超人X(石田スイ)のネタバレ解説・考察まとめ
『超人X』とは、『となりのヤングジャンプ』(集英社)で連載されている石田スイによる日本の漫画である。主人公黒原トキオが偶然にも超能力を持つ人間「超人」として開花し、超人のもつ葛藤やさらされる理不尽、それによる成長が描かれる。レトロな雰囲気の都市「ヤマト」を舞台に、ダークな世界観が描かれ、グロテスクな描写や様々なジャンルを含む演出が特徴。美術的な作画や個性的なキャラクターにより独特の持ち味がある。
自治県の一つ。七洲と呼ばれる地方に所在する。超人の登場により一部の地域はモラルが荒廃しており、アンダーグラウンドな地域も存在する。
トキオたちが通う県立ツル高校の他、モモマが通うコンペイ高校がある。
後述の「ヤマトモリ」という治安維持組織が存在し、超人に関する問題解決に尽力している。
ヤマトモリ
正義の超人による治安維持組織。同時に、超人育成機関という側面も備えている。漢字では「大和守」と書かれる。
守護(ガード)、キーパーなど訓練された超人が大勢所属している。
超人になった人物には報告義務があり、ここで講習を受けて「一般超人」として登録が必要。キーパー或いはガードとしての活動は必須ではない。
ヤマトモリの長官で予見者である「窓さま」の予言に従い、ヤマトを襲う事件や災害に備えている。
ヤマトの「ヤマトモリ」のように、そのほかの自治県にも超人による治安維持組織が存在する。
オメガタワー
ヤマトに存在する、斜めになっている高い塔。
時折煙を吐き出しているのが特徴。
チャンドラ・ヒュームらが所属する「塔」の本拠地として、ヤマトモリから常に警戒されている。
内部では「塔」のトップである、巨大で不気味な怪物ゾラが存在し、「獣」を連れてくることを部下たちに命じている。
予見の獣
チャンドラたちが追い求める超人。「獣」と略されて呼ばれる。
「塔」の怪物ゾラは、ハゲタカを連想させる姿に変身するトキオであると予想している。
超人X
どの時代にも一人は現れるという強力な力を持った超人。
世界を滅ぼすことができるとまで言われている。
過去には、ゲルタ連邦から超人部隊を率いてヤマトを襲った「戦争の超人」クイーム、ヤマトを守った英雄ソラ=シルハが超人Xだと認識されていた。
『超人X』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
東アヅマ「ハゲタカってさ、『世界で一番高く飛べる鳥』らしいよ それってカッコよくない?」
幼少の頃、いじめっ子に「ハゲタカに似ている」とからかわれて逃げ出したトキオに対して、アヅマがかけた言葉。
そのころのトキオは、どんな時でも果敢に立ち向かうアヅマに憧れており、いつも一緒に過ごしていた。そんなトキオに対して、いじめっ子達が「ライオンの近くでおこぼれをもらおうとするハゲタカが似ている」とからかう。これにひどく傷ついたトキオはその場を逃げ出すと自己否定感に苛まれていた。逃げ出したトキオの元に現れたアヅマは、アヅマのようにライオンに例えられたかったといじけているトキオに対し、「ハゲタカってさ、『世界で一番高く飛べる鳥』らしいよ それってカッコよくない?」と声をかけ励ます。
その日以来、トキオにとってハゲタカはカッコ悪いものではなく、特別な存在となった。後に超人となった際には、その憧れが反映された姿に変身することになる。
黒原トキオ「なんかさ、いまここでなにもしなかったら俺…お前と友だちじゃなくなる気がする」
報復に現れた竹山ジョニーキヨシに追い詰められたアヅマが、状況を打開するため正体不明の「超人化薬」に手を出そうとした際、自身も一蓮托生であると涙ながらに覚悟を決めたトキオのセリフ。
悪質なナンパを退けるためにアヅマが両腕の骨を折って撃退した竹山ジョニーキヨシが、鵺から手に入れた薬で超人となり、報復のためアヅマとトキオの目の前に現れる。超人のもつパワーに圧倒され重傷となったアヅマは、竹山の持ち歩いていた「超人化薬」を使用することで状況を打開しようとする。正体不明の薬を使用することで被るリスクや、万が一超人となってしまったあとのアヅマがさらされる予想もつかない変化を危惧したトキオは、せめて自分も一緒に使用することで自身も一蓮托生であるとして決意する。
