アケミ(最終兵器彼女)の徹底解説・考察まとめ
アケミとは漫画『最終兵器彼女』に登場する人物である。主人公のシュウジとその彼女であるちせの共通の友人として登場した。2人の仲を応援する一方でシュウジに密かな想いを寄せ、板挟みに悩む。そして叶わぬ想いに自暴自棄になった末に、想いを寄せて来た同級生のアツシと肉体関係を結んでしまう。その後巨大地震に巻き込まれて致命傷を負い、瀕死の状態の中でシュウジに想いを告白。彼に看取られながら亡くなった。死後、ふゆみとの不倫に溺れるシュウジの前に幻影として現れ、彼を一喝して不倫を終わらせる勇気を与えた。
アケミ(最終兵器彼女)の来歴・活躍
北海道で生まれ育つ
アケミは北海道に生まれ、主人公のシュウジと同じ中学校に通い、彼と同じ陸上部に入部した。シュウジは目付きが鋭く、口が悪いが内面は優しい人物である。アケミは彼と仲が良く、気兼ねなく話が出来る間柄であった。彼にとってアケミは、信頼できる女友達であった。一方の彼女は、シュウジと親友として付き合いつつ、彼に密かに想いを寄せていた。彼はその事に気付かず、アケミを男友達のように扱っている。
ある日、アケミのクラスにふゆみという女性が、教育実習生として赴任してくる。彼女はアケミの通う中学校の卒業生であり、陸上部のOGでもあった。だが、同じく陸上部のOBであるテツという男性に近付く為に陸上競技を始めていた為、走る事が苦手であった。アケミはふゆみと陸上競技をした際に、彼女の足の遅さを指摘している。テツはシュウジに雰囲気が良く似た男性である。自衛隊に所属しており、ふゆみとは中学時代から付き合っていた。
アケミはふゆみが赴任して来てから、シュウジの様子がおかしい事に気付く。この時、彼はふゆみに初恋をしており、暇を見つけてはふゆみに会いに行く様になっていた。アケミはシュウジがふゆみに恋をしていることに気付き、2人が共に思わせぶりな言動を繰り返すことから、その関係がどういう状態にあるのか訝しんでいた。一方のふゆみはこの時、テツとの関係が上手く行っておらず、雰囲気が良く似たシュウジにテツの面影を見ていた。そしてふゆみはテツへの寂しさを誤魔化す為、シュウジを誘惑して強引に肉体関係を結んでしまう。アケミはこの事を知らずに過ごし、中学校を卒業した。
シュウジとちせを付き合わせる
高校生になったアケミはある日、親友のちせから「自分の性格を直したい」と相談を受ける。ちせは本作『最終兵器彼女』のメインヒロインである。おっとりとした性格で、自分の内気な性格を直したいと悩んでいた。相談を受けたアケミは「度胸試し」と称して、ちせが当時憧れていたシュウジに告白させる。彼は特に何も考えず、この告白を受け入れ、シュウジとちせのカップルが誕生した。その後、恋愛経験が初めてのちせはアケミに、事あるごとに相談を持ち掛ける様になる。アケミは他の女友達と共に、ちせに雑誌やドラマで得た知識を駆使したアドバイスをしていた。その内容は「SEX」等、下ネタ的なものが多く、ちせは戸惑っている。そのアドバイスの1つで、アケミはちせに、シュウジと交換日記を始める事を提案した。これによりちせはシュウジと交換日記を始める事になる。この交換日記は後に、ちせの秘めていた心情や地球の命運が記入され、物語の重要アイテムとなっていく。
シュウジへの想いと板挟みになる
シュウジとちせが付き合い始めてから数日、アケミはちせの様子がおかしい事に気付く。彼女は食欲が無く、顔色が悪かった。アケミは「シュウジがちせに何かしたのでは?」と勘繰り、シュウジにその事を伝えた。実はちせはアケミの知らない所で、自衛隊の手によって最終兵器に改造されており、兵器として成長していたのである。ちせが食欲が無かったのは、自らの成長を少しでも止めようと、食事を自制していた為であった。シュウジはアケミの指摘でちせの異変に気付き、この後ちせの口から成長している事を聞かされている。
アケミはちせからの恋愛相談を受けていった。そしてその中で、シュウジが初恋の相手についての話題に動揺していた事を知る。「シュウジのプライベートな部分に無神経に踏み込み過ぎたのでは?」と不安がるちせに、アケミはシュウジへのフォローを入れて彼女を安心させた。だが、内心では「シュウジがふゆみへの初恋を引きずっているのでは?」と彼への不安を抱いている。後日、アケミはシュウジへ「ふゆみへの未練から、ちせを傷つけないで欲しい」と遠回しに釘を刺していた。また、アケミはシュウジとちせの両方から恋愛相談を受ける事になり、間を取り持つ形となる。またアケミは2人が良い感じに距離を縮めている事を実感した。アケミは胸に秘めたシュウジへの想いから、シュウジとちせに対して複雑な感情を抱き始めるのであった。
シュウジとちせを心配する
アケミは学校の授業中に巨大地震に巻き込まれ、校舎の一部が倒壊した。ちせは兵器の能力で地震を予知し、遠回しにこの事を警告する。これにより早めに校庭に避難していたアケミは無事であった。だが、シュウジとちせが行方不明となり、アケミは大きく取り乱す。倒壊した校舎に戻ろうとするアケミを、アツシを始めとしたクラスメイト達は取り押さえた。アツシはシュウジの男友達である。以前空襲に巻き込まれ、難聴となっていた。
校舎の一部倒壊はちせの暴走が原因であった。彼女は自分で兵器の力を抑えきれなくなりつつあり、薬で辛うじて小康状態を保っている状態だった。シュウジはちせと共に居た為、彼女の暴走の現場を目撃してしまい、「兵器としてのちせ」に恐怖を抱いてしまった。そしてシュウジは咄嗟に、自分の身体に大きな恐怖と不安を抱えているちせに冷たい態度を取ってしまう。2人の間には距離が出来つつあった。この後、ちせは自衛隊からのスクランブル要請により、自衛隊と共に出動する。彼女と別れたシュウジは校庭のアケミ達の元へ戻るのであった。
