大・爆・殺・神ダイナマイト／爆豪勝己（僕のヒーローアカデミア）の徹底解説・考察まとめ

神野編

ヴィラン連合は体育祭での爆豪の様子を見て、ヴィラン側へ連れてくることで仲間に取りこめる可能性があると思い、爆豪の誘拐を実行した。捕らえられた爆豪は神野にあるヴィラン連合の本拠地に連れていかれ、勧誘を受ける。世間では、雄英高校が生徒が誘拐された件で謝罪会見を開くなど慌ただしい状況となっていた。会見では、「攫われた生徒がヴィラン側に取りこまれるのではないか」という質問が飛んでくる中、爆豪の担任教師の相澤消太は、それを見事に一蹴する。爆豪の今までの言動、行動は、全て己の信念に従った行動であると述べ、そこに付け入ろうとするヴィラン連合は、本質を見抜けていない愚か者だと反論した。謝罪会見の裏では、警察とプロヒーローたちが動いており、ヴィラン連合の本拠地を突き止めていた。そして、世間がまだ混乱していると油断していたヴィラン連合に襲撃をかける。オールマイトをはじめとするヒーローによって、その場を制圧したかに思われた。しかし、どこからか謎の個性が発動し、ヴィラン連合と爆豪は他の場所に飛ばされてしまい、救出に失敗する。そして、ヴィラン連合たちが飛ばされた場所にいたのは、オールマイトの因縁の相手である諸悪の根源、オール・フォー・ワンであった。爆豪を救出しようと隠れて動いていた緑谷たち（飯田、八百万、轟、切島）もそこにちょうど居合わせる。遅れて登場したオールマイトとオール・フォー・ワンが激しい戦いを繰り広げる中、爆豪をどのように救出するか考えた緑谷たちは、自分たちの個性を合わせた方法を思いつく。ヴィラン連合の隙をつき、見事爆豪の救出に成功。しかし、オールマイトの戦いはまだ終わることはなかった。複数の個性を操るオール・フォー・ワンに対し、活動限界の近いオールマイトは絶体絶命のピンチに陥る。全国民がオールマイトを見守る中、自らの個性「ワン・フォー・オール」の残っている最後の力を振り絞り、オール・フォー・ワンを撃退する。この戦いをもって、オールマイトはヒーロー引退を決意することとなる。

ヒーロー仮免試験

神野の事件後、平和の象徴オールマイトが居なくなったことで、ヴィラン犯罪の件数は増加し、世の中からも不安の声が続出することとなる。無事に救出された爆豪は、憧れのヒーロー、オールマイトを引退に追いやった原因が自らにあると責任を感じており、複雑な葛藤を抱えることとなる。そんな中で、雄英高校ヒーロー科の1年生はヒーロー仮免試験を受けることとなる。現在の社会では、ヒーロー免許を所持していないものは公の場での個性を使用したヒーロー活動が禁止されている。雄英高校をたびたび襲うヴィラン連合や犯罪数の増加を考慮し、生徒たちも個性を使用したヒーロー活動を可能にすべきだと考えたうえでの受験となった。第1次試験は1540名の中から100名しか通過できない厳しい試験であった。また、体育祭などで個性を知られている雄英高校生徒は不利な立ち位置に立たされていた。しかし、A組のメンバーは互いに協力し、無事に全員1次試験通過した。2次試験は模擬の災害現場での救助演習である。ヒーロー活動は戦闘だけでなくこうした救助活動も大切なものになってくる。戦闘に特化してきた爆豪は救助に必要なコミュニケーションや振る舞いなどを一切考えておらず、周りとの連携も取れていない。挙句の果てに、救助者にも暴言を吐いてしまう。その結果、爆豪は轟と共に不合格となった。2人は、3カ月間の特別補講の後に再試験を受けることとなる。

