『パープル・ハート』(Purple Hearts)とは2022年にNetflixで配信されたアメリカのロマンス映画。主人公のキャシー・サラザールは音楽の道へ進むことが夢。しかし持病のせいで多額のお金が必要で、困り果てていた。そんな時、軍人ルーク・モローに出会う。彼と偽装結婚をして、国からもらう支援金で生活することを思いつく。アメリカの貧困と政治問題を抱えた”偽”のパートナーが生活を支え合い、苦しみを乗り越えて2人で人を愛することを学んでいく。
『パープル・ハート』(Purple Hearts)の概要
『パープル・ハート』(Purple Hearts)とは2022年7月29日にNetflixで配信されたアメリカのロマンス映画。主人公のキャシー・サラザールは音楽の道へ進むことが夢。しかし糖尿病を患っており、治療に必要なインスリンは保険適用外だ。糖尿病になる前からライブバーのアルバイトと、バンドの活動で生計を立てており、その時から生活はギリギリだった。発病してインスリンを買い始めてから家賃を滞納し、借金は膨らむばかり。新しいインスリンを買わなければいけない時、貯金がなくて買うことができなかった。
キャシーが困り果てていた時。彼女が働いていたライブバーに、海兵隊のルーク・モローが遊びに来る。その時キャシーは彼と偽装結婚をして、国からもらう支援金で生活することを思いつく。アメリカの貧困と政治問題を抱えた”偽”のパートナーが生活を支え合い、苦しみを乗り越えて2人で人を愛することを学んでいく。
アメリカでは、国から資金をもらえることを目当てに軍人になる貧困者が多い。軍人ルークは元薬物中毒者で、薬物の購入の際に多額の借金を背負ったために軍人になることが生活していく方法だと考える。アメリカの闇に隠れた大きな社会問題を背に、キャシーとルークはお互いを知っていく。「2時間の映画だがもっと語られるところがある気がする」「主人公の成長し、成熟していくところに感動。一緒に困難を乗り越えていくところが素敵」など、Netflixで調査した視聴者からの評価は85点と高評価。また、アメリカのケーブルチャンネルMTVが主催する『MTVムービー&TVアワード』で、音楽シーン賞を受賞した。変わった出会い方をした2人はどんな幸せの形を作っていくのか見ものである。
『パープル・ハート』(Purple Hearts)のあらすじ・ストーリー
キャシーとルークの出会い
ライブバーで働きながら、「ザ・ロイヤル」というバンドで歌手をしているキャシー・サラザールは1型糖尿病を患っている。病気の治療に必要なインスリンと、家賃を払うことで生活するのが精一杯だった。ある日キャシーがいつものようにバーで歌っていると、海兵隊のフランキーが隊の友達と遊びに来る。フランキーはキャシーにとって弟のような存在の幼馴染。彼の友達のルーク・モローがキャシーに目を止め、話しかける。しかしルークとキャシーは宗教上の考えが全く合わず、お互いに良い印象を持てなかった。
キャシーの命の危機
キャシーは新しいインスリンを購入しなければならなかった。薬局に行くも、保険を新しいものに更新しなければインスリンを買うことができず、それは4日後。4日も待っていたらキャシーは必要なインスリンが買えなかった。困っていると、バンド仲間から軍人と結婚すると、政府から生活支援金がもらえるという話を聞く。それを聞いたキャシーは翌日、フランキーのところへ行き、偽装結婚の話を持ち込む。お金の心配をされるも、彼には彼女がいたため断られた。偶然そこにルークが居合わせており、彼はキャシーがお金に困っていることを知る。ルークも多額の借金を抱えており、彼女と同じ境遇にあると知る。
ルークは薬物中毒者だった。数年前に車の修理屋である父親が顧客のために修理していた5万ドルの車を盗んだ。売るつもりで盗んだが、交通事故に遭って車は壊れる。父親からは弁償しなければ警察に突き出すと言われたため、ルークは薬物の売人であるジョノーに金を借りていたのだ。
ルークはジョノーから借金の返済を催促されたため、キャシーが考えていた偽装結婚の話に乗る。海兵隊に偽装結婚がばれたら、政府から支援金を騙し取ったとして詐欺罪に問われることがある。2人はリスクを抱えて、お互いの危機を救うために婚約をし、愛を誓い合った。
