超獣機神ダンクーガ(Dancouga)のネタバレ解説・考察まとめ
『超獣機神ダンクーガ』とは、葦プロダクションが製作し、1985年4月から放映されたロボットアニメである。奥田誠治が監督を務め、シリーズ構成を藤川桂介が担当した。異空間からの侵略者「ムゲ帝国」から地球を守るため、野生の本能を武器に転化して戦う主人公達「獣戦機隊」の活躍が描かれた。愛憎入り乱れる人間模様や過酷な戦争描写が物語を盛り上げる。主人公が正規軍人である点など、リアルロボット的な要素がありながらも、主役メカが無敵の巨大ロボット「ダンクーガ」に合体する、スーパーロボット作品として描かれた。
第5話で登場した第4の獣戦機。巨体と鉄壁の重装甲を持つ移動要塞型。火力も獣戦機中最大で、機体上面に大口径砲と同軸の4連装砲、さらにミサイルランチャーを供え、前面に4連装パルスレーザーも装備する。さらには人を収容できるサブブロックを備える。その防御力と巨体を活かして、仲間の盾になりながら突撃する、質量にものを言わせて挽き潰すなどの戦法を多用する。なぜか面積を大きくとったキャノピーが機体前面に突出しているが、作中では狙われることはなかった。アグレッシブモードでは砲塔を収納し、機体下に折り畳んでいた4肢と蛇腹状のマニピュレーターを展開し、マンモス型に変形する。易々と敵メカを持ち上げるパワーと鋭い牙による突き刺し、そして全体重をかけて踏み潰すなどの戦い方を得意とする。ちなみに獣戦機の中で、他の3機が現生生物なのに対して、ビッグモスだけが絶滅種であるマンモスを象っているが、超電子頭脳にセットされている「野獣の本能」をどうやってサンプリングしたのかは作中では語られなかった。ヒューマロイドモードでは前脚を腕に、後脚を二本脚として直立する。200mmの鉄板を打ち抜く巨大なビームランチャーを使った砲撃戦の他、搭乗者の亮が得意な拳法を披露する。ダンクーガ合体時は、ヒューマロイドモードの状態で頭部と足先を収納し、頭部にイーグルファイター、左右のくるぶし部分にランドライガーとランドクーガーがドッキングする。つまりほぼ全身を形成する。OVA『GODBLESS』では飛行翼を内蔵したためか、主砲同軸の4連装砲はオミットされている。その後配置の見直しをしたのか、OVA『白熱の終章』では再び4連装砲が復活している。
ダンクーガ
4機の獣戦機が合体して「超獣機神」とも呼ばれる巨大ロボットになる獣戦機の究極形態。第16話で初登場した。数々の戦いを経て忍達4人の精神力が成長し団結したことで初めて完成した。ヒューマノイドモードのビッグモスが頭部と足先を収納、そこに変形して人面を展開したイーグルファイターが頭部に、ランドクーガーとランドライガーはほぼノーマルモードで両足に合体して完成する。一見するとビッグモスの頭部と足先が差し替わっただけのように見えるが、忍達4人の精神エネルギーが集合意識を形成し、パワーが何倍にも膨れ上がる。当初は特別な武器を持たなかったが、鉄拳を叩きつけるだけでも、そのあまりあるパワーと質量で敵を一撃の下に粉砕した。その後射撃武器「ダイガン」や、白兵戦武器「断空剣」を得るなど、戦闘力を増していった。さらに飛行能力を付加する「ブースターユニット」が装備されると、自在に空を飛べるようになり、宇宙空間すら行動範囲に収めた。忍達のヘルメットバイザーは黄色くなる。
合体時には、忍がキーボードでキーワード「DANCOUGA」を入力し、イーグルファイターに搭載された合体管制用コンピューター「THX1138」のロックを解除する。するとイーグルファイターから他の獣戦機にエネルギー波が送られ、自動的に合体が始まる。その際には他機は操縦を受け付けなくなる。また合体時は莫大なエネルギーが放出されており、敵の攻撃をはじき返す。初合体時には、総攻撃をはじき返す様子に「なんというエネルギーだ」とシャピロすら驚愕した。合体はリモート操作も可能で、15話で葉月博士が獣戦基地からリモートで合体させようとした。初めて合体しかけた時、「獣の怒りを超え、人の憎しみを超え、さあ、神の戦士として再生せよ」と厳かな声が忍に呼びかけるが、それが何者だったのかは作中では明かされなかった。「DANCOUGA」は漢字で「断空我」と書き、「我を空にして煩悩を断つ」という意味が込められている。余談だがパスワードの扱いが、入力時に音読、画面に文字列を表示、さらには合体後の名称をそのまま使用するなど、お世辞にもセキュアな扱いとは言えないが、作中では敵にパスワードを盗まれたりコンピューターに侵入されたりといった被害は受けなかった。