爆豪勝己VS緑谷出久

仮免試験が終わった夜、複雑な葛藤を抱えていた爆豪は、緑谷を訓練場に呼び出す。勘の良い爆豪は、緑谷の個性がオールマイトの個性と類似しており、何らかの形で受け継いだことに気付いていた。そこで、緑谷の何がオールマイトをそこまで動かしたのかをはっきりさせるために、真剣勝負を挑む。そもそも、この2人は全く別の道を歩んできた。爆豪は、幼いころから何でもこなしてしまう優秀な能力を持ち、かたや緑谷は無個性で出来損ないであった。そんな2人は、同じようにオールマイトへの憧れを抱いていた。爆豪には、自分より劣っていたはずの緑谷が自らを超えていくことに我慢ならなかった。一方で、緑谷にとって、何でもできる爆豪はオールマイトと同様に憧れの対象であった。だから、彼の背中を追いかけ続けた。緑谷が自分と対等に立とうとすることに、爆豪はいら立ちを覚え、さらに突き放そうとする。このようにして2人の関係はこじれていった。真剣勝負の戦いは、お互いの本音のぶつかり合いであり、少しずつ距離が縮まっていく。結果的に、爆豪の勝利に終わる。そこに現れたオールマイトは、爆豪に緑谷の個性「ワン・フォー・オール」についての秘密を共有する。この魂と魂のぶつかり合いにより、こじれていた2人の関係は、真のライバル関係へと繋がっていくこととなる。ただ、夜間に雄英高校敷地内で暴れたことにより、謹慎処分を受けてしまう。

仮免補講

仮免試験に落ちた爆豪たちは、特別に補講を受けることとなる。他の生徒と違い、爆豪たちの不合格理由は、「ヒーローとしての心」にあるとされ、「問題児小学生と心を通わせる」という課題を与えられることとなった。素行の悪い爆豪にとって、自由奔放な幼い子供は天敵である。爆豪はこの問題児たちにはボスがいると予想し、そのボスを叩きのめそうとするが、馬鹿にされあっけなく撃沈する。そこで、補講組の4人は協力し、自分たちの個性で問題児たちを楽しませようとする。ほとんどの問題児たちは夢中になって遊ぶ中、子供たちのボスは1人で壁によりかかっていた。そこで爆豪は、過去の自分の反省を活かし、その少年に彼なりのアドバイスを送る。そして、無事に仮免補講の課題をクリアすることとなった。

雄英高校文化祭

インターン活動や仮免補講を終えたA組のメンバーたちは、文化祭の日が近づいていることを告げられる。文化祭は普段目立っているヒーロー科のための行事ではなく、普通科の生徒が中心のイベントである。そのため、ヒーロー科A組は、他の科のために出し物をすることとなる。クラス内で出し物を決める中で、耳郎響香の歌唱力の高さが発掘され、バンドをすることが決まる。バンドをするうえで大切になってくるのが、リズムを刻むドラム役。ちょうど昔、爆豪がドラムを習っていたことが判明し、無理やりドラム役を担当させられることになる。何でも器用にこなす爆豪のドラムの技術は耳郎曰く「完璧」らしい。今回の出し物は、普通科の気晴らしになれば良いという思いで決まったものだったが、爆豪は納得のいかない様子であった。そして、爆豪は、やるならとことんやる、「雄英高校全員、音で殺（や）る」と宣言する。そして、始まった文化祭本番、A組メンバー全員が協力し、見事なパフォーマンスで観衆を沸かせることに成功する。

A組B組合同戦闘訓練

無事に文化祭も終わり、A組B組の生徒たちは合同で戦闘訓練を行うこととなる。ルールは4対4あるいは5の対戦形式で、敵チームを牢屋に収容するか、戦闘不能にしたチームの勝利である。
第1試合は、A組の勝利。第2試合はB組の勝利。第3試合は引き分けと、予想以上にB組生徒たちの成長が見られ、A組のメンバーは苦戦を強いられる。第4試合、両組ともここで負けると敗北が決定してしまう大事な場面で登場するのが爆豪チーム。戦闘が得意な爆豪にサポート能力のあるメンバーを加えたバランスの良いチームだ。B組は爆豪が今までのように単独で攻撃を仕掛けてくると予想した。それを逆手に取り、爆豪を相手にせず、他の3人を先に倒す作戦を計画する。しかし、これまで単独行動を好んでいた爆豪が他の3人のサポートに回りつつ、3人からのサポートも受ける協力体制を築くことになる。その予想外の行動にB組は翻弄され、5分程度で制圧されてしまう。これを見ていた生徒たちは爆豪の行動に驚きを隠せない。彼は少しずつ変わろうとしていたのだった。

