違国日記(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『違国日記』とは2017年よりヤマシタトモコが『FEEL YOUNG』にて連載している、女性小説家である高代槇生が、疎遠である姉とその夫が急遽したことをきっかけに、姪である田汲朝を引き取り共に生活を送る様子を描いたハートフル漫画である。人見知りである槇生と社交的な朝の突如始まった同居生活を中心に描いており、親子とはまた少し違う奇妙な距離感である二人が時には衝突しながらも、お互いの家族の形を見つけていく。各登場人物の繊細な人物描写が見所の作品である。
高代実里と田汲はじめの娘で年齢は15歳。身長は平均的で、黒髪のショートヘアが特徴である。中学3年生の時に両親を交通事故で亡くし、叔母である高代槇生に引き取られる。
性格は社交的で明るく、新しい生活環境でも特に苦も無く交友関係を築くことができる。ただ孤独を嫌う一面もあり、両親を亡くしてからは時々襲ってくる砂漠にいるかのような孤独に不安になっていたこともあった。
また歌が好きで、高校に入学してからは軽音部に入る。歌が上手いため組んだバンドではボーカルを担当していた。
同居生活がスタートした中学生の時は槇生の言っていることが難解で本質を捉え切れていないこともあった。そんな中でも、朝は槇生と正面からコミュニケーションをすることで槇生の考え方や人柄を知ってくのであった。さらに高校生活を送る上で多くの人間と交流を重ね、亡くなった両親と向き合うなど様々な経験を積むことで、最終的には槇生のよき理解者になるまで成長する。
朝の家族
高代実里(こうだい みのり)
朝の母で、槇生の姉。42歳で夫である田汲はじめと共に交通事故により亡くなった。
性格は少し高慢。よく世間体を気にしており、それ故に周りの目を気にしない槇生とは高校生の時から険悪な仲になった。生まれつき体が弱く、学年を少し遅れて進級するなど、周りと違う自分自身にコンプレックスを抱えている描写があった。さらに槇生が小説家として成功したことをきっかけにそのコンプレックスが大きなものになり、朝の母親になった時でさえ、人知れず悩んでいた。
20歳の朝に見せるために朝に向けての日記を書いていたほど、朝に愛情を注いでいた。夫に対して明確に愛情を持っていた描写は朝の目線からはわからなかったが、世間から見たらいたって円満な夫婦関係を築いていた。
田汲はじめ(たくみ はじめ)
朝の父で、実里の夫。41歳で妻である高代実里と共に交通事故により亡くなった。内縁の夫であったため、実里と苗字が違うままである。
性格は無口でおとなしい。実里の意見に特に反論することがなかったため、朝の中では空虚な人だったのではないかという印象を持っていた。
おばあちゃん
朝の祖母で槇生の母。槇生曰く、昔は実里と同じく物事に対して鋭敏な人であったが、年をとって鈍くずるい人になったと評されている。
孫である朝にはとても甘い。
槇生の周囲の人物
笠町信吾(かさまち しんご)
槇生のかつての彼氏で現在は友人。年齢は35歳で、企業の服飾部の宣伝室に勤務している。
髪は短髪で少し明るく、比較的に体格が良い。
性格はまじめでおおらかである。槇生が朝を引き取ってからよく相談相手になるほど頼りにされており、朝からも後ほど進路相談をうけるほどしっかりとした大人であることが描かれている。
槇生と恋人関係になった仲であるが、槇生の性格を理解しきれずに別れてしまう。しかしその後も友人として交友関係が続いているなどお互いに好感度は高い。
厳格な父を持ち、未だに理解しあえずにいる。ただ大人になってからその点については自分なりに結論が出ており、気に病んでいる様子はあまりない。
醍醐奈々(だいご なな)
槇生の高校時代からの友人。年齢は35歳で会社に勤めている。スタイルがよくポニーテールの髪型をよくしている。
性格は豪快で表情豊か。槇生との付き合いが長いため、よき理解者である。
料理や菓子を作るのが得意。
コトコ
槇生の高校時代からの友人。年齢は35歳で、ボブヘアにそばかすが特徴。
もつ
槇生の高校時代からの友人。年齢は35歳で、夫の浮気が原因で離婚している。
塔野和成(とうの かずなり)
弁護士を務める男性で、槇生が朝を引き取ってから関わりを持ち始める。
性格はまじめで融通が利かない。口下手であるため仕事で苦労している一面もある。
最初はなかなか連絡がつかない槇生に対し、不審人物であるという印象を抱いていた。しかし関わりを深めていくことで槇生の人柄を理解し、朝のことを任せるようになる。
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目次 - Contents
- 『違国日記』の概要
- 『違国日記』のあらすじ・ストーリー
- 槇生と朝の同居生活開始
- 中学卒業式と高校入学
- 新生活と衝突
- 母の日記
- 軽音部での活動
- 父と向き合う
- 将来の進路と二人
- 『違国日記』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 高代槇生(こうだい まきお)
- 田汲朝(たくみ あさ)
- 朝の家族
- 高代実里(こうだい みのり)
- 田汲はじめ(たくみ はじめ)
- おばあちゃん
- 槇生の周囲の人物
- 笠町信吾(かさまち しんご)
- 醍醐奈々(だいご なな)
- コトコ
- もつ
- 塔野和成(とうの かずなり)
- 朝の学友とその家族
- 楢えみり(なら えみり)
- えみりの母
- 森本千代(もりもと ちよ)
- 『違国日記』の用語
- こうだい槇生
- 『竜のつがい』
- 『違国日記』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 槇生「あなたは15歳の子供はこんな醜態な場にふさわしくない、少なくともわたしはそれを知っている、もっと美しいものを受けるに値する」
- 槇生「あなたとわたしが別の人間だから」
- えみり「…あたしはただ、あたしでいたい。なりたいあたしになりたいだけ…」
- 大学の進路を悩んでいる朝を槇生が励ますシーン
- 『違国日記』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 高代槇生のモデルはない
- 笠町のモデル