【和服の女】恐怖の都市伝説まとめ!背筋が凍る怖い話が満載【田舎の神社】

怖いと有名な都市伝説をまとめました。「和服の女」や「田舎の神社」など、身近にありそうな恐怖を綴ったものを掲載。背筋が凍るような都市伝説の数々を紹介していきます。

小学四年生の時、夜の7時から10時まで週に2回、隣町の学習塾に通っていた。
隣町に行く間には貨物列車の線路があって踏み切りを渡る必要があったのだけど、
貨物車は、めったに通ることがなかった。
なので遮断機が下りることもなく、タイミングがいいのか、いつも踏み切りは素通りであった。

ある日のこと、塾を終えていつものように自転車で家路を急ぎ、踏み切りの所まで差し掛かった。
するとその時に限ってチンチンチンチンと鳴りだし自転車の前で遮断機が下りた。
しょうがないので待っていたのだけど、いっこうに貨物車が通る様子がない。
数分くらい経っただろうか。
線路を挟んで反対側の遮断機の向こうに、いつの間にか小さな女の子がポツンと立っていた。

街灯の明かりに浮かび上がる女の子は真っ赤なワンピースの肩からタスキ掛けに黄色いポシェットをしていて、幼稚園児くらいに見えた。
俯いているようで、おかっぱ髪が顔にかかり表情まではわからなかった。
こんな時間に幼稚園児の女の子が一人で?とは思ったがあまり気にも留めず、
チンチンチンチンと鳴るばかりで、貨物車が通ることもない踏み切りの前で、
ボーっと立ち往生したまま夜空を見上げて、さらに数分が過ぎた。

チンチンチンチン、チンチンチンチン…空しく鳴り響くだけの音に、
どうして貨物車が通らないんだろう?遮断機の故障じゃないのかな?と、苛立ち始めていた。
さらに奇妙なのは、いつもは自動車や人が行き交うはずの場所なのに、辺りに人の気配すらなくなり、
この何分かの間、女の子以外まったく誰一人も見かけないことに気づいた。

妙な違和感がした。まわりがやけに暗い。
夜空はどんよりと雲が拡がっていて月は出ていなかったが、夜だといっても住宅街である。
各家々の窓明かりがあるのだけど、いつもに比べその明かりがとても薄暗くなってる気がしたのだ。
それに対比するかのように、自分の真上と女の子の真上にある街灯だけが妙に明々と感じ、
暗闇の中で、自分たちだけを照らし出すスポットライトのように感じた。
まるで、その世界に自分と踏み切りの反対側の女の子だけしか居ないのではないかと思うほどだった。

さすがに、なんか変だなと思い始め、辺りをキョロキョロ見回したあと、目線を踏み切りに戻すと、
踏み切りの反対側のスポットライトの下からあの女の子まで消えていた。
さては、あの子も待ちきれなくなって、どこか行ったのかなと、そのときは思った。

チンチンチンチン!チンチンチンチン!…
と鳴り響き続ける中、なんだか一人で、この世界に取り残されたような気分になっていた。
孤独感が襲ってきて背中がゾクゾクと寒気までしてきた。
貨物車も通りそうもないし、まずいかもしれないけど遮断機を超えて通っちゃおうかなと思った矢先。
自転車の横をふと見ると、あの女の子がそこに立っていて目が合った。
その瞳には白目がなく瞳全体がまるで血のように真っ赤だった。
そして女の子は

「通っちゃいな」

と言ってニターッと笑った。

思わず、後ずさりして、ウワーッ!と声をあげて叫んでしまった。
見てはいけないものを見てしまったような気がして、顔を横に反らして目を閉じた。

ほんの数秒も経たないで、そっーと目を開くと、目の前の踏み切りには遮断機は降りていなかった。
チンチンチンチンという音も消え、かわりに、いつもの住宅街の人の気配と車の騒音に戻っていた。
どこから現れたのかスーツ姿のおじさんや、おばさんたち数人が踏み切りを渡っていて、
後ろの道路には自動車が行き交っていた。

あの女の子は?
まわりを見回しても、あの女の子はどこにもいなかった。
え?どうして?なんで?
いろんな疑問が頭の中を駆け巡り混乱しつつも、その場から離れたくて自転車を押した。
踏み切りを渡り自転車に飛び乗ると、逃げるようにして家路を急いだ。

