ウィッチウォッチ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウィッチウォッチ』とは、篠原健太による少年漫画。集英社出版の『週刊少年ジャンプ』にて、2021年10号より連載されているロマンティックコメディである。鬼の末裔であるモリヒトこと乙木守仁には、千年に一度誕生するといわれる魔力を持つ魔女の若月ニコという幼馴染がいた。その魔力を狙う黒魔女たちからニコを守るよう、彼女の母親から頼まれたモリヒト。こうしてモリヒトとニコの同棲生活は始まった。

魔女に忠実に付き従う下僕のこと。昔は動物だった姿が魔力を得て人間になる個体が現れ、モリヒトの先祖もそのようになっている。基本的に魔女が希望すれば契約でき、ペットのような存在となっている。

作中オリジナルの用語

私立翌檜高等学校

読み方は「しりつあすなろこうとうがっこう」。主人公達が通学している学校の名称。

チッター

作中に登場する、ツイッターのようなSNS。

うろんミラージュ

作中の出版社である集学談書店の雑誌『週刊少年ジャガー』に連載中の架空漫画。
魔物を退治する少年剣士達を描いた学園バトルファンタジーで、通称『うろミラ』。アバウトな設定、曖昧なセリフ、煙に巻く演出が特徴でフワッとした展開がうやむやにされたまま進む。それゆえ、考察好きの中で話題となりオタク界にも火がつき大人気作品となった。特にメインキャラクターの空(うつろ)と、朧(おぼろ)通称「うつおぼ」は、二次創作作品が頻繁に作られるほど大人気のコンビである。

カンニコチャンネル

ニコとカンシでコンビを組んで発信しているYouTubeの名称。どこかで見たような動画、編集されていない無駄のある動画ばかりでチャンネル登録者数は9人だった。
それを見兼ねたモリヒトが全面的に撮影に強力すると一時的に観覧数が伸びた。しかし、ニコとカンシがYouTube配信に飽きてしまい撮影が滞っている。

ケイゴ・マガミ〜透明の虹〜

ケイゴが発信しているYouTubeの名称。自己承認欲求の強い内容が多く、チャンネル登録者数83人。

『ウィッチウォッチ』の名言・名ゼリフ/名シーン・名場面

風祭監志「オトンは息子の最初のヒーローや、強い姿見せたらな」

遊園地のヒーローショーのアルバイト中、怪我をして悪役に交代になってしまった元ヒーロー役の男に対しカンシが言ったセリフ。

カンシは働く事が嫌いであった。その理由は、めんどくさくて面白くない、自分が大人になってしまう気がして切ないからだ。モリヒトは家主として生活費を召集しているが、お金がなく「1ヶ月待ってもらうだけ!」とせがむカンシに対し「ダメだ待たない!」とヒーローショーのアルバイトを勧めるのだった。
カンシは驚愕の身体能力でオーディションを楽々クリアするが、ヒーロー役が急に怪我で出られなくなった事を聞く。監督に「キミにヒーロー役を頼みたい」と言われ、本番は2時間後に迫っていた。
軽くリハーサルをした後、本番前に元ヒーロー役の男と話す機会があった。男は「初めてのヒーロー役で息子が喜んでくれていたのにずいぶんガッカリさせてしまったよ」と胸の内を話す。カンシが「息子さんは見に来はるん?」と返すと「チケット買っちゃったからね、まあ俺は悪役を精一杯頑張るよ」と言った。

カンシは昔、父に約束を破られた事を思い出し「オトンには揺るぎない強い存在でおってほしいわ。息子に連絡してくれ、俺がヒーローだってな」と返すと、本番直前にもかかわらず悪役と入れ替わる事を決めた。
本番が始まり「台本と違うだろ!」と叫ぶ監督を背に、ショーは見せ場の戦闘シーンへと入る。観覧席にはヒーロー役の男の息子と妻がいた。「カンシくん…俺はどうしたら?」と言う男に「今出せる力でええからかかってこい」と伝える。
「オトンは息子の最初のヒーローや、強い姿見せたらな」とカンシが言うと、男は何か決心したように、悪役のカンシに弱々しいキックをした。「ぐはあああ!!」とかなり大袈裟に飛ばされ転げ回る悪役に、男の息子をはじめ会場の観客達は「おおおお!!」と歓声を上げたのだった。

