アキバ冥途戦争(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『アキバ冥途戦争』とは、2022年に「Cygames」と「P.A.WORKS」が製作したブラックコメディ美少女アニメである。
舞台は1999年の東京、秋葉原(通称・アキバ)。メイドに憧れて田舎から上京してきた「和平なごみ」は、念願かなってメイド喫茶「とんとことん」のメイドになる。ごく普通のいわゆる「萌え」なメイドに憧れていたなごみ。しかし、ふたを開けてみれば、金と暴力と醜い争いの毎日だった。とんとことんのメイドたちは秋葉原を変革させるために奮闘する。
2023年9月に舞台化が決定。

嵐子の死をきっかけになごみは非暴力を捨てて、実力行使にでる。ケダモノランドグループとの戦争を予見し武器をかき集め、凪の情報を訊いて回るが、他店のメイドたちに取り囲まれ、リンチに遭う。ぼこぼこに殴られる最中、なごみは「こんなのがメイドなのかよ?脅したり殴ったり殺したりして楽しいか!?みんなを怖がらせて楽しいか!?」と他店のメイドたちに問う。メイドとは何なのか。暴力には暴力で対抗するしかないのだろうか。実力行使で銃を手にしたものの、やはり納得のできないなごみの必死の訴えである。のちに凪にメイドらしく戦う「メイド戦争」をしかけるきっかけの一つにもなった。

なごみ「メイドだから出来ること、あるんじゃないでしょうか?メイド戦争を仕掛けましょう」

嵐子の死から一時、暴力に走り凪を殺す覚悟のなごみだったが、やはり納得できる戦い方ではなかったとなごみは悟る。とんとことんメンバーは凪との戦争に否定的であったが、なごみの熱意のおかげで一丸となって戦うことを決意する。「今のとんとことんは楽しいだろうか。ご主人様は萌え萌えしているか。口角は上がっているか」、なごみはそんな質問をとんとことんメンバーに投げかける。
そして「メイドだから出来ること、あるんじゃないでしょうか?メイド戦争を仕掛けましょう」となごみは宣言する。
なごみが目指すメイドの姿でもって戦うこと。それすなわち「メイド戦争」を仕掛ける。凪が掲げる「冥途(メイド)」ではなく、本来のメイドとして戦うという意気込みが感じられるセリフ。

なごみ「とんとことんは、いつでもご主人様のお家になります、ぶ~!」

とんとことんに凪らケダモノランドグループのメイドたちが乗り込んできた。なごみらはメイドらしく凪らをもてなす。凪から腹に一発銃弾をあびせられても、なごみは歌い踊り切った。なごみは凪に語りかけ、「萌えに銃はいらない」と非暴力を訴える。それでも凪は「力こそ絶対、メイドは奪うか奪われるかだ」と信念を曲げない。そんな凪に対し、なごみは「メイドはお給仕ですよ。わたしの尊敬するメイドさんが言ってました。とんとことんは、いつでもご主人様のお家になります、ぶ~!」と言った。そのセリフは凪の忘れかけていた美千代との記憶を呼び起こした。幼い頃、初めて凪が侍女茶館を訪れた時に美千代は「おかえりなさいませ」と出迎えた。「今日からここがウズコ(凪)の家だからね」と言う美千代に、幼い凪は微笑む。
そんな淡い記憶が思い出されたものの、凪は「そんなものはきれいごとだ。メイドはどこへいっても独りだ」となごみの言葉を一蹴する。
凪は一瞬だが、このなごみの台詞に心を動かされ、自身の孤独を吐露した。

『アキバ冥途戦争』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ラーメン屋の店長のモデルはドラマ『HERO』のバーのマスター

ドラマ『HERO』とは、フジテレビ系列で放送された木村拓哉主演の検事ドラマ。そのドラマの中でバーのマスターが登場するが、口癖は「あるよ」である。『アキバ冥途戦争』に登場するラーメン屋の店主はこのドラマのマスターを少し意識していると、シリーズ構成の比企能博氏のインタビューで語られている。ちなみにラーメン店主の口癖は「ねえよ」である。

最終話のアキバに『ウマ娘 プリティーダービー』の看板

『ウマ娘 プリティーダービー』とは、「Cygames」が手掛けるスマートフォン向けゲームアプリ及び、それを原作とした漫画・アニメである。実際の競走馬をモチーフに美少女化した「ウマ娘」がトレセン学園を舞台にレースを繰り広げる。2018年に「P.A.WORKS」製作でアニメ一期が放送された。『アキバ冥途戦争』の製作にも、「Cygames」と「P.A.WORKS」が関わっている。そのためか、最終話Cパートの2018年の秋葉原の風景には『ウマ娘 プリティーダービー』一期とみられる看板がある。

任侠作品のオマージュ盛り沢山

『アキバ冥途戦争』には様々な任侠映画作品のオマージュがちりばめられている。例えば、とんとことんとウーパーズが野球で勝負する展開は、1978年「大映」製作・「東映」配給の任侠映画『ダイナマイトどんどん』がモデルとされる。この映画では戦後間もない日本を舞台に、エスカレートする岡源組と橋伝組のヤクザ抗争を解決するため、警察署長の提案で抗争に代えてヤクザ対抗野球大会が(平和的に)開かれる、というストーリーだ。

野球の助っ人外国人の声優は本物のベネズエラ人

とんとことんとウーパーズの野球の試合において、とんとことんの野球の数合わせとして、3人のベネズエラ人留学生が登場する。この3人の声優は実際のベネズエラ人で「スペイン語にも方言的なことがあると思い、日本在住のベネズエラの方にご出演頂きたく、ベネズエラ大使館の方にご協力頂き、バッジスさんとラウルさんをスカウトしてきました!」と作品で音響製作に携わった「dugout」のツイッター上で語られている。ベネズエラの公用語はスペイン語だ。スペイン語を公用語とする国は世界で21か国あり、それぞれに方言がある。ベネズエラ人キャラクターにはベネズエラ人をあてようと努める製作陣側のこだわりが伺える。

『アキバ冥途戦争』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):とんとことんスタッフ一同「メイド大回転」

作詞:SHIBU、ケダモノランド経営戦略室
作曲・編曲:SHIBU
歌:とんとことんスタッフ一同

ゾーヤが3話でとんとことんに加入する前は、ゾーヤの顔はモザイクで隠れていた。
アキバメイドの明るい表の世界と、金と暴力に支配された裏の顔がオープニングでもよく表現されている。

挿入歌:柊結夢(CV:田中美海)「純情メイドぶっころ主KISS」

作詞: nobara kaede
作曲:加藤裕介
編曲: 加藤裕介
歌:柊結夢(CV:田中美海)

アニメ一話でチュキチュキつきちゃんのメイドたちに追われながら、嵐子が二丁拳銃でメイドたちを皆殺しするシーンで流れた曲。ゆめちが歌う曲に合わせて嵐子がオタゲーのごとくコミカルにメイドたちを撃ち殺していくシーンはたいへん印象的で衝撃的である。

urotanshi_wl1
urotanshi_wl1
@urotanshi_wl1

目次 - Contents