翌日。やはり気になって、学校の帰りに明るいうちにその踏み切りに寄ってみると、
踏み切りの脇に、花や女の子向けの玩具が供えられていた。
翌週からは塾の行き帰りには遠回りをして、違う踏み切りを渡ることにしたのだった。

それからは踏み切りの遮断機が下りることに出くわすことも、あの女の子を見かけることも一度もなかった。
出典 http://syarecowa.moo.jp/322/32.html

娘と狛犬

5歳になる娘と散歩で立ち寄った神社でおみくじを引き、3回連続で凶が出た
こんな事もあるのかと驚きながら家に帰ると、嫁が訝しげな顔で言った
「それ、どうしたの?」
見ると、娘がいつも抱いていた犬のぬいぐるみが無くなっていて、代わりに神社にあった小さな置物の狛犬を抱いている

娘に聞くと神社にいた時、宮司姿の男が現れていきなり娘の腕を掴み、何処かへ連れて行こうとしたらしい
その時、抱いていたぬいぐるみが男に噛み付いて、そのまま男と一緒に消えてしまったと言う
もちろん私はそんな男には出会ってないし、神社では娘とずっと一緒にいたはずだ
すぐに神社に問い合わせたが娘が見たような宮司は存在しなかった

翌日、犬の置物を神社に返しに行った際、待っていた神主が妙な事を言った
「この狛犬は持っていて下さい。あと2回、必ず娘さんを守ります」
私はあと2回とは何の事か、誰が娘を狙っているのか尋ねると
「娘さんは神の供えとして選ばれました。あなたがくじを引いた数だけ災いが起こります」
それだけ言うと神主は押し黙ってしまい、あとは何を聞いても答えなかった

その日の夜に1回目の異変が起きた

自宅の仏間で人の声が聞こえるので見に行くと、5年前に亡くなった母が鎮座してお経を唱えていた
母は娘を連れに来たと言う
私はそれだけは止めてくれと頼むと
母は生前に見せた事もない狂ったような顔で「やかましい」と言って立ち上がり娘の所へ行こうとした
その時、地響きのような呻り声が聞こえたかと思うと巨大な白い犬が現れ、母の体を咥えて仏壇の中に消えていった
私が急いで娘の所に行くと、娘は眠っていたが枕元に置いていた狛犬は無くなっていた

神主は狛犬が2回、娘を守ると言ったはずだが狛犬はもう無い
私が翌朝、神社に行ってその事を話すと神主は
「狛犬は二体一対です。もう一体、別の体を成して娘さんの傍に在ると思います」と言う
私は娘の周辺にあるそれらしき物を捜してみたがなかなか見つからなかった

2回目の異変は次の日の昼だった

私が仕事で出かけてる間に、誰かが玄関のチャイムを鳴らした
嫁が出ると、身長は2mを超えるかという大きな犬のぬいぐるみが玄関先に立っていた
辺りには生臭い異臭がして、よく見るとそれは娘がいつも抱いていたぬいぐるみにそっくりだった
嫁は驚いてドアを閉めようとしたが凄まじい力で跳ね返され、ぬいぐるみは家の中に上がりこみ
台所にいた娘の手を引いて何処かへ連れ去ろうとした

するとなぜか仕事に行ってたはずの私が四つん這いで走って来てぬいぐるみに突進し
歯でぬいぐるみをバラバラに噛み千切ったという
私はその時の記憶が全く無い

異変はそれ以降起きないが
私は神社に行ってもおみくじを引くのが怖くなった
出典 http://syarecowa.moo.jp/322/47.html

道標

俺は九州出身なんだが、大学は四国へ進学した。以下はゼミの先輩から聞いた話だ。

四国と言えば八十八ヶ所霊場巡りが有名だが、昔は大変だったお遍路も今では道が整備され道標も各所にあり地域住民も協力して初心者でも観光気分で行けるようになった。
ただ中には下手すると山で迷いかねない部分もあって、特に高知県の西側から愛媛県にかけては難所がまだいくつか残っている。
先輩は愛媛県出身で、実家の近くにも畦道をぐねぐねと通った後小高い山を回り込んで向かわなきゃならない霊場がある。
畦道から山の麓に出たところで道が二手に別れていて、霊場にはそこを左へ進まなくちゃならないんだが、時々右へ行っちゃう人が出るらしい。
もちろん道標が立っているんだけど、それでも何故か間違う人がいると。
ちなみに右の道は徐々に登り坂になっていていくつかの分岐を経て最終的には山の頂上に通じているのだが流石にそこまで行っちゃう人は少なくて大半は戻るのだそう。

