ヘレディタリー/継承(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ヘレディタリー/継承』とは、2018年に公開されたアメリカのホラー映画である。監督のアリ・アスターは本作が長編映画デビュー作である。主演のアニー役をトニ・コレットが務めた。サンダンス映画祭で「ホラー常識を覆した最高傑作」「現代ホラーの頂点」と批評家から最高の評価を受けた。家長である祖母エレンの死をきっかけにグラハム家に奇妙な出来事が頻発し、家族が崩壊していく。緻密に張り巡らされた恐怖の伏線。タイトルの「継承」の意味がわかったときには、逃れられない仕組まれた最悪の運命に恐怖する。製作はA24。

ペイモン

ヨーロッパの伝承に登場する悪魔。地獄の階層ランクでは高位に位置する。
この世に現れるときは、王冠を被り、ひとこぶ駱駝にまたがっている。
腰に三つの首をぶら下げている。本作のエレン・アニー・チャーリーの首をイメージさせる。
女性の顔をもち、男性の姿をしている。
ラストシーンで、ピーターは王冠を被っているが、中身はチャーリーなのだろう。

降霊会

霊媒者を通じて死者とコミュニケーションをとる会合。
アニーの前でジョーンが亡くなった孫を降霊させる。降霊の方法を知ったアニーは、自らもチャーリーを降霊させる。

ミニチュア・ドールハウス

アニーの仕事であるが、夢遊病を患っているアニーにとっての箱庭療法にもとらえられる。
終末医療や幼稚園、チャーリーの事故現場などアニーの精神状態も感じられるようになっている。

グループセラピー

アメリカ映画でよく見るグループセラピー。
日本では集団精神療法ともよばれる。
輪になって座り、自らの経験を話す。
本作では、「愛する人の喪失」という集会にアニーは参加する。

サトニー/ザザス

部屋の壁に書かれていた不気味な文字で、ペイモンを召喚するために、エレンが書いたと思われる呪文である。
「サトニー(Satony)」とは、死者とコミュニケーションを取るために使われた言葉であり、「ザザス(Zazas)」とは、魔術師アレイスター・クロウリーが、悪魔コロンゾンを降臨させる儀式に使用した言葉ある。
ちなみに、その儀式では、喉をかき切ったハトが使われていた。

地獄の扉よ開け/Liftoach Pandemonium

「Liftoach」古代ヘブライ語で「開く」という意味であり、「Pandemonium」は悪魔の巣窟、地獄を意味する言葉である。
ジョン・ミルトンが「失楽園」で書いた造語。
この映画では、「地獄の扉よ開け」と訳されている。

三位一体

キリスト教の教えひとつ。
父、子、霊の三つが一体であるとする教え。
ペイモンは、この教えを否定している。

『ヘレディタリー/継承』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ある女生徒「逃げることのできない仕組みの中の駒」

ピーターが受けてる歴史の講義中、ある女生徒が教授の質問に対して答える。
ヘラクレスは、「選択肢があったほうが悲劇的」だと答え、その理由は「逃げることができない仕組みの中の駒」だからという。
このセリフは、これからピーターの身に起こることを示唆している。選択できるのに、結果は決まっているのが悲劇だ。

お茶のなかの黒いもの

アニーがジョーンの家に行ったときに、出されたお茶の中に何か黒いものが入っていた。
それが何であるかは明かされないが、ジョーンが何者であるかわかって見ると、何かの薬であったと思えるシーンだ。
アニーを操ろうとしていたが、気づかれてしまう。

謎の光

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