【和服の女】恐怖の都市伝説まとめ!背筋が凍る怖い話が満載【田舎の神社】

怖いと有名な都市伝説をまとめました。「和服の女」や「田舎の神社」など、身近にありそうな恐怖を綴ったものを掲載。背筋が凍るような都市伝説の数々を紹介していきます。

怪異より嫌な事

いつもROMってばかりで実際に書き込んだりしないんで読みにくかったらスマン。

この前一人で夜2時ごろに風呂に入っていた時の事。
俺は風呂場に防水カバーに入れたiphoneを持ち込んで湯船に浸かりながら洒落怖を見るのが日課になっていたんだが
その日は風邪っぽくてなんかダルかったからさっさと上がろうと湯船から立ち上がって伸びをしながらふと浴槽の上の換気扇に目を向けると
換気扇の中に、両手を換気扇のフィルターに張り付けながらこっちをガン見している2つに目玉が見えた。
あまりの事にパニックになって「うおっあぁぁぁぁ!」とか叫びながら換気扇のフィルターに思いっきり昇竜拳を叩き込んだ。

次の瞬間立ち上がったはずなのになぜか俺は湯船に浸かっていた。換気扇を見上げても何もいない。
しばらく換気扇を見上げながら「なんだ?DIOか?いやどっちかっていうとバイツァダストか?」とかやけに冷静に思いながら湯船を見たら
湯船に人の顔が映っていた。

プールとかで潜っている人を水上から見てもなんとなく立体感があるだろ?でもそいつは違うんだよ。
それこそ自分の顔が水面に写っているみたいに輪郭はボヤけているしまったく立体感がない。でもそいつの両目完全に俺を見ている。
もうなにがなんだか分からなくてそいつを見ながら固まっていると、今度は水面からスーと白い腕が2本伸びてきた。
2本の腕は俺の首元へとゆっくりゆっくり伸びてきて「首を絞められる!?」と思ったとき、勢いよく風呂場の扉が開いて俺の祖父が入ってきた。

ぶっちゃけその時が一番ビビッた。
だって俺は都内に住んでいるんだが、じいちゃんは北海道にいるんだもの(もちろん存命)。ここにいるはずがない。
そのじいちゃんが鬼の形相でその両手と顔に「お前何をしている!そいつから離れろ!!」とか叫んでる。
あまりの怒号に恐れをなしたのか白い手はスーとお湯の中に消えていって、顔も見えなくなった。

俺は、北海道にいるじいちゃんがここにいる事にももちろん驚いたけど、それ以上に俺を助けてくれたことに驚いた。
というのも俺のじいちゃん。元々は優しい人だったんだけど、認知症が発症してからは人が変わったように凶暴になって
ばあちゃんに暴力をふるって家から追い出した。家の鍵を勝手に取り替えまでしてた。
しまいにはじいちゃんっ子だった俺の弟を除いて家族全員を裏切り者とかキチガイとか呼び出して、俺もかなり口悪く罵られたりもした。
そんな俺をじいちゃんは助けてくれた。すげぇ嬉しかったよ。
でそのじいちゃんが俺にボソッと一言つぶやいたところでまた場面が変わった。

目を開けると俺は救急隊員と家族に囲まれていた。

話を聞くと俺の次に風呂に入ろうとしていた弟がいつまでも俺が風呂から上がってこないから様子を見に行ったら湯船で俺が気絶していたらしい。
救急車呼んだみたいで、意識はハッキリしていたが一応ってことで生まれて初めて救急車に乗って病院へ行った。
病院で軽く検査して異常無し。でもその日は病院に泊まらせてもらうことにした。

病院で寝ながら俺は泣いた。
怖かったからとか、生きてることに安心したからとかだからじゃない。ただただ悲しかったから。
なぜなら最後にじいちゃんが俺を見てボソッと言った事が

