【和服の女】恐怖の都市伝説まとめ!背筋が凍る怖い話が満載【田舎の神社】

怖いと有名な都市伝説をまとめました。「和服の女」や「田舎の神社」など、身近にありそうな恐怖を綴ったものを掲載。背筋が凍るような都市伝説の数々を紹介していきます。

幼稚園の頃、鬼を見た。

その日は山に囲まれてる田舎のおじいさんの家に泊まった

わりと近所なので普段から何回か泊まったことはあったから普通にご飯とか食って2階で寝てたんだけど
深夜2時~3時くらいに眩しくて目が覚めた

ふとベランダを見ると
鬼が3人座って何か話をしていた。

ベランダの入り口には横にスライドするガラスの窓があって、その一枚手前には障子のふすまがある

そこにやけに明るい月に照らされて
いかにも「鬼」というような出で立ちの3人がシルエットになって映っていた。

怖かったがとりあえず隣で寝ていたおばあさんを起こして僕が「ベランダに鬼がいる!」と小声でいうと
おばあさんが眠そうに起き上がってまず電気を点けた。

すると当然障子にあったシルエットは消えて、おばあさんが障子を開けてもそこには何もいなかった。

その日見間違いって事になって次の日、家に帰った。

元々、おじいさんちは古~い木造家屋だった事からイトコとの間でも「幽霊が出る」って噂があったけど
実際に本物を見たのは僕が初めてだった

だが話はそれだけでは終わらず、
ちょうど一週間後の土曜日に夜中家で寝ていたら
母親に叩き起こされた

「今おじいさんの家でおじいさんが暴れて警察とか救急車が来てて
今お父さんが様子を見に行ってるけど一緒にいた親戚が包丁でおじいさんに刺されたらしい。とりあえずおばあさんが危ないからウチに非難させる」

という事で
僕はビビって震えながら家で待機していた。

しばらくすると
おばあさんとお父さんが帰ってきて、
おばあさんは
「おじいさんが鬼に取り憑かれた!
いっつも山でカラスとか鹿を猟銃で撃ってるから祟られんだ!」
と話していた

いきさつを聞くと、
親戚で集まって酒を飲んでいたら
急におじいさんが立ち上がって奇声をあげながら台所に行き、包丁を振り回したらしい

元々おじいさんは温厚で人を刺すようなタイプじゃない。
お父さんも「あんな顔のじいさんは見たことがない。本当に鬼が乗り移ってるような顔だった」
と言っていた

ちなみにこの事件は全国ニュースにもなりました

結局おじいさんは捕まって留置場?に入った。

でも元々山とか田んぼとかの地主だったことからお金はいっぱいあって大金はたいてすぐ帰ってきた。

おじいさんは事件の事は全く覚えてなくて
朝起きたら見知らぬ場所で警察に囲まれていたらしい

すぐに身内全員が集合してみんなの前でおじいさんが土下座。

刺された親戚ともすぐに和解しました

その事件から十年以上経って、おじいさんも病死し、何事も無く過ごしていたんですが
去年の2月、イトコの女の子(4才と6才の姉妹が)今はおばあさんしか住んでいないあの実家で泊まっていたら鬼を見たという

もちろんその子達は生まれる前の事件だし、鬼が出るという話も全く知らない。
おばあさんは心底怖がって、ウチに週1くらいで泊まりに来たりしてた。

そしたらちょうど泊まりに来てた3月11日
東日本大震災が起こりおばあさんの家は1階が潰れて2階が綺麗にそのまま下に落ちた格好で倒壊していた。

話が出来すぎてて疑われるかも知れないけど
全て本当のことです。

最後はおじいさんがおばあさんを守ったんだ思います。
いま実家の土地は他人に売っておばあさんと暮らしています。
出典 http://syarecowa.moo.jp/301/21.html

