くるねこ(はぴはぴくるねこ)のネタバレ解説・考察まとめ

『くるねこ(はぴはぴくるねこ)』とは、エンターブレイン社から2008年から出版されている、くるねこ大和のブログ本である。単行本20巻までが『くるねこ大和』、21巻以降は新規の読者が手に取りやすいよう『はぴはぴくるねこ』と改題された。作者くるねこ大和は愛知県在住の自称酒とケモノを愛するおばさん。江戸時代が好きで時代小説が愛読書である。作者、夫、飼い猫たちとの日常を漫画と写真で綴るほのぼのとしたブログ。飼い猫たちは愚連隊と称され、作者が彼らの病や死と向き合う様子も描かれている。

2013年に起きた春日井市の置き去り猫の1匹である胡マを作者が引き取る。当初は作者が預かる予定だったところ、8番目の愚連隊マル、9番目の愚連隊胡ゆの育児と看病を筆頭に様々な一時預かり猫たちが登場した結果、延びに延びてようやくの引き取りとなった。トムが炬燵にひきこもり、これを警戒しながらも刺身を出せば食べるというどうにもコミカルさが抜けない胡マさんであったが、徐々に打ち解けおもちゃで遊んだり、リラックスポーズを見せるようになり、2F組の気難しいポっちゃんと気難しい甘えん坊のトムとうまくやっていけるようになった。

ハルとリタ・コールソン

名古屋港付近に捨てられた猫や飼い主がわからない猫たちを捕獲、去勢手術を行う活動をしている作者の友人経由で、2匹の猫がやってくる。通常であれば港猫達は去勢手術を施された後、耳をカットして地域猫として元の居場所へ戻されるのだが、猫たちが何者かに毒殺される事件が相次いだため、全頭保護することとなった。
そうしてやってきたハルとリタ・コールソン(おそらく血縁)だが、リタはアレルギー持ちでしょっちゅう涙目になってしまう。作者が掃除をしているとなぜかほんのりと馬鹿にするが、気が向くと甘えてくるのに対し、ハルは触られるのがいやで、作者が触ろうとすると、きゃーとサイレンのように鳴く。
一度は里親が見つかったものの破談になってしまい、作者はひそかに喜んでいる。ハルは美形だがでっぷりした体形をしており、いつでも腹ペコで、虎視眈々とリタの食べ残しを狙っているため、ハルとリタが来てからというもの、給餌の順番がすっかり変わってしまったのだった。

台風としま蔵

台風が去った翌日、作者の家の庭にぼろぼろで痩せた4匹の猫一家が現れる。
このころ、カラスぼんの持病とお薬の関係でワクチンが打てないため、作者は雑菌を持ち込まないように配慮していた。そのため彼らの保護には消極的であったはずだが結局のところ、全猫にワクチンを打つことでいつも通り猫家族を保護したのだった。
保護時に餌で釣ろうにも見向きもしなかった父親(と思しき猫。のちのしま蔵)は、数週間経つとラバーブラシでごしごしされるのも、ヨーグルトをかけたかりかりも大好物になったのだった。お刺身も大好きで、食べ終わったあとのお皿をしばらく離さないほど。野良での暮らしが長かった猫は家の中のものが目新しいので、あちこちを探検する。
しかし猫医者の前では漬物石のように丸まってしまう臆病ぶりも発揮する。
母猫と子猫2匹が里親の元へ縁付いた後、しま蔵の子分なのかもう一匹の野良猫が作者の家の庭に現れる。捕獲に数日要したしま蔵一家とは違い、たった30分で捕獲できた。ほかの猫とはうまくやれるものの、なぜか時折他の人間に対して攻撃スイッチが入ってしまうため、作者の家で家猫修行をしている。

変化

作者は規則正しい生活をするのが好きで、7時に猫のご飯、8時に人のご飯、というように明確に時間が決まっている。就寝の時間には、寝室を根城としているしま蔵が作者を寝かしつけるようになった。しま蔵の寝相が悪く、枕を取られたり、寝返りを打つスペースがなくなったりしているが、しま蔵は作者と寝るのが大好きである。
いつもステキ王子の胡ぼんであるが、例外なく年を取るもので投薬がはじまった。トムと同じ薬で尿比重の数値を安定させるためである。
17年、18年、19年と立て続けに愚連隊のメンバーを失った作者は、仁尾智の歌を引用し、「私にとっての桜」が増えていく様子が描いている。

『くるねこ』の登場人物・キャラクター

主要人物

くるねこ大和(作者)

作者。

CV:小林聡美(第1シーズン)/中谷美紀(第2シーズン)/今井麻美(タテアニメ)
酒と時代小説が道楽。なぜかしょっちゅう捨て猫に遭遇する。しかし他人に猫好きでしょうと言われると、別にと言ってしまう天邪鬼。
落語が好き。いつも同じ服を着ているように見えるのは、いいと思ったら何枚も同じ服を購入するため。
毎日同じことをするのが好きで変化が嫌い。
デザイン会社に就職した後、2006年に独立。主にパッケージデザインの仕事をしている。ブログはライフワーク。頭痛持ち。
2011年4月1日に夫と結婚。

作者の夫。

「乙女」「トゥさん」との通称がある作者の夫。
どこに出しても恥ずかしいオタク。もじゃもじゃした長髪と大きな目が特徴。甘いもの好きの下戸。釣りが好き。
7時半に起きるが起きてこない場合はマル胡ゆ兄弟が寝室に乱入して起こす。蟹が大好物。

おとう

おとう。

作者の父。猫好き。よく生き物を拾う。実家で飼われている猫のまだら丸の写真を送るなどブログのネタを提供してくれるが、あまり使えないものが多い。アナグマを捕まえたことがある。

おかあ

おかあ。

作者の母。しょっちゅう家族が獣を拾ってくるので世話に追われている。電話を切るのが趣味のまだら丸と戦いながら通話をしている。料理上手。捕獲器を作成し、狐を捕獲した実績がある。

妹。

作者の妹。おかあ似の美人さん。よく生き物を拾う血を受け継いでいるが拾った後は作者に託す。作者の家で飼われている愚連隊の1匹であるトメを見たことがない。

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