ギルティクラウン（ギルクラ）の名言・名セリフ／名シーン・名場面まとめ

『ギルティクラウン』の概要

『ギルティクラウン』とは、フジテレビ系列「ノイタミナ」枠にて2011年10月から2012年3月まで放送された、アニプレックスとプロダクションI.Gの共同企画によるオリジナルアニメである。
「近未来が舞台」、「遺伝子を題材にした超能力物」、「男の子二人を主軸に据えた大河ドラマ」といったイメージから作られていった作品で、ここにノイタミナ枠に今までなかったロボット物の要素を足して製作された。魅力的なキャラクターや美しい映像で話題となり、特に音楽は「アニソン史に残る名曲」との声も聞かれるほどの非常に高い評価を受けている。

西暦2029年。日本に落下した隕石に付着していた未知の病原体「アポカリプスウイルス」、その蔓延によって引き起こされた大事件「ロスト・クリスマス」から10年。無政府状態となった日本は、アメリカを中心とする超国家組織GHQの隔離統治下に置かれていた。
天王洲第一高校に通う桜満集（おうま しゅう）は、ある時人の心の中に眠る超常の力「ヴォイド」を取り出す能力に目覚める。日本解放を目指して活動するレジスタンス組織葬儀社のリーダーで、本来この力を手に入れるはずだった恙神涯（つつがみ がい）は、集を強引に葬儀社の一員に加えてGHQ相手の抗争を開始。失われていく日常の中、集はやがてロスト・クリスマスに隠されたおぞましい真実を知り、それと対決していく。

人間の負の側面を色濃く描いたハードな物語は放送当時賛否が分かれたが、それだけにその中で発せられるセリフは生々しく、あるいは感動的なものばかりである。追い詰められ、失敗を重ね、多くのものを失いながらも理想や友情、人との絆を守ろうとする集やいのり、涯といったキャラクターたちの胸を打つ言葉は、本作が長く愛される理由ともなった。
ここでは、『ギルティクラウン』の作中でキャラクターたちが口にした印象的な名言・名セリフ／名シーン・名場面を紹介する。

桜満集の名言・名セリフ／名シーン・名場面

「たまには、自分らしくないことをやれ！」

GHQに捕らえられたいのりを、集が助けに行くシーン。
優柔不断の集が決意するように言い放って飛び出していき、王の力に目覚めるシーンへと繋がる。その際に発したのが「たまには、自分らしくないことをやれ！」とのセリフである。

「優しさになんかなんの意味もない、クズは区別しなくちゃならない」

第二次ロスト・クリスマスの後、集は閉鎖された天王洲第一高校に立てこもり、GHQの暴虐から生徒たちを守ろうと奮闘する。しかし生来の優しさから「みんなを守るためには徹底した支配体制を敷くべきだ」との意見を受け入れられず、一部の生徒たちの独断専行を許し、結果心の支えだった校條祭（めんじょう はれ）を失う。
この時、集は祭を死なせてしまったという事実に慟哭しながら、「僕が間違っていた。 優しさになんかなんの意味もない、クズは区別しなくちゃならない。僕は王になる」との決意を語る。集が多くの人々を惹きつけた“優しさ”を捨て去った、同時に「みんなを守るためには非常にならなければならない」という現実を受け入れて成長した衝撃的なシーンである。

「僕の王の力がぁぁぁっ！」

友達を、仲間たちを守るために非情な王として天王洲第一高校に君臨した集だったが、復活した涯に王の力の源である右腕を斬り落とされたことで全てを失う。その際に発したのが「僕の王の力がぁぁぁっ！」という凄絶な絶叫である。
「右腕を斬り飛ばされた痛み」と、「みんなを守るための力の喪失」。集が悲鳴を上げるのも理解できるシーンではあるが、ネットでは「この場面で最初に気にするのが王の力なのか」とやや呆れた反応も少なからず見られた。それだけこの時の集が王の能力に依存していた証でもある。

「ずっと逃げてきたんだ。でも僕は、今こそ僕をさらけ出す」

戦うための力を宿した右腕を断たれ、仲間たちからの信頼を失い、唯一残ってくれたいのりをも奪われ、文字通り全てを失った集。それが自分の選択の結果であることを受け入れ、なお「いのりを助けたい」との想いを捨てられなかった集は、「ずっと逃げてきたんだ。でも僕は、今こそ僕をさらけ出す」との言葉と共に自分自身からヴォイドを生成。これを失われた右腕の代わりにして再起を果たす。

「僕に悪意を向けた人だって、誰かに愛されて生まれたんだ」

全てのアポカリプスウイルスを自らが受け入れ、己の命と引き換えに悲劇を終わらせることを選択する集。その際に彼が発した「僕に悪意を向けた人だって、誰かに愛されて生まれたんだ」というセリフは、彼本来の優しさと、そこから生まれた本物の強さに満ちている。

楪いのりの名言・名セリフ／名シーン・名場面

「やればできるかもしれない。でもやらないと絶対にできない」

葬儀社のメンバーでありEGOISTでもあるいのりが、集と出会ったシーンで発したセリフ。GHQに追われている事情を問われたいのりは、自分が彼らと戦っていることを打ち明け、「やればできるかもしれない。でもやらないと絶対にできない」との言葉を口にする。
のらりくらりと何からも逃げてきた集にはきつい一言だが、この言葉が後に集の行動理由になる。

「みんなが集のこと嘘つきって言っても、自分のこと嫌いになっても、私は集の味方だから」