あたしはバンビ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『あたしはバンビ』とは、2001年から2002年まで漫画雑誌『りぼん』にて槙ようこが連載した少女漫画である。単行本は全3巻発売された。冴えない中学時代を過ごしていた吉村麻衣(よしむらまい)は高校デビューを果たす。目標は彼氏を作ることで同じクラスの石垣泉(いしがきせん)を好きになるが、泉にはいつも行動を共にしている東八重蔵(あずまやえぞう)という幼馴染がおり、彼も泉のことが好きだと判明する。複雑な三角関係を主軸に、登場人物たちの成長も描く青春恋愛漫画である。

とても明るい性格の女の子。中学時代に泉と付き合っていたが、それを理由にクラスの女子からいじめられるようになり破局する。高校は別の学校へ行っている。泉と再会し、麻衣に背中を押されたことで泉と復縁する。復縁後も麻衣の様子や八重蔵の気持ちを考え、後ろめたいと思っている。

朋(とも)

麻衣の中学からの同級生。同じ高校に入学し、休み時間や放課後など一緒に過ごすことが多い。麻衣の過去も全て知っているが、中学の話題を出すなど少し無神経なところもある。

『あたしはバンビ』の用語

くるぶしサン

麻衣が中学の頃に好きだった男子から裏で呼ばれていたあだ名。いつもくるぶしソックスを履いていた麻衣をからかうためにつけられたものである。

『あたしはバンビ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

麻衣「だからあたし 変わるって決めた」

麻衣が高校デビュー後に初めて中学のいじめっ子たちと会った時のモノローグが「だからあたし 変わるって決めた」である。自分のことをバカにした同級生たちを許せない麻衣が、高校では人生をやり直すために変わると決意したことがよく分かるシーンだ。どんなことにも立ち向かっていける固い意志を感じる言葉である。

八重蔵「なんか…ばかみてぇだな…」

麻衣と共に泉と未波の背中を押した八重蔵が涙を流しながら言った一言が「なんか…ばかみてぇだな…」である。好きな人のために想ってもいないことを言ったり、諦めたり、そんな行動をしている自分たちのことをバカみたいだと呟く八重蔵には胸がギュッとする切なさが詰まっている。麻衣がいたことで八重蔵もあたたかい涙を流して失恋することができた印象的なシーンである。

泉「お前らのこと好き 超好き」

麻衣と八重蔵が気持ちに区切りをつけるために告白し、それに対して泉が言った言葉が「お前らのこと好き 超好き」である。自分のせいで振り回してしまった麻衣はもちろん、同性を好きだと言う八重蔵のことも受け入れ、心から感謝の気持ちが溢れていることがよく分かるシーンである。この告白のおかげで3人は友達として固い絆で結ばれることとなる。

麻衣「だからって何がどうなんの」

八重蔵が泉を好きだと学校の人にバレてしまい、「気持ち悪い」と言われている現場に居合わせた麻衣が放った一言が「だからって何がどうなんの」である。男女関係なく、八重蔵の恋心は気持ちが悪いものではないし、それは他人には全く関係のないことだと主張する麻衣。八重蔵のことを一番理解していることや大事にしていること、自分のことのように悔しく感じていることがひいひしと伝わってくる印象的なシーンだ。

『あたしはバンビ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

番外編で描かれる八重蔵と泉の出会い

小学生の頃、授業で自分の名前を書くという課題が出るが、難しい漢字ばかりの八重蔵はなかなか書くことができずクラスの男子にからかわれてしまう。八重蔵は少し内気な性格だったため、からかわれると泣いてしまい、更にいじめの的にされていた。ある日、八重蔵はいじめっ子の言葉に我慢できなくなり突き飛ばして怪我をさせてしまう。傷心の八重蔵の前に現れたのは同じクラスだった泉。泉は八重蔵にとって苦手なクラスメイトであったが、怪我をさせてしまった相手に謝ることを提案されたり、もしまだ何か言ってきたら守ってくれるという泉に心を開くこととなる。ここから八重蔵は泉に対して特別な感情を持ち、幼馴染としていつも行動を共にするようになったのだった。泉のいじめられている人を放っておけない性格が小さい頃からだったことも分かる作品である。

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