「なんだ、○○(弟)じゃなかったのか」だったから。

やっぱじいちゃんは弟以外はどうでもいいんだなって思ったらもう涙が止まらなかったよ。俺もおじいちゃんっ子だったし。
たぶん俺はもう北海道には帰らないし、じいちゃんにも死ぬまで合わないだろうなと思った。

どこからが夢でどこからが現実かわからんし、あれ以降も風呂場は使ってるけどあいつには会ってない。俺が1ヶ月ほど前に体験した話。
出典 http://syarecowa.moo.jp/308/11.html

寝ちゃダメ

出典: amanaimages.com

離島って情報がまわるのが早いんだよ。例えばある朝
ある波止でオレが良型のヒラアジを釣って、それを地元の人に見られると
次の日の朝はその波止には釣り人が一杯で入れないってのは普通にあったんだ。

オレは最低1日3回は釣りに行ってて、離島赴任2年目にして凄い事に気付いた。
春と秋に釣れるとばかり思ってたヒラアジが、1月末のある港に群れで寄るんだ。
毎朝入れ食いで毎朝5~6尾を釣り上げ、実家への土産を確保していた。

そしたらある朝、とうとう地元の人に釣果を見られた。翌朝の状況は想像がつく。
何としても釣り場を確保したいオレは、その晩飲み会から帰ったその足で港に歩いた。
そう、釣り具を持ったまま波止の釣り場で仮眠を取ろうと思った訳だ。

竿を抱えて釣り場に座り、波止の壁にもたれて寝てた。
どのくらい経ったのか、誰かに声を掛けられた。
「こんな所で寝てると危ないですよ。もっとこっちに寄らないと。」

「あ、はい。ありがとう御座います。」眼をこすりながら声のした方に向きを変えた。
地面に尻をつけたまま少しにじると足がストンと沈んだ。
眼を開けると、オレは未だ薄暗い波止の一番端に座って海面に足を垂らしてた。

真っ青になって周りを見回したが辺りには誰も居ない。
オレに声を掛けたのが何だったのか、今もわからない。
でもあと少しにじってたらオレは多分海に落ちてた。

すごく怖かったが、折角眼が覚めたからその朝もヒラアジを釣って帰った。
次の晩は釣り場にライトとエロ雑誌持って出掛けたよ。
そんなんで寝てるとこ誰かに見られたら恥ずかしいから緊張して寝られないからね。
出典 http://syarecowa.moo.jp/308/20.html

異形のもの

俺が毎日通勤に使ってる道ある。田舎だから交通量は大したことないし歩行者なんて一人もいない、でも道幅だけは無駄に広い田舎にありがちなバイパス。
高校時代から現在(27歳)まで毎日といっていいほど使っている道だから、その日も特になにも考えず車で通勤。このときは何事もなかった。
問題は帰り道。その日は急な仕事で少し帰りが遅くなった(23時頃)
街灯もロクになく、時間も時間なので車もほとんど走ってない、もちろん歩行者なんて一人もいない…と思ってたら一人の背の高い人が横断歩道の手前で立ち止まっていた。
こんな時間にこんな暗い道を散歩か~物好きやな~なんて考えながら俺は車内で信号が青になるのを待っていた。…が、よく考えるとおかしい。
俺が自動車用の信号に引っ掛かって止まっているんだから歩行者信号は青のはず、何故渡らないんだ?
暗いので目を凝らしてその人を見ると、全身真っ白。白い服を着ているとかそういうことじゃなく、ただひたすら白い。
次の瞬間俺はゾッとした。こいつ両腕がねぇ!しかも身長が高いという次元ぞゃない、細長すぎる。後から思い出すと顔まで真っ白で、のっぺらぼう状態だった気がする。
不気味で仕方ない、信号が青になった瞬間俺はアクセルをベタ踏みして急発進。あんなものを見たのは初めてだったので一刻も早くその場を離れたかった。