自殺志願のババア

出典: www.flickr.com

八雲漁港(道南)へ友達と車で釣りに行った時の話。
これは4年くらい前だと思う

漁港へ着き、奥へ向かおうとしたら友達が顎で何かの合図をしてきた。
見てみると明らかに漁港には似つかわしくないパジャマ姿のババアが

なんだあれは…

そう思っているとババアは俺たちに小走りで接近してきた

『あんたたち若いね』
『なにしにきたの』
『楽しそうだね』
『若くていいね』

やたら話し掛けてくる。
しかもずっと付いてきて無視するわけにもいかない状態に

話を聞いてるとババアは自殺志願者だった。
どっからか抜け出してきたのか小学生の上履きみたいに名字の書いた靴を履いている

ババアは息子の嫁が憎いという話を延々と続け、人生に嫌気がさしたと愚痴り続けて止まらない

友達が警察呼ぶか?というジェスチャーをしてたが俺はババアを可哀想に思い、座ってババアの話をしばらく聞いてやる事にした

俺はババアの愚痴を1時間半以上聞き続けてやった。
こいつは本気で死ぬ気がなくて話を聞いてくれる相手が欲しいだけだなと感じたからだ

『俺の爺ちゃんは火事で死んだ
地縛霊になって未だにいるっぽいし、自殺したら婆さんも漁港でさ迷い続ける事になるぞ』
と脅してみた

『おっかねえじゃよ!』
とビビるババア

『あんたたち気にしないで釣りやりなさい。
アタシ横で飛び込んで死ぬからさ』

ババアはまた死ぬと言い出した。
しかも話してる事がムチャクチャだ

ババアがダッシュで漁港の奥へと向かおうとしたので友達に警察を呼べと合図をする。
可哀想な気はしたが足場が悪いから死ぬ気がなくてもコケて頭打って死にそうな気がしてきたので(笑)

追いかけた俺はババアに追いつき、半泣き状態のババアを座らせて再び話し込んだ

警察がくるまでババアと話していた

自殺はよくないと俺がババアに再び言うと

『アタシ昨日も死ぬがど思って浜さ座ってたんだ。
したっけ海からお経聞こえてきたんだ』

突然、周りに聞こえないような小声になるババア。
と言っても周りには誰もいないから気にする必要は無かったんだが(笑)

『海からずっとお経聞こえてきて、おっかねくて逃げたんだあ』

『あれ何だったんだべね?』

真面目な顔で聞いてくるババアが少し怖かった。
その後、ババアはパトカーに乗せられてどっかに行った

死者に呼ばれる(?)なんてあのババアにも少しは死ぬ気があったんだなと少し関心
もちろんボケていただけの可能性もある
出典 http://syarecowa.moo.jp/301/29.html

毛束

俺が去年に体験した話。
当時はすごく怖かったんだけど、今考えてみると何か不思議な体験だった。
美容師になって4年目、新人の技術指導で休日出勤してた日だった。
その日は本来休みじゃなかったんだけど、店長が里帰りするっていうので
1日だけ臨時休業になった日だった。

技術を競い合う様々な競技のコンテストが間近に迫ってて、
俺の勤めてる店は新人もベテランも皆強制参加しなければならない。
そこで良い成績を取れれば店からちょっとしたお小遣いが貰えたりするので
自主的に休日出勤をして練習を繰り返していた。

といってもたかが数ヶ月~1年休みに練習したくらいで新人が入賞出来るわけもなく、
だいたいがベテラン達の新人いびりみたいなものだから
1時間もすればベテランは全員帰ってしまって、残ってるベテランは俺一人。
先輩が一人でも残ってる限り新人は帰れない暗黙のルールがあったんだけど、
ただでさえ休みが貰えない新人を見て可哀想になったので、さっさと帰らせる事にした。

