ファイブスター物語(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ファイブスター物語』(略称『FSS』)とは永野護が『月刊ニュータイプ』で連載している漫画作品、およびそれを原作としたアニメ作品。4つの恒星と1つの遊星からなる「ジョーカー太陽星団」を舞台とし、光の神である天照帝とパートナーのラキシスを中心に、巨大兵器「モーターヘッド」とそれを動かす「騎士」「ファティマ」たちの数千年におよぶ戦いを描く。SF作品であるが神や悪魔、ドラゴンが登場するファンタジー要素も併せ持つ。何度かの休載をはさみながら連載され、2013年の連載再開時から大幅な設定変更が行われた。

星団暦7777年に天照とラキシスが再会、結婚し、2人の娘カレンが誕生するとされている星。

その他

モーターヘッド(MH)

最強の戦闘兵器である巨大人型ロボット。モーターヘッドを倒せるのはモーターヘッドだけであるといわれる。

星団暦

星団共通の暦。

AD世紀

星団歴より前の時代。AD世紀の情報の大部分は星団歴には伝わっておらず、失われている。

『ファイブスター物語』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

レディオス・ソープ「ラキシス!おいで!」

ラキシスの「お披露目」に乱入したソープは、ラキシスをパートナーにむかえる。

星団一の頭脳と謳われるファティマ・マイトでのクローム・バランシェは、新作のファティマであるラキシスとクローソーを友人であるレディオス・ソープに託す。

しかし、ラキシスとクローソーは悪徳領主であるユーバーに捉えられる。2人を助けるため、ソープはお披露目が行われるバストーニュを訪れる。

成人したファティマは、自身のマスター(パートナー)を選ぶための儀式「お披露目」に出される。クローソーは逃げることに成功するが、ラキシスはお披露目に出されることになる。ラキシスのお披露目に際し、迷い悩んだソープはラキシスをパートナーとすることを選び、お披露目の会場に飛び込む。

「ラキシス!おいで!」と叫ぶソープの胸に飛び込むラキシス。この瞬間、この先の星団史を牽引していくアマテラス(ソープ)とラキシスのカップルが誕生した。

エルメラ・コーラス「私…本当はね ほっとしているの ウリクルが死んでくれて」

騎士のパートナーとしてモーターヘッドを動かすファティマは、騎士と恋愛関係となることが多い。
1番美しい時のまま齢をとらないファティマは、人間の女性にとっては妬みと羨望の対象だった。

コーラス3世もまた、パートナーであるファティマ・ウリクルと恋愛関係にあった。
ハグーダのジュノー侵攻により、コーラス3世とともに未完成のモーターヘッド・ジュノーンで出撃したウリクルはコーラス3世を守るため、命を落とした。

それを知ったコーラス3世の妻・エルメラは「私…本当はね ほっとしているの ウリクルが死んでくれて」とファティマ・クローソーにその複雑な胸の内を吐露する。
「私は、あなたたちファティマが憎いわ… そしてファティマと連れ合う騎士もね」と続け、騎士の妻として生きる女性の哀しみを語る。
ファティマには「私たちの思いなんてわからないわよね」と哀しく微笑むエルメラだが、ファティマもまた人間として生まれてくることができなかった哀しみを背負って生きているのだった。

この騎士をめぐる人とファティマの葛藤は作品を通じて幾度も描かれるが、その中でも最もストレートにその心情が描かれる場面でもある。

『ファイブスター物語』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

連載中に行われたデザインなどの大幅な設定変更

『ファイブスター物語』は、アニメ雑誌『月刊ニュータイプ』において何度か休載をはさみながら連載が続いている。
2004年12月号からの休載は約9年にもおよび、2013年5月号から連載が再開された。この際、モーターヘッド(MH)がゴティックメード(GTM)に変更になるなど、デザイン・名称・設定が大幅に変更された。

複数存在する異なるバージョンの単行本

『ファイブスター物語』は『月刊ニュータイプ』に連載され、単行本が発刊されている。単行本、雑誌掲載時から削除・加筆されている部分が数多くある。
1巻と2巻は「1998 EDITION」「2005 EDITION」として、設定資料の記述が増補改訂されて再刊行されている。8巻もカラーページを差し替えた「改訂版」が刊行された。

また、連載25周年を迎えたのを記念して、その時点での既刊12巻分の内容を雑誌掲載時の構成に戻し、「リブート」と題されて刊行されたバージョンが存在する。

さらに、設定資料集『F.S.S.DESIGNS』『キャラクターズ』や辞典『クロニコル』など、複数の関連書籍が刊行されている。

永野護の別作品『フール・フォー・ザ・シティ』とは一部の世界観を共有

作者である永野護は、テレビアニメ『機動戦士Zガンダム』『重戦機エルガイム』などのデザインを担当したデザイナーである。1985年にエルガイムの放送が終了した後、永野は「The Five Star Stories」の漫画化を構想するが、漫画家としてのブランクがあった為、とりあえず習作を連載することになった。

この作品がアニメ雑誌『月刊ニュータイプ』の創刊号である1985年4月号から連載された『フール・フォー・ザ・シティ』である。『フール・フォー・ザ・シティ』は人気を博し、のちに単行本化されている。

『フール・フォー・ザ・シティ』の終了後、1986年4月号より『ファイブスター物語』の連載が開始された。『フール・フォー・ザ・シティ』の登場人物が『ファイブスター物語』にも登場するなど、両作品は世界観を共有している。

『ファイブスター物語』の主題歌・挿入歌

主題歌:長山洋子「瞳の中のファーラウェイ」

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