サイドミラーに映る白い奴がどんどん小さくなっていく、ベタな怪談話のように追っかけてくる気配もない、俺はホッとしたが体の震えが止まらない。
温かい飲み物でも買おうとバイパス沿いにあるセブンイレブンに車を停めた。車から降りるとすぐ近くのバス停にあいつがいた。
こちらを見ているのかどうかはさっぱりわからないが、コンビニの光のせいで先程より鮮明に奴の姿が見えた。やっぱり両腕がない、そして上半身だけ左右にゆらゆら揺れている。
ヤバイ、直感的にそう思った俺は降りたばかりの車に飛び乗り家まで直帰した。
自宅に逃げるように駆け込むと居間に母が座っていた。母が振り向き俺に言った。
あんたどぎゃんした?鼻血垂れ流しとーがね。
鼻血が出たのなんて産まれて初めてだった、これがあいつのせいなのか、恐怖のあまり鼻血が出たのか、それともただの偶然かはわからない。
しかしいずれにしてもあの道は二度と使わない。
よく考えるとあいつを最初に見た交差点の少し奥には階段があって、その先には草がおいしげし手入れなど全くされていない神社がある。あいつはあの神社関係の何かだったのかもしれない。
出典 http://syarecowa.moo.jp/308/25.html

電話ボックス

出典: www.flickr.com

もう10年近く前。そうだな、まだ街のあちこちに電話ボックスがあった頃の話だ。
ある3連休の前の金曜日。俺は大学の仲間としたたかに飲んだ。
深夜1時前、仕上げに屋台のラーメン食べて流れ解散。
そして、ふと、思いついたんだ。明日は特に予定も無い、酔い覚ましに歩いて帰ろうって。
終電は過ぎてたけどタクシー乗るのは簡単。でもそれだと二日酔いが酷いような気がしてさ。
ケイタイを持ってなかったから電話ボックスで母親に「歩いて帰る」と電話しようと思った。
その頃は幹線道路のバス停には大抵電話ボックスがあったんだよ。
最初のバス停で電話ボックスに入った。?何か変だ?
微かな香水の匂い。よく見ると受話器が電話機の上に置いたままになってる。

受話器に耳を当てると既に通話は切れてて無機質な電子音だけが聞こえた。
酔っ払いが置き忘れたんだろうと思って受話器をフックに戻した。すると。
ジャラジャラと音がして返却口に10円玉、6枚。
ラッキー。10円玉2枚で母親に電話をかけ、残りの40円をポケットに入れて歩き出した。
でも、何か気になるよね。次のバス停でも電話ボックスを覗いてみた。
...やっぱり受話器が電話機の上に置いてある。そして香水の匂い。
受話器の向こうは電子音、受話器をフックに戻すと今度は10円玉が5枚。
次の電話ボックスでも、その次の電話ボックスでも、同じ。
電話機の上の受話器。電子音と戻ってくる10円玉。もう19枚。
その次の電話ボックスが見えた時、歩き去る人影が見えた気がした。
むせるような香水の匂い。そこでも5枚の10円玉、合計24枚。

そして、その次の電話ボックス。電話ボックスから出て行く人影がハッキリ見えた。
真っ赤なワンピースを着た女性(多分)、微笑んでいるように見えた。
俺は女性が遠ざかるのを待って電話ボックスに入った。
受話器を耳に当てる。叫ぶような声が聞こえた。
「なあ、お前K子だろ?もう、こんなこと止めろよ。止めてくれよ。
俺たち、寝られなくて参ってるんだ。一度、ちゃんと話しよう、な?」
俺は思わず電話を切った。ジャラジャラと戻ってくる10円玉。
「何故勝手に切るの?邪魔しないでよ。」
振り向くと、俺の背中側から赤いワンピースの女が覗き込んでいた。
闇の中に浮かぶ綺麗な白い顔がニコニコ笑って俺を見詰めている。
「ねぇ、邪魔、しないでよ。」
あまりに現実離れした綺麗な顔、怖くて怖くてとても生身の人間には見えなかった。

