ヘレディタリー/継承(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ヘレディタリー/継承』とは、2018年に公開されたアメリカのホラー映画である。監督のアリ・アスターは本作が長編映画デビュー作である。主演のアニー役をトニ・コレットが務めた。サンダンス映画祭で「ホラー常識を覆した最高傑作」「現代ホラーの頂点」と批評家から最高の評価を受けた。家長である祖母エレンの死をきっかけにグラハム家に奇妙な出来事が頻発し、家族が崩壊していく。緻密に張り巡らされた恐怖の伏線。タイトルの「継承」の意味がわかったときには、逃れられない仕組まれた最悪の運命に恐怖する。製作はA24。

劇中に何度か、謎の光が現れる。
チャーリーは、ハトをもって裸足で外に出る。
ピーターは校内で見て、おかしな行動をとる。
ラストで屋根裏部屋から落ちたピーターは、ツリーハウスに向かう。
いずれも自分の意識での行動ではないように見える。
これはペイモンのエネルギーのようなものだと解釈できる。

紋章

ペイモンの紋章。
この作品では、序盤からずっとペイモンの紋章がちりばめられている。
アニーは「召喚」の表紙に刻印された紋章に気づくが、チャーリーの頭をぶつけた電柱にも紋章がった。
紋章に気づくとすべてが仕組まれていることがわかる。

『ヘレディタリー/継承』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

「絶叫・悲鳴OK」の上映が失敗

2018年12月21日都内の映画館、TOHOシネマズ新宿(スクリーン4 開演18:30)で開催。
「絶叫・悲鳴OK」というルールだったが、観客が恐怖で声を出せなくて失敗した。

これまで数々の絶叫・応援上映を手がけてきた団体「V8JAPAN」のメンバーが本作に登場するチャーリー(ミリー・シャピロ)とピーター(アレックス・ウルフ)に扮し、開映前に前説を行ってからスタート。ラスト付近の怒涛の展開こそ大きな叫び声が上がったが、それ以外は静かに泣き出してしまう人、口を手で押さえて怖がる人、小声で「やばい……」とつぶやく人など、悲鳴以外のリアクションが見られた。
上映終了後、来場者からは「叫ぶ気満々で来たのに怖すぎて絶句してしまった」「映画の緊迫感が強すぎて叫ぶ余裕はなかった」などの声が寄せられた。V8JAPANのメンバーは「誰にも気兼ねなく声を出して怖がって良いという企画だったが、映画の恐ろしさに叫ぶどころではなかった様子」と叫びたい気持ちより恐怖が上回っていたことを証言し、「鑑賞していたメンバーたちにも、映画のすさまじさにリピーターであるにも関わらず絶句してしまった者もいた。“絶叫上映”完敗しました」と見解を述べていた。

出典: eiga.com

チャーリー役のミリー・シャピロは歌手

本作で圧倒的存在感のあるチャーリー役を演じたミリー・シャピロは、ミュージカル歌手でもある。
ブロードウェイミュージカル「マチルダ」で主人公マチルダ役を演じ、共演者と共にトイー賞を受賞している。
10歳での受賞は最年少での受賞となった。
ミュージカル劇アルバム部門でグラミー賞にも候補になった。
姉のアビゲイル・シャピロと歌手としてアルバムをリリースしている。

ムビチケ特典に絶叫アイマスク

予告編の最後にムビチケ購入特典の「絶叫アイマスク」の告知

ムビチケカードが2018年9月8日に発売。
劇場購入特典として、絶叫アイマスクが付けられた。
アイマスクは、アニーが絶叫している表情がプリントされている。
予告編の最後にムビチケ特典の告知がされている。
<使い方>
1、本作観賞中に恐怖に耐えられなくなったら装着
2、絶叫するトニ・コレットになれる

ユタでの撮影

当初の脚本では、舞台は雪に閉ざされている設定だった。
スケジュールがズレてしまったため、雪の中での撮影はできなくなった。
グラハム家のセットがユタで建てられた理由は、景色がよかったことと、免税率がよかったこと。

予告編が間違って上映

2018年4月、オーストラリアの映画館で、コメディ映画「ピーターラビット」の上映前に、本作の予告編が誤って流されるというアクシデントがあった。

監督アリ・アスターは自らの経験から構想

監督インタービューで、自らの家族に起こった不幸が着想の元になっていると話しているが、具体的には語られていない。

ギャラリーの担当者の声は監督

アリーの仕事ミニチュアの個展の件でギャラリー担当者から電話がかかっているシーンがある。
その担当者パトリックの声は、監督アリ・アスター自身である。

『ヘレディタリー/継承』の主題歌・挿入歌

ED(エンディング):ジュディ・コリンズ「Both Sides,Now」(邦題「青春の光と影」)

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