俺は昨日確認するのを忘れてた発注書を書く仕事が残ってて、新人全員を見送った後、
店の中をぐるりと見渡して、足りない物をリストアップしてた。

いつもはBGMを流しておく店内も、今はシンと静まり返り、照明も俺だけだから必要最低限。
勿体ないからと空調を切った後は、じめっとした空気が店内に篭ってる。
天井近くまである大型の商品棚を見上げながら、店販のシャンプー、雑誌…とチェックしていき
しばらくは足りない物をメモ帳に書く音だけが聞こえたんだけど、
それが終わってボールペンを止めた瞬間。
ズルっと、足下で何かが擦れる音がした。

反射的に目線を向けると、散らばった髪の毛の束を踏んでいた。
誰かが掃除中に掃き忘れたのかな、なんて思ってまたメモ帳に視線を戻したけど
すぐにそれは有り得ないことに気付いた。
この場所に立ち止まってから少なくとも2~3分は経過してて、なおかつ
一回も足の置き場所を変えていない。なのに何で音がするんだ。

焦って再度視線を下に向けると、最初に見たときは無かったはずの毛束が増えていた。
慌てて一歩後退すると、ズルっと音を立ててその毛束がついて来る。
二歩三歩と後退してもズルズルとついてきて、
加えて髪の毛をためておくゴミ箱から毛束がドサドサとこぼれだし、それに続き始めた。

絶対にこんなこと有り得ない、これは夢だと思いながら
どうにかして逃げようと踵を返し、出口まで走り出そうとした瞬間目に入ったのは、
髪の毛に覆われ、照明に照らされぬらぬらと真っ黒に光ている出入り口の扉だった。
本来だったら外が見える筈の大型のガラス窓も、全部真っ黒だった。
あ、これはもう駄目なんだ、と思った瞬間右足首をギュッと掴まれる感触がして、
そのまま勢い良く引倒された。とっさに出た両腕で、顔面から床に激突するのは
回避出来たものの、グイグイ引っ張られる右足の痛みがもの凄くて
いっそ強かに頭を打ち付けて気を失いくらいだった。

ああもうこれで死ぬんだ!と思った瞬間
ゴッという音と共に地面が揺れた。

遠目に見える商品棚からシャンプーや雑誌が勢い良く転がり落ちてて、
そこでようやくこれは地震なんだって気付いたんだけど、
未だ足は引っ張られて店の奥に連れて行かれてるし、地震だしで大パニック。
必死で祈りながら地震も怪奇現象も収まって欲しいと目を瞑って耐えてた。
ガラスが割れる音や、何かが転がってく音がやっと収まった…と思って
そっと目を開けてみると、その怪奇現象以上に信じられないことが起きてた。

俺の周りだけ、何も無かった。
出入り口のガラス、大型のガラス窓は砕け散ってる、観葉植物の鉢は割れてるし、
店販の商品なんか至る所に転がってた。さっきまで俺が立ってた場所は商品棚が倒れてる。
でも俺の周りだけ、俺を避けているみたいにガラスも何も無くて、俄には信じられなかった。

気付けば髪の毛に掴まれてた足は自由になってて、これ幸いとばかりに割れたガラス窓から
逃げ出した。それが去年の3/11、東日本大震災の日。
店から逃げた後は周りの惨状に圧倒されっぱなしで、深く考える事も出来なかったけど、
今考えるとあの髪の毛は俺を助けてくれたんじゃないかと思ってる。
死ぬかと思うくらい怖い思いをしたし、俺をどっかに連れ去る途中で地震があって、
結果的に助けたみたいになったかもしれないけど。
出典 http://syarecowa.moo.jp/301/36.html

男だらけの肝試し

出典: www.flickr.com

俺が高校2年製の頃の話(6年くらい前)
その頃の友達と男だらけで夏祭りに遊びに行った
男子校だったんだからしょうがねぇだろと言い訳しておく
で、男3人ででかい公園で毎年恒例七夕の花火を見に行く事に
買食いしながらオタトークやら花火をみて無事終了
迎えに来た友人の兄の車に乗って帰ることに
でもなにか物足りないからもう少し遊びたいよなーって話に
既に迎えの車はこっちに向かってるからなぁ、って事で

