【和服の女】恐怖の都市伝説まとめ!背筋が凍る怖い話が満載【田舎の神社】

怖いと有名な都市伝説をまとめました。「和服の女」や「田舎の神社」など、身近にありそうな恐怖を綴ったものを掲載。背筋が凍るような都市伝説の数々を紹介していきます。

壁の穴

出典: www.flickr.com

前に叔父から聞いた話を紹介したいと思います。

おそらく二、三十年前、叔父が様々な地方を巡って仕事をしていたころ、
ある地方都市で一週間、ビジネスホテルで生活しながら働くことになった。
叔父はそのホテルの近くに、変わった古着屋が建っているのを見つけた。

そこは一階が古着屋、中の階段を上がった二階がレコード屋になっている店で、
二階に中年のおじさん、一階に若い店員がいたという。
店の雰囲気から、中年のおじさんの方が二つの店の店主らしい。
どちらも古びた洋風の内装とやや暗い照明で、扱っている品とはギャップのある、
レトロというよりアンティーク調の不思議な雰囲気を出していたという。

そこの店では、叔父の好きな六、七十年代の洋楽がいつも流れていた。
有線か、店主が趣味で編集したテープを流しているのだろうと叔父は思った。
叔父は古着に興味はなかったが、レコードと店の雰囲気で通っていた。

叔父は仕事の最終日に、レコードでも何枚か買っていこうと思い、夜その店に行った。
店に入ると、今日並べたばかりらしい古びた感じのジャケットが売られていた。
普段そんなものを着ないはずの叔父は、何故か妙に惹かれてそれを眺めていた。

ちょうどその時、聞き覚えのある音楽が流れてきた。
しかし、叔父はその曲の名前が頭に浮かんでこなかった。
(聞いてみると、「ブッチャーのテーマが入ってたやつの南国リゾート風の曲」
と言っていたので、多分ピンク・フロイドの「サン・トロペ」)
叔父は少し悩んだ後、上のレコード屋で確認しようと階段に目を向けた。

すると、階段の横の壁に見たことのない穴が開いていた。
床から少し上の所を、爪先で何度も蹴って開けたようなでこぼこした横長の穴だった。
叔父は一瞬戸惑ったが、普段はそこに段ボール箱が置いてあるので分からなかったことに気付いた。
しかし、何故壁を直さずにに段ボール箱を置くだけでで済ますのか。
不思議に思いながら階段へ行こうとした時、穴からノソッと何か出てきた。

叔父には最初、変な生き物に見えた。よく見るとそれは、手のようなものだった。
穴から手首の先だけ出して、下に掛かった物を取ろうと指を動かしているように見える。
しかし大人の手より明らかに大きい。手は何かの病気のように気味悪く黄ばんだ色で、
爪も土を素手で掘った後のように黒くぼろぼろだった。
どの指も太さも長さも同じぐらいで、親指と小指の区別もつかない。
指の生え方が違うのか、普通の手より完全な左右対称に見えるのが余計不気味だった。
また、中指の付け根がちらつくので、指輪をしているように見えた。

叔父はしばらくそれを見ていたが、もっとよく見ようと近づくと、穴の中に消えた。
あまりに変なものだったので若い店員のほうを見たが、怪訝な顔をされた。
ちょうどそこに、何か用があったのか2階の店主が階段を降りてきた。
店主に今見たものを知らせようと、声をかけて穴を指さした時、

穴から指が二本伸びてきて、ぴくぴくと指先を曲げながら左右にゆっくり揺れていた。
こちらを窺うような、虫の触覚の様な不気味な動きだったという。
しばらくその動きを続け、自分のすぐ横にいる階段の途中の店主を向くと、指はまた穴に戻った。

さすがに気味が悪くなった叔父は、それ以上何も言わず入り口に向かった。
その直後、「お前箱どうした!」という大声に驚き振り向くと、店主が階段で穴を睨んだまま、
若い店員が慌てた様子で段ボールを穴の前に置きに行くのが見えた。