俺は電話ボックスを飛び出して全力で走った。家までの残り2kmを多分6分台。
途中ラーメンを吐いたが必死で走り続けた。
家が見えた所でポケットの中の10円玉をみんな取り出して捨てた。
背中からいつあの女に声をかけられるか、本当に気が気では無かった。
それから数日、着替えても風呂に入っても香水の匂いは消えなかった。
あの女が人だったのか、そうでなかったのか、今も分からない。
深夜、幹線道路を彷徨いながら、
「あれ」は一体どれだけの無言電話をかけて歩いていたのだろうか。
何枚の10円玉を持ち歩いていたのだろうか。
俺にとっては洒落にならない怖い経験だったよ。
もちろんそれからは飲んだ後に歩いて帰るのは止めた。
出典 http://syarecowa.moo.jp/308/34.html

ドライブイン

出典: amanaimages.com

この話はオカルトや怪談に入るのかどうなのか、ちょっと微妙な所なのだが、
他に書くところもないし個人的には非常に怖かった体験なのでここに書きます。
それと、もう何ヶ月も前の事なので会話はうろ覚えの部分が多く、「当時こん
な感じだった」程度に思いつきで書いています、不自然に思ったり違和感を感じた
らごめんなさい。

去年の夏に友人たちと集まっていた時、何となく暇なのでどこかドライブいかないか?
という話になって、大した目的もなく一般道だけを使って長野まで行く事になった。
メンバーは俺、A、B、Cの4人、まあ、暇なときあつまるのは大抵この面子なのだが。
目的もなく出発したので当然することも無く、男4人でむさくるしく適当に観光地で飯を食い、
日が暮れてかなり暗くなった頃に帰る事になった。

交代で運転しながら長野と群馬の県境?(少し前に浅間山方面がどうのって看板を見た
のでそのあたりだと思う)をカーナビを頼りに走っていると、運転していたAが助手席に
座っていた俺に「なんか道おかしくね?カーナビの順路合ってる?」と言ってきた。
俺は特に何も気付いていなかったのだが、いわれて見るとたしかになんか変な感じがする。

さっきまで結構広めの綺麗な道路を通っていたはずなのだが、今通っているところは
道幅も狭くなりガードレールは錆だらけ、道路もあちこちにひびが入っているしヒビの部分から
雑草が生えているところまである。
来た道とは違うルートで帰ったので合っているかどうか確証はないが、カーナビには
だいぶ前からずっと一本道が表示されているし、Aいわく曲がり角とか曲がらずずっと
道なりにきていたという、まあ山の中だしそんな事もあるさという事で、そのまま進んでいた
のだが、それから30分ほど走ってもずっとそんな状態の道が続いている上に、すれ違う
車すらなく、みんなだんだんと不安になってきていた。

Cが「一端どこかに車停めてルート再確認した方が良くないか?」と言い出した頃、
少し先のほうにドライブインらしい明かりが見えた、駐車場には数は少ないが何台か車
が停車しているのが見える、それだけで何となく俺たちはホッとした気分になった。
これは好都合ということでそのドライブインの駐車場に車を停めた。
どうやらこのドライブインは無人のところらしく、店員とかはいそうにないが自販機が並んでいる
のは外からでもわかる、各々ひとまずトイレへ行ったり飲み物や食べ物を確保する事にした。

そして、AとCはトイレへ向かい、俺とBは自販機コーナーの隣にある休憩所?のようなところへ
向かった。
休憩所の入り口のドアを開けようとしたとき、俺は入り口の明かりのところに異様なものを見た。
掌よりもばかでかい蛾がとまっている…、こんな真夏にでかい蛾というのも不自然で変なのだが、
それよりも異様だったのはその蛾の羽の模様だ。
蛾って目玉みたいな模様があるのはよくあるのだが、その蛾の模様は目玉みたいどころか全体の
姿がまるで人の顔のように見える、特に目の部分は丸というより本物の目のようだ。
「うわ、気持ちわる!」と思った俺とBはなるべくその蛾を見ないように避けて中へと入った。
後から思うと、この時点で何かがおかしいと気付くべきだったかもしれない…

