あめつちだれかれそこかしこ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『あめつちだれかれそこかしこ』とは、漫画家の青桐ナツによる和風ファンタジー漫画である。株式会社マッグガーデンが運営しているWebコミックサービス「マグコミ」にて連載が開始された。祖父の遺産として日本家屋を受け継いだ主人公・笹木青司が、そこに住む神々を中心にさまざまな神々や妖怪、人々と過ごす日常を描く。時に切なく、時にホッとするハートフル和風ファンタジーとして人気を集めている。
青司のクラスメイトであり友人。幽霊や妖怪といった怪異が好きで、暇さえあれば友人の吉川(よしかわ)と共に、そうしたものが出ると噂の場所へ赴いている。妖怪や幽霊と出会う為にさまざまな無茶なたくらみを実行しては、青司を振り回す。なお、霊感は一切ないため、そうした者達と遭遇する事は難しい模様。だが、諦めずに怪異との出会いを求め続けている。
青司と出会った当初は、彼が暮らす家が幽霊屋敷であると聞いていた為、どうにか中に入る為に仲良くなろうとしていた。しかし、それとは別にただの友達としても仲良くなりたいという気持ちもあった模様。
怪異が好きな理由については、幼い頃から青司の稲造にそれらにまつわる面白い話を聞いていた事が理由にある。その内、自分でもいろいろな話を収集するようになったようで、「将来はそれらを集めた小説を書いて稼いでみたい」とのこと。
吉川(よしかわ)
青司のクラスメイトであり友人。幽霊や怪異といったものが好きで、暇さえあれば友人の尾田と共に、そうしたものが出ると噂の場所へ赴いている。妖怪や幽霊と出会う為にさまざまな無茶なたくらみを実行しては、青司を振り回す。なお、霊感は一切ないため、そうした者達と遭遇する事は難しい模様。青司の家に訪れた時は、彼の家にいた幽霊の足無しに取り憑かれかけたが、納戸いわく「合わない者」だったそうで取り憑かれずに済んだ。
怪異が好きな理由は「なんかおもしろそう」だから。
笹木家を訪れる妖怪や神々
此ノ山稲荷(このやまいなり)/稲荷(いなり)
笹木家の地元にある稲荷神社の祭神であり、年神の古くからの知り合いである。作中では、「此ノ山稲荷」を縮めて「稲荷」や「稲荷様」と呼ばれる事が多い。自身の使者にあたる狐達からは「ボス」と呼ばれている。
元ネタは、京都にある「京都伏見稲荷大社」(きょうとふしみいなりたいしゃ)を総本宮とした神社「稲荷神社」に祭られる「稲荷神」(いなりのかみ/いなりしん)である。全国各地に大小さまざまな規模で存在しており、本作で登場する神社もその内の1つと思われる。
神としての誇りが高く、神に対して礼儀がなっていない者には厳しい。同じく神である年神の事を小間使いのように使う青司に対して、あまりいい印象を抱いていなかった。しかし青司の人となりを知っていく内に、少しずつ態度を軟化させていく。
稲荷の狐達
稲荷が祭神を務める稲荷神社に仕える狐達。複数匹存在しており、基本的に2~3匹で行動している事が多い。神社にて稲荷の仕事を手伝う以外にも、神々や妖怪が開いている闇市にて食堂を開いており、作中ではうどんとソイラテを販売していた。
神に仕える者として、それなりに力が備わっているようで、青司が悪いものに襲われそうになると守ってくれる。青司のことは、笹木家の「跡取り」さんとして慕っており、普段から笹木家への来訪が多い。稲荷神からのお使いがなくてもよく遊びに来ている。
烏天(とりてん)
烏の姿をした天狗。稲造の友人であった者達の1羽で、彼の生前には「一緒に温泉を掘り当てよう」といった約束をしていたという。一緒に繁華街にくり出すほどには仲が良かった模様。しかし、遠方へ出かけている最中に稲造が亡くなってしまい、土産を持って笹木家に来るまで彼の死を知らなかった。
図太く横柄な性格をしており、青司に対してもズケズケと物を言う。しかし礼儀がまったくないわけではなく、年神や納戸神といった自身よりも目上のものに対してはそれ相応の振舞を見せる。
向山紅白坊(むかいやまこうはくぼう)
山に住まう大天狗。明るく快活で自由奔放な性格をしており、思ったら即行動といった高い行動力も持ち合わせている。また情に厚く、青司が両親を亡くして独り身であると知った時には、彼がしてきた苦労を想像して泣いていた。
青司の祖母にあたるヨネに懸想しており、稲造という旦那がいるとわかっていながらも彼女を口説いていた模様。納戸いわく「ヨネにはよく花を渡していた」との事で、その結果、山の一部をハゲにしたという。
