君に届けの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『君に届け』とは、椎名軽穂により描かれた作品。根暗で控えめな主人公黒沼爽子が、爽やかなクラスの人気者の風早翔太に恋をし、成長していく姿を描いた青春ラブストーリーである。人と関わりを持つことが出来なかった爽子が、風早と出会ったことをきっかけに人間関係が広がっていく。自分の素直な気持ちと向き合い、恋に友情にと奮闘する姿が描かれている。個性溢れる登場人物の感情や想いが交錯し、思わず応援したくなるような作品となっており、故に名言が多い。

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「ムリめだから越えたいの。認めたいの自分を」

合格は厳しいと言われている国立の大学を受験することを決めたくるみは、必死に勉強に励んでいた。爽子に問題の解き方を教わり「一緒に勉強しよう」と伝える。それを聞いた矢野は、爽子とくるみを羨ましく思い、ムリめなとこを目指すのは怖く無いのかを聞いてみた。その言葉に対してくるみが言ったセリフが「ムリめだから越えたいの。認めたいの自分を」である。容姿は良いが、実は自分に自信がないくるみ。自分自身を認めるため、周りに認めてもらうために合格はムリだといわれる大学に挑戦することにした。くるみの強い意志は、爽子の受験をも後押しし、さらに爽子と同じ大学を受験することからライバル関係が強くなったと印象づける名セリフである。

三浦健人(みうらけんと)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「すきだよ、あやねちゃん。もうあやねちゃんの後ろ姿見送るのはいやだ。オレあやねちゃんがかわいいよ。あやねちゃんが大好きだよ。不器用でおひとよしで...すきなんだよ、すきだ!今まで誰も好きになってないなら、オレを好きになってよ。今すぐじゃなくてもいーよ。オレをすきになって。オレが大事にする。あやねちゃんを大事にする」

自信が無くて、自分なんかが本気で好きになってもらえる訳がないというあやね。そんな彼女を気にかける三浦健人(みうらけんと)は、ある時、あやねのことを「期待はずれ」と言っている元彼に腹を立てて殴ってしまう。そして、健人はあやねのことを誰よりも大事にしたいと感じるようになる。その時にあやねに伝えたセリフが「すきだよ、あやねちゃん。もうあやねちゃんの後ろ姿見送るのはいやだ。オレあやねちゃんがかわいいよ。あやねちゃんが大好きだよ。不器用でおひとよしで...すきなんだよ、すきだ!今まで誰も好きになってないなら、オレを好きになってよ。今すぐじゃなくてもいーよ。オレをすきになって。オレが大事にする。あやねちゃんを大事にする」である。自分の感情や気持ちを表現するのが不器用なあやねを放っておくことができない健人の強い気持ちと愛情が表れた名セリフである。

荒井一市(あらいかずいち)/ピンの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「なんなんだかわかんねーけどよぉ...おまえ人のせいにすんなよな!人のせいにしたって解決なんかできねーんだ。おまえ自分でなんかどーにかしたか?この先理不尽なこともいっぱいあるだろーけどよ結局おまえが自分でなんとかするしかねーんだよ」

