orangeの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『orange』とは、高校2年生の高宮菜穂(たかみや なほ)とその友人が10年後の自分から今後、後悔することを手紙で伝えられ、予期されることを変えていこうとするSFストーリーである。予期されることの中には、菜穂が恋をした成瀬翔(なるせ かける)が交通事故に遭うことが書かれており、菜穂はそれを防ぐために手紙の指示に従う。友情と死、恋愛から喜怒哀楽が感じられる青春ラブストーリーの『orange』は累計600万部を突破し、映画化されている。

『orange』の概要

『orange』とは、高野苺による日本の漫画である。『別冊マーガレット』(集英社)で、2012年4月号から12月号まで連載された後に休載し、その後『月刊アクション』(双葉社)に移籍して2014年2月号から2015年10月号まで本編が不定期連載され、番外編が2016年4月号から不定期掲載が開始された。全6巻を販売し、累計600万部を突破した。また、書店員がおすすめコミックに選ぶ作品をランキングしたものではそれぞれ、高順位を獲得している。「全国書店員が選んだおすすめコミック2015」にて第5位に、「次にくるマンガ大賞 2015年『これから売れて欲しいマンガ部門』」では第12位に、「全国書店員が選んだおすすめコミック2016」では第6位にそれぞれ入った。

2015年に小中学生と中学生を対象にした新ノベライズ本を発行する『双葉社ジュニア文庫』ではノベライズ化され、3巻を販売している。翌年、2016年にはアニメ化され、全13話を放送している。最終回のみ、「TVアニメ『orange』最終回 〜未来へ繋ぐ〜 1時間スペシャル」として放送を拡大し、メインキャストによって『orange』を振り返るトーク場面が放送された。2016年には東宝系にて映画化され、興行収入は32.5億円を突破した。また、実写映画公開後、アニメ版『orange -未来-』が2週間限定で劇場公開された。これは『orange』を主人公の高宮菜穂(たかみや なほ)に恋をしていた須和弘人(すわ ひろと)の視点から物語を書き下ろし作品である。

長野県松本市に住む高校2年生の菜穂、その友人の須和弘人(すわ ひろと)、萩田朔(はぎた さく)、村坂(むらさか)あずさ、茅野貴子(ちの たかこ)が10年後の自分から今後、後悔することを手紙で伝えられ、後悔すると予期されることを変えていこうとするSFストーリーである。予期されることの中には、菜穂が恋をした成瀬翔(なるせ かける)が交通事故に遭うことが書かれており、菜穂はそれを防ぐために手紙の指示に従って行動をする。翔は東京からきた転校生で、表には出さないが陰で周りの人を支える努力をする菜穂に恋をしていた。引っ込み思案で、自発的に行動することが苦手な菜穂が自ら行動し、人間性を成長させていくところに勇気をもらえる。物語全体では、友情、翔の死、恋愛などから喜怒哀楽が感じられ、切なくも、時に恋する甘酸っぱい気持ちを感じられる青春SFラブストーリーである。

漫画の連載から始まり、実写映画化、アニメ化、ノベライズ化、さらに劇場版アニメ化など、媒体を変えて幅広い年齢層に楽しめるような作品になった。『orange』の魅力は、引っ込み思案の菜穂の親友は個性を持った友人ばかりで、個性がぶつかり合うことで生まれるトークにユーモアがあり、笑いを生む。また、菜穂が未来を変えるために勇気を出して翔の行動を止めるように促すなど、その行動から出てくるセリフに菜穂の勇気、人間性が成長していることを感じる。その菜穂のセリフ、行動は読者に自発的に行動する勇気を与える。また、その行動で後悔する菜穂の涙にも、読者は涙を流さずにはいられない。

高宮菜穂の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「足の痛みは消える。でも後悔は消えない。10年後も」

球技大会でソフトボールを選んだ菜穂は、ピッチャーとして空振り3振を奪い、元ソフトボール部員としてクラスに貢献できた。自分の番が終わり菜穂が休憩でベンチに座った時に、相手チームと攻めと守りを交代し、ピッチャーに現役ソフトボール部員が立つ。速い球を投げるその部員により、2アウト満塁、菜穂のチームが打てば相手に勝てるところまで攻められていた。菜穂は親友の村坂あずさ(むらさか あずさ)から代打を頼まれる。代打を頼まれることは10年後の自分からもらった手紙に書いてあった。未来の自分からは「代打を断らず、引き受けてほしい」と書いてあった。菜穂は元ソフトボール部員で、靴ずれによる足の痛みもあったために代打を断ろうと思った。しかし、「足の痛みは消える。でも後悔は消えない。10年後も」と、一生後悔することは避けたかった。結果、菜穂は代打を引き受けて菜穂のチームは優勝する。

緊張していた菜穂は教科書を逆さに読む

須和、萩田、菜穂、あずさ、貴子は翔が入学してすぐに話しかけ、積極的に距離を縮めようとする。お昼ご飯を一緒に食べよう、と誘い、みんなが毎日どんなお昼ご飯を持ってくるのか話題になった。あずさが「菜穂は毎朝自分で作ってるんだよね」と話を出すと、翔は「俺にも作って...冗談!」と、菜穂のお弁当に興味があるそぶりを見せた。菜穂は10年後の未来の自分からの手紙を見てから作るか決めようと思い、手紙にも「作ってあげてほしい」と、書いてあった。

作ったお弁当をどうやって翔に渡すか考えていた菜穂は、授業中は心ここにあらずという状態だった。教科書を逆さにして読んでいる菜穂を見た翔は、菜穂の様子がおかしいことに気づいていた。