で先輩が小6の夏、付近をお遍路していた初老の男性が行方不明になり近隣住民が総出で捜索することになった。
例によって道を間違えたのだろうと麓から頂上までの道を探したが見つからなくて、夜になって一度引き上げ次の日にやっと見つかった。
発見現場は山道からずっと外れた林の中で明らかに不自然な場所。しかも真夏なのに衰弱が激しくてあと数時間遅れていたら命が危うかったらしい。
後に病院で警察が聞き取りしたところ、次のように言った。

「畦道から麓に出たら道標があって矢印が右となっていたから右に進んだ。しばらく行くと下生えが酷くなり道が判りにくくなって困ったが、
先を行く人の後ろ姿がチラッと見えたのでその人について行った。その人はTシャツに短パンと軽装で帽子もかぶらず手ぶらで、分岐点も迷わず登っていくので地元の人かと思っていた。
見かけてから10分くらい経った頃、その人は不意に道からそれて林の中へ入って行った。思わず急ぎ足になって消えた地点まで行き林を覗いたがもう姿は見えなかった。
改めて一人になってしまうと急に心細くなって引き返そうと踵を返した。すると来た道は下り坂になっているはずなのに登り坂になっていた。慌てて振り返るとそっちも登り坂だった。
混乱してその場から動けずにいると、人の話し声が聞こえてきた。どちらからかはよく判らなかったが人の姿は見えないのに声だけが近づいてきて、よく聞いたらお経のようだった。
怖くなり林の中へ逃げ込んだ。そうしたら声が耳元に迫ってきて吐息や髪の毛が触れたので叫びながら奥へ奥へと逃げ込んだ。そして迷ってしまった」

まず道標から勘違いしてしまっていたが、更に詳しく聞いていくと錆び付いて見にくかったとも証言した。
しかし道標は前年に新しくしたばかだったし、その数日前にお遍路にきた人も判りにくくはなかっと証言している。
それから当日地元民で山に入った者は誰もおらず、他に目撃した人もいなかった。

結局悪質ないたずらってことで幕引きになったがそれ以降も迷う人が後を断たないため、地元では初心者と思しきお遍路さんは引き留めたり霊場まで一緒に行ってあげたりしているそうだ。
出典 http://syarecowa.moo.jp/323/1.html

ライブチャット

特定されないようにフェイクをまぜて書きます。
長くなるけどごめん。数年前のこと。

私は田舎を出て八王子のぼろアパートで一人暮らしをし、女子大に通いつつ、
サークル活動はせずにアパートの近所のファミレスでバイトをしてた。
ファミレスは時給900円ちょっと。親からの仕送りは家賃5万+生活費2万で7万。
遊ぶためのお金は自分のバイト代でまかなう感じだった。

でも学校帰りにファミレスで働いて稼げるお金なんてたかが知れていて
服やかばんや靴を買ったり、飲み会に顔を出したりしてたらすぐになくなってしまう。
短時間でラクに稼げるバイトはないかな~なんて考えていたとき、
八王子駅前にいるティッシュ配りのお兄さんにキャバクラの求人広告をもらった。

私は見た目が派手じゃないし、内向的でキャバクラなんてできそうにない。
それにアルバイトとは言え水商売には抵抗がある。
だけどキャバクラの求人の下の部分には、
「おしゃべり苦手でも大丈夫☆」というコピーとともにQRコードとURLが掲載されていた。

帰ってPCからアクセスしたそこはライブチャットの求人だった。
ライブチャットというのは女の子がWEBカメラで自分の姿を映して、
その映像を、サイトを通じてお客さんに配信するというもの。
映像の内容は女の子によってまちまち。
顔を出しておしゃべりする子もいれば、顔を隠す子もいる。
露出度の高い格好で出演する子もいれば、普段着の子もいる。
エッチな会話をしたり、裸になったりする子もいれば、しない子もいる。
サイト自体18歳未満登録禁止だったから、陰部さえ出さなければ脱いでもOKというルールがあった。

