orangeの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『orange』とは、高校2年生の高宮菜穂(たかみや なほ)とその友人が10年後の自分から今後、後悔することを手紙で伝えられ、予期されることを変えていこうとするSFストーリーである。予期されることの中には、菜穂が恋をした成瀬翔(なるせ かける)が交通事故に遭うことが書かれており、菜穂はそれを防ぐために手紙の指示に従う。友情と死、恋愛から喜怒哀楽が感じられる青春ラブストーリーの『orange』は累計600万部を突破し、映画化されている。

菜穂は10年後の自分から受け取った手紙で、翔が自らトラックの前に飛び出し自殺することを知る。それを止めるべく、翔が自殺する予定の前日にお昼ご飯を一緒に食べ、普段はあまり口にしない翔への「好き」という思いをストレートに伝えてみた。恥ずかしながら気持ちを言葉にした菜穂に、翔も顔を赤らめながら「そういえば、俺ちゃんと言ってなかったね。好きだよ」と、気持ちを伝えた。文化祭の日に「あずさ、貴子、菜穂の3人の中で菜穂に一番告白したい」と伝えたが、はっきりと「好き」とは言っていなかった。菜穂は初めて翔から口にしてくれたことに嬉しく思った。同時に、翔の自殺を絶対に食い止めると決めた。

「俺生きててよかった 俺を助けてくれてありがとう」

10年後の未来の手紙に翔はトラックの前にわざと飛び出して自殺をする、と書かれていた。自殺する日になると、須和、萩田、菜穂、あずさ、貴子の5人は声をかけあった翔を助けようとする。手紙には夜8時に翔が自殺すると予期されていた十字路に現れる予定だったが時間になっても翔は来なかった。心配した5人は翔の家に行き、翔のおばあちゃんに翔がいるか聞くと「数分前に家を出て行ってしまって」と不安そうな声をもらす。そこから菜穂たちは急いで翔を探すが、電話もつながらなかった。探して少し経ったとき、菜穂は別の交差点でよろめきながら歩く翔を見つける。その時、突然翔はトラックの前に飛び出して自殺をしようとしていたがひかれる寸前で自分で後ろに下がっていた。突然死ぬことが怖くなり、大切な友達と家族のことを思い浮かべたからだ。

翔は大きなけがをすることなく無事だった。翌日6人で未来の自分に向けて手紙を書くことになり、タイムカプセルを埋めた。その帰り、翔は「俺生きててよかった 俺を助けてくれてありがとう」と5人に笑顔で声をかける。

「何が大丈夫なんだよ。大丈夫なんて、人が勝手に決めることかよ。」

大晦日の神社のお参りに菜穂、翔、あずさ、貴子、萩田の5人で来ていた。須和はあえて行かなかった。未来の手紙にお参りに行った日に翔と菜穂が喧嘩して傷ついた菜穂を慰めた後、須和が告白すると書かれていたからだ。菜穂は翔からおばあちゃんが体調を崩したことを聞いて翔を安心させようと思い、「大丈夫だよ」という言葉をかける。翔は自分が母親が自殺する引き金になったと思っていたため、誰かを失うことが怖くなっていた。そのため、「大丈夫だよ」という何の保証もない言葉にさらに不安を感じ、菜穂に「何が大丈夫なんだよ。大丈夫なんて、人が勝手に決めることかよ。」と言ってしまう。帰ろうとする翔を菜穂は止めようとするが、翔は菜穂の手を振り払って帰ってしまう。

翔と弘法山の桜を見る

10年後の未来から受け取った手紙を頼りに、須和、萩田、菜穂、あずさ、貴子は協力して翔の自殺を食い止めた。翔が転入してきた時に交わした「6人で弘法山から桜を見る」という約束も果たすことができた。東京から越してきて新しい生活に慣れていない中、母親を亡くした翔は精神的苦痛を心に抱えていた。友達、祖母の前ではあまり顔に出さなかったが母親を病院に連れていく約束を破ったことを悔やんでいた。その翔の苦しみ、悔しさを菜穂たちに聞いてもらい救ってもらったことで翔は生きることを選んだ。6人そろって弘法山から桜を見ることができ、翔は「ずっと見たかった景色だ」と願いが叶ったことを喜んだ。

