寿エンパイア(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『寿エンパイア』とは2020年よりせきやてつじが『裏サンデー』及び『マンガワン』で連載している漫画作品。ハワイ出身の青年湧呉が、母の死の謎を解くため、美味しい寿司を握るために数々の寿司職人と戦う料理漫画。個性豊かなキャラクターや、単なる料理にとどまらないSF要素、そして寿司による戦いを通じて分かり合っていく少年漫画的な要素が高く評価されている。

全世界の寿司職人が集い、団体戦で寿司の腕を競う大会。
各国の代表団の定員は10名であり、そのうちから一試合ごとに5人を選出する。
開催地はパリ・ルーヴル美術館。

寿司の技法

蓮華

華山幸兵衛(はなやまこうべえ)が生み出したとされる、崋山に代々伝わる秘伝の寿司の握り方。
それを食した者に不老長寿を与える。
その製法は天・地・人の3つの巻物に分かれて記されていたが、現大旦那の華山剣蔵(はなやまけんぞう)が先代から伝授される前に松田美咲(まつだみさき)によって盗み出され、行方知れずとなっている。

落雷

36話にて、松田湧呉(まつだゆうご)がメナダの握りを握るシーン

手の中でシャリを回転させ、空気を含ませて柔らかく握る技法。崋山本店ではなく雷鳥寿司という一派が使った技法とされている。
湧呉は母・美咲から教わり、当初から使用していた。

遠雷

68話にて、華山泰臣(はなやまやすおみ)がアイナメの握りを握るシーン

「落雷」の発展技。より手首にスナップを利かせ、手の中でトスを繰り返すことによってより空気を含んだシャリを握ることができる。
華山泰臣(はなやまやすおみ)が得意とする握り方。

万雷

121話にて、松田湧呉がイワナの握りを握るシーン

背中のケガによって「落雷」を握れなくなった湧呉が、自身の握れるフォームを模索した結果たどり着いた握り方。
脱力した体を回転させ、腕を鞭のように振ることで、遠心力を利用して握る技法。湧呉自身が編み出した握り方だが、もともと同じ握り方が「万雷」として雷鳥寿司にも伝えられていた。

『寿エンパイア』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

松田美咲「この世の中で一番大切なものはねーーー愛と平和。それ以外は大した事ないよ。気にしなさんな。」

若獅子杯決勝戦で、憎しみから寿司を握る阿島稔(あじまみのる)と戦う時に松田湧呉・アービング(まつだゆうご・あーびんぐ)が思い出した、母・松田美咲(まつだみさき)の言葉が、「この世の中で一番大切なものはねーーー愛と平和。それ以外は大した事ないよ。気にしなさんな。」
崋山に放火し、「蓮華」を盗み出した悪人かもしれないと思われていた美咲が、正しい心を持っていると示されたシーンでもある。
この教えは湧呉の中にずっと息づいており、寿司に対する姿勢にも繋がっている。多くの敵と戦い、その中でお互いに認め合い、仲間となっていく本作のテーマにも関わるセリフ。

児島渡「マッズ!!よくも金沢で寿司屋をやってる俺にこんなモンを食わせたな?」

これまで圧倒的な実力を見せていた湧呉が、初めて格上から直々に批判されるシーン。児島渡(こじまわたる)はこのように、「マッズ!!よくも金沢で寿司屋をやってる俺にこんなモンを食わせたな?」などの露骨な嫌味を言ってくる悪役として描かれているものの、この後に具体的にどこがダメだったのか、改善点と見本まで踏まえて教えてくれるため、単なる悪役にとどまらない精神的なライバル兼師匠の立ち位置も示されている。この先も「マッズ!!」は児島の名言として何度か使用され、その度にしっかりとした問題点の解説もしてくれている。

長沼聡「俺は寿司職人だ…寿司職人なんだ…」

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