お客さんはほぼ全員男性。お金を払ってポイントを購入し、ポイントに応じて女の子の映像を見られる。
その金額の何割かが女の子に支払われるというシステム。
私はさっそく登録した。カメラはPC内蔵だったからその日からすぐに始められた。
バレることはないとは思ったけど、念のためウィッグをかぶった。

映像の配信をスタートしたらすぐにお客さんが来た。
人によっては「オナニーして」「脱いで」とリクエストが来たけど、それには応じずおしゃべりのみ。
エッチ目当ての人はすぐ出て行っちゃうけど、
中にはおしゃべり目的で来ている人もいて、そういう人と会話を楽しんだ。
不思議とカメラ越しなら喋れるもので、私は身分を偽りつつ、じわじわポイントをためていった。

一ヶ月するとポイントは5万円分ほどたまっていた。
講義が終わったらファミレスのバイトをして、帰宅してからはライブチャット。
週に3日程度、家で数時間のおしゃべりをするだけで月5万。割のいいバイトだった。

それというのも固定のお客さんがついてくれたから。
4人くらい、私がログインしていると必ずチャットルームに入室してくれる人がいた。
その人たちはエッチよりおしゃべり目当て。いわく「のんびり話せて癒される」とのことだった。
田舎の出身だったからか「どんくさい」「ボーっとしてる」と言われることが多かったけど、
固定客の人たちにとってはそれがいいらしかった。

固定客はほとんどサラリーマンだったと思う。
たった1~2時間の会話のために数千円分のポイントを払えるような人たちだ。
文字チャットの時もあれば肉声でしゃべる時もあったし、
オープンチャット(他の人からも見れる状態)の時もあれば
プライベートチャット(他の人からは見れない状態)の時もあった。

2ヶ月もすると常連さんとはだいぶ親しくなった。
最初は身分を偽りながら喋ってたけど、本当のことも聞かれれば少しは答えるようになっていた。
「〇歳の女子大生なんだよ」「バイトはファミレスでしてる」「西東京に住んでるよ」とか。

で、チャットのバイトを始めてから半年くらいだったかな。生まれて初めて彼氏ができた。
友達に紹介してもらった人で、何回か遊んで、知り合って1ヶ月くらいで告白された。

恋人ができたらチャットはやめるって決めてたから、
プロフィールに「月末で退会します」って書いた。
それを見た固定客の人たちがお別れを言いにきてくれた。
「今まで楽しかったよ」「もう話せないなんて寂しい」と嬉しいことを言ってもらった。
チャット終了後にはメッセージ(簡易メール機能)で
「これからも元気でね!勉強がんばれ!」なんて応援が届いて、
ライブチャットを通した仲とは言えちょっとしんみりした。

その次の日もログインした。
ログインとほぼ同時に入室&プライベートチャットにしてきた人がいた。常連のSさんだった。
Sさんはプライベートチャットでしか会話しない、「二人きり」にこだわりのある人だった。
ログインした瞬間に入室なんて、待っててくれたのかな?
なんて、のんきなことを考えた。

応答ボタンをクリックしたら「〇ちゃん、やめちゃうの?」と挨拶もなく言われた。
「うん。色々あってw」ちょっと濁して答えたら「色々ってなに?」って少し強く聞かれた。
「学校とかバイトとか色々」
「もっと詳しく教えてよ」
「バイトの回数増やしたし、勉強もがんばりたいから」
「夜だけなら続けられるでしょ?」
「夜は勉強するから…ごめんね」
「毎日毎日そんなに勉強するの?チャットの時間も取れないくらい?」
「うん…資格の勉強もあるから…」
「土日は?昼間とかログインできないの?」
「土日は教習所に行きたくて…」

Sさんはだいぶしつこかった。
私は嘘を交えつつ答えたものの、面倒くさいなぁ…という気持ちが大きかった。
Sさんは普段はもっと落ち着いてるから、どうしちゃったんだろう?という戸惑いもあった。

「教習所?どこ?八王子だよね?〇〇学校?」
「ん~まあそんなとこw」
「ここで稼いだ金で免許とるのか」
「そういうわけじゃないけど」
「そうだろうが!!!」

いきなり怒鳴られた。びっくりして心臓止まりそうになった。

「俺から巻き上げた金で免許とるんだろうがよ!」
「えっ!?えっ!?」
「お前にいくら使ったと思ってんだよ!ええ!?お前が」

ブツッ!

