アケミ(最終兵器彼女)の徹底解説・考察まとめ

アケミとは漫画『最終兵器彼女』に登場する人物である。主人公のシュウジとその彼女であるちせの共通の友人として登場した。2人の仲を応援する一方でシュウジに密かな想いを寄せ、板挟みに悩む。そして叶わぬ想いに自暴自棄になった末に、想いを寄せて来た同級生のアツシと肉体関係を結んでしまう。その後巨大地震に巻き込まれて致命傷を負い、瀕死の状態の中でシュウジに想いを告白。彼に看取られながら亡くなった。死後、ふゆみとの不倫に溺れるシュウジの前に幻影として現れ、彼を一喝して不倫を終わらせる勇気を与えた。

アケミは巨大地震に巻き込まれ、致命傷を負った。戦争により物資やインフラが自衛隊に占拠されている為、彼女は病院へも行けず、自宅のベッドに横たわっていた。そこへ知らせを聞いてシュウジが駆け付ける。アケミは彼にキスをし、自らの想いを打ち明けた。彼女は自分の最期が近い事を悟っており、ちせへの罪悪感を抱えながらもシュウジへ告白したのである。そしてアケミは、シュウジへの想いを抱きつつもアツシと付き合い、肉体関係を持ってしまった自分の残酷さと苦悩をシュウジに語った。そして処女をアツシにあげてしまった事をシュウジに謝罪し、シュウジにも抱かれたかった事を打ち明ける。シュウジはアケミの最期の願いを叶える為、彼女と肌を重ね合わせていった。そしてちせへの謝罪と「死にたくない」という自身の本音をシュウジに叫び、彼の胸の中で絶命する。

シュウジを一喝する

シュウジを見下ろすアケミ

アケミの死後、シュウジは彼女の父親から赤ワインを受け取る。これはアケミが部屋に隠していたものであり、文化祭の日に仲間たちとこっそり飲もうとしていたものであった。彼女の父親はこの赤ワインをシュウジに、娘の最期を看取ってくれた御礼の品として彼に手渡す。アケミの死に際に、彼女の父親は医者を探して走り回っていた為、彼女の最期を看取れなかったのだ。

シュウジは文化祭の後夜祭で、無人の教室にて1人で黄昏る。彼はこの前日にボトルを開け、自身で飲みつつもアケミの机に手向けとして、ワインを注いでいた。そこへテツの戦死を知ったふゆみが現れる。彼女はテツの戦死を知り、孤独と寂しさからシュウジの身体を求めていた。罪悪感に囚われながら、シュウジは彼女に誘惑され、肌を重ね合わせていく。そんな中、アケミの机上に置いてあったワインが倒れ、中身が彼の顔に降り注いだ。そしてシュウジはアケミの幻影を見る。幻影のアケミはシュウジを一喝し、彼を正気に戻すのであった。これにより彼はふゆみを拒絶して、ふゆみとの不倫関係を終わらせる。その後、シュウジはちせとの関係を復活させ、2人は別の街へ旅立っていった。

アケミ(最終兵器彼女)の関連人物・キャラクター

シュウジ

本作『最終兵器彼女』の主人公である。北海道の田舎の高校3年生で、鋭い目付きと口の悪さが特徴。一見すると怖いイメージであるが、内面は優しく女子からの人気も高い。ちせからの告白を受け、何も考えずに付き合い始める。ある日ちせが最終兵器に改造された事を知り、戸惑いながらも彼女と恋愛関係を紡いでいった。

アケミとは中学時代からの同級生であり、陸上部に所属していた。彼女とは気兼ねなく話せる親友で、彼はちせとの関係に悩んだ時はアケミに相談する場面もあった。一方で距離が近過ぎる故に喧嘩をする場面も多く、時には手が出る事もある。それでも次の瞬間には何事も無かった様に普通に話したりと、後腐れの無い関係でもあった。

アケミは密かにシュウジに想いを寄せており、自分の差金とはいえ、彼とちせの関係を複雑に思っている。一方のシュウジは彼女を異性として見ておらず、あくまでも親友として接していた。だがアケミが死に際にシュウジへ告白した事で、彼は彼女の想いに気付く。彼はアケミの想いを受け入れ、肌を重ね合わせていった。彼女はシュウジと一時的にでも抱かれた事に幸せを感じる一方、ちせへの謝罪と死にたくない旨を呟きながら絶命する。

