レッドマン(円谷プロ)のネタバレ解説・考察まとめ

『レッドマン』とは、1972年の4月から10月にかけて日本テレビ系子供向け番組『おはよう!こどもショー』内で放送された円谷プロ制作の特撮ドラマ、およびその主人公の名前。5分間という短時間のコーナーで放送された本作は、冒頭で野原などを徘徊している怪獣を発見したレッドマンが猛然と挑みかかり、戦闘開始となる構成となっていた。レッドマンが一方的に襲いかかっているようにしか見えない場面も見られることから、インターネット上では「朱い通り魔」の二つ名で呼ばれている。

目次 - Contents

『レッドマン』の概要

『レッドマン』OP映像。

『レッドマン』とは、1972年の4月から10月にかけて日本テレビ系子供向け番組『おはよう!こどもショー』内で放送された円谷プロ制作の特撮ドラマ、およびその主人公の名前。月曜から土曜まで、毎朝7時30分ごろから5分間で放送された番組内のワンコーナーで、全138話が放送された。
再放送は長らく行われず、収録して発売された作品もレーザーディスクボックスのみという状態だったが、CS放送のチャンネルNECOにおいて、2013年から本放送当時の関係者やその回の登場怪獣の簡単な紹介も挿入しながら再放送された。再放送の作中ではレッドマンの新規スーツのアクションシーンも放映されたことで当時からのファンを喜ばせ、新規のファンも多く獲得。また、2016年からは円谷プロ公式YouTubeチャンネル『円谷チャンネル』において毎週月曜日から金曜日にかけて毎日1話ずつ配信された。
また、2018年にはコミック・アーティストのマット・フランクの手でアメコミ化され、全3巻がリリースされた。このコミック版では、テレビシリーズに登場しなかった怪獣や、オリジナルの怪獣が数多く登場することで大きな話題となった。
1970年から放送されていた、同じ円谷系列の特撮ミニドラマ『ウルトラファイト』と同様、ヒーローのレッドマンが怪獣と戦うというストーリーで、『おはよう!こどもショー』がマンネリ化対策として当時の第二次怪獣ブームに便乗する形で制作された。
敵となる怪獣たちは、低予算ということもあって、スーツを使いまわす形で既存作品のものが登場。『帰ってきたウルトラマン』に登場した怪獣たちが中心だが、他の円谷プロ作品のものも多く登場している。
5分間という短時間で放送されるという構成上の都合で、怪獣が街中に出現して悪さをする場面がなく、冒頭で野原や海岸などを徘徊している怪獣を発見したレッドマンが挑みかかる形で始まってすぐに戦闘開始となるのが特徴。このように詳細な事情などの背景がわからないがゆえに、レッドマンが一方的に怪獣に襲いかかっているようにしか見えない場面も数多くあった。
こうした事情からレッドマンはファンから「朱い通り魔」の二つ名をつけられており、これは円谷プロの公式エイプリルフールネタでも使用されることとなった。
レッドマンには台詞が存在せず、「イヤッ」「トォーッ」といった掛け声と、「レッドアロー」など必殺技の名前を発するのみで番組が進行する。
ヒーローのはずが通り魔の扱いをされるようになってしまうという状況を補足するためか、チャンネルNECOで放送された際には、「レッドマンは次々と襲い掛かる怪獣たちから、地球を守るために戦っている」という趣旨のナレーションが流れるようになった。
2013年に『ウルトラマン』が「最も派生テレビシリーズが作られたテレビ番組」としてギネス世界記録に認定された際、本作品も『ウルトラマン』の派生作品の1つとして数えられている。

『レッドマン』のあらすじ・ストーリー

孤高のヒーロー「レッドマン」

1970年代はじめ、日本全国のテレビには謎の映像が映し出されていた。子供番組のワンコーナーとして流れていたそれは、不思議で、どこか美しい映像だった。その中でも一際目を引いたのは、次から次へと現れる怪獣たちが、真っ赤な「ヒーロー」と戦う姿だった。
映像を見た多くの人は、子供向けの少し変わった番組だと思い込んだ。そしてその映像もいつしか彼らの記憶から忘れ去られていく。
彼らは、その不可思議な映像の数々が、自分が知る現実世界とは遠く離れた別の世界から、自分たちに危機を知らせるものであるということなど知る由もなかった。