インターン活動（エンデヴァー事務所）

年は明け、インターン活動が再開する。今回のインターン活動は大規模に行われることとなった。その背景にあるのは、異能解放軍の存在だ。ナンバー2ヒーロー、ホークスがスパイとしてヴィラン連合側と接触し、全国に反乱を起こそうとする異能解放軍の戦士が約11万人潜伏していることが判明した。そこで、ヒーローとして活動できる戦力を増やすため、このようなインターン活動が始まった。爆豪は、轟の誘いを受け、緑谷と共に3人でエンデヴァー事務所へ参加することとなる。エンデヴァーは最初、息子の焦凍しか面倒を見るつもりはなかったが、ホークスからの異能解放軍の情報を受けて、3人を指導することとなる。爆豪は、今の自分にできないことを見つけるためにエンデヴァーのもとへ来た。そして、他の2人と同様に、エンデヴァーから課題を指摘される。また、エンデヴァーよりもはやくヴィランを制圧するという任務も与えられる。しかし、さすがはナンバー1ヒーロー、3人が反応する前に、ヴィランの動きを察知するなど、レベルの違いを見せつける。インターン活動後ある日の夜、エンデヴァーの長女、轟冬美の提案により轟家で夕食を食べることとなった。エンデヴァーのことを嫌っている焦凍の兄、夏雄も参加し、雰囲気は悪かった。そこで轟の過去を詳しく知ることとなる。夜も更け、エンデヴァーの計らいで、自宅まで送ってもらえることとなった。そこでエンディングと呼ばれるエンデヴァーを強く意識しているヴィランが現れる。エンディングはなんと夕食後に家を出た夏雄を人質に取っていた。その場面に遭遇してしまったエンデヴァーは、過去の負い目を感じ、動くことができない。そこで、インター中に成長し、課題を克服した爆豪たちによる連係プレイで夏雄の救出、エンディングの逮捕に成功する。夏雄の救出後、エンデヴァーは初めて夏雄と向き合うこととなる。