「あの手のことは、店主しか知らないみたいだった。普段は穴塞いでるから油断したんだな。
しかし段ボール箱一つで穴塞げばどうにかなるものかなあ、結構でかかったんだけどな。
でもあの手より、箱置いて済ませて客の俺に説明も弁解もしないあの店が一番怖かったな」
と叔父は笑って語っていました。
叔父は今でもその店があるのか気になるそうです。
出典 http://syarecowa.moo.jp/306/16.html

真夜中の木登り

多分夢だと思うんだけど、個人的に凄い不気味な実体験。

昨年の冬の夜、冷たい風に目が覚めた。
見ると、ベットの傍にある窓が少し開いている。寝る前に開けてそのまま閉めるのを忘れてたんだ。
部屋の中は猛烈な寒さで、やべー凍死するよとか思いながら起き上がって閉じた。と同時に異変に気づく。
窓は家の庭に面していて、その庭には何本か木が植えてある(田舎だから庭が広いww)。
高さ3メートルくらいかな?もうちょいでかいかも。
その内の一本が不自然に大きく揺れていた。ユッサユッサって感じに。
なんだ?と思って目を凝らす。木にはまだいくらか葉が残っていて、その揺れの原因がよくわからない。
どうにも気になったので、メガネを掛けて窓を開け、さらに首まで出して見た。猿か何かがいると思ったんだな。

すると、問題の木の上の方、葉と葉の間に何かがしがみ付いているのが見えた。サルではなく、人間。
それも裸の、小学低学年くらいの男の子。暗闇なのに、一度見えてしまうと嫌にハッキリ見えた。

ャーャーャーャーャーャーャーャーャー

って小さく言いながら、笑顔で木を揺さぶっている。
ヒッ、って声が出たよ。それが聞こえたのか、バッ!ってその子が俺の方を見た。目が合う。真顔。
子供が大人を観察する時のあの顔で、明らかに俺を見ていた。
俺は速攻で窓の陰に隠れて、窓を閉めた。もう心臓が早鐘を打って痛いくらいだった。
暫くベットに伏せて(寝転がる、と言うより伏せる、って感じの体勢だった)暫くそのまま固まってた。
辛い体勢だったけど、指一本でも動かした瞬間に何かが起こる気がして動けなかった。
何分くらいしただろう、また外からャーャーと声が聞こえてきた。
それを聞いて、少しホッとする。ああ興味の対象から外されたなって。
少し気が緩んだのか、相変わらず怖いし動けなかったけど、そうしている内に寝てしまった。

余りにも現実離れしていて、朝起きたら恐怖心もあまりなく、何となく夢だったんだなと思いながら過ごす内に忘れていた出来事。
ふと思い出して書き込みました。
しかし夢にしてははっきりと覚えていて、俺にとってはスゲえシャレにならん体験です。
その後は何もなく、近親の人々にも何か災いが降りかかるようなことはなかったけれど。
去年よりも寒く感じる今年の冬、ふとあの声が聞こえてこないかとビクビクしながら夜を過ごしていますww
出典 http://syarecowa.moo.jp/306/17.html

スカートめくり

あんまり怖くないかもしれないけど
昔、叔父さんからきいた話です

叔父(以後、S治)が小3の時クラスにN谷さんという子がいた
N谷さんは掃除していない奴に進んで
「ちょっと!」とか言いに行くクラスの委員長っぽい性格で
女子の友達は多いけど、一部男子からはちょっと
疎まれやすい感じの子だったらしい

S治はわりと大人しく、真面目な学生だったということで
N谷さんに怒られることもなかったし、
遠足の班が一緒だったこともあって仲良くしていたらしい

二学期になった頃、S治はいきなりN谷さんに誘われて
交換ノートをしたりもしていたらしい

んである時、男子の中の一人が「N谷さんにスカートめくりをしよう」
みたいなことを言ってきたらしい

それは掃除の時、男子数人で教室の隅にたむろし、
N谷さんが注意しに来たところ、スカートをめくるという
ごく単純なものだった

S治はN谷さんと交換ノートをしてたりで以前から噂になっていたので、
これ以上疑惑が深まらないよう、止めもせず賛同したらしい

掃除の時間、作戦決行となり、S治を含む4~5人で部屋の隅に
固まっていると、早速N谷さんがこちらに近づいてきた

その瞬間、男子全員が一斉に立ち上がり、
スカートをめくって逃走!
のはずだった

スカートをめくった瞬間全員が一瞬見てしまった

N谷さんには太腿辺りが存在せず
二本の太い金色の鉄パイプのようなものが膝の少し上から繋がっていて、
それを覆うように半透明のヒヤシンスの根のようなものが
ビッシリ生えていた