肝試し

することになっちゃいました
車でいけるところで近場に、自殺で有名な心霊スポットのデカイ橋がある
やっぱ夜に行ったら怖いのかなーと気軽にいってみようぜという流れになった
で、友人の兄に話したら快諾、連れてってもらうことになった

いざ到着してみると、まだ人気が残る時間帯で交通量も多く全然手応えなし
もう少し遅い時間にまた来てみようということで一時ドライブを楽しむことに
友人兄の車でキャラソン入れたMDを豪快に鳴らし歌いまくる野郎3人+1
それにしてもこの馬鹿共、ノリノリである
友人兄「あれー、ここどこだっけ、あ左?曲がる?」
俺ら「遺影!遺影!イェイ♪」
友人兄「おk、だいたいわかった」
しばらくそうしていると友人兄の様子がおかしい
友人兄「あれー、まじここどこよ?看板もねぇし…」
俺らにも動揺が走る
いけどもいけども街灯以外の光が見当たらなくなってきてる
友人兄「ちょっとまじわかんねぇからどっかでUターンして引か返すわ」
俺らも満場一致でそうしよう、それがいい、方向音痴となじった
気を取り直して男だらけのオーケストラを再開
だがしばらくして全員が無言になった
来た時より時間かけて戻ってるのに、一向に風景が変わらない

「あーもうなんなの!まじあの糞フィギュア買う金でカーナビ買うべきだったわ!」
絶対こいつカーナビに金出さないなぁとは思いつつ誰も突っ込まない
どうしたらいいのかわからず無言で一本道を進んで行くと、行き止まり
まじかよおい、全員が嫌な雰囲気を感じ取っていた
明らかにおかしいんだもん
行き止まりで車止めてたら、変な声が聞こえてくる
いや、声が変なんじゃなくて、周りに誰も居ないのに集団がボソボソ喋ってる感じ
多分この声に気づいたやつから次々硬直していったと思う
俺らしばらく全員金縛りにあったみたいに微動だにしなかった
そして車がエンスト
その瞬間友人兄がやべぇって叫びながらキーを回すが何度やってもエンジン掛からない
うんともすんとも言わない
俺らも金縛りが溶けたかのように無責任に何やってんだよ、早く車出せと捲し立てる
ほんともう涙目
なんか世の中舐めてましたすんませんって感じ
でもどーしてもエンジンかからない
かといって車の外になんて飛び出したくもない

そしたら友人の中の一人がヤケクソになって
「がちゃがちゃきゅーーーーーーとふぃぎゅあっとぉぉぉぉぉ↑(爆音)」
さっきまで掛かってたガチャガチャきゅ~と・ふぃぎゅ@メイトを歌い出した
なんかよくわからんが俺らも乗るしかない、このビッグウェーブに!
全員が大熱唱、もう気が狂うほどに
しばらく歌ってたら回してもないのに勝手にエンジンが掛かった
友人兄「いよっしゃーぁぁ!バック全開!」
バックに猛ダッシュする車!したたかに顔を打ち付ける俺ら!
「勝ちました!勝ちました!」
そんなことも気にせず喜ぶ俺ら!

しかし車を物凄い衝撃が襲った

俺らはまた硬直した
今度はなんだ、もう勘弁してくれ
振り向くと車は来た時には絶対になかったT字路で電柱に衝突してた
大変な事故だが、俺らは全員元の世界?に戻ってこれた喜びに震えていた
出典 http://syarecowa.moo.jp/300/1.html

