上京生活録イチジョウ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『上京生活録イチジョウ』とは原作・萩原天晴、漫画・上原求、新井和也、協力・福本伸行による漫画。福本の代表作『賭博破戒録カイジ』に登場する消費者金融を主とする帝愛グループ傘下の裏カジノ店オーナーの一条聖也(いちじょうせいや)を主人公としたスピンオフ作品である。この作品は後に、1玉4,000円する悪魔的パチンコ台「沼」を開発するなどして、帝愛の上層部にのし上がることになる一条の入社前の高卒で岡山から上京し燻っていた日々を描いたギャグ漫画である。

第2巻9話に登場する。
さくらハウスに越してしばらく空き家だった隣の部屋に入居してきた人物。ギシッ、バッ、ドンという音がバーピーという運動の一連の動作を彷彿させ、そのようにあだ名付けられた。AMの深夜ラジオばかり聴いており一条に「モテなさそうだな⋯」と揶揄される。他にも動画の松岡修造の声と思しき音声やしゃっくりなどが聞こえてくる。これらから一条、村上は、胃弱でおっちょこちょいだが上京し頑張って放送作家を目指している同世代の若者、というバーピー像を描く。
ある夜にはバーピーのいるであろう部屋からすすり泣く声が聞こえる。一条は、東京という巨大な沼に抱く大きな不安に押し潰されそうになっているバーピーを思い描き、自分達と重ね合わせる。しかし翌朝にはいつものバーピー音がする。

一条、村上が過ごした部屋に住むモデル志望の青年

最終話に登場する。
一条、村上が共同生活を送った部屋の入居者。
帝愛を退社し無職になった村上が一条と共同生活を送ったさくらハウスの部屋に赴いた際にそこに入居していた住人。村上がドア越しに一条と過ごした思い出など語り始めると、心を開いたのか近々引越す予定であることを村上に告げる。

一条達の夢に出てくる架空のキャラクター

This Man

第5巻37話に登場する。
一条や一条のバイト仲間、更には村上にまで、同時期に、現れた夢の中の人物。山田が似顔絵を描き、そのことが判明した。This Manという呼び名は複数人の夢の中に同一の人物が現れるという都市伝説に由来する。
山田が描いた似顔絵は『賭博破戒録カイジ』に登場する一条が開発した「沼」攻略を主人公カイジと共に目指す坂崎孝太郎(さかざきこうたろう)という人物である。実際に『賭博破戒録カイジ』に出てくるシーンが予知夢として描かれている。

This Manの家族

第5巻37話に登場する。
一条周辺の仲間たちの夢に出てくるThis Manの家族。山田の見た夢に現れる。This Manに妻と娘の3人家族。こちらもやはり『賭博破戒録カイジ』の登場人物。

帝愛関係者

芦田(あしだ)

第4巻30話から登場する。
消費者金融の帝愛ファイナンスの社員である高学歴の黒服。
成人の日に村上と足を運んだバッティングセンターで一条は初めて出会う。芦田は球にかすりもしない一条を見兼ねアドバイスを送る。この後一条はボールを当てることができる。おそらく芦田は野球経験者と思われる。
この日芦田は帝愛で借金をし行方をくらましている債務者を追っていた。闇金と察した一条は芦田に「今の仕事に就いたキッカケって⋯何かありますか?」と質問する。この日は一条にとっての成人の日であった。しかし成人式に一条は出席しなかった。「成人の成」の字を「成功の成」とする一条は成功していない自分を恥じていることを芦田に漏らした。このやりとりで芦田は「そっくりだわ⋯!オレの若い頃と⋯!」と芦田自身とプライドの高い一条を重ねる。その後芦田は一条、村上を行きつけのバーへ誘ったり、帝愛の会社説明会に勧誘するなど一条、村上を気に掛ける。

遠藤(えんどう)

第4巻30話に黒服・芦田の電話口で声だけで登場する。
帝愛に借金を抱え行方くらませている債務者を探し出す部門の指示役。
『カイジ』シリーズにも登場する。

兵藤和尊(ひょうどうかずたか)

第6巻44話に登場する。
帝愛グループの会長。登場回では馬にした黒服にまたがり不適な笑みを浮かべている。それを偶然見かけた一条は「やっぱり変過ぎるだろ⋯!この会社⋯!」と訝しげになる。

黒崎(くろさき)

一条に凄む黒崎(画面右側)

第6巻44話に登場する。
黒服・芦田が勧誘した帝愛の会社説明会で出会った帝愛最高幹部の一人で帝愛No.2候補でもある。
会社説明会で登壇し、黒崎が話した内容が裏カジノ経営であることを見抜いた一条は、説明会後黒崎に直接聞き確認する。そんな一条に対し「だとしたらなんなんだ⋯?ん⋯?」と黒崎は凄む。その後黒服が差し出した一条の履歴書を一読し一条の人となりを把握すると「お前さ⋯これで今からみんなと横並びで⋯勝てるつもりでいるのか⋯?」と一条を煽る。一方で「優秀な人間を見抜けるのもまた優秀な人間のみ⋯気付いていないのか⋯?今キミの前に千載一遇のチャンスが転がっていることに⋯!」と一条に助言めいたことも言う。黒崎は見事才能ある一条を帝愛に入社させる。このように人心掌握に長けているともいえる。

特別読切『1日外出録ハンチョウ』第3話

大槻太郎(おおつきたろう)

『上京生活録イチジョウ』第1巻巻末の特別読み切り『1日外出録ハンチョウ』第3話に登場する本編の主人公。

中華料理大刻屋の店主

『上京生活録イチジョウ』第1巻巻末の特別読み切り『1日外出録ハンチョウ』第3話に登場する、主人公の大槻が学生時代に足繁く通った中華料理店の店主。店主は大槻のことを覚えており、名物のカニチャーハンの小サイズをサービスしてくれる。

特別読切『中間管理職トネガワ』第57話

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