翔の「付き合っていいと思う?」の問いに「ノー」サイン

上田先輩に告白された翔は先輩と付き合う、と10年後の菜穂からの手紙に書いてあった。上田先輩は翔のことが好きで、翔がサッカー部に入ってから練習の様子を見に来ていた。上田先輩が翔にいつ告白するのか菜穂は不安で、翔と上田先輩の様子を気にしていた。ある日、翔が筆記用具を忘れた時に菜穂は消しゴムを貸す。手紙によると、消しゴムに隠された翔からのメッセージを必ず見るように、と書かれていた。消しゴムを返されてからすぐ見る時間が取れず、だいぶ時間がたってから見ることになったが、そこには「上田先輩と付き合っていいと思う?」という問いが書かれていた。菜穂は迷わず、「だめ」というメモを書いて翔の下駄箱に入れた。しかし、時すでに遅しで、翔は上田先輩の告白を受けてしまう。急いで下駄箱まで走ってメッセージを残したが、その思いは届かず、菜穂にはショックが大きかった。

「『あの時ああしていれば』そんなのはきっと、未来にいるから言える事だ。後から思えば簡単な事。でも、その時の自分は精一杯で。」

翔が上田先輩と付き合い始めてから菜穂は彼女でない自分が翔と話すことは、上田先輩から恨みを買うと思っていた。他の女の子と仲良くされたら良い気分ではないと思っていた。上田先輩も翔と菜穂が仲が良いことは付き合う前からよく知っていたため、翔が菜穂と仲良くしていないか確認するために放課後はよく翔の教室まで来ていた。2人が付き合い始めてから翔は上田先輩と話すことが多くなり、菜穂は2人の中を邪魔しないように翔に話しかけられても無視することが増えた。未来からの手紙によると「翔ると積極的に話してあげて」と書かれていたが、上田先輩を見ると菜穂は体が動かなかった。「『あの時ああしていれば』そんなのはきっと、未来にいるから言える事だ。後から思えば簡単な事。でも、その時の自分は精一杯で」と、不安な気持ちが菜穂の体も支配していた。

「私はすごく楽しくて幸せだったよ!」

上田先輩と翔が付き合い始めてからは、それまでやっていた翔へのモーニングコール、翔のためのお弁当作りは続けられないと思っていた。翔には彼女ができ、上田先輩に悪いと思っていたからだ。しかし、何も声をかけず突然モーニングコール、お弁当作りをやめてしまったため、翔から「モーニングコール忘れてた?ちょっと寝坊した」と言われる。菜穂は「彼女ができたから、もうモーニングコールも、お弁当作りもできない。ごめん」と言う。翔は「そっか。無理言ってごめん」と謝る。しかし、菜穂にとって翔と関われる唯一の習慣であり、お弁当を作ることが楽しかった。上田先輩と付き合い始めてからは、今までのように話しかけられても上田先輩が翔のそばにいるときは話すことを避けた。そのことも謝り、「お弁当作ること、大変じゃないよ!」「私はすごく楽しくて幸せだったよ!」と、本心を翔にぶつけた。普段は大声を出さない菜穂が離れたところから思っていたことを正直に伝える姿に、翔は照れた様子を見せる。

「ただ伝えたい。気持ちを知ってほしい。あなたが必要とされていることを。」

10年後の未来から手紙をもらっているのは菜穂は自分だけだと思っていた。

夏休み中に開催する毎年恒例の近所の夏祭りに菜穂は翔と2人で行く。帰り道、菜穂は神社で何をお願いしたのか翔に聞いた。翔が始業式の日に母親の病院へ付き添う約束を破ったことを後悔している、と菜穂は伝えられた。その日から気持ちが沈んでしまった翔は部活にも出ない日が続き、須和が心配していた。菜穂なら何か知っているかもしれないと思い、菜穂の家へ行った。菜穂は「須和なら未来から手紙が届いたことを信じてくれるかもしれない。相談して、手紙の通りに翔の悩みを聞こうとしたら返って翔を傷つけてしまったことを伝えてみようか」と考えた。悩んでいると、須和の方から「届いた?手紙?」と言われて、そこで須和も10年後の須和から手紙を受け取っていたのだと知る。2人で手紙の内容を見てみると、翔は今度東京の友達に会うことになるがそれを止めてほしいと書かれていた。東京に会った友達に母親との約束を破って後悔している、と伝えると笑われて傷ついた翔は自殺をはかると書かれていたためだ。

次の日翔と会った菜穂は手紙の通り、翔から東京の友達に会うことを伝えられる。翔に「なんで?」と聞かれたところで須和が話に入ってくる。そこで翔の口から須和に、母親と病院へ付き添う約束を破り母親の看病を面倒くさいと思っていると伝えた。そんな自分が嫌で死にたい、と思っていると翔が話すと須和は「面倒と思うなんて、当たり前だろ?お前は悪くない」と翔に言う。それを聞いて涙を流す翔を見て、菜穂は「ただ伝えたい。気持ちを知ってほしい。あなたが必要とされていることを」と改めて翔の悩みを取り除いてあげたいと思う。

「文化祭の最後に花火があるの。見よう、2人で」

菜穂の通う高校の文化祭では最終日に打ち上げ花火が行われる。10年後の菜穂から届いた手紙によると、翔からこっそり誘われる予定だったが、翔から誘われることはなく手紙の内容が少し変わっていた。しかし、翔との思い出を作りたかった菜穂は自分から翔に「文化祭の最後に花火があるの。見よう、2人で」と、声をかけた。引っ込み思案の菜穂が男の子を遊びや行事に誘うのは初めてで、菜穂が自分から恋を進展させようとした場面である。

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