皆、一瞬「えっ?」って感じになった後、
全員「何かやばい」と感じて逃げたらしく、次の瞬間には
S治以外誰もいなくなっていた

でも何かがおかしい
スカートをめくった奴ら以外の他の生徒も皆いなくなっている

S治が見上げたN谷さんの顔は、
顔全体がピンク(しかも人工的で消しゴムみたいなピンクだったらしい)
になっていて、全体的に縦に歪み、
左右の眼の大きさが二倍ぐらい違ったらしい

キ―ンっていうような音が教室全体から響いてきて、
気がつくとS治は通学路にいたらしい
昼休み直後だったはずなのに、時間は既に15時を過ぎていて
ちゃんと外履きだったし、ランドセルも背負っていた

S治が焦っていると前からN谷さんが歩いてきた
いつも通りの姿に戻っていたN谷さんは
「A君(スカートめくり案者)に言われたの?」と
S治に怒るでもなく聞いてきたらしい

S治は咄嗟に、
自分は(教室で飼っていた)カマキリに餌をやっていただけで
何があったかよくわからない、というようなことを言ったらしい

N谷さんは「ふーん」といってしばらく黙っていた後
「交換ノート返して」と言ってきた

言われるがままにノートを渡すとN谷さんは去って行った
S治は状況が呑み込めなかったし、ただ漠然と「怒らせたかな?」と
思ったらしい

次の日、特に何もなく学校に行くとN谷さんはいなくなっていた
誰もN谷さんを覚えていないし、机も最初からなかったように
きっちり一つだけなくなっている

周りに聞いても「誰それ?」みたいに変人扱いされるし、
写真も残っていなくて、皆で撮ったはずの集合写真もない
それを親とか教師に聞いても「そういえばないね」みたいな
リアクションしか返って来ず、
結局N谷さんは最初からいなかったような生活になっていたらしい

N谷さんは本当にいったい何者だったのだろうか
叔父(S治)は他界してもう聞けません
出典 http://syarecowa.moo.jp/306/19.html

時間差

いま現在進行形の話。
つい2ヶ月前に新居へ越して来たんだが、そこで不思議な体験をするようになった。
玄関と居間がドアで隔てられているんだけど、そのドアにはおおきな擦りガラスが。
ちょうど成人男性の身長くらいの高さまでガラスになっている。
新居に越してきてしばらくして、夜中にいきなりものすごい物音で目が覚めた。
バァンッ バァンッ バァンッ
とドアを叩く音。擦りガラスが壊れんばかりの勢いだ。
誰か侵入者か?と思ってドアを開ける。誰もいなかった。
玄関は鍵が掛かっていたし、戸締りを確認してドアをしめた。
するとそのドアの向こう側からうめき声が。
「うえあいお…うえあいお…うえあいぉ…」
バァンッ バァンッ バァンッ

うわー、近所迷惑になるからやめてくれと正直思った。
音とうめき声はドアの向こうから聞こえてくる。でもガラス越しから見ても
何も写っていない。
不思議とあまり恐怖はなく、苛立ちのほうが先にたって
「いいかげんにしろよ!」と怒鳴ってしまった。すると物音は止んだ。
それから1週間たった頃だろうか。居間での片付けをしているとふと視界の端に気配を感じた。
振り返ってみると、おおきな擦りガラスの向こう側で黒い影が張り付いていた。
ちょうど自分よりやや低めの男?女?が両手を顔の横に広げていた。
擦りガラスなので表情や顔はよくわからないが、口をあんぐり開けてなにやら呻いている。