その映像に映し出されていたのは、宇宙の平和を守る銀河連邦の一員として地球にやってきた一人の英雄だった。彼の名はレッドマン。赤いスーツに身を包み、地球にはびこる怪獣たちを見つけると、勇ましい掛け声とともに猛然と戦いを挑んでいく。
死闘を制し、今日も人知れず地球を守り抜いた彼は、怪獣の亡骸をその場に残して立ち去っていくのであった。

『レッドマン』の登場人物・キャラクター

ヒーロー

レッドマン(演:久須美護)

身長:42m
体重:3万t
出身地:レッド星雲・レッド星
エネルギー源:光・熱エネルギー(地球においては太陽エネルギー)
腕力:60000トンの貨物を片手で投げ飛ばす
飛行速度:マッハ5(宇宙空間において)
走行速度:時速600km(陸上において)
ジャンプ力:333m以上
潜行速度:時速50km(約2.7ノット)
地中速度:時速30km
年齢:数万歳(地球人換算で22歳らしい)
レッド星雲のレッド星からやってきた、平和を愛する心優しい戦士。光と熱をエネルギー源としており、日中では太陽エネルギーで無限に活動できるが、雨天や夜はパワーが半減し、活動時間も30分程度に制限される。「レッドマン」という名前は、『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』の企画段階での名前を受け継いだ形となっている。
名前の通り赤いスーツに身を包んでおり、顔や胸、背中の模様や手袋などは銀色。頭部は古代中国の清朝の帽子をかぶったウルトラマンのようなビジュアルで、独楽の上にアンテナ状のものが立った形状の耳を持っている。空を飛ぶことが可能だが、戦闘後は徒歩で去っていくことが多い。
格闘をメインとした肉弾戦を得意とし、パンチやキック、投げ技などを駆使して弱らせた怪獣に対し、レッドアローやレッドナイフといった武器でとどめを刺すスタイルで戦う。
平和を愛するヒーローという設定ではあるが、時折過剰なまでの攻撃性を示すことがあり、怪獣に馬乗りになってレッドアローで滅多刺しにする、レッドナイフで首をはねる、怪獣の頭部を何度も地面に叩きつけた後に頸椎をへし折る、怪獣を崖から投げ落とすなど、とどめを刺す際の描写は残虐と評されるものが多い。
決着後は倒した怪獣を見下ろすように仁王立ちし、胸を張ってやや上方を見上げるのが通例で、勝利を誇示するポーズとして右手を高く掲げていることもある。

登場怪獣たち

冷凍怪獣ペギラ

『ウルトラQ』に登場していた怪獣。『レッドマン』では通算13話登場し、最多の登場回数を誇っている。
このうち、12話、85話、89話では単独でレッドマンと戦っているが、いずれの回もあまり見せ場らしい見せ場を作れずに倒されてしまっている。

隕石怪獣ガラモン

『ウルトラQ』に登場した怪獣。『レッドマン』では腕が異様に長くなっているなど、別の怪獣のようなビジュアルになっている。

コイン怪獣カネゴン

『ウルトラQ』に登場した怪獣。同作ではお金を食べるだけの大人しい怪獣だったが、『レッドマン』では伝説怪獣ウーと一緒に登場してレッドマンを迎え撃ち、巨大な口でレッドマンに噛み付くなどの善戦を見せる。

宇宙忍者バルタン星人

『ウルトラマン』に登場した、シリーズを通して屈指の知名度を誇る怪獣。『レッドマン』ではエリ巻き恐竜ジラースと共に2度登場。2度目の登場ではジラースと一緒にレッドマンから逃げ回り、戦闘にもつれ込むとジラースを見捨てて逃亡。ジラースを倒したレッドマンが追いかけていったが、その後の生死は不明。

水野忠邦
水野忠邦
@toriiyouzou

目次 - Contents