ときめきトゥナイト(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ときめきトゥナイト』とは、池野恋によって1982年から1994年まで『りぼん』で連載された漫画、及びそれを原作とするアニメ作品である。人間界と魔界を主な舞台とし、江藤蘭世、市橋なるみ、真壁愛良の3人の少女が主人公を務める3部作となっている。初期はギャグ要素が強かったが、第1部のヒーロー真壁俊が魔界の王子であったことが発覚する辺りからシリアスな要素が増えた。連載終了後も根強い人気を誇り、スピンオフ作品や前日譚、リメイク版などが発表されている。

愛良の試練

中学生になった愛良は、ある日卓の所属するサッカー部のコーチである新庄彬水(しんじょう あきみ)と出会う。当初はいがみ合っていた2人だが、愛良は次第に彬水に惹かれていく。ところが、魔女には恋愛禁止の掟があった。感情で魔力をコントロールできなくなるためで、愛良はメヴィウスに諭されるも、納得できなかった。
そんな折、アロンの娘ココが真壁家にやってくる。ココは、愛良が幼稚園の頃自分よりも幼い卓が凛々しい美男子に成長することを知り、彼を自身の恋人にしようとしたことがある。とはいえ、年齢差もあって卓との関係に悩んでいたのだ。互いに素直になれず、ココは真壁家を出てしまう。この時、卓はようやく素直になるが、ココは倒れてしまった。
愛良と拓がココの夢の中に入り込むと、彼女は氷漬けになっていた。何とか氷を溶かそうとするが、うまくいかない。「自分が素直になっていれば」と涙を流す卓。その涙で氷が溶け、ココは目を覚ました。卓はココに自分の気持ちを打ち明けた。
愛良は、彬水に自分が魔界人であることを告げる。彬水は愛良を受け入れて、彼女にキスをした。愛良とメヴィウスは、掟を巡り対決する。恋により新たな力を得、覚醒した愛良がメヴィウスに勝利。駆け付けたアロンによる当面の魔界への出入りと魔女修行の禁止と引き換えに、愛良は恋愛を許された。

番外編「星のゆくえ」

彬水との順調な交際を続け、愛良は高校生になった。ある時、彬水の過去が気になり過去の扉を使った愛良は、彼が開陸だったことを知る。水上親子が乗った船が転覆し、開陸は記憶を失いタイムスリップをした。孤児院で彬水との名を与えられ、新庄家の養子となったのだ。記憶が戻った開陸は、高校生の姿になっていた。
同時頃、人間界で異変が起き始める。メヴィウスが予言花の内容を告げるべく真壁家を訪れた。地球を救うには、7色に光る石を持って生まれた愛良、スタリオン星人という異星人だった開陸の協力が必要だという。
彬水が開陸だったことに動揺し、愛良は家を飛び出してしまう。しかし、追ってきた開陸を見て、「初恋の開陸だから、彬水に惹かれた」と気づいた。愛良は開陸と協力し、地球を救う。

番外編「江藤望里の駆け落ち」

蘭世の両親である望里と椎羅の出会いから結婚、蘭世の誕生までを描く番外編。
若き日の望里ことモーリ=エトゥールは、仲間に絡まれていた狼族の少女シーラ=クレリーを助け出し、彼女と意気投合する。とはいえ、狼族と吸血鬼族は昔から仲が悪いため、村の外れの隠れ家でこっそり会うことになった。
狼族は月に1度、自分をコントロールできない日がある。通常はいくらか理性を保っているが、シーラは完全に自我を失ってしまうという。同族とは違い、完全な人の姿になれないこともあってシーラは自らの人生を悲観して泣く。モーリはシーラを抱きしめて慰める。そこに、シーラの兄たちが現れて彼女を連れ去って行った。ちょうどシーラが自分を抑えられなくなる日だったのだ。
シーラは狂暴化し、狼族の村に閉じ込められる。仲間のみならず、助けに来たモーリにもシーラは襲い掛かった。そんなシーラの血をモーリが吸うと、毛むくじゃらの半ろう状態が解け、美しい女性の姿となった。
いつしか惹かれ合うモーリとシーラだったが、吸血鬼と狼族は結ばれてはならないという掟があり、彼女にはシーラの婚約者もいた。かつて周囲の結婚を押し切って結婚した吸血鬼と狼族がいたが、2人は生まれた子によって食べられてしまったという。
モーリとシーラは、魔界や家族を捨てる覚悟を決め、駆け落ちを決行。人間界の日本へと行きついた2人は結婚式を挙げた。そこに、大王に仕えるサンドが現れる。婚約者以外と結婚し、無許可で人間界に住み着いた2人は重罪に値するが、大王の結婚による恩赦が与えられると言う。
とはいえ、まったく無罪放免というわけにもいかなかった。モーリ、シーラ両名の先祖や親族数名が2人を許す代わりに自分たちを封印してほしいと申し出た。また、モーリたちには魔界と人間界を繋ぐ「扉の番人」の役目を仰せつかる。
モーリ、シーラはそれぞれ「江藤望里」、「江藤椎羅」と名乗り、魔界の扉がある屋敷で生活を始める。やがて、椎羅は普通の女の子を産んだ。

