orangeの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『orange』とは、高校2年生の高宮菜穂(たかみや なほ)とその友人が10年後の自分から今後、後悔することを手紙で伝えられ、予期されることを変えていこうとするSFストーリーである。予期されることの中には、菜穂が恋をした成瀬翔(なるせ かける)が交通事故に遭うことが書かれており、菜穂はそれを防ぐために手紙の指示に従う。友情と死、恋愛から喜怒哀楽が感じられる青春ラブストーリーの『orange』は累計600万部を突破し、映画化されている。

「ずっと待っててくれてありがとう」

手紙を送った10年後の世界では、翔は亡くなっていた。高校を卒業して菜穂は大学に通いながら、弁当屋でアルバイトをする。そこでお客さんとして来た須和に久しぶりに再会した。菜穂はいまだに翔のことが好きだった。久しぶりに再会してから貴子、あずさを混ぜて遊ぶこともあったが、翔を失った菜穂はどこか寂しそうだった。須和は菜穂を花火大会に誘い、そこで菜穂に告白をする。菜穂の答えは「私は翔が好き」だった。須和は菜穂を幸せにできるのは翔しかいないんだ、と悔しい思いをしていた。

菜穂との関係を萩田に相談すると、萩田は「翔はいないよ。今…高宮が向き合ってるのはお前だ」と、弱気になっている須和の背中を押す。菜穂の誕生日の日に、「菜穂は俺の希望だから。10年後も20年後も50年後も菜穂に笑っててほしい。だから俺と結婚してください」とプロポーズをする。菜穂の返事は、後日2人でピクニックに行ったときに伝えた。翔の苦しみを聞けず、相談に乗れなかったことに罪悪感を抱えていた菜穂は他の人を好きになって幸せになることは良いことなのか、悩んでいた。しかし、今いない人に未練を抱えて、また他の人を苦しませることはしたくなかった。「今大事なことを見失ったらまた後悔するから」と、自分のことを好きでいてくれる須和に向き合うことを決め、プロポーズを受ける。須和と婚約したことを貴子に伝えると、「アイツ菜穂のことずーっと好きだったからね」と、伝えられる。3年間、須和の思いに気づいていなかった菜穂は、後日須和に会った時に「ずっと待っててくれてありがとう」と笑顔で伝えた。

成瀬翔の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「俺、本当は期待してた。持って来てくれるかな、って。だから、すごいうれしい!ありがとう!菜穂!」

あずさが「菜穂って自分のお弁当、毎朝手作りしてるんだよね~」というと、翔は「お母さんみたい」と笑った。菜穂は照れながら、その誉め言葉が嬉しかった。翔は冗談のつもりで「いいな、俺にも作って」と菜穂に言ってみた。菜穂は「いいよ。明日持ってくる」と言ったが、翔は「冗談だよ」と笑い飛ばした。でも、菜穂は翔に作りたくて、何とか渡すことができた。それを受け取った翔は「俺、本当は期待してた。持って来てくれるかな、って。だから、すごいうれしい!ありがとう!菜穂!」

「救急車です。足、見せて」

球技大会が終わり、菜穂の足の靴ずれを心配していた翔が一番最初に菜穂のところに救急箱を持って来てくれた。「救急車です。足、見せて」と言いながら優しく手当てをしてくれた翔に、菜穂の顔が少し赤らむ。見ている方が恋心をくすぐられる場面である。また、翔の「救急車です」というセリフにもユーモアがあり、ユニークな表現である。

「見てるよ、俺は」

球技大会の途中に菜穂が靴ずれしていたことに気づいた翔が菜穂の足の手当てをしながら、「痛いのを我慢してたら自分が損する」と話した。菜穂は「自分が損するだけならいいの。痛くても言わなければ誰も気づかないし、私が我慢すればそれで済むじゃん?」と、自分の中で溜め込むことが癖であることを翔に伝えた。翔は「見てるよ、俺は」と、菜穂が陰で頑張っていることや、周りに迷惑をかけずに努力、我慢していることに気づいてくれていた。菜穂はそんな翔のさりげない優しさと温もりを感じる。

「それに俺、先輩より気になる人いるから」

上田先輩と翔が付き合い始めてから、翔は菜穂に避けられていると気付いていた。菜穂は彼女のいる翔と話すことは翔と上田先輩の関係を壊すかもしれないと思っていたが、翔との繋がりが薄れることを恐れ、無視してしまったことを謝る。菜穂は翔から「2人で今から話せる?」と言われ、公園で上田先輩と付き合うことについて相談された。翔は「上田先輩と別れようと思う」と相談する。それを聞いた菜穂は驚いた半面、嬉しさもあった。また、翔は「それに俺、先輩より気になる人いるから。付き合ってから気づいた」と口にする。菜穂は「それって好きな人?」と聞いてみたが、翔は顔を赤らめて「内緒!」と言うだけだった。菜穂は翔が幸せそうな顔を見せたことが嬉しかった。

「でも俺の気持ちは気づいてもいいよ」

翔の誕生日を須和、萩田、菜穂、あずさ、貴子の6人で祝うことになり、翔以外の5人でそれぞれ誕生日プレゼントを用意していた。須和が翔に欲しいものを聞くと「じゃあ、花束」と答えた。翔はいつもお弁当を作ってくれたり、モーニングコールをしてくれる菜穂へプレゼントをしたかった。須和に花束をもらったら菜穂に渡そう、と翔は考えていた。翔の誕生日会は放課後、教室で行われた。翔を喜ばせることができた菜穂は嬉しく思っていた。プレゼントを渡す時間になり、須和は花束を翔に渡して教室を出ていった。須和が出ていったことを察して、あずさと貴子も萩田を連れて、教室に翔、菜穂を残した。「自分で買った花じゃなくてごめん。でも俺の気持ちは気づいてもいいよ」と、告白をした。菜穂も翔のことが好きだったが、緊張してその時ははっきりと「好き」と返事はできなかった。後日菜穂も自分の口から翔に思いを伝えた。

「聞く?」

翔が教室でイヤホンをして音楽を聴いていると、須和と萩田が「何聞いてるの?」と聞いてきたが、翔は意地悪で「教えない~」と答えた。翔は菜穂が隣で聞きたそうな顔をしていることに気づき、「聞く?」とイヤホンの片方を菜穂に渡した。2人の距離が近くなっていることを見た貴子、あずさも2人の恋が上手くいっていることが嬉しかった。

「そういえば、俺ちゃんと言ってなかったね。好きだよ」

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