アケミは戻ってきたシュウジへ、安心しつつも、何も言わずに別行動した事への怒りから彼に張り手を喰らわせた。先程のちせとの1件により、無力で自分勝手な自分に苛立っていた彼は、咄嗟にアケミに張り手を仕返してしまう。シュウジはすぐに謝ったものの、その場に居辛くなった彼はそのまま学校を出ていった。尚、後日シュウジに叩かれたアケミの頬は大きく腫れ上がっている。
シュウジが学校を出た後、アツシも彼の後を追った。そしてシュウジに追いつくと、彼を一発殴るのであった。そしてアケミや自分がシュウジやちせの事を心配していた事を語り始める。また、アツシは高校を中退して自衛隊に入ろうと思っている事、この後アケミに告白しようとしている事を彼に打ち明けた。先程アツシがシュウジを殴ったのは、自分が好きなアケミをシュウジが殴った為「仕返しをしなければならない」という使命感からの行動であったのである。アケミの想いを知らないシュウジは、アツシを励まし応援するのであった。この後、シュウジと別れたアツシはアケミに告白する。結果は「シュウジの事が好きである」という理由で断られてしまった。
アツシと結ばれる
巨大地震があった日から数日が経過する。シュウジとちせは巨大地震の日に、別れていた。彼は暴走するちせの事を恐れ無意識に距離を取るようになる。更に以前からふゆみに誘惑されており、情欲に流された彼は彼女との不倫関係に溺れている。その現場を、暴走したちせに人工衛星から見られてしまった。彼女は深く傷つき、彼に別れを告げるのであった。アケミはその事を知らず、アツシから告白されて断った事をシュウジに打ち明けようか悩み、想い人であるシュウジの事を意識している。その後彼女はアツシの元へ行き、彼の告白を受け入れ交際する事を承諾した。尚、この事をシュウジは、後でアツシから報告を受けて知る。
放課後、アケミの街の上空で戦闘機とちせの戦闘が起こる。彼女は戦闘機を撃墜し、近くの山に墜落した。アツシはアケミの事が心配になり、彼女の家に駆け付ける。必死に自分の事を心配するアツシの姿に、アケミの心は揺れ動いた。そして彼女は以前のアツシの告白を受け入れ、そのまま彼と肉体関係を持つ。その際、アツシはアケミのシュウジへの想いを知った上で、彼女を愛した。彼女は、心はシュウジを想い身体だけアツシに抱かれた事を、アツシに申し訳なく思っている。その後、アツシは高校を中退し自衛隊へ入隊し、彼女と離別した。彼は以前からアケミの住む街を守る為、自衛隊に入る事を考えていたのである。アケミに告白したのも「大切な人が居れば戦場で戦う勇気が出る」と思っていた為であった。
シュウジにアドバイスをする
アケミはちせから恋愛相談を受け、シュウジと別れた事を聞かされる。アケミはちせの話を聞いていく内に、彼女が未だ彼の事が好きである事を知った。
別の日、アケミはシュウジからも、ちせとの恋愛相談を受ける。そして彼女は、シュウジも未だちせの事が好きである事を知る。同じ事に悩む2人に呆れつつ、彼女は彼の話を聞いていった。シュウジはちせとの関係の問題は「彼女が兵器である」事にあると思っていた。彼女が兵器であるが故に、自分は情欲を持て余し、彼女に恐怖心を抱いているのだと考えていたのである。だが、彼はアケミに自分の話をする事で「ちせとの関係の問題は自分にある」事に気付くのであった。
シュウジに励まされる
アケミはアツシが自分の為に自衛隊に志願し、戦場に赴いた事に悩んでいた。彼女は、彼が「アケミの為に戦場で人を殺し、殺されているかもしれない」と考え、心配する一方で自分の為に命を懸ける彼に恐怖を感じ、その事に罪悪感を抱いていた。彼女はシュウジにその胸の内を明かし、彼に喝を入れてもらっている。そして「大切なのはアツシの行為への善悪を判断する事ではなく、アケミがアツシの事を想い、その苦しさや辛さから逃げるのではなく抱えていく事である」とアドバイスを受けるのであった。アケミはシュウジに感謝し、彼の胸を借りて涙を流す。
シュウジに看取られる
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目次 - Contents
- アケミ(最終兵器彼女)の概要
- アケミ(最終兵器彼女)のプロフィール・人物像
- アケミ(最終兵器彼女)の装備・能力
- 冬用の制服
- サバサバした言動
- 夏用の制服
- 陸上競技
- 私服
- 赤ワイン
- アケミ(最終兵器彼女)の来歴・活躍
- 北海道で生まれ育つ
- シュウジとちせを付き合わせる
- シュウジへの想いと板挟みになる
- シュウジとちせを心配する
- アツシと結ばれる
- シュウジにアドバイスをする
- シュウジに励まされる
- シュウジに看取られる
- シュウジを一喝する
- アケミ(最終兵器彼女)の関連人物・キャラクター
- シュウジ
- ちせ
- サトミ
- アツシ
- ふゆみ
- 友人
- 父親
- 母親
- アケミ(最終兵器彼女)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「ちせともーしたの?」
- シュウジに張り手を喰らわせるシーン
- 「好きです。好きだ。」
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