といっても、うめき声も物音も聞こえず。しばらくすると黒い影の彼はすっと消えていった。
誰か侵入者か??と思ってドアを開ける。そこには誰もいなかった。
戸締りを確認し、自分はまた居間で片付けを。すると、またべたーッと黒い影が張り付いてきた。
思いっきり衝突するくらいの勢いのはずなのに、物音ひとつしない。
その間、彼はなにか呻いていた。
消えては張り付き、消えては張り付きを繰り返し、そのうち自分もいらだってきて「いいかげんにしろよ!」
と言ってしまった。すると黒い影はもう現れることはなかった。

さらに1週間たった頃、また夜中にものすごい音が。
ドアを見ると擦りガラスが大きく割れていた。
向こう側にはなにも、誰もいなかった。

こんだけものすごい音なのに、近所には聞こえないんだろうかと不思議に思ったが、
それよりガラスを霊だかなんだか得体の知れないものに割られ、こちらとしても腹が立って
「ほんといいかげんにしろよ!」とドアノブに手を掛けた。すると見もとで
「…みせたいの…みせたいぉ…」

ここまできて、なんとなく悟ってしまった。
黒い影の、ヤツははじめに音や衝撃で襲ってきて、1週間たってから姿を現してくるんだと。
ほら、雷は遠くで光がピカッてなってから時間差で音が聞こえてくるじゃん。そんな感じ。
ヤツの場合は音が先で、視覚が後だけど。。。
ヤツは時間差でやってくる。とすると、
ガラスが割られたということは、もうすでにヤツは部屋の中に入ってきてるってことか。
「みせたいの…」とはなんのことだろうか。
1週間後がとても不安になりながら、いまドアの前でガラスの破片を掃除してます。
あぁ、ヤツの顔見たくねぇなぁ。どうしよう。
出典 http://syarecowa.moo.jp/305/3.html

人の部屋で

出典: www.flickr.com

今回は自分の体験ではなく、友人のAとBから聞いた話を書きたいと思います。

Aが大学に進学し、アパートで一人暮らしを始めて2年目の頃の話。
近々雪も降りそうな初冬の深夜、Aは部屋に電気をつけたままコンビニへ行った。
新刊雑誌を立読みし、飲み物を買って部屋に帰った途端、携帯電話が鳴り出した。
時計を見ると、午前2時半。誰かと思い着信を見ると、友人のBだった。

Bは、Aと高校で同じクラスで、お互いに本を貸し借りする仲だったが、
進学先がAの学校から遠く離れた専門学校だったこともあり、疎遠になっていた。
しかし、何故こんな時間に、久々に電話をかけてきたのか、Aは戸惑った。

とにかく、久しぶりのBとの会話ということで、Aは電話に出た。
「もしもし、Bか?なんでこんな時間に?」
「Aか、お前今どこだ!まだコンビニか!?」
いきなり、切迫した声でBが聞いてきた。

「え、いきなり何だよ、コンビニって?ひょっとしてお前このへんに居るの?」
「まだ外か?部屋に戻ってないのか?だったら絶対戻るな!」
Aは唐突なBの命令に驚いた。すでに部屋に戻っているのでそれもできない。
「いや、今もう部屋にいるけど…何、どうしたの」

「もう部屋にいるのか…頼む、俺の言うこと信じて部屋から出てくれ!」
Aが戸惑っていると、Bがさらに奇妙なことを言ってきた。
「お前の部屋の奥に本棚あるだろ。何か変わってないか?本が2冊落ちてないか?」

Bの言うとおり目を向けると、確かに2冊の本が本棚の近くに落ちている。
Aは更に混乱した。進学後は会っていないBが、何故自分の部屋の中を知っているのか。
「その落ちてる本って、○○の最新刊と、グレーの装丁のハードカバーじゃないか?」
Bの言うとおりだった。本棚の方に行かなくても一目でわかった。
「やっぱりそうか、とにかく今すぐそこから出てくれ!」
気味が悪くなったAは、コンビニに行った時の恰好のまま、電気も消さず外に出た。

近所にはコンビニ以外開いてる店がないことと、アパートから離れたいこともあり、
Aは歩きながらBと電話を続けた。
「なあB、お前、俺の部屋に来たことなんてないよな?」
「お前の家の場所も知らない。でもお前の部屋に入った。訳わからんと思うけど」
そういうとBは、さっき自分の身に起きたことを話し始めた。