本人いわく、笹木一族の「顔」が好きとのこと。青司とも仲良くなりたいと思っているが、登場当初に笹木家でいろいろとやり過ぎたせいで、青司からはいい印象を持たれていない。
向山紅白坊に仕える天狗達
向山紅白坊に仕える天狗達。行動力があるせいで暴走しがちな向山紅白坊をいざという時に止める役割も担っているようだが、基本的には彼らも楽しい事が好きなので、あまり役立つ事はない。
衣服類が統一されているのか、全員天狗の面にジャージという組み合わせで登場する。バーベキューなどの料理を行う時は、ジャージの上から割烹着を着用していた。
向山紅白坊の事を主人として慕っているようで、彼に仇をなすものは、たとえ長年の付き合いがある笹木家の者であっても許さない。
熊野(くまの)
笹木家の地元にある熊野神社の祭神であり、年神の古くからの知り合い。元ネタは、「熊野三山」(くまのさんざん)と呼ばれる3つの神社の勧請を受けている神社「熊野神社」である。
陽気な性格の人物で、「ツンデレ」といった人間による造語を知っていたり、和装ではなく現代の若者風の洋装を着こなしたりと、人間に対する造詣が深い。年神がどうすれば青司に喜んでもらえるかで悩む横で、飄々と彼が望む事をしてやるため、年神に羨ましがられている。なお、自身と同じ神に対しては明け透けなく物を言うタイプらしく、作中では自分の事を羨む年神を煽るような発言を笑顔でしていた。
足無し(あしなし)
笹木家に居ついてる幽霊。足がないため、「足無し」と呼ばれている。本名は不明。20代と思われる青年で、幽霊故に身体が透けているせいか、普段は顔も見えない。自由気ままでマイペースな性格をしており、笹木家のいろいろな場所をうろうろしている。納戸と仲が良いようで、作中では一緒に遊ぶさまも描かれていた。その延長線か、彼が悪さをすると、納戸がそれを叱る役割を担う。
決まった範囲外はうろつけないようで、それ以外の場所に行くためには他の人に取り憑く必要がある。特に青司の友人である酒井巧を標的にする事が多く、それ故に青司から警戒されている。
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目次 - Contents
- 『あめつちだれかれそこかそこ』の概要
- 『あめつちだれかれそこかそこ』のあらすじ・ストーリー
- 神々との出会い
- 家に集い始めるよくない者達
- 高校への入学、友・酒井巧(さかい たくみ)との出会い
- 稲造を知る者達の来訪と家族の謎
- 青司の両親が笹木家を出たわけ
- 稲造の初盆
- 知らなかった衝撃の事実
- 年神の優しさの理由
- 帰ってこない年神
- 年神と青司のこれから
- 『あめつちだれかれそこかそこ』の登場人物・キャラクター
- 主要キャラ
- 笹木青司(ささき せいじ)
- 年神(としがみ)/年男(としお)
- 納戸(なんど)
- 親戚の人々
- カレン
- 正太(しょうた)
- おばさん
- 秀美(ひでみ)
- 稲造(いなぞう)
- ヨネ
- 彩(あや)
- 光彦(みつひこ)
- 虎になった親戚
- 酒井家の人々
- 巧(たくみ)
- 巧の兄
- 巧の祖父
- 友人
- 尾田(おだ)
- 吉川(よしかわ)
- 笹木家を訪れる妖怪や神々
- 此ノ山稲荷(このやまいなり)/稲荷(いなり)
- 稲荷の狐達
- 烏天(とりてん)
- 向山紅白坊(むかいやまこうはくぼう)
- 向山紅白坊に仕える天狗達
- 熊野(くまの)
- 足無し(あしなし)
- 茶碗(ちゃわん)
- 黒猫(くろねこ)
- ケガレ
- 石の神
- 『あめつちだれかれそこかそこ』の用語
- 神
- 妖怪
- 稲荷神社(いなりじんじゃ)
- 闇市(やみいち)
- 『あめつちだれかれそこかそこ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 年神「そんなことをいわないで 受け継がれ繋がれ 君の元へ辿り着いたのだから」
- 青司「僕の家ですから 僕とあと二人が暮らしている家ですから」
- 納戸「いまこの家のいちばんの財産とはなんだと思う」
- 『あめつちだれかれそこかそこ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 作者のXだけで公開されている稲荷の洋装
- 作者のSUZURIにある『あめつちだれかれそこかしこ』を連想するグッズ
- 更新不定期の連載でも熱い支持を集める『あめつちだれかれそこかしこ』