勇気爆発バーンブレイバーン（アニメ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『勇気爆発バーンブレイバーン』の概要

『勇気爆発バーンブレイバーン』（ゆうきばくはつバーンブレイバーン）とは、数々のロボットアニメを手掛けてきた大張正己が監督を務める、Cygames原作によるオリジナルアニメ作品。
放送前は軍事色が強い、いわゆる「リアル系ロボットアニメ」のように宣伝されていたが、初回の放送でヒロイックなロボットが活躍する「スーパー系ロボットアニメ」作品であることが明かされ、視聴者を驚かせた。

TS（ティタノストライド）と呼ばれるロボット兵器が存在する世界。ハワイで行われた各国合同の軍事演習アド・リムパックで、ヒーロー志向を持つ米兵のルイス・スミスは自衛隊員のイサミ・アオと出会い、「自分に匹敵する凄腕のTSパイロット」として注目するようになる。
その直後、突如宇宙から謎の兵器群が地球への侵攻を開始。アド・リムパックの開催地も猛攻を受け、各国の部隊が甚大な被害を受ける中、イサミの前に唐突に「ブレイバーン」を名乗る意思を持つロボットが現れる。ブレイバーンに「共に戦おう」と怪しく囁かれ、これに乗り込んで侵略者の兵器を撃破していくイサミを、ルイスは驚きと羨望の眼差しで見詰めていた。

『勇気爆発バーンブレイバーン』のあらすじ・ストーリー

宇宙からの来訪者たち

TS（ティタノストライド）と呼ばれるロボット兵器が存在する世界。ハワイで行われた各国合同の軍事演習アド・リムパックで、ヒーロー志向を持つ米兵のルイス・スミスは陸上自衛隊員のイサミ・アオと出会い、「自分に匹敵する凄腕のTSパイロット」として彼に注目するようになる。
その直後、突如宇宙から謎の兵器群が地球への侵攻を開始。アド・リムパックの開催地も猛攻を受け、各国の部隊が甚大な被害を受ける中、イサミの前に唐突に「ブレイバーン」を名乗る意思を持つロボットが現れる。どういうわけかブレイバーンはイサミのことを知っているらしく、彼に「共に戦おう」と怪しく囁きかける。他に術もなく、ブレイバーンに乗り込んで侵略者の兵器を撃破していくイサミを、スミスは驚きと羨望の眼差しで見詰めていた。

イサミが「侵略者の仲間なのではないか」と拷問紛いの尋問を受ける中、ブレイバーンはアド・リムパックの演習司令官であるハル・キングら生き残った各国の軍高官相手に自分の素性と状況について説明する。何かにつけては話を脱線させ、「自分とイサミがいかに強い絆で結ばれているか」を語り出すブレイバーンへの尋問は一筋縄ではいかなかったが、侵略者が「デスドライヴズ」という組織であること、金属生命体であること、ブレイバーンが彼らと戦うために地球にやってきたことまでは判明した。
そんな折、デスドライヴズの第2陣がハワイ基地へと侵攻。キングは残存戦力を掻き集めてこれを迎撃し、ブレイバーンもここに参戦する。敵の指揮官であるスペルビアというロボット相手にブレイバーンは苦戦するが、「このままではみんなやられる」と判断したスミスが独断でイサミを戦場へと連行。これに狂喜したブレイバーンが、再び彼を自分に乗せて奮起した結果、どうにかスペルビアの撃退に成功する。この際相手が落としていった破片を偶然発見したスミスは、その中に地球人にしか見えない少女がいることに気付き、大いに驚くのだった。