キャシーの夢が実現
キャシーはルークの妻と認められ、政府から支援金をもらえた。そのお金で糖尿病の治療に必要なインスリンを買うことができ、音楽活動に専念できる。キャシーは戦地で戦うルークのための新曲を完成させる。「愛する人に無事に家に帰ってきてほしい」というまさにキャシーとルークのための曲。その曲をバーで披露したところ、今までにないほどの歓声を浴びる。新曲はすぐに有名になる。キャシーは新曲をネットでも公開し、それを見たミュージックフェスの関係者がフェスで披露して欲しいとオファーをする。もちろんキャシーは引き受け、パフォーマンスは大成功。その後、サブスクリプションサービスでその曲は再生回数が20万回以上を超える。瞬く間に有名になったキャシーのバンドは、毎日ライブで大忙しの日々になった。
フランキーとの別れ
キャシーがバーでライブを終えた後、バンド仲間とお酒を飲んで話していた。その時、キャシーの電話にドイツから電話が入る。ルークがイラクで任務中に即席爆弾で脚を負傷したという知らせだった。ルークは無事だったが、脚は酷い状態で、しばらくは自力で歩けそうになかった。ひとまず命が無事で安心するキャシーとルークの家族。しかし、キャシーが大好きなフランキーは命を落としてしまった。彼女の心にはぽっかりと穴が開いたようだった。
ただ、そうもしていられない。周囲にルークとの偽装結婚がばれないように、ルークの心配をして彼の生活の手助けをしなければいけなかったからだ。夫婦であることを周囲に認知させるため、ルークはキャシーの住むアパートに引っ越す。
キャシーの母を襲った薬物売人
共同生活を始めたキャシーとルークは最初は喧嘩が多かったものの、協力し合って仲良くしていた。
ある日、キャシーの母親の家の玄関ガラスが割られており、母親はすぐにキャシーに連絡する。すぐにルークも駆けつけ、家の中の様子を確認したが誰もいなかった。するとその時、ジョノーがルークに電話をかけてきた。ジョノーは借金の返済を催促し、すぐに返済しなければ次は妻に何か起こるかもしれないと、脅しの連絡をしてきた。これ以上何か起こることを避けたかったルークは、残りの返済金額をジョノーに返し、銃を突き付けて彼を脅した。すべて終わらせたと思ったルーク。しかし翌日、ジョノーはキャシーの母親の元へ行き、ルークとキャシーの偽装結婚のことを話した。母親はルークが薬物売人に借金をしていたため、その返済目的で偽装結婚していたことを知る。全ての事実をキャシーに伝える。キャシーはルークが過去に薬物中毒者で、それがきっかけで母親が危険な目に遭ったと思い、ルークに離婚を迫った。
詐欺罪にかけられるキャシーとルーク
ルークへの信頼を失ったキャシー。そしてさらに彼女を絶望させる連絡が来る。ジョノーは偽装結婚のことを海兵隊にも話してしまい、ルークとキャシーは詐欺罪を疑われる。裁判所でルークは真実を問われた際、自身が一方的にキャシーに婚約を迫ったと話す。裁判所側はキャシーには罪はないとして、キャシーを不起訴にする。ルークは基地での6か月の訓練を終えた後に、除隊を命じられた。
ルークが基地へ向かう日、キャシーは今までで一番大きなコンサートがあった。ルークが元薬物中毒者で、その時に犯した犯罪を白紙にするためにお金で解決したことを、キャシーは最低だと思っていた。そのせいで母親がひどい目にあったためだ。でもルークは確かにキャシーのことを妻として愛していてくれたと思い出す。キャシーもまた、教会で愛を誓った日からルークのことを愛していた。キャシーはルークが基地に行くのを見送りたいと思い、コンサートが終わってから急いで基地へ向かい、ルークに会うことができる。
ルークは裁判が終わった後からキャシーに会うことはないと思っていたため、驚く。偽装結婚をきっかけに共に時間を過ごしてきた2人。2人は本当の夫婦のように愛し合っており、これからもその関係を続けたいことをキャシーはルークに伝える。キャシーはルークの6か月の訓練を待つことを約束する。そして長い訓練が終わった後、2人は偽装結婚ではなく正式に籍を入れて、一緒に生活し始めるのだった。