中に入るとそこはかなり広くテーブルがいくつも並べてあるのだが、照明はなんか薄暗いし床や壁も
微妙に小汚い、奥のほうにゲームもあるのだが、遠目にもそれはどれも古そうに見える。
それと端のほうにはテレビがあり50代くらい?のおっさんがこちらに背を向けてテレビを見ている。
俺はその人になんか妙な違和感を感じたのと、他にも色々うまく説明できない変な違和感を
感じてBにその事を話そうとすると、Bがひそひそ声で嬉しそうに
「おい、なんかあっちに女の子3人組みいるぞ!声かけようぜ!」と俺に言ってきた。
Bの教えられた方をみると、たしかに20歳くらい?の女の子3人組みがテーブルを囲んで椅子に腰掛けて
いるのが見えるのだが、表情をみるとなんか不安そうな感じで、あたりをきょろきょろしながら話し合っている
ように見える。

すると、3人組みのうちの1人が俺とBに気付いたらしくこちらにやってきた。
Bはもうなんか明らかに顔に出るほど嬉しそうなのだが、俺は凄く不安感を感じていた。
そして、その不安感は当然のように当った。
女の子は俺たちの前にくると開口一番こう言ってきた。
「あのー、変に思われるかもしれないんですが、ここって関東方面へ抜ける道でいいんですよね?」「それと
気のせいかもしれないんですいが…」と一瞬躊躇した後で「このドライブイン…なんか変じゃないですか?」と
言ってきた。

休憩所に入って以来ずっと妙な違和感を感じていた俺は、自分もなんか変だと感じていた事を話して
同じ席で少し事情を聞く事にした。
Bが小声で「お前結構やるじゃん」とかニヤニヤしながら言ってきたが、状況が状況だけにちょっとムカついて
無視することにした。ぶっちゃけ言うと俺もちょっとわくわく感がなかったわけじゃないが、それよりも違和感と
不安感のほうが勝っていたからだ。
話を聞いてみると、どうやら彼女達も俺達と同じように車を走らせていると、だんだんと道が整備されていない細い
道になっていき、不安になってこのドライブインに一度車を停めて確認しようという事になったらしい。
そしてこの休憩所に入ったところ、なんかあちこちに違和感を感じて怖くなってきて、どうしようかと話していた
ときに、俺とBがタイミングよく入ってきたので声をかけたのだという。
ちなみに、Bはなんかもうまるで空気読まずに俺に任せてみたいなことを言っていたが、後から聞くと内心かなり
不安でその裏返しだったと言っていた。

そんな感じでお互い状況を説明し終わった頃、女の子の1人が「それで、あそこのテレビの前にいる人なんだけど…」
と話を切り出した。
そう促されて俺もその人をあらためてみたとき、さっきの違和感の正体に気が付いた。
ちょっと遠くにいたのでパッと見は気付かなかったのだが、テレビとテーブル、そしてその人のサイズの比率が明らかに
おかしい、少し遠くにいるにしてもその人は異様にでかすぎるのだ、たぶん立ったらゆうに3~4mはあるんじゃないかと
いうくらいにでかい。
流石に空気を読んだBも「でかすぎるよな…なんだあれ…」と独り言のように言っている。

更にその女の子は「あと、あの奥のプリクラのところなんだけど…」と言うのでそっちを見てみると、入ってきたとき
俺たちは気付かなかったのだが、ロングスカート?を履いた女の人の脚が年代物っぽいプリクラの周りにある
カーテンの下から見える。
その子がいうには、あの女の人は自分たちが来た時からずっと1人であそこにいて全く動かないんだという。
そして更に続けてこう言ってきた「あとなんか変な音聞こえませんか?人が話しているような…」と、「言われて
みれば…」入ってきてから何か音が聞こえていたのだけれど、俺はなんとなくエアコンか何かの機械の作動音
だと思っていたのだが、良く聞いてみるとぼそぼそと大勢の人が話しているような、そんな声のように聞こえる、
どこで話しているのかは全く解らないが、とにかく何かここは何か変だ。

