シャドウバースF（フレイム）のネタバレ解説・考察まとめ

『シャドウバースF』の概要

『シャドウバースF』とは、デジタルカードゲーム「Shadowverse（シャドウバース）」を題材にしたアニメの第2弾である。テレビ東京系列にて2022年4月2日より放送が開始された。監督は川口敬一郎。
シャドウバースのプロプレイヤーを育成する施設「シャドバカレッジ」を舞台に物語が展開される。
主人公の天竜ライト（てんりゅう らいと）は、シャドバ未経験の中学生だったが、ウルフラム・ゼルガに誘われシャドバカレッジに入学した。そして、シャドバカレッジに7つあるシャドバ部の1つ「セブンスフレイム」に入部する。
部員が不足しており廃部寸前のセブンスフレイムを立て直すため、ライトたちは他のシャドバ部とのバトルを行っていく。
やがてライトたちは、最強の7人のシャドバプレイヤー「セブンシャドウズ」との対決など、多くの障害に立ち向かっていく。
本作はカードゲームを軸に、ライトたちセブンスフレイムのメンバーが様々な試練に直面しながら、絆を紡ぎ、最後には世界の危機を救うために奮闘する作品だ。
ゲームとしての世界観を活かしつつも、青春ドラマとしての魅力も併せ持つ内容となっている。

『シャドウバースF』のあらすじ・ストーリー

シャドバ部復活編

「シャドウバース」のプロプレイヤーを育成する施設、シャドバカレッジ。中学2年生の天竜ライト（てんりゅう らいと）はウルフラム・ゼルガに誘われ、シャドバカレッジに転校することになる。シャドバカレッジではデジタルフレンド、略して「デジフレ」が流行っていた。デジフレはシャドウバースのカードかつコミュニケーションを取ることができる特殊な存在である。「シャドウバース」通称「シャドバ」の初心者であるライトは、クラスメイトの真壁スバル（まかべ すばる）に相談し、シャドバを本気でやるためにシャドバをやる部活「シャドバ部」の一つ「セブンスフレイム」への入部を決める。しかし部長の蜜田川イツキ（みつたがわ いつき）から、セブンスフレイムは部員不足で廃部寸前だという衝撃の事実を告げられた。廃部を避けるためには、あと3人の仲間を集めなければならない。ライトたちは、学内のほかの「シャドバ部」に所属する美鬼シノブ（みき しのぶ）、ジェントルマン、雷同タツミ（らいどう たつみ）、母嶋フワリ（ははじま ふわり）、小鳥遊ツバサ（たかなし つばさ）と戦い、着実に部員を増やしていく。しかし、多くの生徒のシャドバへの想いを踏みにじってきたファーストリーパーの部長、波瀬浦ハルマ（はぜうら はるま）に完敗してしまう。
ハルマへの敗戦の傷が癒えないセブンスフレイムの面々。すると、そこへ理事長の白銀ミカド（しろがね みかど）が現れる。彼が出し抜けに告げたのは「第一回シャドバ部対抗戦」の開催だった。この大舞台でハルマに勝利できれば、セブンスフレイムの強さはハルマだけではなく、カレッジ全体に響き渡る。ハルマの素行を変えるきっかけになるかもしれない。しかし、ミカドは負ければ「退学」だと大舞台の対価を突きつけてくる。そこで、ライトたちはシャドバの特訓を始めるのであった。