証明

出典: amanaimages.com

帰宅電車内から書かせていただきます。
体験談とはいえ、そこまで怖くはないのはご容赦を。

幽霊らしきものを見た話

俺がまだ大学生だった頃のこと

友人が泊まりに来いというので一人暮らしの狭いアパートに泊まった。
俺は彼女と別れたばかりということもあり、酒を買い込んで行ったわけだ。

たらふく飲み食いし、どちらからともなく眠った深夜

俺がふと目を覚まし横に寝ている友人の方を見ると、友人の上に誰かが乗っているのが見えた。
グレーのTシャツに黒っぽいスウェットパンツを穿いた女性のようだ。

俺は酔いの回った頭で「コイツ俺が寝たからってカノジョ呼んでイチャついてやがる」と思い、自分が別れたばかりということもあって頭にきたんだな。
つい「オイコラ!」と怒鳴った。

するとその瞬間女性の姿は掻き消え、友人が飛び起きた。

その後の友人の話によると、どうも先ほどの女性は人間ではないらしい。
毎夜寝ているところに現れては首を絞めてくるという。友人が起きるとすぐ消えるらしいがね。

俺がイチャついてやがると思った姿は、まさに首を絞めているところだったようだ。
女性の件が友人の妄想ではないと証明するために、事情を説明せずに俺を泊まらせたとのことだった。
ハタ迷惑な話である。

謝りながら語る友人の首には赤い痕が付いているのが見えた。
出典 http://syarecowa.moo.jp/300/4.html

鈴の音

出典: amanaimages.com

5年くらい前、名古屋のとある会社に勤めていたんだが、仕事の関係で1週間くらい東京に滞在することになった。
22時くらいまで仕事してホテルに帰って風呂入って寝て、また翌朝出張先へってのを繰り返し。
選んだホテルは適当に、出張先に近いのと、設備もよさそうだからとそれだけ。
仕事自体は自分ひとりの出張だし重くない業務だし、まあのほほんとした気分で赴いた。

1日目チェックインして部屋に入ったとき、別に何も感じなかった。そもそも自分は霊感ゼロだったし。
ところが洗面所で手を洗っていると、鈴の音みたいなのがするのに気づいた。
チリーン、チリーンって規則的に思えて規則的でない、鈴の音?金属の共鳴音がする。

最初は洗面台の上のコップに響いてる音かなと思って、コップをどけてみたがまだ音がする。
それじゃあ水を流すと配管か何かに響いて音がしてるのかな、程度に考えていた。
ただ、音の出所がどうしても分からない。自分は結構耳がいいほうなんだが、その音がどこからしているのかわからない。

2日目も3日目も、洗面台で水を流していると鈴の音がする。
その頃気付いたのは、音がするのは水を流しているときだけ。水を止めると鈴も鳴り止む。
そうなると自分も「ああ、配管に響いてるんだろうなー」と暢気に考えていた。

4日目。仕事も順調で、その日は20時にはホテルに帰った。
顔を洗っているとやっぱり音がする。
「ああ、まだ配管おかしいのかな」って思って、顔を上げた。
鏡に映っている自分の背後のドアの影から、人が覗いているように一瞬だけ見えた。
ふっと振り返っても誰もいない。当たり前だが。
そのときは何か疲れてるんだろうなーって思うだけだった。よく疲れていると、視界の端に白いぼんやりしたのが見えるだろ?
それと同じだと思っていた。
その後特に同じようなことがあるわけもなく、変わらないのは水を流すときに鈴の音が聞こえること。

ところがホテルに泊まる最後の日、その日は仕事先の人と最後ってことでちょっと飲んだんだ。
その後ほろ酔いで帰ってきてシャワーを浴びていた。そしてシャワーの水を流しているときに気付いた。
今までは、洗面台の水を流しているときだけ聞こえた鈴の音が、今日はシャワーの水を流していても聞こえる。

チリーン、チリーンって音は間隔を置いたと思えば、連続して鳴る。
配管いかれてるんじゃねえのこのホテル、って思いながら何気に視線をシャワーカーテンのレールの上に上げた。
真っ白い顔の女の人がうつろな視線で見ている。
よくこういうときには怒っているとか悲しそうとか見かけるけど、そいつはぼんやりと焦点も定まっていない感じ。
ただ、顔色が真っ白というか、真っ青に近かった。