矢野は、爽子や千鶴が見ているこっちが恥ずかしくなるような純粋な恋愛をしていることを眩しく感じ、爽子との関係に思い悩んでいた。また、ケントからもわかりやすく大事にされていることを伝えられ、進路に対してもそれでいいのかと聞かれるたびにむしゃくしゃしていた矢野。彼女はそんなもやもやした感情にどう向き合えばいいのかわからず、らしくもなくケントに八つ当たりをしてしまう自分にもいら立ちを覚えていた。
そんな日々の中、矢野は生徒から慕われ「ピン」と言うあだ名で呼ばれている担任の荒井一市に会い、「あんたのせいで爽子が自分のことをどう思っているのか聞けなかった」と話をする。人のせいにする発言をした矢野に対してピンが言ったセリフが「なんなんだかわかんねーけどよぉ...おまえ人のせいにすんなよな!人のせいにしたって解決なんかできねーんだ。おまえ自分でなんかどーにかしたか?この先理不尽なこともいっぱいあるだろーけどよ結局おまえが自分でなんとかするしかねーんだよ」である。いつもはおちゃらけていて教師らしくないと思っていたピンから、きちんとその悩みと向き合えと言葉をかけられた矢野は、彼の言葉や爽子たちがそれぞれに進路に向けて頑張る姿から、自分の進む道をどうするのか逃げずに考え、行動を起こせるようになる。
「人のせいにするのは簡単ではあるが解決にはならない」という、対人関係での真理をわかりやすく突き、長い人生で自分がどうしたいかを考え行動していく必要性と、自分で物事を決断し責任を負うことの重要さをピンらしい言葉で伝えた、非常に印象的なセリフである。

「高校生の男なんてなぁ 好きだろーと好きじゃなかろーと告白でもされた日にゃその1日はそいつのことで頭いっぱいよ!」

くるみに告白されたと勘違いした教師のピンは、「次は同年代を好きになれよ」と伝える。それには、ピンなりの理由があり、その時のセリフが「高校生の男なんてなぁ 好きだろーと好きじゃなかろーと告白でもされた日にゃその1日はそいつのことで頭いっぱいよ!」である。高校生は単純なので、告白されたら素直に喜び、そのことで頭がいっぱいになってしまうとくるみに伝えた言葉である。本当は風早のことが好きなくるみは、告白したが振られていた。その話を聞いて、その日風早が、自分のことで頭がいっぱいになってくれたら嬉しいと感じられる場面が印象的である。

「やりたかったんだよ、高校野球をもう一回」

進路に迷っているあやねが担任の教師のピンに「何で教師になったの?」と尋ねる。ピンは野球のセンスがあり、スカウトもきていたが教師になる道を選んだ。そのことを知っていたからこそ、プロではなく無難に教師になった決め手を知りたかった。それに答えたセリフが「やりたかったんだよ、高校野球をもう一回」である。ピンは教師になりたいと思い教師を選んだのではなく、高校教師になることで、高校野球をもう1回やりたかったという強い意思があった。いつもふざけてばかりの教師だが、自分の考えや価値観を大事にしてそれを行動に移しているピンに魅了を感じさせられる名セリフである。

「おまえはなどこに行っても何をやっても頑張れる!」

成績優秀の爽子だが、親に学費のことで迷惑をかけたくないという思いから、進路先を「就職」としていた。それを見た担任のピンは、爽子が選択肢が見えていないことや爽子自身が思っているよりもずっと能力が高いことを伝える。そして、爽子にはいい長所があると言ったセリフが「おまえはな、どこに行っても何をやっても頑張れる!」である。いつも自信の無い爽子は、自分の長所や将来の夢など考えたことも無かったが、ピンの言葉で自分を見つめ直すこととなる。ピンのセリフから、爽子は将来教師になることを目指して成長していくのである。

「自分の限界をものすごい手前で先に決めてるんじゃないのか?」

矢野との三者面談の時に教師のピンは、矢野の可能性を信じている。そして、矢野が自分で自分の能力に応じて選択の幅を狭めて無難な道を選ぼうとしているのではないかと問う。その時に言ったセリフが「自分の限界をものすごい手前で先に決めてるんじゃ無いのか?」である。今まで自分の気持ちは置いておいて、やりたいことや好きなことは後回しにしていた。また、自分に自信が無く自分の可能性も低く設定していた。しかし、ピンからのこのセリフで矢野は合格は難しいかもしれない大学に挑戦することを決意する。矢野を動かし、挑戦する意欲を与えたこの言葉は印象的である。

「頑張った奴はな、みんな頑張った記憶の分だけ後悔があんだよ。お前と一緒にするな!...まちがったってなんだっていうんだ。ちゃんと後悔しろ!次に生かせ」

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