シャドバ部対抗編

いよいよ当日を迎えたシャドバ部対抗戦。 セブンスフレイムのメンバーはそれぞれの思いを抱きながら、最強のシャドバプレイヤーを決めるこの対抗戦に臨もうとする。 対戦方式は各シャドバ部の代表者がバトルをし、勝者が次へと勝ち進む方式。ところが、トーナメント表を見たライトたちは驚愕する。ミカドは実力と実績を加味した結果だというが、活動していないシャドバ部や部員がほとんどいないシャドバ部が優遇され、セブンスフレイムだけバトル回数が多いという、あまりに不公平な組み合わせだった。不満を抱えながらも前を向こうとするライトたち。
理不尽なトーナメントで5連勝を遂げたセブンスフレイムは、いよいよハルマ率いるファーストリーパーとの決勝戦を迎える。その実力はシャドバカレッジにも広まり、ハルマもまたゴミ同然だと吐き捨てながらもセブンスフレイムの力を認めつつあった。決勝戦の舞台に上がったのは、ライトとハルマ。ライトはバトル前からハルマから挑発されるが、一切怯まずに「今度こそ、お前のことを理解したい！」と、まっすぐハルマを見据える。一方のハルマは、どうしようもない現実を突きつけると睨みをきかせるのだった。互いに譲れないもののある二人のバトルが、ついに幕を上げる。ネクロマンサークラスへの対策を進めてきたライトは、ハルマとのバトルの中で彼の本当の思いに触れようとする。ハルマの猛攻に晒されながらも、ライトはハルマの恐怖を乗り越えたと言い、真っ向から立ち向かっていくと宣言する。ハルマに気圧されることなく攻めていき、その一手がハルマの強力なレジェンドフォロワーを圧倒。そして、ライトはハルマに勝利するのであった。

ワールドランキング編

ミカドの圧倒的な強さの前になす術もなく散ったライト。セブンスフレイムのメンバーと、ライトの相棒であるデジフレのドラグニルの献身的なサポートにより、3日後、ようやくライトは目を覚ます。ライトが寝ている間、セブン・シャドウズの一人ウルフラム・ゼルガによって「シャドウバース・ワールドランキング」の開催が宣言される。全世界のプレイヤーを対象とした超規模の大会が始まろうとしていた。大会はポイントによるランクシステムで、上位7位に入賞すればセブン・シャドウズにも挑戦できるという。早くも盛り上がるセブンスフレイム。だが、なぜかライトだけは重いハンデを掛けられ、開幕直後から絶体絶命の危機に陥ってしまう。そのような厳しい環境の中でもライトは多くのプレイヤーに勝利し、着実にポイントを獲得していくのであった。
そして、ライトのミカドとのリベンジマッチが始まる。ミカドの攻撃によってライトのフォロワーが続々と破壊され、ライトはあっという間に窮地に陥っていく。ミカドはライトのあがきを無駄だと切り捨てるが、ライトはその決めつけに反発し、やってみなければわからないことを証明しようとする。ミカドは努力も、可能性も、才能なき者の戯れ言だとうんざりした様子で吐き捨てる。一進一退の攻防が続く中、どれだけ食い下がっても、言葉をぶつけても、冷めた態度を崩さないミカドにライトは真っ向から立ち向かい、ついにミカドに勝利するのであった。