当初は飛行能力が無かったのが弱点だったが、葉月博士が突貫で作り上げたブースターユニットにより、自在に飛ぶことができるようになる。OVA『GODBLESS』では強化改造を施されており、背面に内蔵したX翼を展開することで、ブースターユニット以上の飛行能力を獲得した。
ダイガン
ダンクーガ合体後に使用できる専用火器。イーグルファイターのビームガンとランドクーガー・ランドライガーのブラスターガンを、ビッグモスのビームランチャーにドッキングして完成する。その威力は絶大で、ムゲ戦艦の装甲を簡単に打ち抜き、飛行メカをまとめて吹き飛ばした。輸送機からダンクーガの元に投下される最中に自動的に合体する。
断空砲(だんくうほう)
OVA『GODBLESS』で初使用した攻撃。背部の大口径砲と両脇に構えたミサイルランチャー、胸部の4連パルスレーザー砲の一斉射の通称。飛行翼が内蔵式になったことで可能になった。その威力は回を追うごとに増していき、OVA『白熱の終章』では一斉射で敵の大群をなぎ払って消滅させるほどになっている。
ブースターユニット
第34話で新たに配備されたダンクーガの強化ユニット。武装は2門のビームランチャー。ガンドールから射出され、ダンクーガの背中にドッキングする。可変翼を備え、単体飛行時は後退翼、ダンクーガと合体後は前進翼になる。これによりダンクーガは空中戦でもその戦闘能力をフルに発揮し、さらに宇宙空間でも戦えるようになった。ダンクーガの戦闘能力を大幅に引き上げ、勝利に多く貢献したが、ムゲ本星での決戦時にデスガイヤーの駆るザンガイオーめがけて射出されて衝突爆散した。
断空剣(だんくうけん)
OVA『GODBLESS』で初登場したダンクーガ専用の白兵戦武器で、デスガイヤーとの最後の戦いで初使用した。以降ダンクーガの主力武器となる。「ガンドール砲を小型化した武器」と説明されるが、見た目は両刃の白刃である。柄だけの状態で右足に収納されており、そこから取り出すとエネルギーを放出し、やがて白刃を形成する。切れ味は凄まじく、デスガイヤーの乗るザンガイオーを一刀両断にする威力を発揮する。また精神エネルギーを蓄える性質があるらしく、忍達4人が祈りを託して投擲した断空剣は、みごとにムゲ帝王を貫いて絶命させた。出撃直前に葉月博士からその存在を明かされたきりテストなどはしていなかったらしく、初使用時には忍が「ぶっつけ本番」と発言している。起動時に亮が「心にて悪しき空間を断つ、名付けて断空剣」と叫んだことで命名された。
断空光牙剣(だんくうこうがけん)
OVA『GODBLESS』の最終決戦で使用した必殺技。正式名称は「フォーメーションB3」で、目標に対してダンクーガとガンドールが一直線に並んだ状態で放つ合体技。最大出力のガンドール砲を断空剣に受け、長大な光の剣で敵を一刀両断する。その威力は絶大で、巨大コンピューターを依り代にして復活したムゲ帝王も一撃で消滅した。負傷して目がかすみ、沙羅の介助で狙いを定めた忍が「愛の心にて悪しき空間を絶つ、名付けて断空光牙剣!」と叫んでいた。このことから忍が即興で名付けたようだ。
ガンドール
獣戦基地の敷地の地下、ダム湖の底で密かに建造されていた対ムゲ用決戦兵器にして巨大な移動要塞である。葉月博士がタッチペン入力で「飛竜乗雲」とパスワード入力し、THX1139というコンピューターのロックを解放することで起動する。ガンドールの就役によって、遊撃戦を続ける獣戦機隊に活動拠点を世界中のどこにでも置けるという、戦略上の飛躍をもたらした。しかしその真価は変形した後に発揮される。翼が展開、折りたたまれていた竜の頭と尾が展開し、龍型の巨大戦闘マシンに変形することで、龍の口から絶大な威力を誇る「ガンドール砲」が使用可能となる。獣戦基地が総攻撃を受けたことで急遽就役することになったが、実はガンドールの動力炉には不具合があり、その稼働時間には180日と3日と限りがあった。しかしその活躍は凄まじく、ヘルマットの巨大な旗艦を一撃で撃沈し、シャピロ肝いりの月基地を陥落させ、残ったエネルギーでダンクーガをムゲ本国のある異空間に送り込んだ。その後北米で再度動力炉の整備を施し、見事ムゲ帝王を討ち果たしたダンクーガを迎えて連れ帰った。OVA『GODBLESS』でも健在で、ダンクーガとの合体技である「断空光牙剣」を披露した。ちなみにその名称はダンクーガの企画時のものからきている。