『パープル・ハート』(Purple Hearts)の登場人物・キャラクター
主要人物
キャシー・サラザール(演:ソフィア・カーソン)
吹替:下山田綾華
1型糖尿病と戦うシンガーソングライター。友人たちとバンドを大きくして世界的に有名な歌手になりたい、という夢がある。歌うことが本当に大好きで、家賃が払えなくてもなんとかやりくりをしてバンドでの活動を続けてきた。しかし、インスリンを買うお金がついになくなり、ルークと偽装結婚をして多額の支援金をもらうことを思いつく。
彼女の芯の強さを見続けてきた、バンド仲間の友人は彼女にずっとついて来ていた。意見が食い違う人間とは大きな喧嘩をする。ルークとは考え方が全く違い、最初は嫌っていた。しかし共に過ごす時間が長くなるにつれて、愛情が湧いてくる。
ルーク・モロー(演:ニコラス・ガリツィン)
吹替:玉木雅士
海兵隊に所属する。もともと薬物中毒者で、素行が悪かった。父親が顧客のために修理していた高い車を壊したこともある。しかしそこから更生して、海兵隊に入って自分を見下していた父親に背中を見せて歩けるように頑張ってきた。それでも父親のルークを見る目はさげすんでいて、関係は複雑になっていた。若い時は父親に反抗していたルークだったが、海兵隊に入ったのは父親への憧れでもある。薬物売人のジョノーに多額の借金をしていた。自分と同じように金に困っていたキャシーが偽装結婚をしたいことを知り、彼女の偽夫になることを思いつく。
主要人物の友人
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目次 - Contents
- 『パープル・ハート』(Purple Hearts)の概要
- 『パープル・ハート』(Purple Hearts)のあらすじ・ストーリー
- キャシーとルークの出会い
- キャシーの命の危機
- キャシーの夢が実現
- フランキーとの別れ
- キャシーの母を襲った薬物売人
- 詐欺罪にかけられるキャシーとルーク
- 『パープル・ハート』(Purple Hearts)の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- キャシー・サラザール(演:ソフィア・カーソン)
- ルーク・モロー(演:ニコラス・ガリツィン)
- 主要人物の友人
- フランキー(演:チョーズン・ジェイコブス)
- ノラ(演:カトリーナ・カニンガム)
- ヤーヴィス(演:アサンテ・ジョーンズ)
- その他
- トビー(演:ジョン・ハーラン・キム)
- ジェイコブ・モロー(演:リンデン・アシュビー)
- ジョノー(演:アンソニー・イッポリート)
- ジェイコブ・モローJr.(演:スコット・デッカート)
- ヘイリー(演:サラ・リッチ)
- スペンサー(演:テオ・ローゼンバウム)
- アーマンド(演:ニコラス・デュヴァーネイ)
- ブランドン(演:ダスティン・ジョーンズ)
- マリソル(演:ローレン・エスカンドン)
- マックス(演:イーサン・エストラダ)
- 『パープル・ハート』(Purple Hearts)の用語
- 1型糖尿病
- ザ・ロイヤル
- 憲兵隊
- 『パープル・ハート』(Purple Hearts)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- キャシー・サラザール「私は自分の足で道を歩いてる。少しでこぼこだけど」
- フランキーが生還できなかったことに動揺するキャシー
- キャシーを庇って全ての罪を受ける覚悟をしたルーク
- 『パープル・ハート』(Purple Hearts)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 映画に全力を注いだ総指揮ソフィア・カーソン
- サウンド・トラックがチャートランキング1位
- アメリカの社会的問題を含んだ映画
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