セブンシャドウズ編

ミカドと大激闘を繰り広げ、新たな“最強のシャドバプレイヤー”となったライト。セブンシャドウズへの挑戦権を獲得したライトたちは、セブンシャドウズとのバトルのために、ついにジェネシスカンパニーへと招かれる。セブンスフレイムのメンバーの元へ、ミカドとリョウガが到着し、いよいよセブンシャドウズの待つ場所へ向かうのだが、ヘリコプターで連れていかれたのは「シャドウエリア」と呼ばれる場所だった。そこは、ジェネシスカンパニーが作り出した8つの実験施設からなる巨大な浮島だった。
ゲートの前ではセブンシャドウズが待ち構え、そこで竜ケ崎ヒイロ（りゅうがさき ひいろ）が「試練」を与える。バトルはライトたちとセブンシャドウズのチーム戦。各エリアに配置されたセブンシャドウズと勝負し、先に5勝したチームが勝者となるというルールだった。
それぞれがセブンシャドウズとのバトルを行い、ついに最終戦のライトとヒイロとのバトルが始まる。全身全霊のバトルは、シャドウエリアにいるすべてのプレイヤーの心を惹きつけていた。そのフィールドに立てないことを寂しく思う者、そのバトルに憧れる者、そして固唾を呑んで見守る者。バトルも佳境に差し掛かったころ、ヒイロは拳を高らかに突き上げ、ついにその切り札「イグニスドラゴン・ノヴァ」を解放する。その能力によってライトは圧倒的不利の状態になってしまう。すでに切り札もなく、過去最大のピンチが訪れる。誰もが諦めそうになる中、それでもライトは堂々と立っていた。響き渡る仲間たちの大声援。その気持ちを受け止めたライトが、ありったけの想いをヒイロにぶつけ、なんとか勝利を収めるのであった。
ライトとヒイロのバトルを遠くから監視していたアークルーラー。セブンシャドウズが管理していた物質「アーク」を世界を作り替えるために悪用しようとするアークルーラーは、「現代の審判者」を名乗り、地球に住む生き物を選別すると言い放つ。そしてアークルーラーが持つ力によって、デジフレたちは暴走し、人々に危害を加えるようになってしまった。なかでも猫目町では大規模な戦闘が発生。ライトたちは防衛にあたるセブンシャドウズに協力するため、急いで猫目町に戻ろうとする。一方、シャドバカレッジも混乱を極め、各部の部長たちが暴走したデジフレ、「シェイド」の対応に追われていた。
ライトたちに託されたのは、世界を滅亡へと導く3つの“タワー”の破壊。最終目標であるワールドタワーへの道筋を開くために、まずはシェイドを撃破しながらガイアタワーとスカイタワーを無力化しなければならない。だが、ジェネシスカンパニーの立案した作戦に、シオンが真っ向から反対する。彼女が提案した、世界を、人類を、猫目町を救うための作戦、それは複数チームによるタワーの各個撃破とシャドバカレッジの防衛だった。そして、それぞれのデバイスに対シェイド用のシステムがインストールされ、いよいよ作戦が動き出す。

アーク編

シオンに導かれながらガイアタワーを目指すイツキとスバル。二人の前に立ちふさがったのは、デジフレが変化した存在「シェイド」。コスモスファングとマスカレードゴーストの力を借りながら、目の前に現れたシェイドを打ち倒していく。一方、ヒイロやマルグリットの要請で、歴戦のシャドバプレイヤーたちがシェイドとの戦いに協力。伝説のカードが待つ、シャドバカレッジに集まろうとしていた。
ガイアタワーでイツキとスバルを待ち受けていたのは、データ生命体を自称する存在、エルデだった。ガイアタワーを無力化する方法は二つ。一つは、エルデ自身がタワーに崩壊を促すこと。そしてもう一つは、エルデとのバトルに勝利すること。世界を救うべく、強い覚悟と共にバトルを挑む二人だったが、エルデとのバトルは変則的で、苦戦を強いられてしまう。そして何より、エルデには強力無比な切り札の存在が示されていた。エルデの放つ波動は、フォロワーを破壊するだけではなく、強烈な衝撃となってスバルとイツキを襲う。イツキが一気に体力を削られ、駆け寄るスバルにも激痛が走る。公平なバトルのためにエルデの体力と手数が優遇されているだけではなく、敗北すれば消滅するエルデと同様に、スバルとイツキが体力を削られるとその命も削られていくのだという。敗北の先に待っているのは、死。それでも二人は恐怖を乗り越えようとするが、エルデの猛攻により体力をぎりぎりまで削られたイツキとスバルは仮死状態に陥ってしまう。そのようななか、イツキとスバルの相棒であるスレイドとバケルスの助けもあり二人は再び立ち上がる。二体のデジフレは、二人の気持ちに呼応するように進化を果たし、エルデを畳みかけるかのような猛攻により追い詰めついに勝利するのであった。エルデは自身を消滅させる際に、イツキとスバルもろともタワーの崩壊に巻き込もうとするが、なんとかスバルの弟カグヤの助けも借りて、何とかタワーからの脱出に成功する。
別のタワーでは、リョウガとミカドがヒメルとのバトルを行っていた。データ生命体が人間のすべてを知っているというのも嘘なのではないか。そう問われたヒメルが、デジフレによって人間をずっと監視し学習してきたという隠された真実を二人に明かす。ヒメルに追い詰められたリョウガとミカド。迫り来る死を背中に感じながらも、シャドバで大きな経験を得てきた二人は、“成長”を武器にしてデータ生命体に立ち向かおうとする。リョウガとミカドの相棒であるデモニアとガルエルも進化をし、ヒメルを倒すことになるのであった。
ついにアークルーラーのもとへ辿り着いたライト。アークルーラーは、すべての「始まり」について語り出す。元凶となったのはジェネシスカンパニーの創業者にして元社長のレオン・オーランシュ。男が引き起こした世界の“混乱”とその顛末、そして産み落とされた「アーク」と「アークルーラー」の秘密が語られていく。アークルーラーは、レオンと同じ失敗は繰り返さないこと、まもなく人類は消滅することを宣言。そして人類が滅びた“その後”の計画を明かし、もはや人類に勝ち目はないと諭すのだった。だが、ライトは諦めていなかった。シャドバで勝利すれば、世界を救える。まっすぐな眼差しを向けながら、アークルーラーとのバトルに挑む。

