君に届けの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『君に届け』とは、椎名軽穂により描かれた作品。根暗で控えめな主人公黒沼爽子が、爽やかなクラスの人気者の風早翔太に恋をし、成長していく姿を描いた青春ラブストーリーである。人と関わりを持つことが出来なかった爽子が、風早と出会ったことをきっかけに人間関係が広がっていく。自分の素直な気持ちと向き合い、恋に友情にと奮闘する姿が描かれている。個性溢れる登場人物の感情や想いが交錯し、思わず応援したくなるような作品となっており、故に名言が多い。

進路に迷っているあやねが担任の教師のピンに「何で教師になったの?」と尋ねる。ピンは野球のセンスがあり、スカウトもきていたが教師になる道を選んだ。そのことを知っていたからこそ、プロではなく無難に教師になった決め手を知りたかった。それに答えたセリフが「やりたかったんだよ、高校野球をもう一回」である。ピンは教師になりたいと思い教師を選んだのではなく、高校教師になることで、高校野球をもう1回やりたかったという強い意思があった。いつもふざけてばかりの教師だが、自分の考えや価値観を大事にしてそれを行動に移しているピンに魅了を感じさせられる名セリフである。

「おまえはなどこに行っても何をやっても頑張れる!」

成績優秀の爽子だが、親に学費のことで迷惑をかけたくないという思いから、進路先を「就職」としていた。それを見た担任のピンは、爽子が選択肢が見えていないことや爽子自身が思っているよりもずっと能力が高いことを伝える。そして、爽子にはいい長所があると言ったセリフが「おまえはな、どこに行っても何をやっても頑張れる!」である。いつも自信の無い爽子は、自分の長所や将来の夢など考えたことも無かったが、ピンの言葉で自分を見つめ直すこととなる。ピンのセリフから、爽子は将来教師になることを目指して成長していくのである。

「自分の限界をものすごい手前で先に決めてるんじゃないのか?」

矢野との三者面談の時に教師のピンは、矢野の可能性を信じている。そして、矢野が自分で自分の能力に応じて選択の幅を狭めて無難な道を選ぼうとしているのではないかと問う。その時に言ったセリフが「自分の限界をものすごい手前で先に決めてるんじゃ無いのか?」である。今まで自分の気持ちは置いておいて、やりたいことや好きなことは後回しにしていた。また、自分に自信が無く自分の可能性も低く設定していた。しかし、ピンからのこのセリフで矢野は合格は難しいかもしれない大学に挑戦することを決意する。矢野を動かし、挑戦する意欲を与えたこの言葉は印象的である。

「頑張った奴はな、みんな頑張った記憶の分だけ後悔があんだよ。お前と一緒にするな!...まちがったってなんだっていうんだ。ちゃんと後悔しろ!次に生かせ」

矢野のことを本気で想い大事にしてくれている健人だが、矢野自身は健人に気持ちが無い。矢野は優しくしてくれる健人と付き合っているが、触れられたことを咄嗟に拒否し傷つけてしまった。そして、自分の気持ちが無いまま付き合ってしまったことを後悔し、まちがってしまったと悲しみを抑えきれない。その時に担任のピンがいたので「あんたは後悔したことなんてないんでしょ?」と言う。それに対してピンが言ったセリフが「頑張った奴はな、みんな頑張った記憶の分だけ後悔があんだよ。お前と一緒にするな!...まちがったってなんだっていうんだ。ちゃんと後悔しろ!次に生かせ」である。ピンは高校野球の監督をしており、選手達は必死で練習しても勝つか負けるか分からない。勝っても負けても後悔することがほとんどであると伝える。後悔は自分の頑張りから生まれてくるものであり、まちがったり悩んだりしながら次に繋げるものであると教えてくれる奥の深いセリフである。

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