ゴダイゴダイゴ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ゴダイゴダイゴ』とは、日本の漫画家・コウノスケによるアクションバトル漫画。集英社のWeb漫画アプリ『少年ジャンプ+』のインディーズ連載枠で、2021年9月20日に連載を開始した。「次に来るマンガ大賞2022」のWebマンガ部門では10位を獲得している。
30年前、突如空から巨大な怪獣が飛来し始めた。怪獣と戦うのは巨大ヒーロー達。巨大ヒーローの後醍醐ダイゴは、30年間怪獣と戦い続けてきたベテランだが、若い巨大ヒーローの台頭で今や世間では忘れ去られる存在となっていた。

『ゴダイゴダイゴ』の概要

『ゴダイゴダイゴ』とは、日本の漫画家・コウノスケによるアクションバトル漫画。『ジャンプルーキー!』にて初公開され、「2021年5月 ジャンプ+連載争奪ランキング」で1位を獲得。その後、集英社のWeb漫画アプリ『少年ジャンプ+』のインディーズ連載枠で、2021年9月20日に連載を開始した。

インディーズ連載とは、作家が自由に連載ができる連載形態。編集担当がつかず、ストーリーからコマ割りなど全てを作家本人が決めることができる。自由度の高い連載形式だが、各話の閲覧数によって原稿料+αの報酬が決まるため、連載による収入が安定しないというデメリットもある。また基本的には単行本の発売はされない。その代わり『少年ジャンプ+』上では、無期限で全話を無料で読むことができる。そんなインディーズ連載形式を取る『ゴダイゴダイゴ』は人気を博し、インディーズ連載作品で初めて単行本の発売に至っている。また「次に来るマンガ大賞2022」のWebマンガ部門で10位を獲得した。

30年前、突如空から巨大な怪獣が飛来し始めた。怪獣と戦うのは巨大ヒーロー達。巨大ヒーローの後醍醐ダイゴ(ごだいご ダイゴ)は、30年間怪獣と戦い続けてきたベテランだが、若い巨大ヒーローの台頭で今や世間では忘れ去られる存在となっていた。巨大ヒーローの民営化に伴い、経営も悪化。ダイゴは倒産の危機に陥っていており、経営コンサルタントの小金井鈴(こがねい すず)と共に経営を立て直すために奮闘する。ダイゴの性格が穏やかで優しいため、のほほんとしたストーリー展開が多いが、飛来する巨大な怪獣達の目的や、ダイゴの怪獣達に対する思いなど、シリアスな急展開が入ることもあり、その物語の緩急も魅力とされている。

『ゴダイゴダイゴ』のあらすじ・ストーリー

巨大ヒーロー・後醍醐ダイゴ

30年前、突如空から巨大な怪獣が飛来するようになった。怪獣と戦うため一部の選ばれた人達が巨大化し、秘密裏に怪獣と戦うことになる。主人公の後醍醐ダイゴ(ごだいご ダイゴ)は、一番最初に人類で巨大化した人物だった。以来、ダイゴは30年間怪獣達と戦い続けてきた。

時は流れ、現代。怪獣と戦う巨大な人物達の存在はすっかり公になっており、巨大ヒーローとして一種のエンターテインメント化していた。巨大ヒーローになるための「巨人教習所」で厳しい選別、訓練を突破した若い世代が巨大ヒーローとして活躍。怪獣と戦うだけでなく、プロレスなどの興行も行っている。巨大ヒーローは若者の憧れる職業でもあった。10年前に巨大ヒーローは民営化され、経営は各々の巨大ヒーローに任されている。しかし巨大ヒーローも金がかかる。人間の数万倍のカロリーを消費するため、それを支える食費も莫大。風呂やトイレ、洗濯などには小都市並の上下水道設備も必要だった。当然人件費も嵩む。ダイゴは大田区の管轄になったが、大田区には怪獣の飛来も少なく、活躍する機会もない。ダイゴは30年間怪獣と戦い続けるベテラン巨大ヒーローだが、メディアで巨大ヒーローの戦いが中継されるようになってから目立った活躍がなく知名度が低い。そんな中、別の地区には怪獣が日々やってきて、若い巨大ヒーロー達が日々活躍している。ダイゴは世間から忘れ去られた存在になっていた。

品川区担当・青空アキラの挫折と復活

ある日、巨大ヒーロー・青空アキラ(あおぞら アキラ)が守る品川区にカンガルーのような見た目をした怪獣が現れた。それはつい先日も品川区にやってきた怪獣と同じで、アキラが一度追い返している。怪獣達は空から飛来し、負けそうになると身体が巨大な風船のように膨らみ、空へと帰っていく。そのなんとも言えない間抜けな姿の撤退方法もすっかり見慣れ、人々は怪獣達に大した恐怖を抱いていなかった。アキラもまた油断していた。アキラは先日その怪獣を追い返した時と同じように鋭い蹴りを繰り出す。