謎の少女との出会い

デスドライヴズの攻撃をなんとか退けたハワイ基地は未だ混乱の中にあり、特に医療チームは一秒を争う状況の中で働いていた。より重篤な怪我人の治療に専念したい彼らに、「意識を失ってはいるが怪我はしていない」人物を診てほしいとは言い出せず、ルイスは浜で拾った怪しい女の子をとりあえずの宿として基地近くのモーテルに連れていく。翌日になってようやく目覚めた彼女は、「ガガガ」やら「ピー」やら壊れた機械のような言葉を口にしつつ、ルイスに襲い掛かってきた。
この頃、ハワイ沖で新たなデスドライヴズの機体が発見され、ブレイバーンと各国の海軍が共同で戦っていた。「なんで俺がこんな目に」とヤケクソ気味に奮闘するイサミの活躍もあり、彼らはどうにか敵機を撃破するも、爆風に巻き込まれてブレイバーンはモーテルまで飛ばされていく。この時、ちょうどルイスがどうにか暴れる女の子を組み伏せたところで、「こっちが大変な時に何やってんだ」とイサミは大いに呆れる。必死で事情を説明しようとするルイスだったが、いきなり上機嫌になった女の子に抱き着かれ、“任務そっちのけで子供に手を出した”疑惑がさらに深まる。

女の子は言葉を理解できないらしく、口にする声の中からかろうじて聞き取れた「ルル」が彼女の暫定的な名前となる。まともなコミュニケーションが取れない以上尋問は無意味と判断され、当面はルイスの監視下で様子を見ることとなった。ルイスへの誤解はある程度晴れたものの、「結局自分だけが損な役回りをさせられている」と不貞腐れるイサミだったが、ブレイバーンに誘われて向かった酒場でアド・リムパックに参加した各国の兵士たちから「お前のお陰で助かった」と感謝され、体を張って戦ったことは無意味ではなかったと知る。
アド・リムパックに参加した各国の軍隊は、デスドライヴズの攻撃から地球を守るため、ATF（Allied Task Force）を名乗って軍事行動を開始。どの国から救援に向かうかについては様々な意見が出るが、ブレイバーンの「朝日と共に駆け付ける方がヒーローらしい」というトンチンカンな言葉も多少作用し、日本が最初の目的地となる。残存戦力をまとめてATFがハワイから出撃する中、一行は無人偵察機の送ってきた映像で東京がすでに壊滅していることを知って絶句する。

ATFの初陣

ATFの艦隊が日本に近づく中、イサミは浮かない顔をしていた。彼が何かに悩んでいることに気付いたルイスは、ブレイバーンにこれを相談し、「私にしかできないこともあれば、人間である君たちにしかできないこともある」と諭される。一念発起したルイスは、あえてイサミにケンカを吹っ掛け、「ブレイバーンがいくら強くても、仲間全員を守ることはできない。自分のせいで仲間を死なせるのが怖い」との彼の本音を引き出す。ルイスはイサミと拳を交えつつ「君に守られてばかりいるほど俺たちは弱くない、君のことも俺たちに守らせてほしい」と訴え、彼の憂いを払う。
東京に上陸したATFは、在日米軍と自衛隊の残存勢力と合流。首都圏はほぼ壊滅したこと、通信網が破壊されて日本の他の地域の状況はまったく分からないことを教えられる。ここにデスドライヴズの新手が攻め寄せ、イサミのブレイバーンを中心とする部隊が迎撃に向かう。敵陣の中には、ハワイで倒したはずのスペルビアの姿もあり、「なぜ生きているのか、同タイプの別個体なのか」と一同を驚愕させる。イサミとブレイバーンが新手のデスドライヴズを撃破する一方、ATFがハワイで自分を打ち破った者たちであることを知ったスペルビアは、「自分にルルを返上しろ」と要求してくる。

デスドライヴズは体内に有機生命体（人間）を収納し、その生命エネルギーを一戦で使い切ることで真の力を発揮できる仕組みになっていた。ルルはスペルビア用に調整された有機生命体だったが、ルイスとの交流で自我を獲得してしまったため、もはやスペルビアの使い捨てエネルギーとしては使い物にならない状態になっていた。ブレイバーンに拠点も破壊され、新しい有機生命体を手に入れることもできなくなったスペルビアは、「どうすればいいのか考える」と言い出して戦闘を放棄してしまう。
ルイスは「それなら俺を乗せてみろ」と提案するが、スペルビアとの相性が悪かったらしくすぐに吐き出されてしまう。それでもスペルビアは、自分を打ち破ったブレイバーンがイサミの生命エネルギーを一瞬で使い果たすのではなく、彼との絆を結ぶことでより強い力を発揮していることに興味を示し、ATFに同行するようになる。スペルビアに乗れずに悔しがるルイスだったが、そんな彼の下に自衛隊と米軍が共同で開発した複座型のTSが届けられ、これを新たな乗機とすることとなった。