そんなトキオに対してアヅマが制止すると、トキオは「なんかさ、いまここでなにもしなかったら俺…お前と友だちじゃなくなる気がする」と吐露し、覚悟を決める。
これによって、2人はともに超人化薬を使用し、トキオは「獣化の超人」として物語で活躍するようになる。
それまで何事も本気で取り組めず、1人では何かを為す勇気も持てなかったトキオが、自身の憧れるアヅマのために出した最初の勇気であるとして、多くの読者に評価されている。
乙田エリイ「悪いヤツとっちめんだ」
「一般超人登録」を果たし、ガガ県に帰るはずだったエリイがヤマトに残りキーパーとしての道を選んだ決意を表明した言葉。
暴走する汐崎テヅヤを止めたあと、エリイは親しくなった暴走族達に案内されて、自操車「ローラーBOYイェイイェイ」の持ち主タカヂ少年の家を訪問する。この「ローラーBOYイェイイェイ」は、飛行機墜落事故でチャンドラから逃れる際に、奪うような形で借りたものの大破していた。そのため、エリイは新品を購入し弁償するつもりであった。エリイに応対したのは年老いた男性が1人であり、エリイはそこでタカヂ少年がエリイとチャンドラの戦いに巻き込まれて死亡していた事実を聞かされる。
知らぬうちに巻き込んで少年を死なせてしまったことで、誰に打ち明けるともなく自責を覚えたエリイは、自身の新たな目標としてヤマトモリのキーパーになることを決意する。
トキオは、ガガ県に帰らず唐突にヤマトのツル高校へ転入してきたエリイに困惑し事情を伺う。すると、エリイは「悪いやつとっちめんだ」と一言で決意を打ち明けた。
このエリイの言葉は、彼女が胸の内に激しい後悔と熱い決意を内包していることを表したと同時に、本来ガガ県の住人であるエリイがヤマトモリのキーパーとして物語の中心人物となっていくきっかけとなった。
『超人X』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
超人Xは石田スイが一人で執筆している
『超人X』は作者の石田スイの意向により一部の背景協力を除き、全て1人で執筆を行っている。
Web漫画サイト『となりのヤングジャンプ』で不定期連載という状況を生かして、ページ数などは固定されておらず、時には1話が60ページを超えることもある。
コミックス発売時にコラボレーション動画が製作された
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目次 - Contents
- 『超人X』の概要
- 『超人X』のあらすじ・ストーリー
- 超人の目覚め
- シンカー編
- ムーンビースト
- 獣島の修行
- オメガタワー
- 『超人X』の登場人物・キャラクター
- 黒原トキオ(くろはらトキオ)
- 乙田エリイ(おったエリイ)
- 東アヅマ(ひがしアヅマ)
- 星・サンダーク(ほし・サンダーク)
- 籠村シモン(かごむらシモン)
- 百萬マイコ(ももまマイコ)
- チャンドラ・ヒューム
- 辻ナリ(つむじナリ)
- 鵺(ぬえ)
- 『超人X』の用語
- 超人
- 自治県
- ヤマト
- ヤマトモリ
- オメガタワー
- 予見の獣
- 超人X
- 『超人X』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 東アヅマ「ハゲタカってさ、『世界で一番高く飛べる鳥』らしいよ それってカッコよくない?」
- 黒原トキオ「なんかさ、いまここでなにもしなかったら俺…お前と友だちじゃなくなる気がする」
- 乙田エリイ「悪いヤツとっちめんだ」
- 『超人X』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 超人Xは石田スイが一人で執筆している
- コミックス発売時にコラボレーション動画が製作された
- 作者の「帰還」となった『週刊ヤングジャンプ』出張掲載
- 『超人X』の主題歌・挿入歌
- コラボレーションMV使用楽曲:松木美定「人生の銀幕』」
- コラボレーションMV使用楽曲:CHAI「アイム・ミー」