整形水(アニメ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『整形水』とは、オ・ソンデによる『奇々怪々』中の1編の漫画作品であり、またそれを原作とするチョ・ギョンフンによる韓国のアニメホラー映画。
人気タレントのメイクを担当しているイェジは、幼い頃から外見にコンプレックスを抱いていた。そんなイェジの元に整形水が届く。それは顔を浸すだけで好みの外見になれるというもので、イェジは整形水を使用して誰もが羨む美人に変貌する。だが、しばらくすると周囲で不審な出来事が起こり始めるのだった。ルッキズムや整形について描いた物語で、整形水で変化するイェジの心情が見所。

クウォン・ジフン「美しい目ですね。見たことのない瞳の色だ」

ミリとイェジに挨拶をしに来たクウォン・ジフン(右)

新人俳優としてミリの楽屋挨拶に来たクウォン・ジフン。ジフンはミリに挨拶した後、メイク担当のイェジを見つめて「美しい目ですね。見たことのない瞳の色だ」と言って褒める。一見、相手の良い所を見いだせる性格の持ち主かと思うのだが、ジフンはイェジの目を自分の物にしようとしていたことが終盤で判明する。結末を知ると印象がガラリと変わるセリフである。

イェジに体の一部を分け与える両親

整形水の浸かりすぎで全身の皮膚がどろどろに溶けてしまったイェジ。そんな娘の姿を見た両親は、イェジを元の姿に戻そうと自身の体の肉をイェジに貼り付ける。その行動から、娘を助けたいと一心に思う両親の愛が伝わってくる。

イェジの母親「ママもパパもイェジを愛してる」

バレエで1位を取れなかったのは自分の容姿が原因だと言って泣きじゃくる幼少期のイェジ。そんなイェジに対して母親は「ママもパパもイェジを愛してる」と言う。父親もその様子を側で見守っていた。母親は無償の愛をイェジに注いでいたことが分かる。イェジはジフンから必死に逃げているとき、この幼少期の記憶を思い出していた。

『整形水』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

実力派声優ムン・ナムスクが演じたイェジ/ソレ

イェジ/ソレの声を担当したムン・ナムスクは、テレビアニメ『ドラえもん』の韓国語吹替えでドラえもん役の声を演じていた声優。本作ではイェジ/ソレの整形水を使用した後の心情の変化や、精神的に不安定になっていく様子を繊細に演じた。

本作を絶賛する映画監督ヨン・サンホ

『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)や『新感染半島 ファイナル・ステージ』(2020年)などの映画作品で知られる韓国の監督、ヨン・サンホは「アニメがスクリーンの中だけでなく、私たちの社会と共に息をしている、自分を見つめ直す機会を与えてくれる作品」と整形水の映画公式サイトにてコメントを寄せ、絶賛していた。

日本で約5000万円の興行収入を記録

本作は日本でも公開され、動員数が約3万5600人、興行収入は約5000万円を記録した。映画館のシネマート新宿では、2021年の上映作品において年間興行収入ナンバーワンのヒットを記録している。

『整形水』の主題歌・挿入歌

挿入曲:ホン・デソン「子供の頃の夢」

バレエダンサーがくるくると回っているオープニングで流れた楽曲。本作で音楽を担当したホン・デソンによるもの。オルゴールの音から始まる曲で、どこか不安な気持ちになるようなゆったりした曲調が特徴である。

挿入曲:ホン・デソン「整形水」

クレジットが流れるエンドロールでの楽曲。本作で音楽を担当したホン・デソンによるもの。短調で、衝撃的な結末を迎えた物語に合った曲である。

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