アラガネの子(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『アラガネの子』(アラガネのこ)とは、漫画家・佐々木尚が描くファンタジー少年漫画。宝石や鉱石などの”石”が題材となっている。2020年11月から2023年12月まで集英社のWeb漫画アプリ『少年ジャンプ+』にて連載していた。世界観やキャラクターはオリエント風。主人公の少年・灰(かい)は、鉱石職人である朱星(あけぼし)の弟子となって、冒険の旅に出る。師弟の強い絆や旅の仲間との熱い友情、王道と言える白熱したバトルも必見。作中を彩る美しい宝石や鉱石達もまた魅力である。

宝葉樹(ほうようじゅ)

人工的に鉱石職人を作り出す実験を行っていた場所。朱星や紅斗、黒鳶はこの「宝葉樹」出身。肉体に石を植え付け、適合者を無理やり作り出す非人道的な場所だったが、虹によって非人道的な実験はされなくなった。

石食族(せきしょくぞく)

名前の通り石を食べる民族。容姿は普通の人間と変わらず、頭にツノが生えているのが特徴。ツノの大きさは部族などによってバラバラ。普通の人間よりも数は少なく、差別の対象となっており、集落によっては奴隷のような扱いを受けている石食族もいる。人間よりも”石”と対話、同調する力に優れていることも差別に拍車をかけている。

大陸民(たいりくみん)

石食族ではない普通の人間を指す。石食族よりも石と同調する力は弱いが、数が遥かに多く、昔から石食族を差別してきた。また、石食族のツノ欲しさに石食族狩りをする者もおり、石食族の中には大陸民に恨みを持つものも多い。

アラガネの子

あらゆる石を操ることができる者。300年に1度、星巡りの年に1人だけが選ばれるという。「アラガネの子」に選ばれるためには、各地の遺跡で試練を受けて、その試練に合格する必要があるが、試練によっては周囲に多大な被害を及ぼすことがある。

そもそも「アラガネの子」の候補になって試練に挑戦できるのは、”石と人との狭間”にてドラゴンの試練をクリアしたものだけ。”石と人との狭間”で試練に合格できないものは、二度と人間として戻ってこれない。

『アラガネの子』の世界は、深刻な資源不足に直面しており、そのため「アラガネの子」を生み出して世界の資源不足問題を解消しようとしている。

石化獣(せきかじゅう)

かつて世界には限られた土地しかなく、人々は数少ない土地を巡って争いをしていた。その時代の「アラガネの子」は、4種類の巨大な獣を石に変えて大陸を作り出したという。石にされた呪いから生まれた石の獣が石化獣であり、鉱石職人がまだいなかった時代は、退治する術がなく、人々は地下で暮らすしかなかったという。

石化獣を倒すと宝石を落とす。その宝石を集めるのもまた鉱石職人の醍醐味だと朱星は語っていた。

『アラガネの子』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

迫力のバトルシーン

灰のことを貶めた宝石商・錆也に怒る朱星。

『アラガネの子』には、少年漫画らしい迫力のバトルシーンが満載。炎の燃えがる様などは、細部まで描き込みがされており、まるで本当に燃えているようである。キャラクターの喜怒哀楽もハッキリしており、何何を思い、何と、何のために戦うかなど、キャラクターにも思わず熱く感情移入してしまう。

要所に差し込まれる美麗カラーイラスト

『アラガネの子』はWeb漫画アプリで掲載されている。そのため、話の要所要所で、イラストの一部がカラーで掲載されることが多々ある。ここぞという時に使われる力強くも美しく繊細なカラーの使い方は、『アラガネの子』の魅力の1つ。紙版の単行本だと掲載時にカラーだった箇所は白黒になってしまうが電子版では掲載時にカラーだった箇所が完全再現されることから、紙版と電子版、両方の単行本を購入するファンもいるほどだ。

それぞれの弟子と師匠の絆

弟子の成長を喜んで、ほっこりした表情を浮かべる師匠達(右から左紺、朱星、紅斗)。

『アラガネの子』には、師匠と弟子という関係性のコンビが多く登場する。それぞれの師匠と弟子には出会いがあり、共に過ごしてきた時間があり、深い絆がある。特に灰と朱星、黄と左紺、鉄と紅斗という3組の師弟コンビは、主要人物ということもあって出会いなどの背景が深掘りされており、弟子トリオを暖かく見守る師匠トリオの姿は、見ている読者をほっこりさせる微笑ましさがある。

『アラガネの子』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作者・佐々木尚はデジタル作業が苦手

『アラガネの子』の作者・佐々木尚は、デジタルでの作業が苦手のようで、原稿のほとんどがアナログ作業とのこと。Gペンやコピックを匠に使い、微細で美しく、迫力もある絵を描きあげる。SNSのX(旧Twitter)では、作業工程や原画の公開もされており、その細やかな作業にフォロワーは驚きの声を挙げている。

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