あめつちだれかれそこかしこ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『あめつちだれかれそこかしこ』とは、漫画家の青桐ナツによる和風ファンタジー漫画である。株式会社マッグガーデンが運営しているWebコミックサービス「マグコミ」にて連載が開始された。祖父の遺産として日本家屋を受け継いだ主人公・青司が、そこに住む神々を中心にさまざまな神々や妖怪、人々と過ごす日常を描く。時に切なく、時にホッとするハートフル和風ファンタジーとして人気を集めている。
稲荷が祭神を務める稲荷神社に仕える狐達。複数匹存在しており、基本的に2~3匹で行動している事が多い。神社にて稲荷の仕事を手伝う以外にも、神々や妖怪が開いている闇市にて食堂を開いており、作中ではうどんとソイラテを販売していた。
神に仕える者として、それなりに力が備わっているようで、青司が悪いものに襲われそうになると守ってくれる。青司のことは、笹木家の「跡取り」さんとして慕っており、普段から笹木家への来訪が多い。稲荷神からのお使いがなくてもよく遊びに来ている。
烏天(とりてん)
烏の姿をした天狗。稲造の友人であった者達の1羽で、彼の生前には「一緒に温泉を掘り当てよう」といった約束をしていたという。一緒に繁華街にくり出すほどには仲が良かった模様。しかし、遠方へ出かけている最中に稲造が亡くなってしまい、土産を持って笹木家に来るまで彼の死を知らなかった。
図太く横柄な性格をしており、青司に対してもズケズケと物を言う。しかし礼儀がまったくないわけではなく、年神や納戸神といった自身よりも目上のものに対してはそれ相応の振舞を見せる。
向山紅白坊(むかいやまこうはくぼう)
山に住まう大天狗。明るく快活で自由奔放な性格をしており、思ったら即行動といった高い行動力も持ち合わせている。また情に厚く、青司が両親を亡くして独り身であると知った時には、彼がしてきた苦労を想像して泣いていた。
青司の祖母にあたるヨネに懸想しており、稲造という旦那がいるとわかっていながらも彼女を口説いていた模様。納戸いわく「ヨネにはよく花を渡していた」との事で、その結果、山の一部をハゲにしたという。
本人いわく、笹木一族の「顔」が好きとのこと。青司とも仲良くなりたいと思っているが、登場当初に笹木家でいろいろとやり過ぎたせいで、青司からはいい印象を持たれていない。
向山紅白坊に仕える天狗達
向山紅白坊に仕える天狗達。行動力があるせいで暴走しがちな向山紅白坊をいざという時に止める役割も担っているようだが、基本的には彼らも楽しい事が好きなので、あまり役立つ事はない。
衣服類が統一されているのか、全員天狗の面にジャージという組み合わせで登場する。バーベキューなどの料理を行う時は、ジャージの上から割烹着を着用していた。
向山紅白坊の事を主人として慕っているようで、彼に仇をなすものは、たとえ長年の付き合いがある笹木家の者であっても許さない。
熊野(くまの)
笹木家の地元にある熊野神社の祭神であり、年神の古くからの知り合い。元ネタは、「熊野三山」(くまのさんざん)と呼ばれる3つの神社の勧請を受けている神社「熊野神社」である。
陽気な性格の人物で、「ツンデレ」といった人間による造語を知っていたり、和装ではなく現代の若者風の洋装を着こなしたりと、人間に対する造詣が深い。年神がどうすれば青司に喜んでもらえるかで悩む横で、飄々と彼が望む事をしてやるため、年神に羨ましがられている。なお、自身と同じ神に対しては明け透けなく物を言うタイプらしく、作中では自分の事を羨む年神を煽るような発言を笑顔でしていた。
足無し(あしなし)
笹木家に居ついてる幽霊。足がないため、「足無し」と呼ばれている。本名は不明。20代と思われる青年で、幽霊故に身体が透けているせいか、普段は顔も見えない。自由気ままでマイペースな性格をしており、笹木家のいろいろな場所をうろうろしている。納戸と仲が良いようで、作中では一緒に遊ぶさまも描かれていた。その延長線か、彼が悪さをすると、納戸がそれを叱る役割を担う。
決まった範囲外はうろつけないようで、それ以外の場所に行くためには他の人に取り憑く必要がある。特に青司の友人である酒井巧を標的にする事が多く、それ故に青司から警戒されている。
茶碗(ちゃわん)
青司の親である彩が使っていた茶碗。長年使い続けていた彩愛用の茶碗であったが、彼女が笹木家を出て行く時に笹木家に置いてかれた。「愛着があるものには澱がたまりやすい」という理由で稲造によって手放されたが、巡り巡って神々や妖怪が集う闇市にたどり着いたせいか、澱がたまってしまう。結果、人に化けられる程度の力を得る。闇市で青司と出会った事をきっかけに、笹木家に居つくようになった。