そんな話を5人でしていると、休憩所と自販機コーナーの間にあるドアが開きAとCが入ってきた。
そして俺たちと女の子を見てCが「お前らなにナンパしてんだよ…」と呆れたように言うと、「そんな事よりちょっと
こっち来てくれ、なんか変なのがあるんだが」と、結構真顔で言ってきた。
Aもふざけている様子もなく、俺とBが変なのってなんだよ?と聞くと、上手く説明できないからとりあえず
自販機コーナーに来てくれという。
こっちも変なこと山盛りだった俺たちは、AとCにこっちもなんか変な事だらけだと話しながら、女の子たちも連れて
自販機コーナーへ行く事にした。

自販機コーナーに入ると、Aがこれを見てくれとカップでコーヒーなどを売っている自販機を指差した。
その自販機、パッと見はよくドライブインとかにあるような、液晶画面が付いていてそこで商品の紹介やCMなどを流す
普通の自販機にみえるのだが、普通の自販機とは明らかに違う部分が1つある。
液晶画面のところに、明らかに映像ではないどう見ても生身の口があり、それが「いらいっしゃいませ」とか
“喋って”いる。
Cが「な、変だろ?最初俺たち人が入っているのかと思ってさ、声かけたり自販機を叩いたりしたんだけど、
何の反応もないんだよ」という、「それに」と付け足して「この口の周り、唇から外はどう見ても普通の液晶
画面に見えね?どうなってるんだろこれ」と言ってきた。

明らかにこのドライブインは何かがおかしい、現実離れしているというかなんというか…
とりあえずAとCにこちらの事情を全て話して、いったん外に出ようと話していると、休憩室のほうを見ていた女の子が
「ちょっとちょっと!あれ!」とかなり動揺した声で、俺の肩をゆすりながら休憩室の方を指差した。
指差した方を見て俺も含め全員絶句してしまった。

さっきプリクラの所にいた女の人が出てきてこちらに向かって歩いてきているのだが、その女の人『上半身がない』
のだ、厳密には下半身から上の部分が漏斗を逆さにしたように収束していて上半身というかなんというか、その
部分は棒とも紐ともつかないものが真っ直ぐ上へ伸びている、それが歩くたびにユラユラと揺れながらこちらへと向かってくる。
姿からしてどう見ても人間ではない。
俺たちはその異様な姿に完全に思考が停止してしまい、パニックになって全員外へと逃げ出した。
そして外へ出て振り返ると、その『物体』は俺たちを気にする事もなく、そのままトイレのほうへと消えていった。
一体ここはなんなのか、当時の俺たちはあまりの事に思考が追いつかず、ただただ動揺しまくっていた。

とにかくここを出よう。
そう考えた俺たちは、カーナビ通りならこの先へ進めば群馬か埼玉の街中へ抜けれる事を確認し、女の子たちには
そんなにスピードを出さないからついて来れば大丈夫と話していると、突然後ろの方、駐車場の奥の林からかなりの人数の
人影(目測でも50~60人くらい)が下りてきてこちらへと向かってくるのが見えた。
更に、人影以外に林のほうから何かがこちらに向かってジャンプして突っ込んできて、俺たちの車の隣に駐車していた
トラックに衝突した。
街灯の明かりに照らされたそれは信じられない事だが、それは1m以上ある巨大な蛆としか言い様のない物体で、
衝突した衝撃でトラックのガラスが割れ、蛆のほうは地面に落ちて黄色い体液のような物を流しながらうねうねと
動いている。
しかもそれ1匹だけではなく、少なくとも目で見える範囲だけであと7~8匹が飛び跳ねている、何匹かはこちらに
向かってきそうだ。
このままだと自分たちの車にも突っ込んできて壊されるかもしれない。