温かいシャワーを浴びてるのにぞわっと鳥肌が立って、シャワーカーテンを開いても誰もいない。
改めてカーテンレールの上を見てもさっきの顔はなかった。

ああ、こりゃやばいなーって思って、さっきまで飲んでた仕事先の人に電話。
理由も告げずに「もうちょっと飲まねえ?」って言ったら、「いいですよー」ってことで早々にホテルを後にして夜明かし飲んだ。
荷物は翌日朝に隠れるようにまとめて持っていった。

まあそんなことがあって名古屋に戻り、何ヶ月かな?忘れたが、そろそろ忘れかけていた日。
休日の昼間に起きるという駄目人間っぷりを発揮して、洗面所で顔を洗っていた。

チリーン、チリーンって音が聞こえる。
「え…」って思って、勝手を知る自分の家のコップを抑えてみたり、蛇口を押さえてみたり、
棚を空けて配管を抑えてみたりしたけど音は収まらない。

「いやいやいや、ねえよ…」って思って流しっぱなしの水を止めようと蛇口に手を伸ばした瞬間、
家の外から、

「やっと追いつきましたーーーー、覗ける場所があったらずっと覗きますよーーー」

って、竿竹屋や灯油の移動販売みたいな、スピーカーから聞こえるような間延びしてぼんやりとした女の声がした。
え…って思って鏡を見ると、洗面所と廊下をつなぐドアの隙間から、あの無表情な顔が覗いていて。
あわててドアを閉めると鈴の音も収まった。

それ以来、ずっと、ドアや窓、箪笥や戸棚さえも開けっ放しにはしないようにしている。
「覗ける場所から覗く」ってことは「覗ける空間がなければいいんだ」と思うようにしている。
それに気をつけるようになってから、あの鈴の音は聞いていない。

兄貴(こちらも霊感はない。ただ妖怪の話が大好き)に話したら、「それ屏風覗きなんじゃねーの」って笑っていた。
特に害はないらしいが、新婚の初夜を覗くのが趣味の妖怪が、なんで俺を覗いていたのかは謎のままだ。
出典 http://syarecowa.moo.jp/300/8.html

ギシギシ

あまり怖くなくて申し訳ないけど…

今住んでる実家は、小学生の頃に引っ越したマンション。築年数は30年近くだと思う。
私らが住む前に誰か住んでいたんだろうけど、20年近くはここに住んでる。

話は昔に遡るんだけど、小学6年生くらいの頃。
昼間、中学受験のために自室で勉強してた。
実家はそんなに広くなくて、玄関から入るとすぐ右手がトイレ、左手が私の部屋、トイレの隣にお風呂、そしてドアを隔ててリビングがある。
このリビングに行くまでの廊下は少し軋んでて、人が歩くとギシギシ言う。
自室にいると、家族がトイレに行く時なんかにギシギシ言うのがよく聞こえる。
話は戻って、勉強してると、リビングの方から廊下がギシギシ言い出したのね。
誰か来たわ、と思ってると、またギシギシはリビングの方へ戻っていく。
あれ?と思ってると、またギシギシが来る。また戻っていく。
音はあまり速くなくて、普通より少し遅いくらいだった気がする。
数回それを繰り返して、自室のドアを開けてみると誰もいない。
リビングのドアが開いた音も聞こえなかったし、すりガラスが付いてる自室のドアにも人影はなかった。
昼間だし、あまり怖いとは思わなかったし、これ一度きりだから忘れかけてた。

