あめつちだれかれそこかしこ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『あめつちだれかれそこかしこ』とは、漫画家の青桐ナツによる和風ファンタジー漫画である。株式会社マッグガーデンが運営しているWebコミックサービス「マグコミ」にて連載が開始された。祖父の遺産として日本家屋を受け継いだ主人公・青司が、そこに住む神々を中心にさまざまな神々や妖怪、人々と過ごす日常を描く。時に切なく、時にホッとするハートフル和風ファンタジーとして人気を集めている。

親戚の人々

カレン

青司の祖父・稲造の弟にあたる秀美の娘であり、青司にとっては従妹叔母にあたる人物。物語当初、青司に祖父の遺産がある事を告げに来た人物でもある。
青司が稲造の家に住むようになってからは、時々、彼がきちんと生活できているか見に来ており、その際、母から託されたさまざまな食べ物を持ってくる事が多い。笹木家に住まう神々や訪れる妖怪達が食べる菓子のほとんどは、彼女が持ってきたお菓子である模様。社会人でもあるようで、時折仕事帰りと思われるスーツ姿で来宅してくる事もある。
思い切りがいい女性で、神々や妖怪達ですら震えあがるような言動を容易に行う。なお、彼女自身はそうした人間以外の存在を見る力はない為、彼らが自分の存在に怯えている事には気づいていない。また、そうした者が実在している事も知らないが、笹木家に「訪問客」が多い事には気づいており、薄々なんらかの者達がいる気配だけ感じている模様。
稲造の生前は彼に懐いていたようで、稲造亡き後に誰も家を継ぐ者がいないのであれば、自分が継ごうと提案した事もあるほど。しかし、神々や妖怪が見えない事を理由に断られてしまった。

正太(しょうた)

青司の祖父・稲造の弟にあたる秀美の息子であり、青司にとっては従妹叔父にあたる人物。普段は実家を出て、1人暮らしをしながら大学に通っているが、時折前触れもなく帰省する。主な帰省理由は金銭がなくなって、家族に金を借りるため。金遣いが荒いので、すぐに金欠になる模様。
青司と出会った当初は、自分の家族に可愛がられている彼の姿に嫉妬していたが、一緒に過ごしていく内に次第に仲が良くなる。笹木家にも遊びに行くようになるが、姿は見えずとも人間以外の存在の気配を感じるようで、些細な気配や物音によく驚く。そんな彼の様子を納戸が特に気に入っており、家に遊びに来る度に驚かしにかかっている。
気は強いが、根っこは小心者。青司いわく「悪くなりきれない感じがある」とのこと。実際従妹甥である青司に対して、口は悪いがなんだかんだと気にかけている様子が作中の姿から窺える。

おばさん

青司の祖父・稲造の弟にあたる秀美の妻であり、青司にとっては大叔母にあたる人物。日本家屋に1人で暮らす事になった青司を心配して、いろいろと世話を焼いている。実の子ども達以上に青司の事を可愛がっており、息子の正太が青司ばかり可愛がる事に拗ねた際には「若くて可愛い子の方がいい」と言い切っていた。
基本的には明るく元気な主婦。はっきりとした物言いをするタイプで、思った事はすぐに口にする。冬になるとセーターを編む傾向があるらしく、作中では青司を含めた家族全員のイニシャル入りセーターを縫いあげた。また家族行事が好きなのか、バーベキューやクリスマスパーティーなど、さまざまなイベントを企画している姿も描かれている。イベントには青司も誘っており、毎度彼が来てくれる事を楽しみにしている模様。

秀美(ひでみ)

青司の祖父・稲造の弟であり、青司にとっては叔祖父にあたる人物。朗らかで陽気な性格の人物で、兄の孫にあたる青司の事を妻と共に可愛がっている。稲造の事を慕ってはいるが、実家に集まる神々や妖怪に慣れる事ができず、大人になり家を出た。家を出た後も、稲造とだけは連絡を取り合い続けていたという。なお、家を出たのは稲造の勧めによるものとのこと。今の妻の元に婿入りしたのも、兄が背中を押してくれた事が大きいという。人ならざる者に慣れる事ができない秀美を慮った兄の言動と推測される。
兄弟仲がいい反面、実は稲造と血の繋がりはない。稲造の父が再婚した相手の連れ子である為、稲造とは義理の兄弟にあたる。

稲造(いなぞう)

青司の祖父であり、笹木家の先代当主。兄弟が何人もいた笹木家では末っ子にあたる人物だが、兄弟内では一番人ならざる者達との付き合いが上手いようで、彼亡き後も多くの神々や妖怪達から慕われている。
飄々とした雰囲気の人物で、若い頃から妖怪相手に命がけの賭け事を容易に挑んだり、自分の描いた春画を「宝」だと納戸を騙して納戸内に隠してもらったりと、大小問わずとんでもない事ばかりやりのけていた模様。めんどうな物を持ち込んで納戸に放り込んでは、そのまま忘れてしまう事もあったようで、後にそれを見つけた孫の青司が被害を被る事が多い。
しかし反面で誰かを気遣う心も持ち得ており、特に義理の弟である秀美の事は可愛がっていたという。自分と違い妖怪や神々を怖がる彼を守るため、家から出て行く事や婿入りする事を提案するなど、作中では様々な気遣いを見せている。それを知った妖怪や青司からは、「稲造にも人の心があったのか」と驚かれた。

ヨネ

青司の祖母であり、笹木家の先代当主・稲造の妻。詳しい性格や容貌は不明だが、彼に恋をしていた大天狗の向山紅白坊(むかいやまこうはくぼう)いわく、青司と顔が似ているという。また、性格も「強かでたくましくて美しかった」とのこと。
しかし、納戸いわく「そんなに強くはない人物であった」ともいう。というのも、己を懸想する向山紅白坊に決して気持ちを返す事はなかったようだが、反面で受け取った気持ちを1人で昇華する事ができずにいたらしい。その証拠に、納戸に頼んで彼から貰った花を納戸の奥に隠すようにしまい込んでいる姿が、作中にて描かれている。

彩(あや)

青司の母親であり、笹木家先代当主の娘。作中では故人であり、妖怪達や青司の思い出の中に出てくる程度である。気が強くはっきりとした性格なようで、妖怪や神々相手にも臆する事なく付き合っていた。
家族仲は良好であったようだが、自身の旦那をいびる父・稲造を許せず、結婚してからは稲造と言い合いばかりしていた模様。結婚後はしばらく夫婦共に実家で暮らしていたが、当の旦那である光彦(みつひこ)が怪異にからまれやすかった事や稲造との仲違い等の理由が重なり、家を出て行く。

光彦(みつひこ)

青司の父親であり、笹木家先代当主の娘・彩の旦那。作中では故人であり、妖怪達や青司の思い出の中に出てくる程度である。穏やかでゆったりとした性格の人物で、稲造にいびられても全然気にしていなかった。家に住まう神々とは上手く交流していたようで、一時は納戸のために甘い玉子焼きを作ってあげていたという。
しかし反面で怪異にからまれやすい面があり、彼の優しさを利用した妖怪に悪さをされそうになる事も多かったらしい。

虎になった親戚

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