くるねこ(はぴはぴくるねこ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『くるねこ(はぴはぴくるねこ)』とは、エンターブレイン社から2008年から出版されている、くるねこ大和のブログ本である。単行本20巻までが『くるねこ大和』、21巻以降は新規の読者が手に取りやすいよう『はぴはぴくるねこ』と改題された。作者くるねこ大和は愛知県在住の自称酒とケモノを愛するおばさん。江戸時代が好きで時代小説が愛読書である。作者、夫、飼い猫たちとの日常を漫画と写真で綴るほのぼのとしたブログ。飼い猫たちは愚連隊と称され、作者が彼らの病や死と向き合う様子も描かれている。

鼻さえ隠れていれば全身が見えてないことになる。ただし胡ぼんのみに適用される。
また、箱やベッドなどに一番に乗る、または入ると所有者になる。

ステキ化

作者の夫の膝をステキ化している胡ぼん。

胡ぼんの脳内では、自分はとてもステキな王子様。なので関わる全てがもれなくステキになる。胡ぼんがいる布団も座布団もステキ化される。

おいしいお水

シリンジで飲むぬるま湯のこと。8番目と9番目の愚連隊であるマルと胡ゆっきは、シリンジを使って作者に授乳されたので、シリンジで飲むと水が美味しくなる。尚、ほかの愚連隊の胡ぼんや胡てつがシリンジで水を飲んでも、ただの水である。

ハルカイックスマイル

ムカデを見つけてハルカイックスマイルを浮かべているハル。

大きい虫を見ているときになぜかハルが微笑むこと(チビビを見ても発動する)。

へのへの

お刺身が食卓にないため、特別なおすそ分けがもらえずへのへのしている胡てつ。

たとえば夕食にお刺身がなくて特別なおすそ分けがもらえずに胡てつがしょんぼりしている状態。

『くるねこ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

もんさんとのお別れ

愚連隊の面々も例外なく年を取る。最初に旅立ったのはもんさんだった。
『くるねこ10巻』に掲載されているもんさんの最期は、いつものように淡々と描かれているものの、「もんさんは本当にもういないんだな」という、ぽつりとした作者の言葉が悲しい。

トメとのお別れ

『はぴはぴくるねこ2巻』 P243。

トメの最期が近づいていた時に、作者は命を湖から流れ出る川に例えている。トメの湖はからっぽになりかけていた。それをなんとか誤魔化しながら延命している状態の折に作者は老人2人がやってくる夢を見る。害意も悪意もなさそうな老人だが死神だった。毎晩やってくる死神を丁重に追い返し続けていたが、ある朝、もういいよ、とトメが言う。言葉もなく逝ってしまったトメをそっと作者が抱き上げるシーンは静かであるがゆえに心に迫るものがある。

ポ子とのお別れ

『はぴはぴくるねこ5巻』 P250。

数えで20歳になったポっちゃんはよく眠るようになった。1センチでも高いところでなければ女帝ポっちゃんの機嫌を損ねてしまうため、段ボールを土台にした玉座(ベッド)で死に際の様相はなく、ただ眠る。穏やかに、しかし刻々と死の準備を進めているポっちゃんに、作者はアポトーシス(細胞が予定通りに正しく死ぬこと)を重ねる。
アポトーシスとは、語源がギリシャ語で「木の葉が落ちる」ことを指す。あらかじめプログラムされた細胞の死である。
ポっちゃんは自分で自分の死のタイミングを決め、何ものにも左右されることなくそれを貫いた。何も食べなくなってから3週間後の深夜だった。作者へ向けて少しうぇうぇとおしゃべりをした後、静かで長い深呼吸をして、落ち葉が落ちるようにそのまま息を引き取った。読者の涙を誘わずにはおかない名シーンである。

『くるねこ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

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