超常解放戦線掃討作戦

異能解放軍が再臨祭と称し、邪魔な存在であったヴィラン連合を倒そうとする事件が泥花市で起こった。この事件で、ヴィラン連合側のリーダー、死柄木弔は個性を覚醒させる。そして、ヴィラン連合は異能解放軍を降伏させ、新たに超常解放戦線という組織を作り上げた。この場に居合わせたスパイ、ホークスは、このままでは日本が終わることを危惧し、超常解放戦線を一斉に討伐する計画を立てる。その計画は、脳無の生みの親、オール・フォー・ワンの片腕である殻木球大（がらき きゅうだい）を確保し、超常解放戦側の退路を断ったうえで、一斉に討伐するものだ。そして、ヒーローたちは殻木球大のいる蛇腔病院に突入する。超常解放戦一掃作戦が始まった。蛇腔病院では、オール・フォー・ワンから個性「オール・フォー・ワン」を受け継いだ死柄木が個性を定着させるための仮死状態で眠っており、目覚めさせてはならないとヒーローたちは感じていた。知性と複数の個性を持つハイエンド脳無の出現により、現場は混乱していく。そして、とうとう死柄木が目覚めてしまう。すると、崩壊の個性を持つ死柄木により、周囲は一変。病院だけでなく町中を崩壊させていく。そこにエンデヴァーが駆けつけ、応戦する。エンデヴァーの最大火力の炎で、死柄木を焼き尽くそうとするが、オール・フォー・ワンを受け継いだことであらゆる個性が使えるようになった死柄木はすぐに再生してしまう。そして、唯一取り込むことが出来ていない個性「ワン・フォー・オール」を求め、死柄木は緑谷のもとへ向かう。それを知った緑谷と爆豪は避難救助を中止し、死柄木を人のいないところへ誘導しようとした。爆豪は、オールマイト引退の責任をまだ感じており、雪辱を果たすために緑谷に同行する。
複数個性により、死柄木は一瞬で緑谷の前に姿を現し、ワン・フォー・オールを奪おうとする。そのとき、グラントリノ、イレイザーヘッド、リュウキュウ、エンデヴァーらプロヒーローが救援に駆け付け、総動員で死柄木に応戦。イレイザーヘッドの個性「抹消」により、個性を封じられた死柄木をエンデヴァーが攻撃する。しかし、死柄木は残っていた脳無を操り、イレイザーヘッドの能力を封じようとする。万事休すかと思われたイレイザーヘッドを緑谷と爆豪がかろうじて救出する。死柄木との戦いは熾烈を極めるものになっていく。戦いが長引く中、緑谷がワン・フォー・オールの7代目継承者の個性を発現し、死柄木を空中に拘束することに成功する。その空中戦を眺めることしかできなかった爆豪は、緑谷の訓練に付き合っていた時のことを思い出す。オールマイトとふたりでワン・フォー・オールについて話しているときに、爆豪自身が緑谷をどう思っていたのかをこぼす。個性を持たなかった緑谷が、自分の身を顧みずに他人を助けようとする姿を理解できず、理解できない自分の弱さを直視したくなくて爆豪は緑谷をいじめてしまったのだった。
超回復の個性を持っている死柄木を緑谷1人で対処することがこれ以上無理だと判断した爆豪は、エンデヴァーらと共に緑谷を援護することになる。エンデヴァー渾身の必殺技「プロミネンスバーン」を放つも、死柄木が受け継いだ個性の中に宿っていたオール・フォー・ワンの人格が覚醒し、死柄木の肉体を乗っ取って動き出した。誰もが予想しなかった反撃の矛先は緑谷に向いていた。エンデヴァーの指示を受けて身を引いていた緑谷は反応することができない。そのとき爆豪の身体は、かつて個性を持たない緑谷が爆豪を助けようと反射的に飛び出したときのように、勝手に動いていた。無意識に緑谷を庇った爆豪は重傷を負ってしまう。これまでの爆豪とは違う一面、成長した一面が見られる。その後もヒーロー側の死傷者が続出し、オール・フォー・ワンのしもべだったギガントマキアの登場により、爆豪たちは追い込まれていった。そこに現れたのが、爆豪が職場体験で世話になっていたベストジーニストだ。爆豪は、自身のヒーロー名を今まで明かしていなかった。それは、ベストジーニストに最初に報告するためであった。そして、その場で初めて自身のヒーロー名「大・爆・殺・神ダイナマイト」を名乗ることとなった。

大・爆・殺・神ダイナマイト／爆豪勝己の関連人物・キャラクター

デク／緑谷出久（みどりや いずく）

緑谷出久とは、『僕のヒーローアカデミア』の主人公であり、爆豪の幼馴染である。人類の8割が何かしらの特殊能力「個性」を発現させる現代社会において、彼は個性のない「無個性」の少年であった。無個性の緑谷は、平和の象徴と呼ばれたオールマイトに憧れを抱いている。しかし、「無個性ではヒーローになれない」という現実を突きつけられ、夢を諦めかける。そんなとき、幼馴染の爆豪がヴィランに襲われる事件が起こり、偶然その場面に出くわす。そこで緑谷は、自らの危険を顧みず、爆豪を助けようとする。現場に駆け付けていたオールマイトは、ヒーローの本質とも言える緑谷の「人を助けたいという思い」に心を揺さぶられ、残りの力を振り絞り、ヴィランの撃退に成功する。その後、緑谷はヒーローの本質を持っているとオールマイトに認められ、オールマイトの個性「ワン・フォー・オール」を受け継ぐこととなる。ワン・フォー・オールとは、オールマイトをはじめとする8人のヒーローが代々受け継いできた個性だった。爆豪は、無個性の緑谷を幼いころから蔑んでおり、緑谷が自分と同じく雄英高校に進学することに腹を立てる。緑谷の個性のことは社会に対して秘密にする必要があったため、余計に爆豪の神経を逆なですることとなった。緑谷と爆豪はどちらもオールマイトに憧れてヒーローを志しており、正反対の道を歩んできた2人は、物語の中でたびたびぶつかっていく。

ショート／轟焦凍（とどろき しょうと）