Bがいつものように寝ると、突然深夜の住宅街に立っているのに気付いた。
まったく見たこともない街で、Bは驚きながらも、これは夢だと自覚できたそうだ。
すると、眼の前の建物からAが出てきたのが見えた。
BはAを久しぶりに見たことに嬉しくなり、声をかけたのが見向きもしない。
そのまま近くのコンビニへ入るAを見て、「夢だからな」とBは不思議と納得した。

Aが見えなくなると、Bは急に、Aは今どんな暮らしをしているのか気になった。
今出てきた建物に住んでるんだよな、とBはそのアパートに入ってみた。
一度も来たことのない場所なのに、BにはAの住む部屋がなんとなくわかった。
3階の、通路の奥から3つ目の部屋。Bは鍵が掛かっているはずのドアを開けた。

玄関に入ると、右に洗濯機、少し進んで左に風呂場。その奥には電気がついたままの部屋。
部屋の中心には炬燵、左の壁際にベッド、そして右の壁際には本棚。
何となくAらしい雰囲気の部屋だとBは思ったという。
Aはそれを聞きぞっとした。部屋のある階や場所、内装までまったく同じだった。

Bは本棚を見て、本を貸し借りしていたことが懐かしくなり、本を手に取ってみた。
この漫画、最新刊出てたんだな。このグレーの本は小説かな?と、本をもう1冊取った時、
急にBは強い気配を感じ、そちらを見た瞬間、本を落としてしまった。

本棚の脇の白い壁から、女の顔だけがBを見ていた。
長い髪を真ん中で分けた、額を出した整った顔立ちだったが、無表情で、
肌の色が壁紙とまったく同じ白だった。Bには一瞬仮面に見えたという。

「あなた、ここでなにをしているの」
女の顔がBに問いかけてきた。Bは突然無性に恐ろしくなった。
問いかけられた瞬間、これは夢じゃない、ここに自分が来てはいけなかったと感じた。
無感情でそっけない口ぶりだったが、Bは聞いただけで死にたくなるほど後悔した。

「あなたがここにいるのなら、わたしはあなたの―」
壁の顔が何か言うのを見て、Bは咄嗟に、女の口を両手で塞いだ。
自分でもよく分からないが、これ以上何か言わせたらやばいと直感で行動したという。
ただ、強く押さえているのに、両手に伝わる感触が壁の物か人の物かよく分からない。
女の方も、表情一つ変えずただBを見ているだけだった。

Bは必死で女の口を押さえながら、何がどうなっているのか考えた。
こいつの口を塞いでいればそのうち夢から醒めるのか。そもそもこれは本当に夢なのか。
Aの部屋に何故こんなものがいるのか。自分はこいつに引き寄せられたのではないか。
そして、もしこいつの言葉を最後まで聞いたらどうなるのか。

自分は死ぬかもしれない、そうBは半ば確信したほどだった。
この女は、さっき何を言おうとしたのか。自分の何をどうする気なのか。
このままここから出られなければ、自分は布団の上で死ぬのではないか。
ひょっとして、Aももうこいつに殺されているのではないか、と思った時、

口を押さえられたままの女の表情が一瞬変化した。微かに眉を顰めてBを軽く睨んだ。
何故表情が変わったのかBにはわからないが、その顔からは不思議と恐怖を感じなかった。
その時のBには、心外そうな、あるいは少し困ったような顔に見えたという。

何だ、とBが思った瞬間、急に誰かに襟首を掴まれたように、体が引き倒された。
押さえつけていた両手が女の顔から離れ、勢いよく仰向けに倒れて行く。
女の口が何か動いていたが、Bには何を言っているのか聞こえなかった。
床に頭を思い切り打つと思ったその瞬間に、Bは自分の布団の上で我に返った。

しばらくの間、自分がどうなったのかもBにはわからなかったが、
もし今のがただの夢じゃなかったら、と思うとAが心配になり、電話したのだという。
そして、本棚の前で自分が落とした本が確かにあることをAから聞いて、
夢じゃないと確信し、今すぐ部屋から出るように促したのだそうだ。

Bの話を最後まで聞いたAは、困惑することしかできなかった。
外に出た時、Bが自分のすぐ近くにいたのだろうか?
そして自分の部屋で奇妙な目に遭い消えた後、入れ違いに自分が戻ったということなのか?
今まで何事もなく平穏に暮らしてきたあの部屋に、本当にそんなものがいるのだろうか?

