orangeの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『orange』とは、高校2年生の高宮菜穂(たかみや なほ)とその友人が10年後の自分から今後、後悔することを手紙で伝えられ、予期されることを変えていこうとするSFストーリーである。予期されることの中には、菜穂が恋をした成瀬翔(なるせ かける)が交通事故に遭うことが書かれており、菜穂はそれを防ぐために手紙の指示に従う。友情と死、恋愛から喜怒哀楽が感じられる青春ラブストーリーの『orange』は累計600万部を突破し、映画化されている。

「ありがとう須和。いつもありがとう!」

文化祭の当日、菜穂は翔からもらったヘアピンをつけていた。上田先輩に呼び出されて翔がプレゼントしてくれたヘアピンを「見せて」と言ってくる。菜穂は翔と上田先輩が分かれる原因を作ったと思っていたため、腹いせにヘアピンを傷つけられるかもしれない、と思っていた。菜穂が「嫌です」と断ると、上田先輩の友達が現れて無理やりヘアピンを取ろうとする。菜穂がその手を無理やり振り払った時にヘアピンに手がこすれ、軽い切り傷ができる。そのやり取りを一部始終、窓の外から見ていた須和がすぐに菜穂の手を引っ張ってその場から連れ出して助ける。自分が良いとこどりをしてしまったことに引け目を感じた須和は翔に絆創膏を渡し、菜穂がケガをしていることを伝えて絆創膏を貼ってあげるように頼む。菜穂は翔に「ありがとう」と伝え、翔はすかさず「須和が持って来てくれた」と、菜穂に伝えた。10年後の菜穂の手紙には須和はいつも菜穂がピンチの時に助けてくれて、気にしてくれていたと書かれていた。須和の優しさに気づいた時は感謝してあげて、という未来の菜穂からのメッセージを読んだ菜穂は須和に聞こえるように「ありがとう須和。いつもありがとう!」と、伝える。須和は好きな菜穂が笑顔でお礼を言ってくれたことが嬉しく、少し涙する。

「付き合わなくても幸せ」

文化祭で翔と菜穂は一緒に花火を見た。その時に翔は「貴子、あずさ、菜穂の3人の中で菜穂に一番告白したい」と言う。菜穂も「須和、萩田君、翔の3人の中で翔に一番告白したい」と、思いを伝えた。これを聞いた菜穂は翔と付き合えると思っていた。ある日、菜穂は翔がサッカー部で練習している様子を見に行くと、翔が体調を崩して倒れこんだ場面を見かけた。心配して須和、萩田、菜穂、あずさ、貴子の5人で保健室に様子を見に行く。菜穂は、翔と両想いだったことをあずさに話していたため、2人が両想いだったことを知っていた。あずさは、それを茶化すように「体調悪いと、彼女から心配されるよ」と翔に言う。しかし、翔は「彼女じゃないし。付き合っていいのかな」と、もし喧嘩して菜穂のことを傷つけてしまわないか心配していた。後日、2人で一緒に帰った日に手をつなぐことになり、「付き合わなくても幸せ」と、菜穂は幸せそうに翔に微笑む。

「仲間がいる。それは10年後も変わらない仲間」

夏祭りの日に翔から自分で母親を自殺まで追い込んでしまったことを後悔している、と伝えられてから翔は元気がなくなっていた。菜穂は手紙に書いてあった通り、翔の悩みを聞こうとして「お母さんのことで何か悩んでることない?」と深入りしてしまう。嫌な思い出が翔の中で蘇っていた。何とか翔を救おうとしたかったが、1人ではどうしていいか分からずにいた。菜穂が元気がないことに須和、萩田、あずさ、貴子も気づいていた。そこであずさと貴子から「何かうちらに隠してることない?隠し事はなしだよ」と話しかける。菜穂は10年後の自分から手紙が届いたことと、その中に高校生の翔が抱えていた悩みを聞いてあげてほしいと書かれていることを伝えた。須和には先に手紙のことを伝えてあったため、手紙の存在は知っていた。あずさ、貴子、萩田に伝えると「私らにも届いたんだ」と言われて手紙を指しされる。あずさと貴子に「私たちの目的は一緒だよ。翔を救おう、みんなで」と言われて勇気をもらえた。菜穂は「仲間がいる。それは10年後も変わらない仲間」と、4人を翔を救うために頼っていきたいと思う。

「一緒に走りたい」

体育大会で翔がアンカーに推薦される。未来の手紙によると本番で翔は転んでしまうため、その負担を減らすためにアンカーを変わってほしいと書かれていた。須和が翔にアンカーを変わることを話すと、翔は口では「俺、アンカーやりたい」と答える。翔の気持ちを尊重するべきかと思ったが、須和は翔とアンカーを変わることになる。翔があとで傷つくことを避けるがために選んだ選択だが、翔がアンカーを須和に譲った時は寂しそうな表情をしているようにも見えた。そこで貴子の「私、リレーに出たいです」と言いう言葉に続いて菜穂も「一緒に走り出いです」と立候補する。それに続いてあずさ、須和、萩田も立候補し、翔が安心して走れるようなメンバーをそろえた。菜穂はリレーは苦手だが翔を救うことを優先に考えたゆえに口が先に出ていた。