青司に対してはあまり快く思っていなかったが、かつて彩が茶碗である自分に対して口にした感想と青司がたまたま口にした感想が同じだった事から、彼に気を許すようになる。
黒猫(くろねこ)
青司の友人である酒井巧の家にあった掛け軸の中に住んでいた猫。巧の祖父いわく「いわくつきの絵」であり、「稲造が気に入っていたもの」だという。稲造の孫として青司が引き取ったが、人ならざる者達が集まりやすい笹木家の影響を受けて実体化できる力を得た。
稲造に顔を落書きされており、それが原因で笹木家に対して恨みを持つ。顔の落書きは、後に青司と巧によって洗われた。その後はしばらく笹木家にいたが、よほど居心地が気に入らなかったらしく、暴れまわった結果、元の持ち主であった酒井家に戻る。
ケガレ
家を欲しがる人ならざる者。笹木家を狙っていた。その正体は、「よくないもの」がたまって生まれた「澱」である。
初登場時は黒く丸い姿をしていたが、後に笹木家の影響を受けてか人型になった。その際に、青司の父である光彦を模した姿で青司の前に現れている。
最終的に年神の力によって払われ、力を失った。その後、お盆に乗じて笹木家にやってきていた妖怪達の行列に連れていかれる形で笹木家から追い出される。
石の神
笹木家の近くのパワースポットにある大きな石の神様。長身の男性の姿をしている。
少々高圧的な性格だが、実はとても寂しがり屋。石であるが故にどこにも行く事ができず、時たま旅から帰ってくる友人を待つだけの日々を寂しく思っている。そんな時、パワースポットに来た観光客により、自身の本体である石にラクガキをされたせいで、そこから禍々しい気を集めるようになってしまう。禍々しさに意識を飲み込まれかけていた事から、自分を構ってくれた青司や巧を石に変えようとしたが、寸前のところで年神が清めの酒を浴びせてくれた事で正気を取り戻す。
その後は、青司達とは程よい距離感で付き合っている模様。
『あめつちだれかれそこかそこ』の用語
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目次 - Contents
- 『あめつちだれかれそこかそこ』の概要
- 『あめつちだれかれそこかそこ』のあらすじ・ストーリー
- 神々との出会い
- 家に集い始めるよくない者達
- 高校への入学、友・酒井巧(さかい たくみ)との出会い
- 稲造を知る者達の来訪
- 稲造が遺したとんでもないもの達
- 従妹叔父・正太(しょうた)の登場
- 此ノ山稲荷の来訪
- 母の愛した茶碗と両親が笹木家を出たわけ
- 稲造の初盆
- 知らなかった衝撃の事実
- 気まずくなってしまった年神と青司の関係
- 大天狗・向山紅白坊(むかいやまこうはくぼう)の来訪
- 熊野との出会いと年神の優しさの理由
- 稲造の初命日と年の瀬
- 帰ってこない年神
- 青司の抱えていた不安
- 納戸の怒りと年神のこれから
- 『あめつちだれかれそこかそこ』の登場人物・キャラクター
- 主要キャラ
- 笹木青司(ささき せいじ)
- 年神(としがみ)/年男(としお)
- 納戸(なんど)
- 親戚の人々
- カレン
- 正太(しょうた)
- おばさん
- 秀美(ひでみ)
- 稲造(いなぞう)
- ヨネ
- 彩(あや)
- 光彦(みつひこ)
- 虎になった親戚
- 酒井家の人々
- 巧(たくみ)
- 巧の兄
- 巧の祖父
- 友人
- 尾田(おだ)
- 吉川(よしかわ)
- 笹木家を訪れる妖怪や神々
- 此ノ山稲荷(このやまいなり)/稲荷(いなり)
- 稲荷の狐達
- 烏天(とりてん)
- 向山紅白坊(むかいやまこうはくぼう)
- 向山紅白坊に仕える天狗達
- 熊野(くまの)
- 足無し(あしなし)
- 茶碗(ちゃわん)
- 黒猫(くろねこ)
- ケガレ
- 石の神
- 『あめつちだれかれそこかそこ』の用語
- 神
- 妖怪
- 稲荷神社(いなりじんじゃ)
- 闇市(やみいち)
- 『あめつちだれかれそこかそこ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 年神「そんなことをいわないで 受け継がれ繋がれ 君の元へ辿り着いたのだから」
- 青司「僕の家ですから 僕とあと二人が暮らしている家ですから」
- 納戸「いまこの家のいちばんの財産とはなんだと思う」
- 『あめつちだれかれそこかそこ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 作者のXだけで公開されている稲荷の洋装
- 作者のSUZURIにある『あめつちだれかれそこかしこ』を連想するグッズ
- 更新不定期の連載でも熱い支持を集める『あめつちだれかれそこかしこ』