ブレイバーンの正体

地球奪還に向けて順調な滑り出しを見せたATFだが、「地球側に自分たちを倒しうる戦力がある」と知ったデスドライヴズはかえって狂喜し、日本にクーヌス、ヴァニタス、ペシミズムの3体のデスドライヴズが出現。各々の望む“至上の死”を得るためにATFに猛攻を加える。イサミとブレイバーンがヴァニタスとペシミズム相手に苦戦する中、TSだけでクーヌスの相手をすることとなったルイスたちは、時空を操る力を持つ敵を相手に見る見る内に追い詰められていく。
それでも「こんなところで負けられない、仲間を助けなければならない」と考えたルイスはクーヌスに特攻。至近距離から猛攻を加え、爆風と共に機体ごと消滅する。この時両者は相打ちとなり、クーヌスの方は「有機生命体の持つリビドーを存分に味わえた、望んでいた死を得られた」と満足していたが、ルイスの方は「まだ世界を救ってもいないのに、イサミや仲間たちを残して死ぬわけにはいかない」と肉体を失ってなお死に抗い続ける。そのすさまじいばかりの感情の動きを間近で見たクーヌスは「こんな情動は初めてだ」と圧倒され、翻弄され、ついにはルイスの魂と融合していく。

気が付いた時、ルイスはハワイ上空にいた。彼の体はクーヌスと融合し、金属生命体のそれへと変化し、眼下ではイサミたちがデスドライヴズ相手に壊滅寸前の状態にあった。時空を操るクーヌスと魂のレベルで融合したルイスは、その力で過去へと移動していたのである。つまりブレイバーンとは、「クーヌスと融合して金属生命体となったルイス」に他ならなかったのだ。
「ルイスが死んだ」と思って意気消沈するイサミたち。タイムパラドックスを避けるため、この時点で自分の正体を明かせないルイスことブレイバーンに激励され、危険を承知で前線に飛び出したルルに発破をかけられたイサミは、「ルイスがいなくとも、彼と約束した通りに世界を救う」と改めて決意し、ブレイバーンの強化形態である「バーンブレイバーン」へと変形。ヴァニタスとペシミズムを撃破する。

この一部始終を見ていたスペルビアは、今のブレイバーンこそは自分が倒すべき相手と見定めて彼との再戦を決意。そんなスペルビアの前にルルが現れ、「自分を乗せてほしい」と言い出すのだった。

未来からの伝言

ルイスがクヌートと共に消滅するのに前後して、ルルは「未来からの伝言」を受け取っていた。この次の戦いで、イサミとブレイバーンは残るデスドライヴズと相打ちになって死亡。ここで初めてブレイバーンの正体が「ルイスとクヌートの融合体が過去に遡った存在」だと気づいたルルたちATFの生き残りは、「ブレイバーンと同じように過去に遡り、イサミたちを救うことができるのではないか」と考える。
同様に戦いを生き残ったスペルビアの協力も得ながら、ブレイバーンのコアユニットの解析を進めた人類は、完全なタイムスリップの実現こそ成しえなかったものの“未来の情報を過去へと送り込む”技術の確立に成功する。未来のルルは、これを利用して未来の情報を“イサミとブレイバーンが最後の出撃に向かう前の自分”に転送したのだった。

ルルが未来の自分からメッセージを受け取るのに前後して、残るデスドライヴズがハワイのオアフ島に移動したことが報告される。「もう誰も死なせたくない」と考えるイサミが自分とブレイバーンだけで出撃しようとしていることを知ると、ルルはとりあえず彼を締め落として縛り上げて監禁しつつ、自身はスペルビアに「自分と合体して一緒に戦ってほしい」と訴えたのである。
ルルが未来の情報を受け取ったことについてはすんなりと納得するスペルビアだったが、「人間として成長し、生体ユニットではなくなったお前と合体するのは気持ち悪い」とあくまで拒絶する。それでもイサミとブレイバーンのためだと、彼らと戦いたいのではないのかと強引に迫るルルについに根負けしたスペルビアは、何度も何度も失敗した末にルルとの合体を成功させ、「イサミとブレイバーンと戦うためにも、今は彼らと共に戦う」ことを約束するのだった。