AはBに礼を言い、朝になってから部屋に戻ると約束して電話を切った。
外が明るくなり、車や人の通りが増えた頃に、Aは意を決して部屋に戻った。
中はカーテンを閉めたままで真っ暗だった。玄関、廊下の電気を点けたまま、
本棚の方に注意しながら、部屋の電気のスイッチを点けた所で、Aは気づいた。
Bに急き立てられ慌てて部屋を出たAは、電気を消さなかったはずなのだ。

結局、契約の関係もあり、2ヶ月後にAはそのアパートから引っ越した。
2か月の間、Aは本棚の上に盛り塩を置いていた。Aにはその間何事も起きなかったという。
Bには無事を知らせるつもりで何度か電話を掛けたが、相当その時の体験が堪えたらしく、
すぐに向こうから切ってしまうようになったため、再び疎遠になってしまった。
引っ越してからは、Bからの電話もなく、Aも何事もなく新居で平穏な生活を送ったという。

これが、AとBの二人が体験した奇妙な出来事の一部始終です。
私は、大学を卒業した直後のAからこの話を聞き、その後Bに電話で確認し、
二人の話した内容を一つにまとめてみました。二人とも現在は何事もなく、
Bは時間が経過したこともあり、気軽にこのことを人に話せるようになったことや、
Aはあれから何度も連絡をくれたのに申し訳ないことをしたと言っていました。

Aの部屋には本当に何かがいたのか。Bは本当にAの部屋に夢の中で行ったのか。
何かいたとしたら、何故Bは助かったのか。何故疎遠だったBが引き寄せられたのか。
今となっては何も分かりません。ただ、そのアパートは学生に人気で、あの時の部屋も、
きっと何も知らない誰かが住んでいるはずだとAは言います。
拙い長文にお付き合い頂きありがとうございました。
出典 http://syarecowa.moo.jp/305/9.html

こっくりさんナイト

出典: amanaimages.com

高校の時の話。
通ってた高校は交換留学があって、行き先はNY。

お世話になった家は工場勤務のパパと、学食でパートのママ、同じ年のジェニファーと3歳年下の妹、10歳年下で小学生の妹がいて、毎日が賑やかでユーモア溢れた楽しい家庭だった。
自分は英語が得意な方だったケド、やっぱ辞書無しでは分からない事も一杯だった。

パパがボランティアでやってる消防団の仕事で、夜いなかった時の話。
文化の違いをお互いに挙げてみんなで盛り上がってた。
一番下の妹はもう寝てて、話が段々と怪談話に。
日本にはコックリさんってのがあってねって言ったら、やってみよー!って盛り上がって、さっそくセッティング。
ママはロウソク、ジェニファーはコイン、妹は紙にアルファベットを書き込んで。
ロウソクに火をつけて電気を消して、準備万端。

ママと妹が相向かいに座って、妹の隣に自分、少し離れたソファーにジェニファーが座ってた。

インチキがないようにママと妹は紙を見ずにお互いを見てるようにし、コインが止まった文字はあたしがノートに書き写してからみんなに見せるってカンジで進行していった。

最初はふざけた妹がわざとコインを動かしたりしてママに怒られたりしてたけど、段々二人がマジ顔に。
お互いで、アンタ動かしてる?なんて確認しだした。

そんな事を言ってる間にもコインはスルスルと動いて、あたしが一文字書き留めるとまた動いてを繰り返した。

鳥居マークでコインが止まって、ママと妹があたしの書いた紙に注目した。

痛い
ごめんなさい
後悔している
帰りたい
死ぬのは間違い
ここは地獄

そんな事が書いてあった。
ママも妹もあたしもガクブル。

これ、誰なんだろう?
聞いてみようぜって事になって、再びママと妹がコインに指を置いて見つめ合った。

あなた、誰なの?
ママが小さく呟くと、コインが動き始めた。
チラリとママと妹の顔を見ると、凄く怯えた顔で、二人ともオーマイガッとかアンビリーバボーって何度も呟いてた。
ヤバイ。こりゃマジだったかって今更気付いて、あたしも凄く怖くなった。