『シャドウバースF』の登場人物・キャラクター

セブンスフレイム

天竜 ライト（てんりゅう らいと）

CV：上村祐翔、田所あずさ（幼少期）
本作の主人公。クールだが抜けているところがある。ウルフラム・ゼルガに誘われ、シャドバカレッジに転校するまではシャドバをあまりやっていなかった。
クラスメイトの真壁スバルに相談し、「シャドバを本気でやるために」シャドバをやる部活「シャドバ部」への入部を決める。
シャドバ部対抗編では、ハルマと決勝戦で戦った。一度ハルマに敗れたことのあるライトは、ハルマが使うネクロマンサークラスクラスへの対策を進めリベンジマッチに勝利する。その後、ハルマがシャドバ部潰しをすることになった原因であるミカドと勝負するが、完膚なきまでに叩き潰されてしまった。
ワールドランキング編では、セブンスフレイムの中で露骨なハンデを負いながらも着実にバトルで勝利しポイントを獲得していた。ワールドランキングの中でデッキを洗練させたライトは、ミカドと再戦することになる。前回のバトル同様ミカドの攻撃によってライトのフォロワーが続々と破壊されていく。ライトのあがきに対し、ミカドはそれを無駄だと切り捨てるが、ライトはその決めつけに反発し、やってみなければわからないことを証明しようとする。一進一退の攻防が続く中、ついにミカドとのバトルに勝利するのであった。
セブンシャドウズ編では、セブンシャドウズのリーダー、ヒイロと戦うことになる。同じドラゴンクラス使いであるヒイロに対して、ライトはバトルを通してその思いをぶつけていく。幼少から感情表現が苦手で言葉足らずだったライトは、これまでなかなかまわりに溶け込めずにいた。その中でも、本当の気持ちに気づいてくれる人はちゃんといた。ライトにとって大事なことは「自分らしくあること」である。自分らしくあることでたくさんの仲間ができたライトは、バトルでどんなに不利な状況でも、自分らしさを貫きながらバトルを続け、ついにヒイロを打ち破るのであった。

ドラグニル

CV：井澤詩織
ライトのパートナーデジフレ。他のデジブレとは違い喋ることができる。少し生意気な頼れる相棒である。
自身に記憶の欠落があることを気にしており、セブンシャドウズ編においてドラグニルの記憶データが入ったデータぼっくを受け取り記憶の復元を行った。そして、ライトのパートナーになる前にアークルーラーの味方だと判明した。
アーク編ではドラグニルたちデジフレがアークルーラーによって作られた存在だと判明する。しかし、ライトとの対話を通して、ライトの本当のパートナーとしてともに歩んでいくことを決意する。

蜜田川 イツキ（みつたがわ いつき）