南国の決戦

オアフ島に向かったイサミたちは、「デスドライヴズは“自身の望む死”を求めているから、その条件を満たせそうな状況を作らない限り向こうからは襲ってこない」との予測の下で休息を挟みつつ、デスドライヴズの1体であるセグニティスと交戦。なんなくこれを撃破するも、その際のブレイバーンの戦いぶりを見たスペルビアが「ルルを得た今、条件は互角」と今この場所での勝負を要求する。イサミとブレイバーンはこれに応え、同時に「今この場で決着をつける必要はない。共にさらに強くなり、この先幾度も戦おう」とスペルビアを説得。イサミと心を1つにすることでさらなる力を得ていくブレイバーンを見たスペルビアは、「自分もルルと共に高みを目指し、ブレイバーンと何度でも戦いたい」という新たな目標を得て、両者の勝負はいったん預けられる。
しかし、この場にデスドライヴズの1体であるイーラが奇襲を仕掛け、ブレイバーンに機能停止するほどの大ダメージを負わせる。この事態にルルが激しく動揺したことで、十全な力を発揮できないままスペルビアも敗北。ルルと共に絶体絶命の窮地に陥るイサミだったが、「お前はもうヒーローだ」との遺言めいたブレイバーンの言葉を聞き、彼とルイスが同一人物であることを直感的に理解する。奮起したイサミはほぼ残骸と化したブレイバーンと勇気融合合身を果たし、その究極の姿であるブレイブビックバーンとなる。ブレイブビックバーンの力はすさまじく、不意打ちだったとはいえブレイバーンを一撃で仕留めたイーラを圧倒。残るもう1体のデスドライヴズであるポーパルチープムも自滅気味に倒れ、ここにデスドライヴズは全滅する。

しかし、「デスドライヴズの全滅」をシグナルとして、彼らの母艦に眠っていた新たなデスドライヴズのヴェルム・ヴィータが起動。「8通りの死を観測して“死にたくない”と感じるようになったが、死そのものはもっと楽しみたい」と、自分の代わりに地球全人類を殺してその死に様を見届けようとする。そうはさせじとブレイブビックバーンが奮戦する中、オアフ島に到着したATFの部隊が彼を援護。ルルもまた亡骸と化したスペルビアとの有機融合合身を果たし、彼女とブレイブビックバーンの合体攻撃によってヴェルム・ヴィータは撃破される。
かくしてデスドライヴズたちとの戦いは終わり、その残骸は光の粒子となって消えていく。涙ながらにブレイバーンを見送るイサミだったが、その光の中から死んだはずのルイスが現れる。イサミが驚き、ルルが涙と共に飛びつく中、ルイスは仲間たちに向けてどこか恥ずかしそうに帰還を告げるのだった。

『勇気爆発バーンブレイバーン』の登場人物・キャラクター

主要人物

イサミ・アオ

CV：鈴木崚汰

ダブル主人公の1人。24歳。陸上自衛隊の特殊機甲群に所属するTSパイロットで、リュウジ・サタケ率いる中隊の一員。TSの扱いに長け、部隊のエースとして一目置かれている。
演習では優秀な活躍を見せるが、実戦では恐怖に臆するところがある。

ルイス・スミス

CV：阿座上洋平

ダブル主人公の1人。24歳。アメリカ海兵隊の第3海兵遠征軍第3海兵師団第3TS大隊C中隊に所属する凄腕のTSパイロットで、階級は少尉。ヒーロー志向を持ち、TSのパイロットとなったのもこれが理由。
アド・リムパックでイサミと出会い、彼を「自分に匹敵するエースパイロット」と見なして注目。やがてイサミがブレイバーンと共に戦うようになると、「自分がああなりたかった」と彼に対する羨望と焦燥を抱いていく。

ブレイバーン