ときめきトゥナイト(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ときめきトゥナイト』とは、池野恋によって1982年から1994年まで『りぼん』で連載された漫画、及びそれを原作とするアニメ作品である。人間界と魔界を主な舞台とし、江藤蘭世、市橋なるみ、真壁愛良の3人の少女が主人公を務める3部作となっている。初期はギャグ要素が強かったが、第1部のヒーロー真壁俊が魔界の王子であったことが発覚する辺りからシリアスな要素が増えた。連載終了後も根強い人気を誇り、スピンオフ作品や前日譚、リメイク版などが発表されている。

全ての戦いが終わった時、俊と蘭世は雪の降る屋外で話をする。俊は蘭世を抱きしめ、「蘭世…いつか、おまえをもらいにいく」と告げた。
相思相愛でありながら、多くの試練により蘭世と俊の仲は縮まりそうで縮まらなかった。蘭世に危険が及ばぬようにと、俊は彼女を突き放したこともある。度々蘭世は俊に思いのたけを打ち明けてきた。その想いの強さは俊にも分かっており、それでも彼女を守るには距離を置くしかない事態が多かったのだ。あらゆる障壁を退けたことで、俊はやっと蘭世に想いを告げることができた。短い言葉ながら、このプロポーズに歓喜したファンは多い。

神谷曜子「あんたたち、絶対ゆるさない!不幸になんか…なったら!わかった!?」

曜子は俊と蘭世を祝福し、自身の気持ちに区切りをつけた。

俊と蘭世の結婚式当日、曜子はブーケトスの際に現れた。花嫁のブーケを受け取ることで結婚への足掛かりにしようとしたのもあるが、蘭世に面と向かって祝いの言葉を述べる気にもなれなかったのも一因だった。「来てくれたの」と声を掛けてきた蘭世に、曜子は「あんたたち、絶対ゆるさない!不幸になんか…なったら!わかった!?」と叫んだ。去り際、曜子は軽く微笑み、「新婚旅行のおみやげ、期待してるわよ!」と言って踵を返す。
俊の気持ちが蘭世にあることは、とっくに曜子も知っていた。それでも、幼い頃から思い続けてきた俊を諦めきれずにいたのだ。犬の姿に変えられる、巻き添えで留年するなどライバルながらコメディリリーフな立ち位置の曜子だったが、強い情愛と心根を持った1人の女性でもある。
憎まれ口のように聞こえるが、ライバルだった蘭世と初恋の俊に掛けた祝福の言葉で、勝ち気な曜子らしいセリフである。

真壁愛良「おねえちゃんを助けてあげたいの!」

心臓病の再発により、倒れたなるみ。自分にはなるみを救う力があると知った愛良は、両親に魔界へ行く方法を聞く。ためらう母蘭世に、愛良は「おねえちゃんを助けてあげたいの!」と言った。
大好きななるみを救いたい、そのための力があるなら魔界へ行くことも厭わない。幼いながら、愛良の芯の強さが分かるセリフである。

『ときめきトゥナイト』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作中で使用される呪文は逆さ言葉

作中で使用される呪文の多くは、逆さ言葉となっている。曜子を犬に変える「レナニヌイ(犬になれ)」の他、昏睡状態になった蘭世を目覚めさせた呪文は「コッココケコヨタケアガヨ(夜が明けたよコケコッコ)」で、椎羅や蘭世が他者の夢に入る時に使う呪文は「スマシマジャオトイヨチ(ちょいとお邪魔します)」、蘭世の偽物を消し去る呪文は「ラナイサナホ(ほな、さいなら)」と状況に合った言葉が使われている。中には望里がコウモリや傘に変身する時の「ナイタベタスップチトテポ(ポテトチップス食べたいな)」など、状況に関係ない呪文もある。

大王のギャグパロディ

『お父さんは心配症』(右)のパロディギャグ。

魔界の大王レドルフ=エンバレン=ウォーレンサーは、偽物の魂を食べさせられた際、想いヶ池の花畑に連れていかれた。中々元に戻らない中、ターナが「そういえば、この人(大王)鼻が悪かったかしら」と口にし、大王は「お父さんは蓄膿症」との文字と共に珍妙なギャグ顔になっている。
「お父さんは蓄膿症」との言葉、この時の大王の顔のモデルは、当時『りぼん』に連載されていたギャグ漫画『お父さんは心配症』の主人公の佐々木光太郎である。

アロンは逆輸入キャラ

原作のアロン(右)とアニメのアロン(左)。

魔界の王子アロンは、アニメ版からの逆輸入のキャラクターである。アロンの初登場は単行本の2巻と早い方ではあるが、当初池野のアイディアに魔界の王子というものはなかった。そんな折、「アニメ版で魔界の王子が登場する」との話を聞き、急遽担当編集の打ち合わせの末、アニメ版とは容姿、性格が少し異なるアロンが誕生した。

『ときめきトゥナイト』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):加茂晴美「ときめきトゥナイト」

ED(エンディング):加茂晴美「Super Love Lotion(スーパー・ラブ・ローション)」

えどまち
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@edono78

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