身の危険を感じた俺たちは、女の子たちにも早く車に乗るように指示しようとしたのだが、何を思ったか彼女たちは
駐車場の反対側の方へと駆けて行き、「そっちじゃなくて車で逃げないと!」と慌てて追いかけた俺たちに
向かって「この中に入って隠れてやり過ごそうよ」と、駐車場の隅にあるプレハブの倉庫らしい小屋を指差した。

俺は彼女たちが明らかにパニックになって冷静な判断が出来なくなっていると思い、「いいから車に乗れ!」と
怒鳴って4人で腕を引っ張って無理矢理連れ戻し、かなり近くまで来ていた人影の集団と飛び跳ねる巨大な
蛆を尻目に無理矢理彼女たちを車に乗せると、パニックになった女の子たちだけでは不安だからとBとCが
彼女達の車に乗り、彼女たちの車のほうはBの運転でドライブインから逃げ出した。
道路に出て後ろを見ると、付いてきている女の子たちの車の後ろにジャンプする蛆が見えたが、流石に車の
スピードには追いつけないのか、そのうち見えなくなった。

それから1時間くらい走っただろうか(今から考えると、距離的に麓までそんなに時間がかかるとは思えないのだが)
下のほうに街の明かりが見えてきた。すると、後ろの車に乗っているCから女の子たちがトイレに行きたいと言っている
から、どこか公衆トイレかコンビニのある場所に一端停まろうと電話がかかってきた。
そして暫らく車を走らせると、公園か何かの施設の駐車場らしき場所があったので、そこで一端車を停める事に
すると、流石にあんな事があったのでトイレには俺たちも付いていこうか?と聞いてみた、すると彼女たちは流石
にもう大丈夫そうだから3人で行って来ると言い、さっさと行ってしまった。

まあもう殆ど街中みたいなものだし、流石に大丈夫だよなとそのまま行かせて、さて警察に行くかどうするかとか、
この後どうしようかとかちょっと色々期待もしながら話をしていたのだが、いつまで待っても3人とも戻ってこない。
10分くらい経っても帰ってこないので、流石におかしいと駐車場脇にある公衆トイレへと向かい声をかけたのだが返事がない。
中を確認しようにも、いくらなんでも女子トイレに入るのは問題があるし、もしかしたらすれ違いで戻っている可能性
もあるんじゃないかと車に戻ったのだが、車にも戻っている気配がない。
ちょっとこれはヤバイかもしれない…

ひとまずすれ違いになるといけないので、俺だけ車の前に残り、A、B、Cでもう一度トイレに探しに行く事にした。
待っている間、俺は何となくだが彼女たちの車を見ると、一箇所ドアが開いているのが見えた。
あれ?帰ってきた?と思い車内をみたのだが誰もいない。
「おかしいな?さっきからドア開いていたっけ?」となんとなく車内を見ると、座席のところから3人のうち誰かの物らしい
バッグが地面に落ちかかっていて、何となく奥に戻そうと手を触れたところ、バッグが地面に落ちて中身が
ぶちまけられてしまった。
しかも口紅かリップクリームか何からしきものがコロコロと転がって行ってしまっている。

「これ戻しておかないとヤバクね?」と、転がっていったものを拾い振り返ると、トイレに向かったA、B、C達が戻ってきた。
Aが言うには、流石におかしいのでトイレの中に入ってみたのだが誰おらず、きっとすれ違いになって
しまったのだと戻ってきたのだという。
ちょっと洒落にならん事になってしまったと感じた俺たちは、ドライブインでの出来事を信じてもらえるかどうか不安
ではあったが、彼女たちの事が心配なので110番通報する事にした。
警察が来るまでの間、交代であちこち探しにいったりもしたのだが、結局見付からず15分ほどで警察がやってきた。

