死噛 ~シビトマギレ~(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『死噛 ~シビトマギレ~』とは、2022年にPlayStation 4とNintendo Switchで発売された、エクスペリエンスのホラーアドベンチャーゲーム。『死印』『NG』に続く同社の『心霊ホラーADVシリーズ』の第3作目で、第1作目の『死印』の続編として位置づけられた作品。
物語の舞台は『死印』の4か月後。怪異を診る専門家「怪医家」として知られるようになった主人公・八敷一男が、H市近郊にある名門学園・近衛原学園に出没する怪異「シビト」が巻き起こす事件に仲間たちと共に立ち向かっていく。

『死噛 ~シビトマギレ~』のゲームジャンルは、ホラーアドベンチャー。
主人公である八敷を操作し、マップを移動して調査ポイントを探索して手がかりを集め、発生する事件の解決と真相究明を行っていく。

通常は横スクロールマップだが、部屋の中や特定の箇所を詳細に調べなければならない場合は、視点が自動的に一人称に切り替わり、カーソルを動かして調査ポイントを調べることとなる。
シーンごとに必要な情報を集め、物語を進行させていくと、その章に登場する怪異との決戦へと移行。怪異を打ち破り、事件にピリオドを打てば次章へと続いていく。物語は第7章まで存在し、エンディングは3種類。

尚、アクションが必要なシーンや、操作を焦らされるようなシーンは一切存在しない。全編を通して、物語を読み進め、選択肢を選んだり、探索を行ってゲームは進行する。

精魂

霊障で精魂にダメージを追う八敷と大門

主人公である八敷と、共に調査を行う協力者には、HPとも言える「精魂」というパラメーターがある。

精魂は探索中に何らかの霊障を受けたり、怪異からの攻撃や危機的状況に陥った際に発生する試練のようなシステム「サスペンシブアクト」で消費される。八敷か協力者に設定された精魂を使い切って0にした時点でゲームオーバー。
精魂へのダメージを0にすることは不可能であり、精魂の消費は避けられない。
しかし、保健室にて、マップ上にて取得する通貨兼アイテムの「遺魂」と交換し、獲得するアイテム「霊具」を持っていれば、軽減は可能。更に、保健室に帰還することができれば、消費した精魂は全回復させられる。

また、遺魂の回収を行っていくことで最大値の上昇も狙うことが可能。

保健室

八敷が近衛原学園の調査の拠点とする特別棟の1室。

帰還すると精魂を回復することができる他、霊具の交換や遺魂の回収個数の確認、セーブや同行者の変更が行える。また、保健室に待機している人物や、協力者たちと会話も可能で、これにより物語を進行させる場合も可能。

一定時期からワンボタンでどこからでも保健室に帰還できるショートカット機能が解禁されるが、物語の関係でショートカットが不可能になる時期もある。

タッグサルベージ

八敷が同行者を選択し、共に調査を進めていくシステム。同行者は章ごとに決められている。

1作目の『死印』では怪異との決戦で特定の同行者を連れて行かなければならないなど、自由度は低めだったが、今作では特定地点の調査以外でそれを求められることはない。基本的には好きな同行者と共に調査を進められるように調整された。

ちなみにタッグサルベージ中の同行者は調査ポイントを調べた際の反応などがそれぞれ違い、それらを楽しむのも醍醐味である。

サスペンシブアクト

物語を進行すると発生することがある試練のようなシステム。

八敷と同行者が危機的な状況に陥った際にスタートし、行動をする人物、使用するアイテム、行動をそれぞれ選択して危険を回避していくこととなる。選択肢にはそれぞれ消費精魂と実行率が存在し、行動する人物の精魂を消費した後に、特定の行動の行く末を見守って進行。いくつかあるACTを乗り切って、危機が回避できればsurviveとなり、物語が進む。怪異との対決もこのサスペンシブアクトとなっている。

尚、精魂の消費は固定だが、実行率は同行者や八敷のパラメーターによって変動する。そのため、同行者によって難易度が変動する場合もあるのが特徴。基本的には誰と探索してもクリアは可能だが、楽に攻略していくならば、ある程度のメンバー選定は必要不可欠である。

呪われた場所

呪われた地に足を踏み入れた八敷と真下

第3章から登場する特殊なマップ。足を踏み入れると精魂にスリップダメージを受ける。

精魂が0になると当然ゲームオーバーになる他、呪われた場所では走ることができず、通常の探索もできないという制約がかけられてしまう。

呪われた場所を浄化するには、呪いの元である「黒い歯」を探して壊す他ないが、第7章に登場する呪われた場所のみ、解呪方法が特殊となっている。

怪異の救済

怪異との決着の後に行える、物語の分岐にも関わる要素。

怪異との対決の後に進行する移動パートにて、怪異の恨みや心残りを晴らすような特定の行動を起こすと、怪異の魂を救済することが可能となる。作中では「全き救い」とも呼ばれており、シビトも自身が喰らう怪異に対して、これを行うことを望んでいた。

尚、この怪異の救済がなされないまま物語が進行してしまうと、章ごとに決められた同行者が死亡してしまう展開となる。同行者の死亡時には専用のスチルもあるため、スチルの収集を狙っている場合は、救済を行わない選択をする必要もある。

『死噛 ~シビトマギレ~』の登場人物・キャラクター

主人公とその仲間(印人)たち

八敷一男(やしき かずお)

CV:根塚良

物語の主人公の男性。『心霊ホラーADVシリーズ』第1作目『死印』から主人公として続投している。年齢は推定40歳前後歳。そのためか、作中では度々「オッサン」と呼ばれたり、「中年男性」と言われてしまうこともしばしば。
尚、名前は物語冒頭にて変更が可能。

4か月前に発生した「呪いのシルシ」事件を生き残り、解決に導いた人物。その功績から、一部界隈では「怪異を診る人」、通称「怪医家」として知られている。4か月前の事件では記憶を失っていたが、後にH市にある名家「九条家」の当主「九条政宗」であることが判明した。しかし本人は記憶を失っていた際に利用していた名前をそのまま使い、前の名前は捨てたと明言している。

家柄に由来した高い霊感と、元来の性格から来る冷静な判断力及び人の心の機微を感じ取る洞察力を持つ。これらを駆使し、依頼された「シビト事件」の解決を仲間たちや協力者と共に進めていくことになる。また、近衛原学園ではやむを得ず臨時教師としても活動することになり、趣味の読書などから蓄えた知識を用いて「日本史の教師」として教壇に立つことも。

柏木愛(かしわぎ あい)

CV:吉咲みゆ

八敷の協力者の1人で、かつて彼と共に「呪いのシルシ」を受けた「印人」。年齢は19歳。

H市のご当地アイドル「ラブ&ヒーロー」のメンバーで、八敷が新たな怪異の調査を行っていると聞いて駆け付けた。正義感が強い元気印の少女で、持ち前の明るさや胆力、アイドル活動で鍛えた体力を用いて八敷の力となる。

第2章の同行者として共にトイレの華子事件を追うが、物語の展開次第ではシビトに殺されてしまう。

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@tamu68

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