あめつちだれかれそこかしこ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『あめつちだれかれそこかしこ』とは、漫画家の青桐ナツによる和風ファンタジー漫画である。株式会社マッグガーデンが運営しているWebコミックサービス「マグコミ」にて連載が開始された。祖父の遺産として日本家屋を受け継いだ主人公・笹木青司が、そこに住む神々を中心にさまざまな神々や妖怪、人々と過ごす日常を描く。時に切なく、時にホッとするハートフル和風ファンタジーとして人気を集めている。

『あめつちだれかれそこかそこ』の登場人物・キャラクター

主要キャラ

笹木青司(ささき せいじ)

本作の主人公にあたる男子高校生。両親を亡くし、孤児となる。両親が家族と距離を置いていたからか親戚の類と顔を合わせた事がなく、祖父の遺産の存在も話が持ち上がるまで知らなかった。
基本的には落ち着いており、人当たりもいい少年だが、理不尽な事をしてきた者に対しては対応が厳しくなる一面も持ち合わせている。作中では、人智の範疇を越えた行動ばかり取る神々や妖怪達によく怒っていた。
また、神である年神や納戸に出会った当初は、そうした者達の存在を信じられず、疑いの眼差しを向けている。現実的な思考の持ち主である模様。しかしその反面で神を敬う心もあるようで、神棚の掃除をしたり、地元の神である稲荷の神社へお参りをしたりといった描写も見られる。

年神(としがみ)/年男(としお)

笹木家と昔から付き合いがある年神。本来なら山に住んでおり、正月になると各家に降りてくるといった穀物・農耕の神だが、人間界に興味があったためか笹木家で暮らし続けている。笹木家の当主であった稲造がいなくなった後も、跡取りである青司が来ると信じて家で待ち続けた。誰も自身を敬う者がいない家で暮らしていたせいか、一時はその存在が消えかけもしたが、第1話で青司が家を綺麗にしてくれたおかげで神として復活する。
基本的には人がいい、穏やかなおじさん。青司を喜ばせようと奮闘するが、価値観が人ではなく神に寄っているためか空回りする事が多い。
なお、他の妖怪に恐れられるほどには神としての力は強く、位も高い模様。いざという時は、彼に頼ればどうとでもなると思っている者も多いようで、人外の者達によく頼られている。しかし、青司にはなかなか神と信じてもらう事ができず、「年男」(としお)という愛称で呼ばれるようになってしまう。

納戸(なんど)

笹木家の納戸に住まい、納戸を管理する神。年神と共に長らく笹木家で暮らしており、先代当主の稲造が亡くなってからも彼と共に笹木家にいた。青司がやってきた当初は彼の事を気に入らず納戸にこもっていたが、青司の荒療法にも似たやり方で引きずり出され、以降は家の中を自由に歩き回るようになる。青司の事も、彼が真面目な人間である事を知って以降は、共に暮らす事を受け入れる。
小学生ぐらいの子どものような容姿をしており、言動も子どもっぽく我儘なところが多い。また、年神よりも人間に近しい場所に住まう神であるからか、彼よりも人間に対する理解度が高い。だが長年神としてあり続けた者である事も確かで、時折それっぽい発言をする事がある。

親戚の人々

カレン

青司の祖父・稲造の弟にあたる秀美の娘であり、青司にとっては従妹叔母にあたる人物。物語当初、青司に祖父の遺産がある事を告げに来た人物でもある。
青司が稲造の家に住むようになってからは、時々、彼がきちんと生活できているか見に来ており、その際、母から託されたさまざまな食べ物を持ってくる事が多い。笹木家に住まう神々や訪れる妖怪達が食べる菓子のほとんどは、彼女が持ってきたお菓子である模様。社会人でもあるようで、時折仕事帰りと思われるスーツ姿で来宅してくる事もある。
思い切りがいい女性で、神々や妖怪達ですら震えあがるような言動を容易に行う。なお、彼女自身はそうした人間以外の存在を見る力はない為、彼らが自分の存在に怯えている事には気づいていない。また、そうした者が実在している事も知らないが、笹木家に「訪問客」が多い事には気づいており、薄々なんらかの者達がいる気配だけ感じている模様。
稲造の生前は彼に懐いていたようで、稲造亡き後に誰も家を継ぐ者がいないのであれば、自分が継ごうと提案した事もあるほど。しかし、神々や妖怪が見えない事を理由に断られてしまった。

正太(しょうた)

青司の祖父・稲造の弟にあたる秀美の息子であり、青司にとっては従妹叔父にあたる人物。普段は実家を出て、1人暮らしをしながら大学に通っているが、時折前触れもなく帰省する。主な帰省理由は金銭がなくなって、家族に金を借りるため。金遣いが荒いので、すぐに金欠になる模様。
青司と出会った当初は、自分の家族に可愛がられている彼の姿に嫉妬していたが、一緒に過ごしていく内に次第に仲が良くなる。笹木家にも遊びに行くようになるが、姿は見えずとも人間以外の存在の気配を感じるようで、些細な気配や物音によく驚く。そんな彼の様子を納戸が特に気に入っており、家に遊びに来る度に驚かしにかかっている。
気は強いが、根っこは小心者。青司いわく「悪くなりきれない感じがある」とのこと。実際従妹甥である青司に対して、口は悪いがなんだかんだと気にかけている様子が作中の姿から窺える。

おばさん

青司の祖父・稲造の弟にあたる秀美の妻であり、青司にとっては大叔母にあたる人物。日本家屋に1人で暮らす事になった青司を心配して、いろいろと世話を焼いている。実の子ども達以上に青司の事を可愛がっており、息子の正太が青司ばかり可愛がる事に拗ねた際には「若くて可愛い子の方がいい」と言い切っていた。
基本的には明るく元気な主婦。はっきりとした物言いをするタイプで、思った事はすぐに口にする。冬になるとセーターを編む傾向があるらしく、作中では青司を含めた家族全員のイニシャル入りセーターを縫いあげた。また家族行事が好きなのか、バーベキューやクリスマスパーティーなど、さまざまなイベントを企画している姿も描かれている。イベントには青司も誘っており、毎度彼が来てくれる事を楽しみにしている模様。

秀美(ひでみ)

青司の祖父・稲造の弟であり、青司にとっては叔祖父にあたる人物。朗らかで陽気な性格の人物で、兄の孫にあたる青司の事を妻と共に可愛がっている。稲造の事を慕ってはいるが、実家に集まる神々や妖怪に慣れる事ができず、大人になり家を出た。家を出た後も、稲造とだけは連絡を取り合い続けていたという。なお、家を出たのは稲造の勧めによるものとのこと。今の妻の元に婿入りしたのも、兄が背中を押してくれた事が大きいという。人ならざる者に慣れる事ができない秀美を慮った兄の言動と推測される。
兄弟仲がいい反面、実は稲造と血の繋がりはない。稲造の父が再婚した相手の連れ子である為、稲造とは義理の兄弟にあたる。

稲造(いなぞう)

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