会話が切れた。というか私が切った。キックボタンという強制退出機能を使った。
通話が切れてしばらくしても心臓がドキドキいってた。

五分くらいしたら、Sさんからメッセージが届いてた。
「さっきは怒鳴ってごめん。つい取り乱してしまいました。
大好きな〇ちゃんがチャットをやめてしまうと知って動揺してのことです。
嫌いにならないでください。ひどいことを言ったのは謝ります。
すみませんでした。どうかまた通話してください。」
という内容のものだった。

「驚いてキックしちゃった。こっちこそごめんなさい。
今日はやめておきます。月末までは不定期でログインするので
また時間が合ったらチャットしようね」
そう返信して、その日はログアウトした。

次の日はログインしなかった。2日たって、バイトの後にログインした。
またログインと同時にSさんが入室してきた。もちろんプライベートチャット。

「〇ちゃん、一昨日はごめんね」開口一番Sさんは謝ってきた。
「大丈夫。こっちも素っ気なかったしねw」
私はそう答えた。あんまり思ってなかったけど。

「でも〇ちゃん、本当にやめちゃうんだ」
「うん。やめるのは変わんない」
「教習所がんばってね」
「ありがと」
「八王子だから〇〇ドライビングスクール?」
「ん~w」
「〇〇自動車学校?〇〇ドライビングカレッジ?」
「どうだろうねーw」この人、調べたのかな…と若干引きつつ答えを濁していたら
「ここで〇ちゃんがチャット始めてもう半年だよね。
前に月5万くらい稼いでるって教えてもらったじゃん。5万×6ヶ月で30万だよね。
〇ちゃんは女の子だからAT限定かな。
AT限定で学生コースのある学校に30万円で通うってことは
〇〇ドライビングスクールかな? どう?」とか言い出した。

もう私はドン引きだった。
たしかにずっと前に月額どれくらい稼げるのか聞かれて答えたし
「教習所に通う」って嘘もついたけどそこまで調べてるとは思わなかった。

「聞かれても答えないよ~w」
「あっ、当たってるんだ? 図星でしょ?」
「どうかなー? ごめんね、今日はもう落ちるよ」
「当たったから逃げるんだ? そうでしょ?」
Sさんはまだ喋ってたけど私は退室した。
この間まで仲良くしてたSさんが、もうストーカーの類にしか思えなかった。
退会は月末を予定してたけど、前倒しにしようと思った。

ログアウト前にメッセージを確認したらSさんから届いてた。
「〇〇ドライビングスクール 評判いいみたいだよ^^ 僕も行ってみようかな(笑)」

怖くなって返事をせずログアウトした。Sさんは確かに以前から私の素性を聞き出したがる傾向があった。
「学校はどのへん?」とか「出身はどこなの?」とか。
プライベートチャットで二人きりだし、普段は優しくて話題も豊富だし、オープンチャットより
だいぶ消費ポイントの多い(=お金のかかる)プライベートチャットを
常にするくらい収入のある人だから、私も油断して
「八王子だよ」とか「〇〇県だよ」とか答えてた。さすがに学校名や住所は言ってなかったけど。

そんなわけないとは思いつつ、もしかして私の素性が知れてるんじゃないかと不安になった。
彼に相談したかったけどライブチャットをしていたことはバレたくない。
次の日からチャットにはログインしなくなった。

その夜は怖かったけど何日かしたらそんなことも忘れた。彼とのデートに浮かれてたから。
でも月末に通帳の記帳をしたらライブチャットからのお給料が振り込まれてて、
それで退会のことを思い出した。
気が乗らなかったけど退会処理をするためにログインして固まった。

「新着メッセージ 100件」

お知らせ欄にはそんな表示が出ていた。
ライブチャットのメッセージは最大100件までしか保存されない。
限度いっぱいに届いたメッセージは、全部Sさんからだった。

「〇ちゃん! 次のログインはいつ?」
「〇ちゃん^^ もうすぐ月末だね」
「〇ちゃん? 今日はログインしないのかな?」
「〇ちゃん! 今日は教習所かな?」
「〇ちゃ~ん 予定がわかったら返信してね」
「〇ちゃん どうしたの?」
「〇ちゃん 見てますか?」
「〇ちゃん 逃げたの?」
「逃げたの?」
「退会 月末じゃないの?」
「ログインしないの?」
「逃げたの?」
「逃げるなよ」
「逃げたの?」
「逃げられると思ってる?」
「逃がさないよ」