警官がパトカーから降りてきたので、これまでの事情を話していると、警官が変なことを言ってきた。
「それで、その女の子たちの車ってどれのこと?」という。
俺が「いや、俺たちの車の横に停まってる…」と後ろを振り向いて呆然としてしまった、警察が来るまで間違い
なくそこにあった彼女たちの車がない…
そんな馬鹿なと4人であちこち探したのだが、そもそも駐車場には俺たちの車しかない。
明らかに不信そうに俺たちを見る警官、かなり気まずい状況になってしまったのだが、ふとさっきぶちまけたバッグを、
車に戻し忘れてそのまま俺たちの車の屋根に置きっぱなしだったことを思い出した、屋根の上を見るとバッグはある。

警官にこれが証拠だとバッグを見せて、とにかくどういう事なのか解らないけど探してほしいと頼んだ。
が、一応証拠品としてバッグは受け取ってくれたが、話自体は荒唐無稽すぎてまるで信じてもらえず、
俺たちは住所と連絡先を聞かれ、後日話を聞くかもしれないからとそのまま帰された。

この後、実はちょっと面倒な事になった。
俺たちが警官に渡したバッグ、手帳と携帯から身元がわかり、もう10年以上前に失踪届けの出ていた短大生の
ものだったらしく、俺たちは事件に関係があるのではと疑われ事情聴取を受けた。
が、そもそも10年前といえば俺たちはまだ子供である事、俺たち4人とも進学で都内にやってきただけで、そもそも
長野も群馬も地元ですらないうえに、当然失踪した短大生とも何の関係もないことはすぐにわかり疑いは簡単に晴れた。
ただ、バッグの入手先だけはかなり詳しく聞かれた。
警官が言うには、俺たちが通ってきた道に証言にあるようなドライブインなど無いのだという事で、現場検証もかねて
パトカーで来た道を逆に辿ったりもしたのだが、例のドライブインどころか『あまり整備されていない荒れた道』すら
結局みつからなかった。
ただ、事情聴取のときに見せられた短大生の写真は、3人組のうち1人で間違いはなかった。

バッグのこともあり、警官からはまた話を聞くかもしれないからと言われたのだが、未だそういう連絡はない。
ただ、今思うと色々と彼女たちには不審な点がある。
見た目が失踪当時のままという一番異様なことはまず置いておくにしても。
一つ目は、彼女たちは俺たちと同じルートでドライブインに到着したはずなのだが、到着した時間にそれほど
時差はないはずなのに、俺たちはあの道で一度も前方に車のヘッドライトなど見ていない、かなり見晴らしのいい
場所も通ったはずなのだが。
二つ目は俺たちが彼女たちに話しかけられた状況だ、あんな異様な状況で普通いきなり入ってきた見ず知らずの
男2人組に、不安感を感じている女の子が何の警戒もなく話しかけるだろうか?普通警戒しそうなものだが。
三つ目は逃げ出した時の状況、あの時、プレハブ小屋の中でやり過ごそうと提案したのは本当にパニックになって
いたからなのだろうか?そもそもあんな異様な状況で、3人が3人ともなんの示し合わせもせず疑問も持たず、
真っ直ぐプレハブ小屋へ向かう事などありえるのだろうか?小屋には鍵がかかっていたかもしれないし、それに
すぐ目の前に自分たちの車があるのに、だ。
最後に、あんな異常な状況にあったばかりだったにも関わらず、なぜ彼女たちは「3人だけでトイレに行く事」に
したのだろうか。

考えれば考えるほど、彼女たちの言動には不審な点が多すぎる。
もし、逃げ出す時彼女たちの言うがままプレハブ小屋に立て篭もっていたら、俺たちはどうなっていたのだろうか、
彼女たち3人の言動は今から考えると何らかの悪意があったようにしか思えない。
そもそも俺たちは彼女たちがなぜあの山道を通ったのか、その理由すら知らない。

終わり

出典 http://syarecowa.moo.jp/308/35.html

箱女

moimoi1221
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