単語と数字、そして
ジェンは知っている
家族に伝えて欲しい
という言葉を指してコインは鳥居に戻った。

コインもあたしが書く手も止まったのを感じて、ママと妹がこっちを見て、すごい声で叫んだ。
びっくりして、あたしは椅子から転げ落ち、ソファーに座ってたジェニファーが慌てて駆け寄ってきた。

妹は何か叫びながらコックリさんの紙をビリビリ破って、あたしが書いた紙はグッチャグチャにもんじゃくって投げ捨てた。
ママは真っ白な顔色でガクガク震えて何かをずっと呟いてた。
ジェニファーが、もんじゃくってポイされた紙を拾って読んで、フリーズした。

もうホント訳わからなくて、とりあえず説明してほしいと頼んだ。

書かれていたのは、先月、留学先の学校で自殺した子の名前と、自殺した日付だった。
その子はジェニファーをジェンと呼んでいて、悩みを相談していたという。

こりゃーもうダメだ。
早く電気つけようよ。
怖いからみんなでスイッチのトコまで行こうよ。
とか言いながらみんなで壁のスイッチのトコまで移動して、部屋のスイッチオン。

バリーンと音を立ててプチシャンデリアみたいな形の部屋の照明器具が弾け飛んだ。
もう、大絶叫。
みんなで泣きながら後片付けして、テーブルの上に使ったコインを放置して、みんなで固まって寝た。

コインは、早朝帰ったパパが朝食の準備をしてる時には無かったと言ってた。

コインの行方はともかく、あのコックリさんナイトの話は、数十年たった今でも、家族とあたしの中ではタブーになっている。
出典 http://syarecowa.moo.jp/305/28.html

山の魔物

北海道で猟師をしている人の話

ある山にビバークしてクマを追っていた日のこと。突然、傍らで寝ていた相棒の猟犬が立ち上がり唸りだした
「どうした?」と声をかけても、普段ヒグマにさえ怯えない相棒の猟犬が、全身の毛を逆立て、テントの一点を見つめて唸っている
これはもしやヒグマの夜襲かと思い、ライフルを構えながらテントを開けると、猟犬はものすごい勢いで飛び出していった

見ると、猟犬はキャンプ地としたスペースの、山側の角に向かって掛けて行き、何もない虚空に向かってしきりに唸っている
そしてしばらく吠えつくと、途端にしっぽを丸めて怯えるような声を出して後退し、また掛けていっては虚空に吠えるということを繰り返した
最初こそヒグマの襲撃かと思っていたその猟師は慄然とした。普段ヒグマにすら物怖じしない愛犬が、怯えているということが彼の自信を砕いた

そのとき、彼はかねがね聞いていた「山の魔物」という言葉を思い出した。人には決して見えないが、知らずのうちに近寄ってきて、
気が付かないうちに人や猟犬の命を奪い去っていく魔物が山には時たま現れるのだと、先輩猟師から、友人知人から聞いていたのだ
それらは影も形も見えないが、山中で出会うと即座に凶兆をもたらすというので、今までも警戒していたのだという

すぐさま彼は猟犬の首縄を掴んでテントに引き戻し、今しがた猟犬が睨んで吠えていた一点に銃口を向けながら、
「来ないでくれ」と念じつつ一夜を明かしたという。愛犬はその間も唸り吼えたが、明け方には落ち着いたという

翌日、世が白み始めてから愛犬が吼えた地点に登ってみたが、生物の痕跡は愚か何の変化も認められなかったという
しかし後日、その話を先輩猟師にすると「おお、あれに出会ったか」と妙に嬉しそうな声で言われたという

今やマタギといえど、彼が出会った不可解な御霊に会えるものは少ないという
出典 http://syarecowa.moo.jp/304/10.html

背無し

moimoi1221
moimoi1221
@moimoi1221

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