そんなメッセージが100件続いてた。

怖くて全部は読んでない。即効で退会処理をした。
この人ヤバイと思った。
逃げるって何? 逃がさないってどういうこと? 私が何かした?
私はパニックになっていた。心臓がバクバクいってた。

たまにニュースで見る情絡みの殺人事件を連想してた。
キャバ嬢や風俗嬢に貢いだ男の人が、その女性を本気で好きになってしまう。
女性の方は仕事でやってるだけだから、もちろん恋愛感情なんてない。
その行き違いが流血沙汰を起こす。

そりゃ私はSさんにお金を使わせた。だけど私は思わせぶりなことは
一切言っていないし、Sさんを勘違いさせるようなこともなかったはず。
だけどそう思ってるのは私の方だけ? Sさんは私のこと好きだったの?
混乱して頭が働かなかった。
意味なんてないってわかってたけどカーテンを閉めてドアのチェーンをかけた。

月末を過ぎてからも何事もなく生活していた。私も安心して、変な人だったなーって思ってた。
だけどある日、異変が起こった。
学内の掲示板コーナーに、こんなお知らせが張り出された。

「注意 つきまとい事件が発生しました
〇月〇日 〇時ごろ 当行の学生が自動車学校帰りに
40代~50代とみられる男性にしつこく声をかけられる事案が発生
学生の皆さんはじゅうぶん警戒するとともに、防犯ブザーの持ち歩きを徹底しましょう
緊急時には助けを呼び、民家に助けを求めるなどしましょう」

うちは女子大だったから防犯意識が高かった。
入学時には全員に防犯ブザーが配布されるし、
つきまといや不審な声かけが起きると学校に報告してお知らせが貼り出される。
多い時で週に5回くらいあったと思う。

いつもはとくに意識しないけど、この張り紙には「自動車学校」とあった。

チャットで怒鳴られた時、それから100件のメッセージを受信した時の恐怖が蘇った。
私は学生課に駆け込んで張り紙について聞いた。
報告者が誰か問い合わせると学生課の職員は名前を明かすのを渋ったけど、
「心当たりがあるかもしれないんです」と伝えると、当該の生徒に連絡をとってくれた。

その生徒は講義の合間に学生課に来てくれた。違う学部の子だった。
髪型はセミロングで、私がチャット中にかぶっていたウィッグに似てた。

「〇〇女子大の生徒?」
「同じ学校の子で教習所に通ってる子いない?」
「この教習所じゃないかもしれないんだけど」
「お姉さんくらいの背格好と髪型」
「〇歳だから〇年生だと思う」
その女の子は教習所から駅までの道すがら付きまとわれて、そんなことを延々と聞かれたらしい。
私は確信した。男はSだ。明らかに私を探してる。

「たぶんクラッチバッグ(※大学名が印刷されてる)を見て声をかけてきたと思う。
名前はわかんないけど、このへんの女子大に通ってて、ファミレスでバイトしてる子だって。
顔を見ればわかるって言ってた」

私はSさんに、「八王子周辺の女子大に通っていること」「実年齢」「ファミレスのバイト」を明かしていた。
八王子周辺にある女子大は決して多くない。
年齢とアルバイトから照合して、手当たり次第に聞いていけば、いつかは私にたどり着くだろう。

その子には、その人が探してるのは私かもしれないと伝えた。
ライブチャットのことは伏せて、SNSで知り合った人だって説明した。
もし次に見かけたら逃げてほしいということも言い含めておいた。

その日の講義は欠席してタクシーで帰宅した。
荷物を置いて、家中の戸締まりを確かめて、彼氏のアパートに泊めてもらった。
バイクで迎えに来てくれてすごく心強かった。

彼の家で洗いざらい説明した。彼は黙って聞いてくれた。
ライブチャットの存在は知ってたから勘違いもされずに済んだ。
もう二度としないでほしいって言われたから、私はもちろん頷いた。
彼の家から学校に通って、バイトにも行った。帰りが遅くなる時は彼が迎えに来てくれた。
やっぱり男の人がいると頼もしくて安心できた。

1週間くらいして、一旦アパートに帰る用事ができた。
彼が付き添ってくれたし昼間だしあんまり怖くはなかった。
何か異変が起こってたらどうしよう…と思いつつ、これといって変化はなかった。
たまってた郵便物を回収して、また彼の家に戻った。

