寿エンパイア(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『寿エンパイア』とは2020年よりせきやてつじが『裏サンデー』及び『マンガワン』で連載している漫画作品。ハワイ出身の青年湧呉が、母の死の謎を解くため、美味しい寿司を握るために数々の寿司職人と戦う料理漫画。個性豊かなキャラクターや、単なる料理にとどまらないSF要素、そして寿司による戦いを通じて分かり合っていく少年漫画的な要素が高く評価されている。

酒におぼれ、職人として腐りきっていた長沼聡(ながぬまさとる)が湧呉との戦いを通じて失っていた情熱と誇りを取り戻し、不良職人から湧呉の包丁を守り抜いた際に「俺は寿司職人だ…寿司職人なんだ…」とうわごとめいてつぶやいたシーン。湧吾たちのように若くまっすぐでいられなかったキャラでもある長沼が、それでも職人としての矜持だけは失わずにいたことがわかる。この後長沼は自然に新生たつくらの面々にも受け入れられ、よき仲間として活躍していく。
この他にも多くの性格に難がある職人が登場する本作だが、ほぼすべてが寿司に対しては真摯に向き合い、信念を持っている。それを暗に伝えるシーンでもある。

華山泰臣「彼女は私達2人の中で生きている。」

大江戸寿司番付編のラスボスでもあり、湧呉の祖父でもあった華山泰臣(はなやまやすおみ)が、自分の娘であり湧呉の母でもある美咲のことを語るセリフ。望まぬ形で不老長寿を手にし、孤独の中で生きてきた泰臣と、母のことを信じながらも日本で見聞きする事件のあらましから、母のことをどこかで疑ってしまっていた湧呉の心が、美咲という家族を通じて通い合ったシーン。
これ以前に湧呉は泰臣が語る、美咲の気高さとやさしさを聞いて涙しており、「彼女は私達2人の中で生きている。」という泰臣のこのセリフからは、孫に対する思いやりも感じ取れる。超然的な存在として描かれていた泰臣の心をうかがい知れる貴重なセリフである。

『寿エンパイア』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作品のインスピレーション元はインド映画の『バーフバリ』

『バーフバリ』は日本でも大きな話題となったインド映画の有名作だが、映画自体はアクション映画であり料理要素は全くと言っていいほど無い。ストーリーとしては英雄の息子であるバーフバリが成長し、囚われの身である母を救い出し、国の王となるという物であり、こうした家族の絆や、異国で生き残っていたDNAが帰還し、争いの末に平和を取り戻すといった点が両作品の共通点となっている。

スピンオフではライバルキャラの児島がメイン

児島渡(こじまわたる)はその嫌味で毒舌でありながら面倒見もいい性格から、作品の中でも屈指の人気キャラとなっている。番外編としてこれまでに6話分の本編外での話が描かれているが、そのうちの第2話以外は児島がメインとなる話であり、その中では見習い時代の話も描かれている。

作中の「未来寿司」は実際に企画されているプロジェクト

出典: www.dropbox.com

作中で盛山龍平(もりやまりゅうへい)が握る「未来寿司」は、ネガティブ・スティフネス・ハニカム蛸など非常に独創的だが、これは実際に「OPENMEALS」というチームで、こうした寿司を作るというプロジェクトが存在する。
作中ではこうした実際の寿司店などからの監修を受けた寿司も多く出てくる。

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