不登校になったことを思い出し自分の無力感に苛まれていた。佐原のように本当の気持ちを打ち明けることもできなかったり、将也のように直接硝子に会いに行こうともしない自分を責めてしまっていた。特に将也の変貌ぶりには佐原は驚かされており、変われない自分とどうしても比較してしまっていた。変わらないという意識は将也に影響受ける以前からあった。嫌な奴がいない時こそチャンスだと捉えていた佐原がよく自分に言い聞かせていた言葉がこの「高めろ 自分を 変わり続けろ この先ずっと変わらずに」である。

川井みき「自分のダメなところも愛して前に進むの そう…たとえば 自分はかわいいって…かわいいんだって…思うの… だってそうしないと 死んじゃいたくなる…」

第6巻48話に登場する。
将也が昏睡状態に陥っていた最中、学校のクラスで代表を自負する川井は将也のために千羽鶴を折ることを提案する。しかしこれが他のクラスメイトから顰蹙を買っていることを目撃しショックを受けてしまう。
そのような中、川井は真柴と共に将也のお見舞いに向かう。するとそこで硝子と出くわす。ここで硝子は「みんなで映画作りを再開しませんか?」というメモを見せる。これに対し川井は硝子の頬を叩き「そんなことしている場合ではない、今みんな苦しんでいるんだよ」と答え今度は硝子をハグする。ここで先の顰蹙を思い出す。気持ち悪がられている自分を思い出しながら硝子にいう言葉が「自分のダメなところも愛して前に進むの そう…たとえば 自分はかわいいって…かわいいんだって…思うの… だってそうしないと 死んじゃいたくなる…」である。

『聲の形』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

原作者:大今良時

「聲の形」の原作者、大今良時。容姿端麗な姉がおり、時々アシスタントをしている。

1989年3月15日、岐阜県生まれ。『聲の形』で第80回週刊少年マガジン新人漫画賞に受賞。
当初雑誌への掲載が予定されていたが「聴覚障害」「いじめ」といったテーマを理由に、編集部の判断で延期となる。
連載デビューとなったのは、2009年の『マルドゥック・スクランブル』(原作:冲方丁、全7巻)。
2作目となる『聲の形』で、2015年版「このマンガがすごい!」オトコ編1位、「マンガ大賞2015」3位、第19回「手塚治虫文化賞」新生賞を受賞する。

『聲の形』の連載、映画化までの道のり

『別冊少年マガジン』での読み切り

新人賞に入選した時点で『聲の形』は「聴覚障害」「いじめ」といったテーマに挙げられたことを理由に雑誌掲載がされなかった。しかし、前作『マルデゥック・スクランブル』が好評であったこともあり、編集部はなんとか今回の『聲の形』を載せたいと考え、法務部や弁護士、全日本ろうあ連盟などの各方面と話し合いを重ね、2011年にデビュー版として『聲の形』掲載に至る。
その反響はすさまじく、読み切りを掲載した号の売り上げが伸び、読者アンケートでも人気連載を抑え1位となる。Twitterでも編集部や読者の呟きが話題となる。
しかし、2013年にリメイクした連載用『聲の形』が制作された際には、編集部の連載会議にて連載は不可の判断が下される。それでも編集長が「試しに読み切りで」と推薦し、まず読み切りの形で決定。「連載用の第1話としてつくったものが、そのまま読み切りとして掲載された」と作者は語る。
また、編集者は次のように呟いている。

『週刊少年マガジン』での連載スタート

「聲の形」連載開始時のカラー

「点と点で生きている人たち。遠く、離れ離れの小島のように生きている人たちを描きたくて、この物語を描きました。みなさまに読んでいただければ、この上ない幸せです」(「聲の形」について)

出典: www.shonenmagazine.com

2013年36・37合併号から2014年51号にかけて連載される。

映画化

映画「聲の形」より、高校時代の将也たち

koenokatachi-movie.com

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