須和弘人の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「お前、翔が好きなんだろ?」

須和弘人(すわ ひろと)は菜穂が翔のことを好きだと、菜穂の態度で気付いていた。しかし、3年生の上田 莉緒(うえだ りお)も翔のことが好きで、翔がサッカー部に入部すると部活の様子をよく見に来ていた。菜穂が未来に起きることが書かれた手紙を見た時は、上田先輩が翔に告白することが書かれていた。翔のことが好きだった菜穂は「上田先輩と付き合ってほしくない」と書いたメモを翔の下駄箱に入れたが、翔がそれに気づく前に上田先輩と付き合うことを決めた。2人が話しているところを菜穂は、親友のあずさ、茅野貴子(ちの たかこ)、萩田朔(はぎた さく)、須和と一緒に目撃していた。菜穂が翔のことを諦めなければいけないと気付いた須和は、菜穂に「お前、翔のこと好きなんだろ?」と気持ちを気にして声をかけた。一方で、須和は菜穂のことが好きだったため、菜穂が振り向いた時に見せた悲しい表情に複雑な思いをした場面である。

「逃げんなよ、菜穂」

翔が上田先輩と付き合う前、菜穂は翔のためにお弁当を作ったり、翔がサッカー部の朝練に間に合うようにモーニングコールをしていた。しかし菜穂は、翔が上田先輩と付き合い始めてから翔と話す回数を意図的に減らしていた。彼氏が、彼女以外の女の子と仲良くすることは彼女の嫉妬を生むと思ったからである。次第に、菜穂は翔に話しかけられても、翔の側に上田先輩がいるときはその場から逃げるようになってしまった。ある日、学校が終わって菜穂が翔と廊下ですれ違った時に、「バイバイ」と翔から声をかけられる。菜穂がそれに答えようとすると、上田先輩が後ろから意図的に菜穂にぶつかり、菜穂は転んでしまう。それを翔が助けようとすると上田先輩が嫉妬し、「私以外の子と話さないで!」と怒り、走り去る。菜穂は2人の中が悪くなったことが自分のせいだと感じ、その場から逃げ出す。菜穂が翔から見えなくなるところまで行こうと走っていた時に、須和と廊下ですれ違う。最近菜穂が翔のことを避けていることを知っていた須和は、「逃げんなよ、菜穂」と、声をかけた。

「俺らだって、翔が悩んでること知らずに笑ってたくないんだよ」

10年後の菜穂、須和からの手紙によると、バレンタインの前日に翔が自殺することが書かれていた。原因は東京の友達に会いに行ったときに、母親を裏切って後悔していることを伝えて笑われたことだ。翔の母親は病弱で、ずっと病院生活だった。翔が菜穂の高校の始業式がある日に、松本の新しい病院に引っ越す予定だったが、須和、菜穂、あずさ、貴子、萩田に遊びに誘われて病院についていくことを断っていた。精神不安定だった翔の母親は、翔からそれを聞いた時に約束を守ってくれなかったことがショックで自殺した。その時から翔は母親が自殺したのは自分のせいだと思って、「自分も自殺して母親を迎えに行く」と、東京の友人に話していた。思い出して涙を流す翔を、須和は抱きしめた。

「俺は絶対に菜穂に告白しないって決めてる」

大みそかに菜穂、翔、あずさ、貴子、萩田の5人で神社にお参りに行く約束をしていた。須和が10年後の自分から受け取った手紙を見ると、翔と菜穂が喧嘩したことが原因で泣いた菜穂を慰め、菜穂に告白したことが書いてあった。菜穂と翔を応援すると決めた須和は、菜穂に告白しないと決め、告白するきっかけを作らないようにしていた。それが理由で神社にお参りに行くことを避けたが、菜穂と翔のことが心配で1人で神社に向かう。翔と喧嘩して泣いていた菜穂を見つけると、菜穂は「翔に嫌われたかもしれない」と心配していた。須和は「その時は俺がまた、翔を菜穂のところに連れてくるから」と、喧嘩を乗り越えて翔を守るように背中を押した。

「『好きになる』『ならない』なんて、選択じゃ決めらんねぇよ。」

ikro05
ikro05
@ikro05

目次 - Contents