黒騎士隊(くろきしたい)
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目次 - Contents
- 『超獣機神ダンクーガ』の概要
- 『超獣機神ダンクーガ』のあらすじ・ストーリー
- ムゲ帝国襲来
- デスガイヤーの猛攻
- ダンクーガ誕生
- ギルドロームの罠
- 獣戦基地壊滅
- ムゲ帝国の最期(OVA『失われた者たちへの鎮魂歌』より)
- よみがえるムゲ・ゾルバドス(OVA『GODBLESS』より)
- 新たなる敵の襲来(OVA『白熱の終章』より)
- 『超獣機神ダンクーガ』の登場人物・キャラクター
- 獣戦機隊(じゅうせんきたい)
- 藤原 忍(ふじわら しのぶ)
- 結城 沙羅(ゆうき さら)
- 式部 雅人(しきぶ まさと)
- 司馬 亮(しば りょう)
- ロス・イゴール
- 葉月 考太郎(はづき こうたろう)
- ローラ・サリバン
- ゲラール
- クリス
- テッド・カイゲル
- スライ・ダンパー
- リンダ 麻生(リンダ あそう)
- 早瀬 優(はやせ まさる)
- ケイ・ベックリン
- ドイル
- 黒騎士隊(くろきしたい)
- アラン・イゴール
- フランシス
- 速水(はやみ)
- 敷島 麗美(しきしま れいみ)
- シド
- ハシモト
- マシュー
- マキシム
- チャーリー
- スティーブ
- ムゲ帝国(むげていこく)
- ムゲ・ゾルバドス帝王
- シャピロ・キーツ
- ルーナ・ロッサ
- デスガイヤー
- ギルドローム
- ヘルマット
- ビストール
- ゲル
- ディラド
- ディオレ
- アベル
- ケイム
- マルテ
- その他
- ダニエラ
- 結城 タケル(ゆうき タケル)
- 結城 アリサ(ゆうき アリサ)
- 式部 雅男(しきぶ まさお)
- 道那賀 小百合(みちなか さゆり)
- 加山(かやま)
- 藤岡(ふじおか)
- 木下(きのした)
- 『超獣機神ダンクーガ』の用語
- 獣戦機隊(じゅうせんきたい)
- 獣戦基地(じゅうせんきち)
- ムゲ帝国(むげていこく)
- 黒騎士隊(くろきしたい)
- バンデッツ
- ディラド
- 『超獣機神ダンクーガ』の登場兵器
- 獣戦機(じゅうせんき)
- ノーマルモード
- アグレッシブモード
- ヒューマロイドモード
- イーグルファイター(AGT-1)
- ランドクーガー(AGT-3)
- ランドライガー(AGT-2)
- ビッグモス(AGT-4)
- ダンクーガ
- ダイガン
- 断空砲(だんくうほう)
- ブースターユニット
- 断空剣(だんくうけん)
- 断空光牙剣(だんくうこうがけん)
- ガンドール
- 黒騎士隊(くろきしたい)
- ブラックウイング
- ムゲ帝国(むげていこく)
- デスグローム
- ザンガイオー
- デザイア
- レプリカーン
- グザード
- 『超獣機神ダンクーガ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 藤原忍「やってやるぜ!」
- シャピロ・キーツ「ムゲ帝王様は、私の存在を必要とお認めになったのだ」
- 藤原忍「なんだこれは。これが本当に俺たちの力なのか」
- ロス・イゴール「この孫を守ってくれ。この子こそ、地球の未来」
- 司馬亮「心にて悪しき空間を立つ、名付けて断空剣」
- 『超獣機神ダンクーガ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 年末商戦の商材の払底が放映打ち切りの真の原因
- ひそかに埋め込まれていた制作陣の感謝メッセージ
- 初代「C.C.ガールズ」のメンバーとして活躍したローラ・サリバン役の藤原理恵
- 『超獣機神ダンクーガ』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):藤原理恵「愛よファラウェイ」(第1話 - 第33話)
- OP(オープニング):藤原理恵「ほんとのキスをお返しに」(第34話 - 第38話)
- ED(エンディング):いけたけし「バーニング・ラヴ」(第1話 - 第33話)
- ED(エンディング):東郷昌和「SHADOWY DREAM」(第34話 - 第38話)
- 挿入歌:藤原理恵「ハーモニー・ラヴ」
- 挿入歌:藤原理恵「ディアダンサー」(OVA『失われた者たちへの鎮魂歌』)