若槻ニコ「モイちゃんたち強いから」

銭湯の女湯で、ニコとネムがお互い魔女ということから分かり合える話などで盛り上がっていた会話の中のセリフ。

付与の魔女との決戦後、ケイゴはモリヒトたちのことを騙すことになった経緯を話す為みんなで銭湯にいくことになった。男湯ではモリヒト、カンシ、ケイゴが腹を割って話す中、ニコとネムは女湯で互いの背中を流し合ったり和気藹々としていた。
「付与の魔女さんは万能薬を持っていない?」付与の魔女との契約で、ケイゴが自分の怪我を治してもらう約束になっていたことを知っているニコは驚いた。万能薬は魔女が生まれた時に臍の緒から作るもので、生まれつきの魔女ではない付与の魔女は万能薬を持っていなかったのだ。
付与の魔女がケイゴを騙して契約を交わしていたことを知ったニコは「ニコが持っている分、ケイゴくんに使ってもらったらどうかなって」とネムに話す。しかし、ニコが災いを受ける可能性があることを知っているネムは「あの薬はほとんどお守りみたいなものだけど、あなたの場合はこれから使う必要があるかもしれないのよ!」と言い、続けて「予言の紙を見たでしょう?付与の魔女を倒しても紋様は消えていなかった。災いの予言は継続中なのよ!」と反対をした。それを聞いてもなおニコは「うん、でもきっと大丈夫よ」と返し「モイちゃんたち強いから」と続けた。モリヒトやカンシ、ケイゴやミハルに絶大な信頼を置いているニコだから言えるセリフ。今回の戦いで使い魔2人の強さを目の当たりにしたネムは「…なかなかの説得力ね」と言うほかなかった。

霧生見晴「生まれつきの個性を武器に変えてるあなた達は美しい」

ミハルが、公園で練習中のお笑い芸人達に言ったセリフ。

ミハルが命の次に大切とうたう日傘を、カンシが勝手に借りて出掛けて無くしてしまった。ミハルは吸血鬼なので、真夏の炎天下では日傘がないと5分で倒れてしまう。しかも魔具となる剣が仕込まれた特注品だ。
探しに行くというカンシの言葉を背にミハルは、見つかるわけないと言って代用の傘を買いに出掛けてしまう。
外は炎天下、ニコはミハルを心配して、頭上に雲が出現する魔法をかけた。その雲はミハルを日光から守ってくれるというものだったが、ミハルの気持ちの浮き沈みによって変わるものだった。今はカンシに対して怒っているので雲が出現しているが、気持ちが晴れてしまうと雲も消え、日光に当たってしまう。
ミハルが気持ちをどんよりさせる努力をしながら街を歩いていると、公園で練習中のお笑い芸人に「良かったらネタ見ていってください」と引き留められた。有無も言わせず始まったネタはサムすぎて、ミハルの頭上の雲は雪を降らせるのだった。
「どうでした?」と聞く芸人に対し、「M-1 一回戦落ちですかね」と言いつつも「頑張ってください。挑戦している人は好きですよ」とエールを送るミハル。
「そう言ってもらえると励みになるよ。さっきなんか罵倒された上に外見もキモいとか言われてさ、はは…。おかげで笑いが一つ増えるけど!」芸人達は自分達を悲観しながらも明るく振る舞った。
それを聞いたミハルは「そんなヤツ、ぶん殴ってやればいいんですよ」と言いつつ「生まれつきの個性を武器に変えてるあなた達は美しい」と芸人達に伝えた。人の見た目のみに捉われず、本質を見抜くミハルだから発することができたセリフ。
その後、傘を盗んだ犯人が見つかり、駆けつけたカンシと協力して取り返すことに成功。「せーの、でお互い謝りますか!」「せーの!ごめ…お前も言えやぁ〜!」なんだかんだで仲の良い2人であった。