アケミは女性という立場からシュウジとちせの関係を客観視し、彼にアドバイスをする事もあった。またシュウジがふゆみと再会した後、彼が中学時代の写真を眺めていた時には「誰の姿を見ているの?」と鋭い指摘で、写真のふゆみの姿を見ていた彼を動揺させている。アケミの死後、彼は彼女の幻影に一喝される事で、ふゆみとの不倫を辞める勇気を貰っていた。シュウジにとってアケミは、彼を精神的に成長させた人物でもある。

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ちせ

シュウジの彼女であり、本作『最終兵器彼女』のメインヒロインである。おっとりした性格で、彼女は自分の性格を治す為にアケミに相談した。これを受けたアケミは「度胸試し」と称し、ちせが憧れていたシュウジに告白させる。アケミの予想に反し、彼が告白を受け入れた為、2人は付き合い始めた。シュウジに密かな想いを寄せていたアケミは、複雑な想いで彼等を見ていく事になる。それでも2人の仲を応援していたアケミは、ちせに度々アドバイスをしていた。アケミのアドバイスにより、ちせは交換日記をシュウジと始める。この交換日記には、後にちせの心情やこの地球の結末が記されていく事になり、物語の重要アイテムとなっていった。

戦争が始まり、ちせは自衛隊の手によって最終兵器に改造される。アケミはこの事を最期まで知らずにいた。また物語中盤から、ちせは本格的に自衛隊で最終兵器として活動を始める。この為アケミとの接点は無くなり、彼女が死亡した時、ちせは不在であった。後にちせは、シュウジの口からアケミの死を知り、彼女の墓参りをしている。その際、墓前で彼女は今まで経験してきた事を涙ながらに語っていた。その次の日地球の滅亡が始まり、彼女は安らかな死を送る為にシュウジを除く全人類を滅ぼす。

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サトミ

アケミの妹で、姉と顔立ちがよく似ているが、彼女の方が若干垂れ目である。双子では無く歳の離れた妹であり、学年も違う。性格はアケミと比べると穏やかであった。陸上部に所属しており、アケミ、シュウジ、ちせの後輩に当たる。シュウジに憧れを抱いており、彼も後輩として彼女を可愛がっていた。そんな2人を見たアケミはヤキモチを焼いている。

姉であるアケミとは仲が良く、彼女が危篤の際は必死にシュウジを呼びに行った。彼女が亡くなった際は遺体に取り縋り、泣いている。

アツシ

アケミの彼氏である。元々は彼女の同級生で、シュウジの友達でもあった。物語序盤に敵の空襲に巻き込まれ、難聴気味になっている。以前から彼女に想いを寄せており、告白したが振られてしまう。それでもちせの暴走で学校が崩落した際、真っ先にアケミの元へ駆け付けた。彼の真摯な想いに、アケミはシュウジへの想いを抱えたまま、告白を受け入れるのであった。アツシは告白を受け入れる際、彼女からシュウジが好きである事を聞かされていたが、その上で彼は彼女を愛している。そのまま2人は肉体関係を持ち、アケミは処女を彼に捧げていた。

戦争が激化し、日常が崩壊していく中でアツシは自衛隊への入隊を決断し高校を中退する。彼はアケミを戦場で戦う事で守ろうとしていたのであった。その後はテツの部下として戦っていき、敵の大規模攻撃により死亡した。

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ふゆみ

アケミの、陸上部の大先輩に当たる女性。テツというシュウジに雰囲気の良く似た自衛隊の男性と結婚している。アケミはふゆみが卒業した数年後に中学で陸上競技を始めた為、彼女とは面識が無かった。だがふゆみが教育実習生として、アケミの学校に赴任してきた事で知り合いになる。シュウジはふゆみに初恋をし、彼女に近付いていくようになった。当時のアケミはそんなシュウジにヤキモチを焼いて口喧嘩をしている。後にふゆみはシュウジと強引に肉体関係を結び、高校3年生になったシュウジの前に再び現れる。そしてちせと付き合っている事を知りながらも、ふゆみは彼と不倫関係に陥っていった。

ふゆみはテツに憧れて中学時代から陸上部に入っていた。元々好きで始めた訳では無いので、足が遅い事をアケミに指摘されていた。アケミとは教育実習生時代以降の付き合いは無い。たがアケミは学校で、ふゆみの姿が映った中学時代の自分の写真を見ていたシュウジに気付き「誰を見ていたのか」と、鋭い問いをする場面もあった。アケミは時折、ふゆみとシュウジの関係性を怪しんでいる。

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