超獣機神ダンクーガ（Dancouga）のネタバレ解説・考察まとめ

2025.01.16

『超獣機神ダンクーガ』とは、葦プロダクションが製作し、1985年4月から放映されたロボットアニメである。奥田誠治が監督を務め、シリーズ構成を藤川桂介が担当した。異空間からの侵略者「ムゲ帝国」から地球を守るため、野生の本能を武器に転化して戦う主人公達「獣戦機隊」の活躍が描かれた。愛憎入り乱れる人間模様や過酷な戦争描写が物語を盛り上げる。主人公が正規軍人である点など、リアルロボット的な要素がありながらも、主役メカが無敵の巨大ロボット「ダンクーガ」に合体する、スーパーロボット作品として描かれた。

クリス

CV：小滝進／塩屋浩三／堀川亮（『GODBLESS』）
元はゲラールの隣で輸送機の副機長をしていたが、死に際の彼から形見のキャップを受け取り、輸送部隊の隊長兼機長に就任する。ゲラールとは違い、獣戦機隊の命令違反すれすれの行動にも付き合う柔軟性を持っている。その後のOVA作品にも引き続き登場しており、輸送機部隊の隊長として忍達と共闘している。

テッド・カイゲル

CV：宮内幸平
忍達が所属していた宇宙軍士官学校の寮長を務めていた老人。通称「ドン」。生徒達が帰る場所を無くさないために、廃墟と化した学生寮を守っていた。デスガイヤーの襲撃から救助しに来た忍達に、自作の卒業証書を渡した。その後、デスガイヤーの手勢に苦戦する獣戦機隊を援護するため、士官学校ごと自爆した。彼の死は、慕っていた獣戦機隊の面々を精神的に成長させた。ちなみに死別した孫がいたらしく、死に際に写真に語りかけていた。彼の若者世代への愛情はその寂しさの裏返しであったようだ。

スライ・ダンパー

CV：佐々木望
OVA『GODBLESS』で登場した獣戦機隊の新兵。金髪に青いメッシュを入れた童顔の少年。イーグルファイターのパイロットになるべくシミュレーション機で訓練を行っていた。スクランブルまでのタイムが一分を切ったことを同期の仲間とともに喜んでいたが、教官に就任した亮には酷評され、生意気盛りなのか思わず口答えして殴られていた。その後忍達がエマージェンシーコールから本当に20秒で出撃したのを目の当たりにして、憧憬の眼差しを向けていた。獣戦基地に帰還した忍達を、仲間の先頭に立って銃口から守った。

リンダ麻生（リンダあそう）

リンダ・麻生

CV：鷹森淑乃
OVA『GODBLESS』で登場。スライと同じ獣戦機隊の新兵。オレンジ色の髪をサイドポニーにした少女。同期の仲間とともにランドクーガーのシミュレーター機で訓練にいそしんでいた。「スクランブルタイムを30秒以内にしろ」との亮の指導に、無茶振りだと反発するが、亮達が20秒で出撃していたと聞かされ言葉を無くす。そしてグザードの襲撃の際、忍達が本当に20秒で出撃したことで感服していた。その後獣戦基地に帰還した忍達をかばうように、仲間達とともに警備兵の銃口に立ち塞がった。

早瀬優（はやせまさる）

早瀬優

CV：小林通孝
OVA『GODBLESS』で登場。スライと同じ獣戦機隊の新兵。同期の中で1番背が低い童顔の少年。ランドライガーのシミュレーター機で訓練を受けていた。亮達の出撃タイムを聞かされ、驚いて聞き返していた。獣戦基地に帰還した忍達を、仲間とともに銃口から守った。

ケイ・ベックリン

CV：菊池正美
スライと同じ獣戦機隊の新兵。同期の中で1番高身長の面長の少年。ビッグモスのシミュレーター機で訓練していた。亮達の出撃タイムを聞いて驚愕し、「神業だ」と素直に感嘆していた。獣戦基地に帰還した忍達を、仲間とともに銃口から守った。

ドイル

CV：筈見純
OVA『白熱の終章』で登場した獣戦機隊新司令官。左目をえぐる古傷が特徴の歴戦の猛者でイゴール以上の武闘派の雰囲気を纏っている。副長官になった葉月博士の進言にも耳を貸さず、高圧的な態度を隠さない。軍隊は厳格な命令系統において初めて機能すると考える典型的な軍人気質。忍達獣戦機隊の破天荒ぶりに振り回されつつも、次第に彼らの野生に裏打ちされた強さを認めて裁量を持たせるようになる。みずから部下を率いて軍の宇宙基地を奪還するために出撃するが、全滅した乗員を見て放棄を決意する。忍達の窮地を救うべく、自らを犠牲にして宇宙基地を爆破して果てた。ちなみに管制塔をニアミスで中破させた忍の蛮行にはなんら言及しない一方で、軍の軽車両を一晩拝借した雅人には懲罰として一週間の夜警を命じるなど、罪罰に対する判断基準には不可解な点がある。

黒騎士隊（くろきしたい）

父ロス・イゴールに反発して袂を分かったアラン・イゴールが、独力で設立した非正規部隊。アランみずからが資質を認めて集めたメンバーが揃っている。情報を最重視しており、世界から送られてくる情報を逐一傍受、解析して対ムゲ戦に活かしている。装備に関してはアランの乗機「ブラックウイング」以外は貧弱と言って良いが、高い士気と熟練によって戦闘力を保持している。アランを失った後は実質解散状態だったが、敷島麗美の提言でフランシスが旧メンバーを糾合して「バンデッツ」を結成、亡霊と化したムゲ帝王に操られた連合政府に対してレジスタンス活動を行った。しかし収監されていた忍達を救出するため警備部隊と銃撃戦を繰り広げ、全員死亡した。

アラン・イゴール

CV：田中秀幸
ヘルメットで素顔を隠した謎の青年。忍を凌駕する腕前で高性能戦闘機「ブラックウイング」を駆り、たびたび忍達のピンチを救っては助言を残して去って行く。実はイゴールの実子である。自身の科学知識を駆使して獣戦機に比肩する戦闘機を開発し、黒騎士隊と呼ばれる仲間を集めてゲリラ活動を展開していた。第26話ではじめて忍と対面し、イゴールの戦略観を否定、忍に自分の頭で考えるように促す。第29話でイゴールの死に際に素顔を晒した。情報収集を最重要視する理論派であり、忍の直感に従う戦法やイゴールの自他の犠牲をいとわない精神を批判していた。しかし次第に彼らの影響を受けていき、最後はヘルマットの乗艦に特攻、自らを犠牲にしてダンクーガに道を開いた。

ムゲ帝国（むげていこく）