アキバ冥途戦争

アキバ冥途戦争

『アキバ冥途戦争』とは、2022年に「Cygames」と「P.A.WORKS」が製作したブラックコメディ美少女アニメである。
舞台は1999年の東京、秋葉原(通称・アキバ)。メイドに憧れて田舎から上京してきた「和平なごみ」は、念願かなってメイド喫茶「とんとことん」のメイドになる。ごく普通のいわゆる「萌え」なメイドに憧れていたなごみ。しかし、ふたを開けてみれば、金と暴力と醜い争いの毎日だった。とんとことんのメイドたちは秋葉原を変革させるために奮闘する。
2023年9月に舞台化が決定。

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アキバ冥途戦争のレビュー・評価・感想

アキバ冥途戦争
9

メイド×任侠!?異色アニメ『アキバ冥途戦争』をレビュー

一見ふわふわで可愛いメイドさん。その裏の顔は、仁義なき戦いの世界でした。
憧れのメイドになるために秋葉原へ上京した主人公”和平なごみ”。しかし、思っていたメイドの世界と少し様子が違うような…?

ただの萌えアニメか…と思ったら大間違い!!
普通のメイド店なのにツインテールを詰めたり、グループ店に納めるお金(上納金)を「おひねりちゃん」と呼んだりと、とにかく裏の世界観満載!メイドと任侠の世界を掛け合わせた異色のアニメ作品でした。

そんな世界でもメイドとして頑張っていこうとする主人公ですが、一緒に入店した同期の”万年 嵐子”の存在によって様々なピンチに巻き込まれて?しまいます。

この万年 嵐子。35歳でメイドとして働いているのですが、とにかく強い!ガンアクションや地下格闘など何でもこなせるチートキャラです。
昔もメイドとして働いていたのですが、ある事件をきっかけに外の世界に出られない時期があり、その時期を経てメイドとして復活!主人公たちと友情を育みながら因縁ある相手と和解しようとその時期を虎視眈々と狙っています。

他のキャラたちも任侠口調で罵りあったり、仕事が全うできなかったら消されてしまったりと、観る側の期待を良い意味で裏切ってくれる本作品。
たまには刺激的なアニメが観たい!という方にはうってつけのアニメではないでしょうか。

アキバ冥途戦争
10

メイドなら萌え萌えキュンキュンしろよ!!!!

時は1999年世紀末、アキバではメイド同士の抗争が激化していた。
そこに何も事情を知らない1人の新人メイド・和平なごみと、出所したばかりの万年嵐子が底辺メイド喫茶「とんとことん」に入店したことから、アキバの混沌はさらに加速していく。
設定からして理解が追いつかないオリジナルアニメでした。キャラデザも各メイド喫茶の制服もとても可愛いのにやっていることはヤクザの抗争。なので毎話バンバン人が死にます。洗脳や裏カジノ、ファイトクラブと様々なネタを用意し、過去の任侠映画オマージュもそこここにあるため、何重に楽しめるアニメです。
特に第6話、第7話に登場した愛美・スーパーノヴァ・山岸のCVは呉出身のユリン千晶さん。完璧な広島弁による迫力ある演技を味わえました。普段はなかなか経験できないベテラン女性声優さんたちのドスのきいた演技を堪能できるのは、この作品だけだと思います。
メイドの格好をしつつも行っているのはヤクザ同士の抗争なのですが、最後の最後、主人公のなごみが仕掛けた「メイド戦争」により、メイド本来の「かわいくて萌え萌えキュンキュン」のテーゼを暴力にあふれたアキバに叩きつきた姿は、覚悟が決まっていて本当にしびれました。見返すたびに新たな発見が出てくる『アキバ冥途戦争』、おすすめです。

アキバ冥途戦争
7

メイド喫茶と任侠の融合!メイドがバッタバッタと死んでいく

舞台はオタクの聖地秋葉原。田舎から上京してきた和平なごみは、念願かなってメイド喫茶とんとことんで働くことになる。いわゆる萌え萌えなサービスをご主人様、お嬢様に提供するのが、メイド喫茶のメイドの務めだ。しかし、このアニメの世界のメイドたちは裏の顔を持っていた。
ライバル店とのいざこざは日常茶飯事、銃の打ち合いは当たり前。躊躇なくバッタバッタとメイドが死んでいく。その様はヤクザの抗争そのものだ。
可愛いフリフリのメイド服を着た女の子が、罵声をあげながら、メイド喫茶へ殴り込みにいくなんて、誰が想像しただろうか。
新人メイドの和平なごみもまたその1人だ。メイドの表の顔しかしらずに、ただただ萌え萌えキュンキュンなメイドにあこがれて上京してきたのに、蓋を開けてみれば、暴力と拳銃の打ち合いが日常茶飯事。
困惑するのも無理はない。
なごみと同じく新人で入ってきた35歳のメイド、万年嵐子は華麗な銃さばきで、大勢のメイドたちを華麗に倒していく。バックミュージックには萌え萌えな電波ソングがながれ、オタ芸を踊る要領で華麗にぶっ殺していく様は、たいへんコミカルに描かれていて、とても印象的なシーンのひとつ。

なぜメイドには暴力がつきものなのか。
なごみはアキバのメイドの現状を変えようと孤軍奮闘する。その熱い思いに打たれ、次第にとんとことんのメンバーも、なごみの思想に賛同するようになる。
この作品は、なごみの成長もみどころの一つだ。殴られ、蹴られ、ぼろ雑巾のようになっても、めげずに信念をつらぬこうとする姿にきっと心を打たれるはずだ。
そして、意外にも任侠要素が濃い。血の気が多いキャラの多いこと(主にライバル店や他店のメイドたち)。とんとことんのメンバー全員死亡なんてバットエンドを考えてしまうほど、なんの予告もなく簡単に人が死んでいく作品だ。バイオレンスものが苦手なわたしでもみられるのはやはりコミカルに描かれているからだと思う。キャラクター然り、ストーリ然り、絶妙なコミカル具合が魅力の一つなのだ。
ところどころに任侠作品のオマージュがちりばめられており、リスペクトが感じられる。見る人を選ぶ作品といわれればそうかもしれないが、不思議な魅力がある稀有な作品だと思う。

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