白昼夢の青写真(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『白昼夢の青写真(THE GIRL WHO'S CALLED THE WOELD)』とは、Laplacianが開発・販売を務めるビジュアルノベルゲームである。本作は少し特殊なノベルゲームであり、プレイヤーはゲームを開始すると3つの「夢」のうち1つがランダムで始まる。それぞれ物語が異なるCase1、Case2、Cace3に分かれており、これらの「夢」の結末を見ると、夢ではない現実のCase0に進むことができる。順番が変わるだけで、選択肢によって結末が変わると言った仕様はない。

別れ

夏休みに入って、母親が遺したスケッチの場所を探すのにより一層力を入れるようになったカンナ。
すももとスケッチの場所を探していくうちに、カンナは風景よりすももを撮りたいと思うようになる。
ある日、スペンサー嵐山という雑誌の写真を見てくれるという有名なカメラマンが家に尋ねてきた。そこでカンナがすももが写った最高の写真を見せると、スペンサー嵐山に「才能がある」と言われる。更には手伝いをしないかと言われ、カンナは夢への第一歩を踏み出した。
7月28日、ハレー彗星が見える日。カンナは結局スケッチにあった場所がわからず、やむを得ず父に聞いた。すると、スケッチの場所は何とガレージだと言う。
ハチマルも直ったことで、梓姫も帰ることになる。それに乗じてすももも東京に戻るらしい。
別れの日、すももがカンナに接吻をして、2人は別離する。

Case0

黒幕との対面

全ての夢を見終えた海斗は、いなくなった世凪の所在を出雲に聞く。出雲は、記憶を取り戻すのが先だという。
出雲に案内されホログラムとなった「自分自身」を目にする。
黒幕は自分自身だった。海斗は自身の記憶をデータにしていたのだった。
データになった海斗は、自らの記憶を見せることで全てを思い出させる。

世凪との出会い

舞台は、ある食べ物によって人類が進化したことにより、太陽を浴びると病にかかってしまい、地上で暮らすのが厳しくなった人類の住む地下だ。地下はそれぞれ、下層、中層、上層と分かれており、上から順に待遇が良くなっていく。小さい頃の海斗はその下層にいた。下層には中層、上層と違って労働義務があり、特別な事情がない限り子供でも働かなくてはならないのだった。
海斗には寝床から動けない母親がいる。母親の分も働いていた海斗は学校にも通わなかった。
そんなある日、「世凪」という少女と、「遊馬先生」と出会う。世凪は海斗の発明品を素直に褒めてくれた。遊馬先生は海斗に初めて科学知識を教えてくれた。
海斗はそれ以来、学校に行くようになる。しかし、そこで上層の生徒である「シャチ」に自分の発明品を壊されてしまい、海斗は深い傷を負う。
そんな海斗を、世凪がおでこにキスをして慰める。その瞬間から、海斗は世凪に好意を寄せるようになる。

母親の死

ある日の帰り道、海斗と世凪は妙な穴を見つける。そこは下層で唯一地上に繋がっている場所だった。そして、傷ついた白い鳥がいた。2人は鳥を保護し、治そうとするが、やがて死んでしまう。2人は見つけた場所で埋葬する。
しかし、穴から抜け出した姿を「シャチ」に見られてしまう。シャチは穴の中に入り、2人の制止を振り切って地上に進出したが、ある瞬間動きが止まり、亡くなってしまった。
海斗が家に帰ると、母は亡くなってしまっていた。

準研究員になった海斗

時間は大きく飛び、20歳ほどにになった海斗は、ついに準研究員となる。配属するのは幼少期、自身に初めて科学知識を教えてくれた遊馬先生の研究所「遊馬研」。遊馬研は全く人がおらず、海斗と遊馬は四六時中議論し合う。
家には、同棲している世凪だけでなく出雲というロボットもいた。家では、世凪と「思考空間」の実験をしていた。仕組みを解ければ地下の人々が全員「仮想空間」で暮らせると考えたためだ。しかし思考空間にはいくらか制約があり、そのままでは視覚情報しか知ることができず、世凪と接続しても会話することすらできない。
2人は実験を重ね、ついには現実と同じくくらいの感覚を思考空間で再現できるようになった。
遊馬先生の計らいで海斗はすぐに研究員になれることになった。
海斗は喜びながら世凪のそのことを伝えるが、なぜか世凪は乗り気ではなかった。海斗は遊馬先生から世凪が「全健忘」という、少しずついろんなものを忘れている病気を持っている可能性があることを知る。だがそれで海斗一緒に居たいと世凪を受け入れ、夫婦になることを誓う。

海斗を襲う絶望

実験を進めていくうちに、成果が認められ研究室長となった海斗。
思考空間の仕組みも少しずつ解明されていき、遂には7人まで問題なく接続できるようになる。
しかしそれ以上増やすと、負担が大きくなると世凪に疲労がたまってしまい、思考空間が保てなくなってしまう。そうして実験が滞っていた時、世凪が誘拐された。誘拐したのは遊馬だった。実験を中止した海斗に代わって、遊馬が実験を強行したのだ。
別の部屋で隔離されていた海斗が解放されて見たのは、脳の「前頭葉」を切除されてしまった世凪だった。思考空間に必要な部分だけを残して、世凪は文字通り「世界」になった。

世凪のSOS

世凪の思考空間は凄まじく、地下の人類の半数以上が世凪の思考空間に移っても問題なかったが、突如として「思考空間にいる全員が同じ夢を見る」というエラーが発生。
夢の種類は3つあった。そう、Case1、Case2、Case3の物語だ。世凪は自我を失ったが、夢でSOSを発信していたのだ。
夢を終わらせることができれば、世凪の自我を取り戻せるかもしれない。と気づいた海斗は研究の全権限を自分に集約させること、そして研究が終わるまでは一切立ち入らないこと条件に遊馬に協力する。実験のために海斗は自身の記憶を消去した。

世凪を迎えに行く海斗

記憶をすべて思い出した海斗は、白い鳥を見つけた場所へ向かう。そこに世凪は立っていた。
それからは暫く、世凪と穏やかな日常を送った。だが、ある日世凪の手が動かなくなる。遊馬に原因を聞くと、「基礎欲求欠乏症」という病にかかっているということが判明する。
つまり、もう世凪には生きることはできない。海斗は世凪を「世界」にすることを選ぶ。

別れ

ついに、世凪が世界になる時が来た。
海斗が世凪と接続すると、世凪は会いに来てくれた海斗に対して深い感謝を述べる。
2人は最後に話をして、海斗は世凪が作った仮想空間で世凪との思い出を物語にして皆にずっと語り続けることを誓った。
そうして、世凪は消え、海斗の目の前に海が広がる。思考空間が完成し、地下に居る人類が全員地上に似た仮想空間で暮らせるようになった。

エピローグ

Case0をクリアすると、メニュー画面の左下に「Epilogue(幸せなエピローグ)」が出現する。そこで、Case0が終わった後の物語を見ることができる。

幸せなエピローグ

海斗は仮想空間でひたすら世凪との話を語り続けていた。
そんなある日、世凪が海斗の前に姿を現す。世凪は「海斗が語り続けてくれたから、来れた」と言う。2人は抱きしめ合い、再会を果たすのだった。

幸せなCase1

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