死噛 ~シビトマギレ~(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『死噛 ~シビトマギレ~』とは、2022年にPlayStation 4とNintendo Switchで発売された、エクスペリエンスのホラーアドベンチャーゲーム。『死印』『NG』に続く同社の『心霊ホラーADVシリーズ』の第3作目で、第1作目の『死印』の続編として位置づけられた作品。
物語の舞台は『死印』の4か月後。怪異を診る専門家「怪医家」として知られるようになった主人公・八敷一男が、H市近郊にある名門学園・近衛原学園に出没する怪異「シビト」が巻き起こす事件に仲間たちと共に立ち向かっていく。

主人公である八敷の呼び名の1つ。

第1作目『死印』にて、人形怪異「メリイ」が発生させていた「呪いのシルシ事件」を解決し、生き残ることができた八敷が、一部界隈にて有名になった際につけられた称号。怪異の無念や情念に寄り添い、それを浄化するという方法で怪奇事件を解決するという手腕から「怪異を診る者」として知られた結果、そう呼ばれるようになった。

ちなみに本人はその呼び名で呼ばれることをあまり本位に思っていないらしく、「怪異と対峙して生き残ってきたのも運が良かっただけだ」と発言している。

印人(しるしびと)

第1作目『死印』にて発生した呪いのシルシ事件に関わり、生き残った人物たちを指す言葉。

事件の収束に当たって全員が日常生活に戻っているのだが、定期的に八敷の怪医家活動に協力してくれるなど、未だに縁は続いている。今作においても、八敷の調査を手伝ってくれる心強い仲間として登場。事件収束のために、自らの得意分野を活かして共に戦う、頼もしいパートナーとなってくれる。

九条家

平安時代から続く貴族の家系に連なる名家で、H市に「九条館」と呼ばれる豪邸を持つ。

家系的に霊的な強い力を持ち、心霊現象の権威として活動を行ってきた。

現当主は「九条正宗」=八敷になっており、九条館は彼の自宅ということになる。

怪異

『死噛 ~シビトマギレ~』において対峙する、超常現象の存在。

シビトによって八敷や印人、近衛原学園の生徒や関係者にけしかけられ、様々な怪奇現象や被害をもたらす。

全員が元々人間であり、悲劇的な末路を辿った末に死亡したためか、特定の人間に対して多大な恨みや無念を抱いている。

怪異喰い

怪異を喰らう怪異。『死噛 ~シビトマギレ~』においてはシビトのこと。

シビトは無念を抱いた魂が転じた怪異を喰らって、自らの力にする能力を持っている。喰らった魂の量や質に応じて、獲得する力が増大すると作中描写から推測可能。

尚、『心霊ホラーADVシリーズ』3作目初出の概念であり、シビト以外に怪異喰いを行う怪異がいるのかは不明。

近衛原学園(このえはらがくえん)

H氏近郊にある、創立70年を迎える名門校。正式名称は「近衛原学園高等学校」。

創立10周年の際に建てられたという、大きな時計塔がトレードマーク。建物は「新校舎」と「旧校舎」があり、八敷が調査拠点に利用している保健室は、新校舎の特別棟にある。

物語開始より少し前より「シビト」の予告状によって名指しされた生徒が失踪するという事件が発生。それを発端として「シビトの噂」が囁かれるようになった。校長である近衛はこのシビトの噂を収束させるため、八敷を学園に招いて調査をさせることとなる。

M村

100年前あたりまで、現在の近衛原学園近郊にあったと言われている小さな集落。

「虫噛さま」「黴噛さま」と呼ばれる2柱の土地神を進行していた。また、これらの神は定期的に大飢饉を起こすと言われており、それを鎮めるため、2柱の神に生贄を捧げるための儀式「シビトの嫁入り」が存在する。

しかし一時を境に、流行り病(シビトの祟り)によって、子孫も根こそぎ滅ぼされてしまった。

シビトの嫁入り

M村にて信仰されていた虫噛さま、黴噛さまの怒りを鎮めるための儀式。

集落の中でも生まれが良く、知性にも人格にも優れ、霊的な資質を持つ若い男女が選ばれて挑む儀式だが、その実情は酷く残酷なもの。
選ばれた花婿は余地もなく斬首されて殺され、花嫁は2柱の神に相応しい姿になるため、生きながらにして虫と黴に浸食させられる。虫と黴によって生きながらに死人同然の姿に作り替えられた挙句、死に追いやられるという、およそ嫁入りという言葉の華やかさには相応しくない内容であった。

シビトの元となった繭村姉妹は、何も知らないまま花嫁に選ばれ、シビトの嫁入りの犠牲者になってしまった後、強い力を持つ怪異となってしまっている。

『死噛 ~シビトマギレ~』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

各キャラクターの能力値はフレーバーテキスト

『死噛 ~シビトマギレ~』では、主人公と同行可能なキャラクター全員に、RPGのようなステータスが設定されている。

まるで同社のDRPGのようなラインナップではあるが、キャラクター性の深掘り以外の意味合いはないフレーバーテキストのため、気にしなくてもよい。

今作のステータスは第1作目『死印』のそれと比べると、全員が若干上昇している。ちなみに最も総合ステータスが高いのは大門、最も低いのは柏木と長嶋。

八敷は甘いコーヒーが好み

第2章冒頭にて、主人公・八敷がコーヒーを自分で淹れて飲むシーンが存在。

このシーンの選択肢で「砂糖を入れる」というものがあり、選択すると八敷がコーヒーに砂糖を投入する。
砂糖を入れる選択肢は数度選択でき、最大5回まで投入可能。5回投入してコーヒーを飲ませると、それ未満の場合と違う反応を見せる。

尚、八敷は公式で砂糖入りのコーヒーが好みであると設定されているため、5個入れた反応が公式だと窺える。

トゥルーエンドの存在と到達条件

『死噛 ~シビトマギレ~』のエンディングは3種類あるが、そのうち1つは1周目のプレイでは絶対に辿り着くことはできない。
このエンディングは隠しエンドであると同時に、トゥルーエンドという位置づけになっている。到達するには以下のような条件を踏んでいかなければならない。

・一度ゲームをクリアし、かつグッドエンドに到達しているデータを参照する
・第2章から第5章までの同行者が全員生存している
・第6章序盤の坂本とのやり取りで、追加される「説得する」という選択肢を選ぶ
・第6章終盤で発生するサスペンシブアクトにて、シビトを積極的に攻撃しない行動を取る
・第7章終盤の推理パートで、推理を間違えずに進行する

尚、1周目でグッドエンド、かつ生存者生存を果たしたセーブデータでやり直す場合は、第6章の選択肢をやり直すのみで到達可能。
以上の条件を満たすと、第7章でシビトと決着をつけた後に、選択肢が1つ追加される。この選択肢を「時計塔へ戻る」と選べば、隠しエンドに到達可能。

クリア後に追加される特典

『死噛 ~シビトマギレ~』では、一度クリアした章を再度遊びなおすことができる。

その際、一度生存させた同行者の生死状況を切り替えることが可能。また、一度エンディングを迎えたデータで再度章選択をしてプレイを行う際は、サスペンシブアクトの実行率を常に100%にすることもできるようになった。
差分のチェックや周回の際の手間を省くシステムである。

ただし、トゥルーエンドの発生に深く関わる坂本の生死のみはこの特典で切り替えすることはできないようになっている。生存をさせたい場合は、第6章を遊んで「説得する」を選ぶしかない。

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@tamu68

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