超獣機神ダンクーガ(Dancouga)のネタバレ解説・考察まとめ

『超獣機神ダンクーガ』とは、葦プロダクションが製作し、1985年4月から放映されたロボットアニメである。奥田誠治が監督を務め、シリーズ構成を藤川桂介が担当した。異空間からの侵略者「ムゲ帝国」から地球を守るため、野生の本能を武器に転化して戦う主人公達「獣戦機隊」の活躍が描かれた。愛憎入り乱れる人間模様や過酷な戦争描写が物語を盛り上げる。主人公が正規軍人である点など、リアルロボット的な要素がありながらも、主役メカが無敵の巨大ロボット「ダンクーガ」に合体する、スーパーロボット作品として描かれた。

黒騎士隊の戦力は、「ブラックウイング」がそのほとんどを担っている。これは黒騎士隊自体が戦闘よりも情報戦に特化しているからである。しかしフランシスやチャーリーが搭乗した宇宙戦闘機、スティーブが月面で使用した作業用ポッドなどを擁している。

ブラックウイング

ブラックウイング(左)

黒騎士隊の隊長アランが、みずからの持つ科学技術や機械工学を注ぎ込んで自力で開発した高性能戦闘機。ハヤブサを模したシルエットを持ち、各部に金色のエングレービングが施されている。強力な戦闘能力を持つが、アグレッシブモードのような特殊性能は無い。大気圏宇宙問わずに飛行でき、アランの操縦技術も相まって優れた運動性能を発揮する。さらに機首を二分割して両腕に、鳥脚部分を伸ばして脚部にすることで、ヒューマノイドモードに変形する。第10話で初登場し、その後何度も忍達の危機を救う。第29話でイゴールの危機に駆けつけた際にヒューマノイドモードを初披露した。第35話の月基地攻略時に、行く手を遮る戦艦に特攻を仕掛け、ヘルマットを道連れに爆散した。ちなみに終盤でダンクーガと合体し、飛行能力を授ける「ファイナル・ダンクーガ」形態になる構想もあったが、番組打ち切りのあおりを受けて劇中では実現せず、その役はブースターユニットに譲る形になった。

ムゲ帝国(むげていこく)

ムゲ・ゾルバドス帝国軍の最大の強みは、その物量の豊富さである。無尽蔵とも言える兵力を誇り、飛行メカや戦闘ロボットによる攻撃に地球連合軍はなすすべなく蹂躙された。しかし兵器の防御力は無敵というわけではなく、ゲリラと化した民衆の携帯ミサイルなどで撃破されるなど、意外なほど脆弱な面も持つ。

デスグローム

デスグローム

デスガイヤー専用の戦闘ロボット。牙を剥き出しにした爬虫類のような顔が特徴。重装甲・重武装を誇り、獣戦機とも互角に戦う性能を有しているが、何度か撃墜の憂き目に遭う。ダンクーガの初登場時にも組み討ちを仕掛けるが、鉄拳の一撃で顔面を打ち抜かれて大破する。

ザンガイオー

ザンガイオー

OVA『失われた者たちへの鎮魂歌』に登場したデスガイヤー専用の戦闘ロボット。爬虫類のような頭部はデスグロームと酷似しているが、全体に赤い装甲をまとい、背部にはミサイル内蔵の尾と触手が追加されている。竜巻を起こして礫弾を叩き付ける攻防一体の技や、無数のミサイルをたたき込む攻撃のほか、ダンクーガの装甲すら溶かす溶解液、さらには顔面から出る触手でエネルギーを吸い取る能力まである。亮の中国拳法を駆使した格闘攻撃に耐え、触手で絡め取って投げ飛ばすパワーを見せつけた。空間作用で動きの鈍ったダンクーガを相手に互角以上の戦いを繰り広げる。ダンクーガの必殺武器「断空剣」の斬撃を受けて真二つになるも、再生能力を発揮して自己修復する。しかし2度目に両断された際、ダンクーガが断面の間に割り込んで再生を阻止したため、再生しようとエネルギーを放出しすぎて自爆した。その際、デスガイヤーもなぜか精気を吸い取られたように痩せ衰えていき、最後は粉々に砕け散った。

デザイア

発進前のデザイア

シャピロ戦用の戦闘ロボット。手勢を失ったシャピロがみずから出撃する際に搭乗した。他のムゲ製兵器と比べると比較的スマートなデザインをしている。武装は長砲身のビームランチャーにミサイルとシンプルだが、シャピロの操縦技術でガンドールの弾幕をことごとくかわし、ダンクーガの弱点である合体部分を集中攻撃するなど、その性能を遺憾なく発揮した。しかしランドクーガーの牙に片腕をかみちぎられると、行動不能になり転倒して乗り捨てられる。

レプリカーン

レプリカーンの三体。ライオン型(右)、マンモス型(中)、ヒョウ型(左)と、獣戦機を強く意識した兵器である事がわかる

ムゲ帝国が獣戦機を研究して誕生した生体兵器。バイオウォーリアとも呼ばれる。地球上の動物、ヒョウ・ライオン・マンモスの筋肉をバイオテクノロジーで数千倍に強化・増大させ、脳の視床下部から強烈な攻撃本能を抽出して制御させるという、まさにムゲ版の獣戦機と言える4足型兵器。その敏捷性は獣戦機のアグレッシブモードをしのぐ。シャピロが指揮権を握っていたが、ギルドロームが無断拝借して東京襲撃に投入された。その性能を遺憾なく発揮して連戦で疲弊した忍達を翻弄し、沙羅を意識不明に追い込んだ。しかし勝利を目前にして、指揮権を侵害したとしてムゲ帝王から即時帰投命令が発せられる。その際、改光線を浴びた3体のレプリカーンは溶解して果てた。開発途中だったせいかイーグルファイターに相当する飛行型タイプは登場しなかった。

グザード

グザード

OVA『GODBLESS』にて登場。赤く分厚い装甲をまとった巨獣。突如地球に襲来し、目的も所属も不明なまま市街地で暴れ始める。忍達の猛攻をものともせずに突き進み、雅人の父が逗留していた別荘を破壊した。その後下肢を切り離し、ブースターを展開して市街中心に到達、イーグルファイターが体当たりで頭部を切断するも、直後に大爆発して消滅した。これにより都市が壊滅的被害を受ける結果になった。軍の査問会は対応に不手際があったと断定し、獣戦機隊の解散と忍達4名の強制労働を命じた。しかしこれは忍達を拘禁するために仕組まれた罠であり、グザードはそのためだけにデザインされた、いわばデコイであった。

『超獣機神ダンクーガ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

藤原忍「やってやるぜ!」

第2話でイーグルファイターのアグレッシブモードを発動させた場面。「やってやるぜ!」と口に出したのはこれが最初である

keeper
keeper
@keeper

目次 - Contents