ピカ☆イチ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ピカ☆イチ』とは、2010年から2013年まで漫画雑誌『ARIA』にて槙ようこと持田あきの姉妹合作として連載された少女漫画である。槙ようこが作画、持田あきが原作を担当している。名門校・愛種高校の校訓に感動して入学した鈴木花子(すずきはなこ)と鈴木太郎(すずきたろう)は誰からも気づかれないほど影が薄い存在だった。そんな2人が学校内のいじめを目撃したことをきっかけに、大好きな任侠映画を基に大変身して正義を貫く学園漫画である。2人の豹変ぶりや正義に対しての考え方などに魅力が詰まった作品だ。

花子が研修先として向かった進学校。

『ピカ☆イチ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

花子・太郎「おまえらの根性 叩きなおす!!」

花子と太郎がリンチ現場の惨状に我慢できずに放った一言が「おまえらの根性 叩きなおす!!」である。ストレス発散のために校内最下位の成績者をいじめて辞めさせるというルールを撤廃させ、自分たちが憧れて入った学校を取り戻すために、そして自分の正義を貫くために、恐怖心を振り切って啖呵を切った言葉には2人の重い決意を感じる。

花子「秘技 一輪挿し!!」

花子が尊敬してやまないマシャコ姐さんの必殺技である「秘技 一輪挿し」。花子はシャーペンを使ってリンチをしている特進クラスの人にこの技を披露している。マシャコ姐さんへの尊敬の念が分かるシーンだ。

太郎「大勢でわらわら集まっちゃって 埋もれるったらねぇ!!」

太郎がリンチをしている大人数相手に放った言葉が「大勢でわらわら集まっちゃって 埋もれるったらねぇ!!」である。1人では何もできない特進クラスの人たちに喝を入れる印象的なシーンだ。尊敬してやまない暁親ブン直伝の護身術も披露し、実はケンカに強いことが発覚したシーンでもある。

暁親分「黙って一途に惚れとおせ」

親分の言葉を聞く太郎

花子が道玄との距離を縮めていることに腹を立て、拗ねていた太郎に喝を入れた暁親分の言葉が「黙って一途に惚れとおせ」である。この言葉で太郎は自分の気持ちをしっかりと持つことができ、花子のピンチを一番に考えて行動できるようになる。太郎にとって暁親分が本当に尊敬してやまない存在だということがよく分かるシーンだ。

太郎「どこにいても必ず守ります!!」

花子が雅仁高校に派遣研修生として向かうことになった際に言った言葉が「どこにいても必ず守ります!!」である。太郎の花子に対する大きな気持ちや2人の特別な絆がよく分かるシーンだ。

有梨絵「ゆっくり紐解いてみれば ひとりひとりの人間とひとつひとつの心でできているんです」

有梨絵の話を聞く花子と太郎

有梨絵が愛種高校についてロボットのような生徒しかいないと話した時に出た言葉が「ゆっくり紐解いてみれば ひとりひとりの人間とひとつひとつの心でできているんです」である。今は規律通りにしか動けなかったり道玄の言う通りにしかできない生徒たちであっても、ひとりひとり違うことを花子に伝え、選挙前の花子はこの言葉を胸にたくさんの生徒に目を向けられるようになる。有梨絵が学校だけでなく、生徒たちも変えたいと思っていることがよく分かるシーンだ。

『ピカ☆イチ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

姉妹合作に至った経緯

もう一つの姉妹合作「zen zen」

槙ようこと持田あきは実の姉妹であり、2人とも漫画雑誌『りぼん』にてデビューしている。本作は講談社の漫画雑誌『ARIA』創刊の際に、編集部が姉である槙に新連載の依頼を持ちかけ、「できれば妹と一緒に」という槙からの要望で実現した姉妹合作である。本作以降は集英社の漫画雑誌『Cookie』でも、持田が原作、槙が作画を担当した「zen zen」が連載された。

chan53
chan53
@chan53

Related Articles関連記事

愛してるぜベイベ★★(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

愛してるぜベイベ★★(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『愛してるぜベイベ★★』とは、少女漫画家の槙ようこによって2002年から2005年まで『りぼん』に掲載されていた、イジメなど社会問題や虐待や親の死など家庭問題をテーマに描かれた作品であり、原作をもとにしたアニメ作品である。主人公で高校生の片倉結平が、母親に置き去りにされてしまったいとこで5歳の坂下ゆずゆの母親代わりとして奮闘しながらゆずゆの成長を見守っていく日々の中で、クラスメイトの徳永心との子供ながらも真剣に恋愛をする模様が描かれている。