「渡したいものがあったんだけど、今は持ってなくて。でも必ず渡すから。だから待ってて!」

大晦日のお参りの日に翔と喧嘩してしまった菜穂はその日以来、翔から避けられていた。仲直りできないままバレンタインデーが来てしまい、翔との関係は気まずいままだった。菜穂はその日にチョコをつくって渡そうとする。家庭科の調理実習で作ったチョコをきれいにラッピングをし、帰りのホームルーム活動が終わったら翔に渡そうとするが翔はすでに教室にいなかった。菜穂は下駄箱まで走り、翔に追いつこうとするが階段で上田先輩にぶつかって転んでしまう。菜穂はチョコレートを放してしまい、歩いていた人に踏みつぶされてしまった。上田先輩に「誰にあげるのか知らないけど、そんなんじゃ無理でしょ」と言われるが、菜穂は「無理じゃないです。翔のとこ行くのでどいてください!」と強気で先輩をかわした。下駄箱にちょうどつくと翔は帰るところだった。菜穂は「渡したいものがあったんだけど、今は持ってなくて。でも必ず渡すから。だから待ってて!」と伝える。翔は「いいよ、別に。俺いらない。じゃ」と言って去ろうとするが菜穂は「待って!今少しでもいいから話したい!」と必死に引き留めた。というのも、手紙によると翔は次の日に自殺すると書かれてあったからだ。未来の菜穂はバレンタインの日に伝えられなかったことをメールで伝えるが、それを口で伝えてほしいというのが未来の菜穂からのアドバイスだった。引っ込み思案の菜穂が翔を救いたい、という強い思いが表れた言葉である。

「一緒に生きよう」

大みそかに翔が「ばあちゃんがいなくなったら、俺1人になる」と呟いた時、菜穂は「大丈夫だよ」と咄嗟に口にしてしまった。翔の母親は始業式の日に自殺しており、翔は自分のせいだと思っていた。翔は始業式の日、入院する母親に付き添う約束をしていた。しかし、須和たちと遊ぶことを理由にして約束を破る。翔の母親はそれに翔に約束を破られたことにショックを受けて自殺してしまったため、誰かを失うことが怖かった。そのため、菜穂の突然の根拠のない「大丈夫だよ」という言葉に敏感に反応してしまう。「何が大丈夫なんだよ!」と怒鳴った翔はその場から立ち去り、菜穂に嫌われたと思い込んでいた。

冬休みが開けて、学校が始まっても翔は意図的に菜穂を避けていた。翔と前みたいに笑って話せないと思うと涙が出たが、菜穂は自分から無理やりでも翔を呼び止めて、直接翔と話す努力をする。2人きりになった時、「私は翔と付き合いたい」というと、翔は「生きてる意味が分からなくなる」と、弱音を吐いた。母親が自殺したきっかけは自分が精神不安定な母親を裏切ったことにある、と翔は思っていたため自分だけ生きていることに罪悪感を覚えていた。しかし、その翔の苦しみを肩代わりして軽くするように、菜穂は「一緒に生きよう」と、優しく抱きしめて声をかけた。

「私は平気だよ 前のように翔と話せなくなった今がつらい」

翔は神社へお参りに行ったときにおばあちゃんが体調を崩していて、もしもおばあちゃんがいなくなったらどうしよう、と不安な気持ちを菜穂にこぼした。菜穂は思わず「おばあちゃんなら大丈夫だよ」と、何の保証もないことを口にしてしまう。翔は母親を言葉で傷つけて精神的に追い詰めてしまった結果、自殺をしたため誰かを失うことが怖くなっていた。菜穂の言葉に思わず、「何が大丈夫なんだよ!」と、怒鳴てしまい始業式の日に菜穂にあっても無視していた。菜穂を傷つけた自分が話す資格なんてない、と思っていたからだ。しかし、菜穂は翔と話したい一心で2人で話す時間をつくった。翔を呼び止めた菜穂は、「私のこと避けてるよね?なんで?」と聞く。翔は「菜穂のこと傷つけた。話す資格なんてない」と、自分の行動に責任を感じていた。しかし菜穂は「私は平気だよ 前のように翔と話せなくなった今がつらい」と、翔が自分にとって大切な存在であることをアピールする。

「これね、私の宝物なの。翔がくれたから」

手紙が予告する翔が自殺を図る前日になった。その日は須和、萩田、菜穂、あずさ、貴子はいつも以上に翔を大事に思っていることを態度に出す。須和は翔のサッカーのスキルを大げさに褒めたり、萩田は中学校で使っていた眼鏡をプレゼントしたり、あずさと貴子は大量のお菓子を翔にあげた。菜穂は翔がプレゼントしてくれたヘアピンを見せて「これね、私の宝物なの。翔がくれたから」と、翔と一緒に過ごせることが幸せで翔からのプレゼントは大切なものだと伝える。

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