あめつちだれかれそこかしこ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『あめつちだれかれそこかしこ』とは、漫画家の青桐ナツによる和風ファンタジー漫画である。株式会社マッグガーデンが運営しているWebコミックサービス「マグコミ」にて連載が開始された。祖父の遺産として日本家屋を受け継いだ主人公・笹木青司が、そこに住む神々を中心にさまざまな神々や妖怪、人々と過ごす日常を描く。時に切なく、時にホッとするハートフル和風ファンタジーとして人気を集めている。

茶碗(ちゃわん)

青司の親である彩が使っていた茶碗。長年使い続けていた彩愛用の茶碗であったが、彼女が笹木家を出て行く時に笹木家に置いてかれた。「愛着があるものには澱がたまりやすい」という理由で稲造によって手放されたが、巡り巡って神々や妖怪が集う闇市にたどり着いたせいか、澱がたまってしまう。結果、人に化けられる程度の力を得る。闇市で青司と出会った事をきっかけに、笹木家に居つくようになった。
青司に対してはあまり快く思っていなかったが、かつて彩が茶碗である自分に対して口にした感想と青司がたまたま口にした感想が同じだった事から、彼に気を許すようになる。

黒猫(くろねこ)

青司の友人である酒井巧の家にあった掛け軸の中に住んでいた猫。巧の祖父いわく「いわくつきの絵」であり、「稲造が気に入っていたもの」だという。稲造の孫として青司が引き取ったが、人ならざる者達が集まりやすい笹木家の影響を受けて実体化できる力を得た。
稲造に顔を落書きされており、それが原因で笹木家に対して恨みを持つ。顔の落書きは、後に青司と巧によって洗われた。その後はしばらく笹木家にいたが、よほど居心地が気に入らなかったらしく、暴れまわった結果、元の持ち主であった酒井家に戻る。

ケガレ

画像左の黒い塊のような生物がケガレ。

家を欲しがる人ならざる者。笹木家を狙っていた。その正体は、「よくないもの」がたまって生まれた「澱」である。
初登場時は黒く丸い姿をしていたが、後に笹木家の影響を受けてか人型になった。その際に、青司の父である光彦を模した姿で青司の前に現れている。
最終的に年神の力によって払われ、力を失った。その後、お盆に乗じて笹木家にやってきていた妖怪達の行列に連れていかれる形で笹木家から追い出される。

石の神

笹木家の近くのパワースポットにある大きな石の神様。長身の男性の姿をしている。
少々高圧的な性格だが、実はとても寂しがり屋。石であるが故にどこにも行く事ができず、時たま旅から帰ってくる友人を待つだけの日々を寂しく思っている。そんな時、パワースポットに来た観光客により、自身の本体である石にラクガキをされたせいで、そこから禍々しい気を集めるようになってしまう。禍々しさに意識を飲み込まれかけていた事から、自分を構ってくれた青司や巧を石に変えようとしたが、寸前のところで年神が清めの酒を浴びせてくれた事で正気を取り戻す。
その後は、青司達とは程よい距離感で付き合っている模様。

『あめつちだれかれそこかそこ』の用語

作中に登場する神の1人である年神。

人智を超えた存在であり、宗教的な観念における象徴にあたる用語。本作では、主人公の青司が暮らす町で神として活動している地元神達を指す事が多い。年神や納戸、稲荷や熊野がこれに当てはまる。

妖怪

想像上の化け物。もともとは、人が起こしたものとは考えられない不思議な現象を元に生まれた存在とされる。全国的に知られている有名な妖怪もいれば、一部の地域でしか知られていないマイナーな存在もいる。
本作では、神様以外の人智を越える存在の事を示す単語として用いられる事が多い。ほとんどがモブキャラクターとして登場するからか、各妖怪の詳細や名前は不明である。

稲荷神社(いなりじんじゃ)

稲荷神社内にある一室で、稲荷(画像2・3コマ目の長髪の男)と青司(画像3コマ目の黒髪の少年)が話すシーン。

笹木家と縁があり、年神と同じ神である稲荷が祭られている神社。本作に登場する狐のほとんどが、この稲荷神社に仕えている。地元の神様である事からか、青司も笹木家の1人としてお参りなどをしている模様。
元ネタは、京都伏見にある伏見稲荷大社を総本山とする、豊穣の神・稲荷神を祭る稲荷神社と推測される。

闇市(やみいち)

神や妖怪など、人智を越えた存在が集まる市場。人が開いていた市場を真似して始めたのが、起原だという。
本来は人間は来れない場所だが、稀に偶然人間がやってきてしまう事もある。神様や妖怪と何かと縁のある笹木家の人間は、自らの意思で遊びに来ていた模様。特に青司の祖父・稲造は、闇市場にて様々な妖怪と交流があった。青司の両親である彩と光彦も時々来ていた事が、作中のモブ妖怪達のセリフから伺える。

『あめつちだれかれそこかそこ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

年神「そんなことをいわないで 受け継がれ繋がれ 君の元へ辿り着いたのだから」

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