リラックマとカオルさん(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『リラックマとカオルさん』とは、2019年にNetflixで公開された、サンエックス制作のストップモーション・アニメーションシリーズ。人気キャラクターの「リラックマ」初のアニメ化となった。制作・プロデュースはドワーフ。
都内の小さな商社で働く真面目で不器用なカオルさんと、いつの間にか住み着いたリラックマ、コリラックマ、キイロイトリとの同居生活を、四季折々の景色と共に描き出す。
カオルさんの声優に多部未華子、脚本に『かもめ食堂』の萩上直子、音楽に岸田繁という豪華布陣が集結した。

「エピソード3:梅雨」にて、梅雨の湿気によりリラックマのお尻からキノコが生えるシーンがある。カオルさんとリラックマたちは家の中のものを洗濯するついでにリラックマの着ぐるみまで洗濯した。洗濯物と一緒に着ぐるみが干されているシーンが衝撃的である。

リラックマの着ぐるみが押し入れにぎっしり積まれているシーン

リラックマはおんなじ着ぐるみをたくさん持っているようで、一体どれだけあるのかというと、カオルさんに「全部捨ててしまいなさい」と言われてしまうほど。作中の映像では、押し入れの中にぎっしりと詰まった着ぐるみが出てくるため、こちらも必見。

リラックマが「クマ鍋にして、自分を食べてくれ」と言うシーン

エピソード8でカオルさんがビンボーになった際、カオルさんのためにお金を稼ごうと思っても稼げず、木に生っている柿さえもとることができない自分に無力感を感じるリラックマ。そんな時に、リラックマは鍋を持ってきて「自分をクマ鍋にする」ように提案をする。自分をクマ鍋にしてほしいというのは、リラックマだから愛おしくも思えるが、リラックマがしていることは、仕事で無力感を感じ自分を犠牲にしてでも何か貢献しようとする大人と同じように見える。カオルさんは「そんな自分で名前をつけた豚を食べるようなことしない」と笑う。カオルさんが鍋を食べながら言ったセリフ「隙間風は寒いけど、この建付けの悪さでさえ、今は愛おしいよ」は、まさにリラックマのことを言っており、「短所を含めて愛おしさを感じる」という暖かさを感じることができる。

『リラックマとカオルさん』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

監督・脚本家が語る『リラックマとカオルさん』の舞台裏

小林雅仁監督と脚本を担当した荻上直子氏が制作の裏側を語るメイキング映像が公開された。
制作期間は約2年、撮影期間は約7ヶ月、カット数は22万コマ。あまりのコマ数の多さに小林監督も「多いですね」と笑顔で撮影を振り返ったという。
一人のアニメーターが、1日に作り出せるシーンは5~10秒で、人形などをミリ単位で動かしては撮影するという途方もない作業を繰り返して出来上がっている。
また「観た人が本当にそこに(リラックマたちが)住んでいるのでは? と思ってほしい」という気持ちから、セットのディテールまでこだわり、太陽の角度や光の作り方には特に気をつかったという。
カオルさんのキャラクター設定に関して荻上は「どこにでもいるOLさんを意識して書きました。日常でつまずいたり、嫌な目にあったり、でもそれ以上に小さな喜びがあったり。私自身ずっと働いてきて、ふと気づいたら置いてきぼり感があったりして。そんな時に少しでもこの作品でほっとすることで、ほかの人に優しくできたりするといいなと。自分自身にもリラックスしろよ、という気持ちで作りました」と思いを込めた。

出典: www.oricon.co.jp

複数のキャラの声を担当した山田孝之

カオルさんが一目惚れする配達員のハヤテくんの声を担当する俳優の山田孝之が、実はそれ以外のキャラクターも演じていた…という、驚きの事実がわかるスペシャル映像が解禁された。
今回の映像で紹介されているキャラクターは、カオルさんとリラックマたちが見ている恋愛映画の中の俳優、キイロイトリと遊ぶ可愛いコリラックマを遠くから撮影するカメラマン、縁日のおじさん、大家さん、加藤課長、川辺で釣りをするおじさんに、宇宙人まで! 果たして「本物のタカユキ」はどのキャラクターなのか。山田の演技の幅に驚かされる映像となっている。

本物のホットケーキミックスを使用

1話「花見」でリラックマがホットケーキの生地をかき混ぜるシーンでは、本物のホットケーキミックスが使われている。ちなみに、粉はカオルさんが勤める鮫島物産の自社製品。

塩で作られた雪

コリラックマとキイロイトリが雪だるまを作ったり、同じアパートのトキオくんと雪合戦を繰り広げたり、ほのぼのとした雪景色に魅せられる第9話「雪だるま」。雪に用いられているのは塩。アップでは粒子の細かい塩、引きの画では粗い塩など場面によってタイプもさまざま。また、塩の成分のせいでアニメに使う鉄製の道具類がすぐに錆びてしまったり、雪の塩が人形に付着し別のセットで撮影した時にポロポロ落ちてきたりなどの苦労も。

詐欺疑惑の占い師に後日談

第6話「占い」で、「最近ついていない」と落ち込むカオルさんが出会う、うさんくさい占い師。会社で後輩のサユちゃんから、その占い師が詐欺を働いていたことを聞かされる場面があるが、実は後日談が。何と、ひそかに海外に逃亡しており、第10話「ハワイ」の思わぬ場面でちらりと姿が見られる。ほかにも、登場人物がさりげなく別のエピソードで顔を見せていることが多々あり、第4話「夏祭り」の盆踊り大会で太鼓を叩いているのは、カオルさんにマンションを紹介する町の不動産屋さん。

トラックのナンバープレートにつけられた暗号

カオルさんが片想いする商社・鮫島物産のエリア担当の「ハヤテ急便」配達員ハヤテくん。この、ハヤテくんのトラックのナンバープレートに記載された数字には、よく見ると「114106=あいしてる」のメッセージが!

カオルさんの衣装に「beautiful people」

トレンチ、ダッフル、ジャケット、ニット、シャツなどなど。beautiful people の代表的なアイテムである「大人のための子供服」キッズシリーズのデザインが一部提供されている。手のくるぶしが見えるコンパクトでユニークなシルエットや、男の子のアイテムをインスピレーションに作った左上前の合わせ(男前合わせ)などをカオルさんの衣装に落とし込んだという。

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