Read Article

ロマンチカクロック(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ロマンチカクロック(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ロマンチカクロック』とは2012年から2015年まで少女まんが雑誌『りぼん』にて槙ようこが連載した漫画、およびそれを原作としたアニメ。鎌倉に住む14歳の加治屋杏花音(かじやあかね)とその双子の兄、蒼(あおい)の兄妹関係を軸に展開していく青春恋愛漫画である。個性的な友人たちを巻き込みながら恋愛、勉強、友情に一生懸命立ち向かっていく杏花音と蒼の成長を描く。槙ようこの作品は主人公以外のキャラクターにもスポットライトが当たることが多く、様々な人間関係を楽しみながら読み進められるのが魅力。

Read Article

きらめきのライオンボーイ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

きらめきのライオンボーイ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『きらめきのライオンボーイ』とは、2016年から2019年まで少女まんが雑誌『りぼん』にて槙ようこが連載した恋愛少女漫画。高校1年生の高野瀬 みわ(たかのせ みわ)が、中条 桐敦(なかじょう きりあつ)というイケメン男子に出会ったことをきっかけに、過去のいじめによるトラウマを克服する。そして、恋愛を通して、人としても成長していくみわの姿を描く。みわ以外のキャラクターたちの恋愛事情も盛り込まれ、主要キャラ以外のストーリーも豊富である。作品名の通り、キラキラとした世界観に包まれた作品となっている。

Read Article

初めて恋をした日に読む話(はじこい)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

初めて恋をした日に読む話(はじこい)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『初めて恋をした日に読む話』とは、2016年7月号から『Cookie』(集英社)で連載されている持田あきによる日本の漫画作品である。一時休載し、2024年3月より連載を再開している。予備校講師の春見順子が、東大受験失敗後の転落人生を乗り越える姿を描いた物語。TBSテレビ系でドラマ化もされ、原作とは異なるストーリー展開で全12話が放送された。物語の中では、順子が匡平に合格を目指させる一方、彼の真摯な姿勢に感化され、自身も再び夢と自信を取り戻していく姿が描かれている。

Read Article

あたしはバンビ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

あたしはバンビ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『あたしはバンビ』とは、2001年から2002年まで漫画雑誌『りぼん』にて槙ようこが連載した少女漫画である。単行本は全3巻発売された。冴えない中学時代を過ごしていた吉村麻衣(よしむらまい)は高校デビューを果たす。目標は彼氏を作ることで同じクラスの石垣泉(いしがきせん)を好きになるが、泉にはいつも行動を共にしている東八重蔵(あずまやえぞう)という幼馴染がおり、彼も泉のことが好きだと判明する。複雑な三角関係を主軸に、登場人物たちの成長も描く青春恋愛漫画である。

Read Article

たらんたランタ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

たらんたランタ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『たらんたランタ』とは、2006年から2007年まで漫画雑誌『りぼん』にて槙ようこが連載した少女漫画である。単行本は全2巻発売された。両親が離婚し、兄も事故で亡くした佐久間ヒカル(さくまひかる)が「幸せを呼ぶ女への道ノート」を片手に、様々な出会いや経験から成長していく恋愛物語である。先輩や幼馴染、友人など個性豊かなキャラクターたちが登場し、ヒカルの人生を彩っていく。キラキラした世界観の作風も印象的だ。

Read Article

ソラソラ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ソラソラ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ソラソラ』とは、2000年から2001年まで漫画雑誌『りぼん』にて槙ようこが連載した少女漫画である。初連載の作品であり、この作品から連載を抱えるりぼん作家となった。主人公の及川空子(おいかわそらこ)が同じ日に転校してきた野木空緒(のぎそらお)に恋をし、親友という関係から一歩踏み出すために様々な困難を乗り越える青春恋愛物語である。少し態度の悪い空子の関西弁や考え方、立ち振る舞いなどが魅力的な作品だ。

Read Article

雑誌「りぼん」の表紙をまとめて紹介!『ひよ恋』や『ロマンチカクロック』など懐かしい作品も!

雑誌「りぼん」の表紙をまとめて紹介!『ひよ恋』や『ロマンチカクロック』など懐かしい作品も!

少女漫画雑誌『りぼん』の、2006年から2015年の表紙をまとめて紹介します。『ひよ恋』や『ロマンチカクロック』など、当時の小中学生の女の子を虜にした懐かしい作品ばかりです。『りぼん』の愛読者だった方は、ぜひ自分の好きな作品を探してみてはいかがでしょうか。

Read Article

目次 - Contents