また1週間彼の家で過ごした。学校もバイトも通常通り通ってたしトラブルは起こらなかった。
Sさんも私を探すのは諦めたんだろうなーと思ってた。警戒心も薄くなってた。

1週間後のお昼くらいの時間、また郵便物の回収に自分のアパートに戻った。
今回は彼の付き添いはナシ。一人で電車に乗って、駅からは徒歩で行った。

集合ポストには何通か手紙が届いてた。美容院からのDMとかがほとんど。
その中に1通だけ宛先のない茶封筒があった。
たまにアパートの管理人から宛先なしで封筒がポストに投函されてることがあったから、
きっと大家さんからだと思って回収して、階段を上がって自分の部屋に行った。

ドアを開けようとしてギクッとした。部屋の中からガサガサ音がした。
虫が立てるような小さな音じゃない。ガサゴソガサゴソって何かを漁ってるような音。

合鍵は両親と彼にしか渡してない。
両親が来るなんて話は聞いてないし、彼はその時バイトに行ってた。

私は物音を立てないように後ずさりして、階段を下りて、そこからは猛ダッシュだった。
全力で走って駅前の交番に駆け込んで事情を説明した。
おまわりさんが2人いて、片方のおじさんが無線(?)で応援を呼んでた。
私は交番で待たされた。1時間くらいしてパトカーが来てアパートまで連れて行かれた。
アパートの前におまわりさんが何人かいて、車を下りて話を聞かされた。

空き巣だった。ベランダから窓を割って侵入したらしい。
応援が到着した時には犯人は立ち去った後で、部屋の中は空だった。
何を盗まれたか立ち会いで確認することになった。

財布とか通帳は彼のアパートに置いてあった。金目のものはないはずだった。
でも私の部屋からはパソコンがなくなってた。
タンスも荒らされてた。
チャットの時によく着てた花柄のワンピースだけが盗まれてた。

間違いない。Sだ。

「タイミングが悪かったら空き巣と鉢合わせになってたかもしれないですね」
おまわりさんはそう言ってた。
家を突き止められた。侵入された。個人情報が詰まったPCを盗まれた。服をとられた。
私はショックでその場にうずくまってしまい、おまわりさんがパトカーで休ませてくれた。

交番で事情を説明した。
ネットでトラブルがあったことから始めて、うちの学校の生徒がつきまとわれたことも話した。
頭が混乱していたけど、がんばって話した。
おまわりさんは最初のうちは首を傾げていたけど、私の鬼気迫る様子を見てか、信用してくれた。

親に連絡が行って、しばらく実家に帰ることにした。
彼のアパートまで突き止められると迷惑がかかるから、荷物をまとめてすぐに帰省した。
実家に帰ると家族は優しかった。
みんなライブチャットどころかSNSの存在すら知らないような
アナログな人たちだから、空き巣被害に遭ったことしか伝えなかった。

荷物を整理していたらバッグの中から茶封筒が出てきた。
Sが私の部屋に侵入した日にポストから回収したもの。騒動で存在を忘れてた。
中を見るとプリンターから出力したA4の紙が入ってた。

「〇ちゃんへ
〇ちゃんが恋しくて つい来ちゃった^^
しばらく留守にしているようなので 勝手にお邪魔します
また遊びに来るね 次は会えるといいな^^
Sより

追伸 ちょっとPCを借りるけど 返すから安心してね」

その後アパートは引き払って、バイトもやめた。
学校は半年間休学した(後に復学したけど留年した)。
警察はアパート周辺のパトロールを強化したらしいけど、Sはいまだに捕まってない。

その一件以来、一人暮らしが怖くてできなくなった。留守番すら怖い。
とにかく家で一人になるのが怖くなった。
電話越しの男の人の声も怖いし、ネットでのチャットも怖い。
彼との付き合いが続いてることと、無事に卒業&就職できたのが救い。