その瞬間、アキラの片足が切断されて宙を舞った。アキラ本人も、アキラと怪獣の戦いを見ていた人々も何が起きたかわからなかった。怪獣が使う刃物型の武器は先日の戦いの時はアキラの蹴りで簡単に折れていた。しかし今回はアキラの装備よりも怪獣の武器の強度のほうが強かった。片足を切断されたアキラは倒れ込み、痛みで動けない。それでも怪獣は迫りくる。もが想定外の状況の中、いち早く動いたのはダイゴだった。ダイゴは自分の担当区域に怪獣が現れた時も必ず出動の準備をする。今回も品川区に怪獣が襲来する警報が出た時から出動の準備をしていた。ダイゴはアキラを助けるために品川区に急行。見事に怪獣を倒し、空へと帰すのだった。

アキラの足は数ヶ月で元通りになった。しかしアキラの心は未だに恐怖と挫折に支配されたままだった。誰よりも優れた能力を持っており、17歳で巨大ヒーローデビューしたアキラは、今までの人生で失敗や挫折を経験したことがなかった。アキラの心の傷は本人が気づかない内に大きなものとなっていた。強がりで負けず嫌いな性格のアキラはそのまま巨大ヒーローとして復帰する。ダイゴもサポートに入ることになったが、アキラはダイゴに手を出さないようにと強く言う。しかしアキラは先日での戦いでの恐怖心や次も失敗したらどうしようという不安から途中で動けなくなってしまった。見守っていたダイゴはアキラと交代して怪獣と戦う。拳が潰れても脱臼しても、怪獣に噛み付いたりとメチャクチャな戦い方をするダイゴを見て、アキラは巨大ヒーローに必要なものが何たるかを悟った。アキラはトラウマを克服し、見事に怪獣を倒すことに成功。巨大ヒーロー・青空アキラが完全復活を遂げた瞬間だった。

怪獣ヒーロー・豊川ジュウゴと怪獣対策担当大臣・仁印

ふだんは怪獣が飛来することがまずない東京都の郊外に怪獣が飛来したという連絡を受けたダイゴは、その現場にやってきた。そこにはサイのような姿をした怪獣がたしかにいたが、様子がおかしい。人を襲って暴れることもせずに、とある人間を追いかけ回している。その人間は豊川という名の警察の巡査だった。怪獣は飛来した時に頭を強く打ったのか、記憶がないようで、行動も幼児退行していた。そんな中最初に見た生き物が豊川だった。怪獣は豊川のことを親だと認識し、ついてまわるようになったのだ。

その怪獣はジュウゴと名付けられ、豊川の他、政府や研究機関の保護の元、人間の知識を与えられた。次第にジュウゴは喋れるようになり、人に接する時の力加減も覚えていく。やがてジュウゴはダイゴのような巨大ヒーローになりたいと思うようになった。政府の怪獣対策庁は、人間が巨人教習所で巨人化する時と同じように巨大化免許の学科試験に合格するという条件を出し、ジュウゴを試すことにした。そしてジュウゴは長い時間をかけて見事試験に合格。ダイゴと一緒に外出し、仕事をやってみることになった。その日の晩に怪獣が襲来。ジュウゴはそのままその怪獣と戦うことになった。その怪獣はジュウゴの父親を名乗り、ジュウゴを連れ帰ろうとした。ジュウゴは抵抗し、戦い、父親を投げ飛ばしたところで気を失った。そこにダイゴが駆けつけ、ジュウゴの父親と対話を試みる。しかしジュウゴの父親はそのまま空へと帰って行ってしまった。ジュウゴは功績が認められ、日本人として帰化することを許された。名字は豊川のものをもらい、怪獣でありながら、豊川ジュウゴという日本人として生きることとなった。

しかしジュウゴの帰化を良しとしない人物がいた。怪獣対策担当大臣で、千代田区を管轄する巨大ヒーロー・仁印(じんしるし)だ。仁印は2年前、千代田区にやってきた怪獣との戦いで妻・京子(きょうこ)と息子のタケルを失っていた。そのことから怪獣に強い憎しみを持っていたのだ。ジュウゴに稽古をつけるという名目で呼び出してはサンドバック代わりに殴りたい放題をしていた。そして支持率70%を誇る巨人総理大臣・円満堂(えんまんどう)にジュウゴを秘密裏に殺したいと相談。そのためにはジュウゴを見守るダイゴが邪魔である。仁印は難癖をつけてダイゴと戦うように仕向け、自分でダイゴを潰す算段をつけた。