去年私は数年ぶりに実家に戻ってきて、特に何事もなく過ごしてたんだけど。
数ヶ月前の夜中、眠れなくてトイレに行きたくなった私はベッドから起き上がった。
すると、リビングからお風呂場の手前の洗面所へ、ギシギシが鳴った。
うちは猫を飼ってて、たまに吐くので、その片付けを父親がやってるんかな、と思った。
ギシギシはまたリビングの方へ戻っていった。
じゃあトイレに行こうかな、と思い直すと、またギシギシが洗面所の方へ。
あれ?そう言えばリビングのドアが開く音を聞いてない。
ギシギシと何かの気配はするけど、水音もしない。
え、何これ…、と思ってると、小さく「ニャーン」と聞こえた。
あ、やっぱり父親か。猫も起きてるし。ドアは初めから開いてたんだろ。
ギシギシはリビングへ戻っていった。
そして自室のドアを開けて、トイレに行った。
何もいなかった。
リビングのドアは閉まっていた。

翌朝、父親に夜中何かやってた?と聞くと、寝てたとのこと。
でも、猫が鳴いたし!と言うと、いやー、猫も爆睡してたよ、って。
何だったんだろう。これも一度きりでした。
出典 http://syarecowa.moo.jp/300/27.html

前倒し

弟の友人の話

友人の実家は田舎の古い大きな家で、奇妙な話も幾つかあったそうだ。

ある夜、家族で一階にいると、電話がかかって来た。
時刻は夕飯を食べ終わった後位。もう外は暗くなっていた。
お父さんが廊下に出て電話を取りに行ったそうだ。

電話の相手はお父さんの古くからの友人で、今夜訪ねて来るという。
この人は一人旅が好きな人で、しょっちゅう海外に出かけては
時々ふらりと帰ってきて、みやげ話をさかなに一杯という人。

今度はカンボジアだったかベトナムだったかから帰ってきたから、
今からその足で家に寄る、ということだった。
時間を気にしない人だったので、子供やお母さんは待っていても仕方がない
と言う事で、皆二階に寝に行った。
お父さんは一人で応接間に酒とかを運び込み、友人を待っていた。

お母さんによると、その晩は結構遅くまで半分起きていたけれど、
気が付いたらいつの間にか一階からお父さんの話す声が聞こえていたという。
静かなので、二階からも一階の音が聞えるのだ。
ただ玄関を開ける音が聞こえなかったそうで、
何時の間に来たのだろうと思ったそうだ

次の朝、お母さんが一階に降りてみると、お父さんは応接間で眠りこけていた。

ところがどうも、お酒は二人分用意されていたが、
お父さんが一人で飲んでいるうちに酔いつぶれて寝てしまったように見えた。
本当に昨晩訪ねてきたのだろうか?
実際玄関を開ける音もしなかったし、そういえば一階からはお父さんの声しか聞こえなかった。
酔いすぎて、夢を見ていたのではないのか。

ところが起きたお父さんは、絶対来た、という。
間違いなく昨日玄関まで迎えに行ったし、ここで酒を飲みながら話した。
それに、旅先であった出来事も聞いたのだという。

そしてその夜、また電話がかかって来た。
今度はお母さんが電話に出たのだが、その友人が、旅先から帰って来たので今晩訪ねたいという。

え、昨日訪ねてきませんでしたか?と聞いたら、
もちろん行っていない、そもそも今帰って来たばかりだし、電話も今はじめてかけたのだという。

どういう事だろう、昨日の電話はお父さんがとる所を皆見ている。
あれもお父さんの勘違いだったのだろうか?
夕食後そんなに酔っていただろうか?
でもそれなら帰ってくる事が分かること自体おかしいのではないか?

そして奇妙な事に、その晩訪ねてきた友人が写真を出すと、
お父さんがことごとく昨日の晩聞いたという詳しい話をしたという。

お父さんも友人も真に迫っていて、全然悪戯をしている感じではなく、
結局それが何だったのかは分からないままだそうだ。

でも私はふと思う、実際に誰かが訪ねてきたのではないか?と。
出典 http://syarecowa.moo.jp/300/34.html

いたずら

出典: amanaimages.com

moimoi1221
moimoi1221
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