長い割にあんまり怖くなくてごめん。

でも、私にとっては恐怖体験でした。
出典 http://syarecowa.moo.jp/323/2.html

拾ったビデオ

20年以上前になるが小学校低学年の夏休みに遊びに来た年上の従兄弟と家まで歩いてたら途中の空き地にビデオテープが三本捨ててあった。
従兄弟が面白半分に持ち帰ろうと言い出して俺は嫌だったけど逆らえず持ち帰ってしまった。
帰宅して親が仕事に行ってる間にリビングのビデオデッキで適当に一本再生してみると、路地裏で女がカメラ目線で服を脱いでいくのが映った。
標準録画だったが画質はかなり悪く、どうやらダビングしたAVのようだった。従兄弟は観たそうだったが俺はモタモタしてると親が帰ってくるからと言って早送りで終わらた。
それからもう一本再生したがそっちはアルプスみたいなとこで外人同士がアオカンしてて二人ともオエーとなってすぐ出した。
で、最後の一本を入れた。最初満員電車の実録痴漢ものみたいなのが映ってて、他二本に輪をかけて画質が悪かった。

つまんねーなと思いつつ早送りしてると不意に映像が途切れてノイズが入り竹林を行く子供が映った。あっと思って早送りを止めた。まだ小学校前の少女のようだった。辺りは薄暗い。
後ろから撮っているのだが、少女の足取りがふらふらしていておかしく時々転びかけたり立ち止まろうとしたりする。その度に画面の端から大人の手が伸びてきて支えたり小突いたりしていた。
声は一切しない。その映像が10分くらい続いて、従兄弟と何コレと言いながらも何故かそのまま見入っていた。やがて竹林が途切れ広い場所にきた。陽が射し込んでいる。
中心部近くに大きな穴が掘ってあった。少女がその縁までくると後ろから両手が背中を押して穴へ落とした。ジーパンを穿いた足が現れ土を穴に落としていく。
その間少女は身動きせず背中に土が被さるに任せていた。顔は横を向いていたが暗くてよく判らない。
俺達は黙りこくって画面を見つめていた。後から思うと金縛りみたいなものだったかも知れない。
ついに縁まで土で埋まった。足はその上を入念に踏み固めた。そこまで見て俺は急にやばいと感じた。このままだとまずいことになる。手を伸ばし停止ボタンを押した。しかし映像は消えない。
「ああヤバい」
かすかに声が漏れた。すると隣に座っていた従兄弟が前に倒れ込むようにしてテレビに近づいた。次の瞬間映像が回転したようになり空が斜めに映って、消えた。
「早く取り出して」
俺が叫ぶと従兄弟はテープを出そうとしたが、中で絡まってて取り出せない。無理に引っ張り出すとぐじゃぐじゃになったテープがズルズルと伸びてきた。
俺たちがパニックになっていると親父が帰ってきて何やってんだとテープをハサミでちょんぎった。その後テープは改めて元の空き地へ捨てた。
出典 http://syarecowa.moo.jp/323/6.html

確認

出典: amanaimages.com

気味が悪いので書かせてください。実話恐怖のほうにも書いた者です。

今日の深夜2時半くらい(さっき)に、携帯が鳴って、
「もう帰りましたか?」っていうメールが、知らないアドから来ました。
相手のドメインはauです。
確かに昼間は出かけていたんですけど、別に誰とも会ってません。
もう寝ようと思っていたので、無視していたら、1分くらいして、
同じ文面が届きました。
なんなんだよ、と思ったときに、なんか寒気がして、よく見たら、
送信(受信?)日時が「7月25日」なのです。
しかも1通目が21時56分で、2通目が21時47分というものです。

最近、調子に乗って『着信アリ』とか『呪怨1・2』とか観てたからちょっと怖かったです。
そのあと、すぐ寝てさっき起きたんですが、他にこのメール来た人いませんかね?
もしくは、メールでこういう時間的なバグを体験した方いませんか? 一人じゃ怖いよ……。
ちなみに私もauの携帯(ガラケー)です。

auのお客様センターに、こういうトラブルありますかって聞いたら、
なんと、「間違いメールでしょう。」とのこと。日付の問題なのに。
で、さらに「予約メールの可能性があります。」と。
それはなんですかって聞いても、auにはそういった機能はありませんが、
他社の場合はあるかもしれない、と。「かも」って……。
っていうか、7月25日の段階で、9月1日の夜中に私の携帯宛てに予約されてたら、もっと怖いよ。
で、あと2・3回似たようなことがあればこちらも調査するって。
あっても無くてもどっちにしろ怖い……。
出典 http://syarecowa.moo.jp/323/14.html

廃道の向こう側

moimoi1221
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