ダイゴは仁印と戦い、圧倒的な力を見せた。そして仁印が抱えているトラウマも指摘する。2年前の怪獣との戦いで、仁印の家族は怪獣が投げたビルの下敷きになって亡くなった。しかし真実は違う。ビルを投げたのは怪獣ではなく、仁印自身だったのだ。仁印は家族が亡くなったのは自分ではなく怪獣のせいにすることで自分を守っていたのだ。ダイゴにそのことを指摘され、仁印はようやくその過去と向き合うことができた。ジュウゴを殺すという目的ももはやどうでもよくなり、仁印は自分の目を覚まさせてくれたダイゴを次第に慕うようになっていくのだった。

中央区のジャイアントジャスティス

中央区を管轄する巨大ヒーローはジャイアントジャスティスと名乗る巨大戦士。戦隊物の戦士のような格好をしており、圧倒的人気を集める巨大ヒーローだ。しかし仮面の下は見にくくただれた素顔があった。過去に何でも溶かす毒液を吐くトカゲのような怪獣と戦った時に、その毒液を顔に受けて顔がただれてしまったのだ。その醜い容姿で住民を恐怖させてしまった経験があり、以来仮面の戦士としてヒーローをしてきたのだ。

ある日、中央区に怪獣が飛来する。それは昔はジャイアントジャスティスの顔に毒液をかけた怪獣と同じものだった。ジャイアントジャスティスはその怪獣対策を十分にしていたが、一瞬の隙をつかれ仮面を溶かされてしまった。醜い素顔が世間に晒され、ジャイアントジャスティスは心が折れてしまう。しかし人々はジャイアントジャスティスの本当の姿を見ても応援を続けた。失望されるかもしれないというジャイアントジャスティスの不安は杞憂だった。人々の励ましの声を聞いたジャイアントジャスティスは、いつもの力を発揮し、無事に怪獣を撃退。空へと返した。

それからというもの、ジャイアントジャスティスは仮面を外した状態の素顔のまま巨大ヒーローの活動を続けることになった。醜い素顔に怯える人も、蔑む人もいない。ジャイアントジャスティスは本当の戦士へと生まれ変わったのだった。

ダイゴの名古屋出張

ダイゴは名古屋に出張することになった。名古屋で暴れる巨大ヒーローの教育をするためだった。その巨大ヒーローの名前は番場バク(ばんば バク)。東京の巨人教習所などに通って巨大化したのはなく、突然変異で巨大化した少年だった。ダイゴはバクから詳しい話を聞くために寄り添おうとするが、バクのほうはダイゴどころか両親や幼馴染の友達にさえ心を開かない。ダイゴはどうすればバクから話が聞けるか悩んでいた。

そんなある日、名古屋にタコのような怪獣が襲来する。空から飛来する怪獣と違って、名古屋の怪獣は異次元の穴のようなところから現れた。バクはそれを見て、ダイゴに一人で戦うように言う。ダイゴは言われた通り一人で怪獣と戦った。8本足の相手と戦うのが初めてのダイゴは途中やや苦戦を強いられるが、最後は結局圧倒的な力を見せて怪獣に勝利した。それを見たバクは大喜び。ついに自分よりも強い人間が現れたとダイゴと戦いを挑んだ。

バクは2年前、名古屋タワーのてっぺんまで登れるか度胸試しをしていた。しかしその時、名古屋タワーの上空に異次元の穴が発生。バクはそれに吸い込まれ、何かと融合し、自我を失った。しかし友達の声でバクは、自分がバクという存在であることを思い出した。次の瞬間、バクは巨大化していたのだ。しかしその時の融合でバクは人間ではない何かになっていた。時折力が暴走するような感覚があり、身体から先程のタコの怪獣のような触手が出てくる。バクはいつか自分が自我を失って大好きな名古屋の町を破壊してしまうのではないか、その時自分を止めてくれる自分よりも強い存在がいなかったらどうしようという気持ちから名古屋で暴れていたのだ。ダイゴに敗れたバクは、自分を負かしてくれるダイゴの存在に安堵し、元のヤンチャで優しいバクに戻った。

異次元の穴は後に蜃気楼型怪獣と呼ばれるようになり、ダイゴ達はそれの調査も進めながら名古屋を巨人ヒーローが戦える環境にするために働くのだった。

世田谷区の光村聖嶺

ダイゴの活躍は徐々に広がってきたが、それでも経営難から脱するほどではなかった。経営コンサルタントの小金井鈴(こがねい すず)は、巨人社会学の研究者・洞三田琴花(ほらみた ことか)という女性にアドバイスを頼んだ。琴花は、世田谷区を管轄する巨大ヒーロー・光村聖嶺(みつむら せいりょう)を引き合いに出す。聖嶺は聖嶺教(せいりょうきょう)という宗教団体の教祖をしていた。聖嶺教にはたくさんの信者がおり、資金も潤沢にあるという。だからダイゴも教祖的な存在となって、献金を募ればいいと琴花は言った。そして鈴と琴花は聖嶺教を調べに世田谷区に向かった。そこで聖嶺と直接会うことができ、聖嶺がダイゴを尋ねて大田区までやってくることになった。聖嶺はダイゴに「大田区に怪獣被害が少ないのはダイゴの御業である」ということにして信者を増やそうと言い出した。怪獣の気持ちに寄り添うことを第一とするダイゴはそれを断る。自分達の都合で怪獣達に関する嘘をつけないというのだ。ダイゴと聖嶺の意見は割れ、協力する話はなかったことになる。