江藤蘭世の悶々

俊からのプロポーズを受け、蘭世は幸せに浸る。一方、自分よりも長く俊を想い続けてきた曜子にどう打ち明けようかと悩んでもいた。いざ曜子の顔を見るとやはり言えないとの気持ちが出てしまう。蘭世は俊に事情を打ち明けるも、喧嘩になる。
後日、俊は蘭世に電話で謝り、「付き合ってほしい場所がある」と言った。蘭世は、俊に頼まれた通り婚約指輪をはめて彼と共に老人ホームに向かう。そこには、ターナと赤ん坊だった俊を保護したシスター真壁(シスターまかべ)がいた。
俊は、命の恩人であるシスターに蘭世を紹介する。シスターは俊と蘭世の手を握り、彼らが前世でも夫婦であったと眩しそうに言った。蘭世は、シスターの祝福の言葉に感涙の涙を流す。
老人ホームを出ると、曜子と出くわした。蘭世の左手薬指の婚約指輪、俊と一緒にいるところを見た曜子はショックで逃げだす。俊と蘭世は曜子を追い、公園で追いつくと周囲に誰もいないのを確認して彼女を犬の姿に変えた。
犬になった曜子に噛みつかれながらも、蘭世は俊にプロポーズされたと打ち明ける。蘭世、曜子は同時に泣き出した。
気が付くと、曜子は元の姿となり、いつの間にか帰宅していた。泣いている蘭世の姿が浮かび、自分もまた涙が止まらなくなる曜子。
泣き過ぎて目が腫れている蘭世に対し、俊は「あいつにも本当の相手が現れるさ」と告げた。曜子は1度、風間組の組長の息子である風間力(かざま りき)と結婚したがすぐに離婚していた。しかし、力と曜子はよりを戻すかもしれないと俊は言う。振り向きざま、俊は蘭世にキスをし、「気が済んだか?」と言って共に夜の道を歩き出す。

『ときめきトゥナイト』の登場人物・キャラクター

ヒロイン

江藤蘭世(えとう らんぜ)

CV:原えりこ

生年月日:1968年7月27日
血液型:O型

第1部のヒロイン。吸血鬼と狼女の間に生まれた魔界人だが、人間界で生まれ育った。あけぼの中学校に転入した際、クラスメイトの真壁俊(まかべ しゅん)に一目惚れをする。人間と魔界人との恋がうまくいくわけはないと見た母椎羅から俊を庇い、負傷。一時昏睡状態に陥るが、目覚めてからは牙を立てて噛み付いた対象に変身し、くしゃみをすると元に戻る体質となった。生物に噛みついた場合、噛まれた方はその場で眠ってしまう。
明るく前向きで一途な性格。「王子転生編」では、人間として1度死亡し、赤ん坊として転生した俊を守り抜いた。
実は2000年前の魔界人ランジェ=エトルリアンの生まれ変わり。俊とは前世から関りがあった。現世においては大王との和解後から相思相愛ではあったが、多くの試練により彼の本心を聞き出せなかった。冥王討伐後ようやく旬のピロポーズを受け、結婚。一男一女を出産した。

市橋なるみ(いちはし なるみ)

生年月日:1968年7月27日
血液型:O型

第2部の主人公。登場時は重い心臓病で入院しており、余命いくばくもない状態であった。病院の庭で出会った鈴世と仲良くなる。死神ジョルジュに命を狙われるも、江藤姉弟の頼みで曜子の魂を少し移植された。これにより寿命が延び、生命力も格段に上がった。
蘭世の結婚式に出席した際、想いヶ池のほとりに咲いていた花のブーケを受け取る。花びらを1枚浮かべた紅茶を飲み、動物や無機物と心を通わせ、キスをしたものを操り、人の思考を聞き取る能力を得た。演劇部に所属しており、2年次に表舞台に立ち、文化祭においては『ロミオとジュリエット』で主演を務めた。
成人後は幼稚園の教諭となる。心臓病が再発し、生命の危機に陥るが、鈴世と愛良の力で一命をとりとめた。鈴世と結婚後、2人の息子を儲ける。

真壁愛良(まかべ あいら)

生年月日:1994年9月9日
血液型:B型

第3部の主人公で、俊と蘭世の娘。登場時は幼稚園児だった。魔界の大魔女になるとの予言が出ていた。感情で天候を局地的に変える、時間を戻す能力を持つ。
母親譲りの向こう見ずでお節介な性格をしている。芯の強い少女だが、それ故に自分の運命を受け入れられない時期があった他、魔女メヴィウスと魔女の掟に関して意見が対立。最終話では対決になるが、掟という枠にはまらない魔女である愛良はメヴィウスに勝利する。
大王にして叔父でもあるアロンの采配で、魔界への当面の出入りの禁止、修行の禁止という形で許された。大魔女の役目は、愛良と和解したメヴィウスが続投している。

ヒーロー

真壁俊(まかべ しゅん)

CV:水島裕

生年月日:1968年7月27日
血液型:O型

第1部のヒーロー。あけぼの中学に転校してきた蘭世に一目惚れされる。ぶっきらぼうだが優しい少年で、通りすがりの老婆を蘭世の曾祖母と知らずに介抱したり、野良猫を洗ってやったりする。母の華枝と2人きりの母子家庭で育ち、自身の夢と母に楽をさせるためにボクサーを夢見る。蘭世の曾祖母のララ、夢魔のサリから「好みのタイプ」、「中々素敵」と評されており、ルックスはいい方らしい。
「王子転生編」で、江藤夫妻が探していた王子であることが発覚。一時赤ん坊にまで若返り、記憶もリセットされた。少しずつ体が成長し、自分を守ってくれる蘭世を「お姉ちゃん」と呼ぶようになる。転生と同時に魔界人としての能力に目覚め、自らの能力を駆使して蘭世らを守り、かつ自分を狙う弟や父と戦う。
予言の真相を知った大王と和解。母は王妃の責務の為魔界に残ったが、俊自身は王子になることは望まず人間界での生活を続行する。様々な局面を蘭世らとともに乗り越え、蘭世と結婚に至った。

江藤鈴世(えとう りんぜ)

えどまち
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@edono78

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