「風でニコの髪をなびかせていい女に魅せる」作戦

モリヒトに好意を抱いているニコ。同居しながらも自分のペースを一切崩さないモリヒトにヤキモキし、カンシが仕掛けた作戦。モリヒトが校舎の西棟から渡り廊下を歩いて来る瞬間を見計らい、中庭からカンシがニコに向けてピンポイントの風を送ることでニコの髪をサラッとなびかせドキッとさせるというもの。決行の昼休み、モリヒトが歩いてきたのを確認し「カンちゃん今よ!」のニコの合図でカンシが風を送るがモリヒトは全く興味を示さない。「風量アップして!」とニコが合図をすると、勢いのある風がゴオオッと吹き荒れニコの髪はなびくどころか逆立ってしまった。「何が起きているんだ!お前どうしちゃったんだ?!」その異様な光景にモリヒトはニコを心配した。

モリヒトとニコの初デート

同級生で友人の蓬莱純(ほうらいじゅん)から映画のペアチケットを貰ったモリヒトは、ニコを誘って2人で映画に行くことになった。デート前日、ニコの部屋でカンシとケイゴの3人で作戦会議をする。そのことをモリヒトに気づかれてしまい、カンシ達は咄嗟に「ニコの部屋でトランプやっててん!モリヒト表情分かりづらいから絶対ポーカー強いし、それで声かけなかったってわけ!」としらばっくれた。モリヒトは以前から気持ちを表に表すことが苦手であることを自負しており、そのせいで誘われなかったことに少なからずショックを受けていた。
デート当日、ニコはモリヒトに表情を分かりやすくする魔法をかけたいと言い出し、モリヒトは承諾した。
「エモスプレッション!!」ニコが魔法をかけると、モリヒトの頭上に表情豊かな小さいモリヒトが現れた。本体の気持ちを小さいモリヒトが表情で表してくれるという魔法だ。「映画行こう!モイちゃん見たかった映画なんでしょ?」とニコが言うと、モリヒトは「まぁな」とスンとした表情をしたが、頭上のモリヒトはすごく楽しそうな表情を浮かべてルンルンとしていた。
映画の最中、ニコは映画を見るよりもモリヒトの頭上を見て楽しんでいた。実際のモリヒトな表情が一切変化しないにも関わらず、頭上のモリヒトは映画のシーンに合わせてコロコロと表情が変化するので見ていて飽きなかった。「この魔法、最高に分かりやすいな。モイちゃん表情豊かすぎるでしょ!」と思うニコであったが、唯一、笑う時とウンチクを言う時は本体の表情とリンクしていた。
その後も夏祭りに一緒にいったり、2人で過ごす間にニコは「モイちゃんは無感動なんかじゃない。いつも人の為に行動して、人が喜ぶ姿を心の中で喜んでる。顔に出ないだけで心の中はとっても豊かな人だよ」と感じる。
花火を見上げながらモリヒトが「ごめんな」と言った。「俺は修行の影響もあって感情を伝えるのが下手だ。普段から表情を抑える癖がついてしまった。決して不機嫌な訳ではないんだ」それを聞いたニコは「近くにいる人だし、いつもどんな風に感じてるかもっと知りたかったの」と返し「モイちゃんの心が優しいのはみんな知ってるよ。ニコもそういう人になりたいと思ってるの」と続け、魔法を解除した。
モリヒトは、ニコが来てからはこれでも表情が出るようになった方だ、と言って「俺は力が強いし人を傷つけちゃうから、友達付き合いをあまりしてこなかった。静かに1人で過ごすのが好きだ、なのにアイツらまで加わって毎日うるさくてかなわん」と言う。ニコの表情は曇った。
「そういう生活がけっこう悪くなくてな。毎日楽しい」花火が上がるとともに微笑むモリヒトを見て、なんだかちょっと泣きそうになったニコ。「表情に出なくてよかったよ、恥ずかしいから」と思うのだった。

ともだちの手紙

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@herakures1606

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