ある日、世田谷区に馬のような姿をした怪獣が飛来した。聖嶺は怪獣と戦い、いつも通り優勢にことを進めた。すると突然怪獣が突然注射を取り出して自分の腕に何かを注入した。それはどうやら痛覚を遮断する薬だったようで、怪獣は聖嶺にやられてもやられても立ち上がってくる。次第に聖嶺は劣勢になり、聖嶺教の建物の中に投げ込まれた。その中には聖嶺のことが心配になって隠れて見守っていたダイゴがいた。ダイゴは聖嶺と入れ替わるように建物から出て、怪獣と戦う。怪獣がとうに限界を越えていることに気づいたダイゴは、怪獣を拘束し薬の効果が切れるのを待った。怪獣は気を失って風船化し、空へと帰る。ダイゴはその怪獣を優しく見送った。

各地に出現した蜃気楼型怪獣

ある日、日本の各地に名古屋に出現したものと同じような蜃気楼型怪獣が出現した。そこから現れるであろう怪獣と戦うために、巨人ヒーロー達は迅速に動きはじめる。東京の都心部は仁印が、市部はジュウゴが守り、その他の巨人ヒーロー達は全国各地に派遣された。ダイゴは東京及び周辺地域を網羅的に対処を担当する。そんな時、空から20を超える怪獣が飛来し始めた。そのうちの1人は、ダイゴがドン5号と呼ぶジュウゴの父親だった。ドン5号はまっすぐにジュウゴが待機する東京西部へと飛来する。ジュウゴはドン5号と戦い、そしてその際に自分の本当の名前がジョルグであることなど、失っていた記憶の全てを思い出した。

ジュウゴはガイオンの民と呼ばれる民族であり、地球とは別の惑星に住んでいた。しかしその惑星が”ミラ”という生き物に侵略され、ガイオンの民の生存が危ぶまれる事態に陥る。ガイオンの民は古代ガイオン人の作り出した遺物「球舶(きゅうはく)」に乗り宇宙へと逃れ、新天地を求めて彷徨った。そしてついに地球を発見する。ジュウゴの父親ドン5号は、トールグという名でガイオンの民を束ねる大司教の1人を務めていた。トールグ達は地球人に自分達の移住を認めてほしいと打診。地球人はその交換条件として、ガイオンの民の技術を欲した。古代ガイオン人は高い技術を持っていたが、その技術が進みすぎたせいで一時は滅びの道を歩んだ過去がある。トールグ達は悩んだ末に技術を地球に送り、その後長い年月をかけて地球への移住を認められた。しかし地球人――円満堂はガイオンの民を裏切り攻撃。以降、ガイオンの民は地球の東京を襲撃するようになった。

暴れだす蜃気楼型怪獣

やがて蜃気楼型怪獣と呼ばれる球体から飛行型の怪獣が召喚された。その怪獣達が向かったのはガイオンの民達が乗る「球舶」だった。地球の科学力では認知できなかっただけで長年東京の上空に浮かんでいた「球舶」は、怪獣達の攻撃を受けて東京外湾に落下。ガイオンの民達を襲い始めた。無数の飛行型怪獣に囲まれてガイオンの巨大戦士達も戦意を失う。そこへ現れたのがダイゴだった。ダイゴは国連軍を率いてガイオンの民を救出。その途中、今度は蜃気楼型怪獣の球体からダイゴを模した怪獣が各地に出現した。突如現れた人型の、しかもダイゴに似た怪獣の出現に、人類は次第に劣勢に追い込まれていく。ダイゴも各地を駆け回り、人型の怪獣を倒した。人型怪獣はダイゴが地球上で最も手強い相手だと理解しており、ダイゴに対して特攻作戦を強いる。人型怪獣の自爆攻撃に巻き込まれ、ダイゴもピンチに陥っていった。そこに現れたのがガイオンの巨大戦士達である。ガイオンの巨大戦士達は、ジュウゴの説明により、巨大戦士達がダイゴの助っ人としてやってきたのだった。

『ゴダイゴダイゴ』の登場人物・キャラクター

主人公

後醍醐ダイゴ(ごだいご ダイゴ)

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