伊賀の影丸(横山光輝)のネタバレ解説・考察まとめ

『伊賀の影丸』とは、横山光輝によって1961年から1966年まで『週刊少年サンデー』に連載された、服部半蔵が率いる江戸幕府の隠密組織「伊賀」の忍者達の暗躍を描いた漫画作品である。主人公の「影丸」は木の葉の術を使う凄腕の忍者で、隠密界の中で名を轟かせており、その実力を恐れられている。迫り来る敵の裏をかき、賢い頭脳と冷静な判断で何度も窮地を乗り越える。手裏剣や忍びの術、あらゆる忍者らしいイメージを詰め込んだ、忍者の世界観をどっぷり味わえる作品である。

幻覚の術を使う忍者が多数いる。目の前の景色が傾いたり歪んだりして見せ、立っていることもできなくなったところを手裏剣で殺してしまう。幻覚の炎を見せるものもいる。幻術を解くために、影丸は自らの足を剣で刺した。

催眠術

隠密にとって情報が非常に大事であり、情報を得るためにあらゆる手を尽くす。催眠術をかけられた者は、本人の意思に関係なく秘密を話してしまう。そのため、捕われた者は情報を漏らさないように、自ら舌を噛んで自害したり、味方の手によって口封じされる。
催眠術は、情報の聞き出し以外に、敵を操り人形のようにすることもできる。催眠術をかけられた者は意識のないうちに味方に襲い掛かったり、自害させられたりする。催眠術に対抗するために鏡を活用したり、敵と同じ動作をして催眠術を逆手に取ったりする。

火術

火薬を使った忍術。火薬を木の中に仕込むことで大爆発を起こす者や、油の入った霧を発生させる者がいる。伊賀の月之助は「火走り」では捨て身の術で大勢の忍者を葬った。

比翼の術

伊賀忍者が使う忍法で、二重にものを作り出し、身代わりなどにする。崖から降りたと思ったら姿がそっくりな人形であったり、攻撃が当たったと思ったら身代わりだったりするので敵は惑わされる。

『伊賀の影丸』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

影丸の忍術「木の葉火輪」

影丸は木の葉を使った術を得意とする。火のついた木の葉の渦で敵を取り囲む。敵が火術を使う場合、その火を利用して木の葉火輪を繰り出すことができる。木の葉の渦から抜け出さないと焼け死んでしまうが、渦から出た者は影丸が手裏剣でトドメを刺す。

影丸の情け

不死身の邪鬼は若葉城の城主の想いを果たせなかったことから影丸を恨んでおり、何度も襲いかかってくる。影丸は、不死身と言えども身体を焼かれて灰にされれば生き返らないだろうと推測し追い詰めるが、結局は邪鬼を見逃したのだった。「邪鬼秘帳の巻」では邪鬼に一部手助けされたお礼から邪鬼が生き返るまで見守っており、義理堅いところがある。命令には忠実だが、無駄な争いや殺生をしないのである。

秋月城の若君の勇気

秋月藩の乗っ取りを目論む弾正に命を狙われた若君の竹丸と影丸は小屋に隠れるが土蜘蛛党に取り囲まれる。忍びが大勢いては若君を外に連れ出すこともできない。
土蜘蛛党は小屋に火薬玉を投げ入れ、飛び出てきたところを狙おうとしたが影丸の方が一枚上手で火薬を仕掛けて小屋を爆発させる。巻き起こる風に乗せて「木の葉の術」を使い土蜘蛛党を倒す。
影丸は土に穴を掘って竹丸を生き埋めにし、燃え上がる小屋の下に隠したのだった。竹丸は「少し熱かった」と言うが、「竹丸も武士の子だい」と気丈に振る舞う。それを見て影丸は「その勇気と落ち着きがあればいい殿さまになれるぞ」と言ったのだった。

月之助の捨て身の火術「火走り」

伊賀の月之助は捨て身の術である「火走り」を2度も使い、大勢の飛騨忍群を巻き込んで影丸らを助ける。
地獄谷で待ち伏せしていた飛騨忍群に追い詰められ「火走り」を使い大怪我を負ったため、これ以上逃げられないと悟り影丸らを逃すために最後の捨て身の術「火走り」を使う。影丸は一緒に逃げる手段を考えたが、月之助の説得によりその場を離れる。「火走り」の威力は凄まじく、その場にいた飛騨忍群は全滅した。
拷問されていた影丸を救出する際には月之助が敵の注目を一手に引きつけたおかげで救出できており、実力と使命感を兼ね備えた人物で、彼の死に影丸は涙を流した。

『伊賀の影丸』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

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